昼食に誰かを待つ日は

2019年07月14日(日)

少しだけ職場に行った後、昨日はずっとハン・ガンの『菜食主義者』を読んでいた。
コインランドリーに行って洗濯物を回している間、電車に乗っている間、Iの部屋にいる間。
久しぶりに本を読んで泣いた。血を吐くようにして書かれたものを読んでいると、心臓を掴まれたような息苦しさがある。自分の内にある暴力や、受けていたかもしれない暴力、誰の中にも潜んでいる静かな暴力を抉りだされる。同時に小さい光がその中にある。あまりに衝撃的で、鈍器で頭を殴られたような衝撃が走りつつ恍惚感があり、読了後は一言も何も話すことができずただ呆然としていた。

慰めや情け容赦もなく、引き裂かれたまま最後まで、目を見開いて底まで降りていきたかった。

あとがきの一文、とてもかなわない。


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左岸 [MAIL]