昼食に誰かを待つ日は

2019年07月02日(火)

うらない師のひとがたくさんいる場所へ行った。隠れ家みたいなバーで、そこにたくさんのうらない師のひとたちがいたのだった。髪の毛をレゲエ風に結った女性が目の前にすわっていて、挨拶をする。不思議とみなさんの目玉が黒ではなくて、変な色をしていた。そして眼球の動き方に違和感があった。何を見ているんだろうと思い、目を伏せたくなったが逆にずっと彼らの目玉を凝視してしまった。わたしだけがここでうらないのことを何も知らないので、ぽかんと口を開けてさまざまな、易経がどうだこうだという話を聞いていた。その女性は岩波書店から出ている『易経』の上下巻を持ち歩いていて、見せてもらうと、とてつもなく小さな文字が膨大に書きこまれてあった。赤いペンや緑色のペン、そして鉛筆で。読めない漢字は必ず辞書で調べ、わからないことは何度も何度もわかるまで読み返していたらしい。その女性の肩書きは、聞いて驚いてしまうほどエリートそのものだったけれど、それは嘘なんではあるまいかと疑いたくなるほど女性の性格は奔放で、そこがなんとも魅力的だった。ポールダンスをしているそうだ。いいなあ!というと、「来れば?」じゃなくて、「ポールダンスやってみりゃいいじゃん!」と屈託のない顔で言われたのだが、自分がポールにまたがっている姿を想像するだけで爆笑ものだ。セクシーさの欠片もない。(その後、そこで働いていた男と女のえげつない話になったのだがこれは割愛。でもここが一番面白かった)
なぜ自分はここにいるんだろうと思わざるを得ない状況ではあったが、ひとりひとりのひとがちゃんと目を見て真剣に話を聞いてくれ、さらにユーモアがあったのでとても楽しく過ごした。わたしは基本的に自分の未来や性格を知るのが怖いため、できる限り自分を占って欲しくなかったのだが、とある男性に生年月日を聞かれて、なんとなくの今年の意向を伝えられてしまった。(あまり良くないのね)それから、最適な職業も。
魔界から一歩外に出ると、体が不思議とふわふわしていた。良いのか悪いのか、わかんない。


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左岸 [MAIL]