昼食に誰かを待つ日は

2019年06月25日(火)

パナソニック汐留美術館で『ギュスターヴ・モロー展』を観た。これは土曜日の話だ。
Iもいたけれど、私たちは一緒に絵をみていない。別々に行動していた。ほとんど描かれているのは神話や聖書に登場する女性で、彼女らは「男性を死へと導く女性」、「誘惑され破滅へと導かれる危うい存在」というような視点で描かれていた。なかでも、私は小さな額縁におさめられたサロメの絵に惹かれた。決して目立つ絵ではないけれど、強く印象に残っている。彼女が纏っている衣装(巫女のようにも見えた)、右側の空白(彼女は左側にいて、誰かと対峙しているような姿勢にもかかわらず目の前には誰もいない)独特な赤い色の絨毯。そしてなにより、彼女の姿勢。Iに言われてハッとしたけれど、それは確かに「能」を想起させる姿勢だった。今にも静かに、彼女がそのままゆっくりと動き出しそうな、コマ送りのひとつを取り出して眺めているような。だから何もかもに注意し、目を凝らす。でないと、ささいな動きを見逃してしまうような気がした。(でも、Iいわく今回の展示は素描ばかりで味気なかった、ということ)

コンバースを履いた女の子の歌をうたっているK君、その後ろでドラムを叩いているKさん、仕事途中でひょっこり現れたJ、などに会えて嬉しかった。ほとんど会話はしていないけれど。それにしても、昼間のライブは良い。終わった後はまだ15時くらい。散歩ができる時間だ。

Iがポルトガル語を練習していたから便乗し、ちょっとだけ教えてもらう。
夜は北野武の『3-4x10月』を観る。主人公の男の顔が良い。と改めて思う。
たけしは、なぜバイオレンス映画に走ってしまったんだろう?

月曜日。
IMAXで映画『アラジン』を見る。散々見たい見たいとわめいていたのがようやくかなった。
子供の頃からアラジンの歌が好きで、映画ではアレンジされてはいたけれど、良かった。
アラビアンナイトが最高で、この曲は「大音量で聴くのが正しい」と気がつく。
ジーニー役のウィルスミスを見て猛烈に羨ましくなる。ジーニーの役を演じられる人生!なんて愉快なんだろう。

火曜日。一日中具合が悪かった。



 < 過去  INDEX  未来 >


左岸 [MAIL]