朝。目覚める。気分がすぐれないまま自転車をこぐ。
早稲田のシャノアールで、漫画を描いている女の子と打ち合わせ。 ギラギラのシルバーのミニスカートに水色のキャリーバッグ、厚底のサンダルという姿で現れた女の子はすべてがぴったりで、しっくりで、素敵であった。煙草はハイライト。
助手の男の子(彼氏)が途中ひょっこり現れて、ふたりで締め切り間近だというので漫画を描いていた。 「とっても上手だよ」「あ、この絵すごくいいねえ」「わあ、かわいい」という会話が純粋でなにも汚れがなく、なんだかとても尊いものを見ているようだった。
わたしは昨日、日記に、何にも思い入れを持てない、と書いている。 そんなようなことをすべて吹き飛ばされて、彼女らの会話、共同作業、作品を見ていると、その愛情を分けてもらっているようで、とても、とても何かがほぐされていくようだった。 気分が優れていなかったにもかかわらず、結局かなり幸福な気持ち。幸せだった。本当にありがとう。
途中で井上くんがやってきた。遠い、と昨日書いていたけれど、普通に近くにいた。 近くにいないと思い込んでいただけで、近くにいると、近くにいる。 肝心の仕事についてはどうなるかわからず、憂鬱なのはこの点だったのである。
今日ふたりはお揃いのマニュキュアをつけていて(ピンクのギラギラしたやつ)、一緒に、本当にうれしそうにしていた。
|