昼食に誰かを待つ日は

2019年06月03日(月)

朝。なぜか早起き。うっすらと寒い。

自転車。通勤。昼過ぎに本気で眠くなって、うとうとしてしまった。本気で眠りたかったのに電話が鳴って眠れなかった。Hさんは珍しく部屋着のような格好で来て、顔も寝起きで寝癖も付いていて、昨日の疲れが全然取れていないようだった。

夕方過ぎに小さな食い違いが起きて、進行中のことを1から見直さなければならなくなった。
熱を持つひとにストップをかけようとしてもそううまくはいかず、見直しの提案をしようとしたところであちらから2倍3倍もの提案が来て、そこで私は完全に引いてしまった。
失望させてしまうかもしれないし、あるいは相当怒らせてしまうかもしれない。
以前なら食いかかっていたような気がするけれど、もうそういうことはしたくない。
なぜならものすごく、精神がすり減るし、労力がかかるから。それで良いものができれば良いけれど、自分の場合どんなに何かを頑張っても、それに思い入れを持つことができない。ただただ精神が削れるだけ。
冷静に、ときには受け流すくらいの心持ちでいたい。それでも明日が憂鬱だ。段取りを間違えるとひどく厄介だ。

ストレスはなるべく溜めたくないから、きょうも早く寝ましょ。
とてつもなく気が塞ぐ。あした、とある女の子に会うけれど、すべての段取りを間違えているからあしたは会う日ではなかったのだ、と先ほど気がつく。予想外なことが起こるのは承知のことだけれど、ある意味ひとりで仕事をしているようなものだから、いつも自己嫌悪だ。あまり好きではない仕事だからこそやれるのだ、と思いたい。

この世に新しい本なんて、もう出なくていいんだよ、と心底思っている。ごめんなさい。
ただでさえ紙がすくないのだから、本当に必要な書物だけが残ればいいのに。

自分のせいで無駄なものを増やすくらいなら、すぐにでも消えたいと思う。
物を書く人は、そのくらいの精神で書いてほしい。大抵の書物を信用していない。

そうだ。昨日怖い夢を見た。
寝ていたら、目が覚めて、突然ドアが開いた。うっすらした蛍光灯の白い光だけがぽっと四角く浮かび、開いた扉から誰が入ってくるでもなく、ただ開いて、しばらくするとバンっと突然閉まった。
それだけの夢を見て、深夜に目覚めて、思わず扉のほうに目をやったけれど何もない。たったそれだけの夢が恐ろしく不気味で、しばらくは寝付けなかった。何も見えなかった。
変な夢、ときどきこの部屋にいることが息苦しくなるし、そう考えるとすべてが息苦しい。
きっとどこにいてもそうなんだろう。
ずっと隣に人がいたら、同じ部屋に人がいたら、息詰まって気が狂いそうになるのかもしれない。
歩み寄りたいひとがいるけれど。
極度に自分の存在を希薄にしたい。そうしたらどれだけ楽だろう。
だから、薄紙みたいなHさんを、とても見てしまう。空気みたいな彼女を見てしまう。
(そう。今日は「青天の霹靂」という名のお菓子をもらった)
けれど彼女は以前、恋人と一緒に住んでいたことがあったそう。それも6年も。
それを聞いて意外だったのと、すこしショックだった。わたしは出来ない。どうして一緒にいられたんだろう。その相手をすこし羨ましく思ってしまったのもよくわからない。

Hさんとは旅もしたいし、一緒に料理も作ってみたい。
井上君は近くて遠くて近くて遠くて遠くて、それはきっと、適度な、適切な距離なのだと思いたい。
近い間合いになったことなど、一度もないような気がするけれど。


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左岸 [MAIL]