てくてくミーハー道場

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2020年01月16日(木) 『シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ』(シアタークリエ)〈予告〉

ゆうみ(咲妃みゆ)上々吉





タイトルだけは知っていた純国産ミュージカルですが、観る機会を逃したままここまで来てしまい、今回初めての観劇となりました。

これを言うと申し訳ないが、たぶん今回も音楽座での上演だったら観に来てなかったと思う。東宝製作ありがとう。←

ただぼくはひねくれ者なんで、「宇宙人の魂の仮の宿主として死んだはずの女の子が生きながらえる」という設定と、昭和末期の時代設定の中での男女の純愛(これを卑近なものと見ること自体ひねくれてるんだけど)を掛け合わせたストーリーと分かった瞬間、思いっきり腰が引けてしまうのだった。

不幸な生い立ちゆえに心がとがっている本当は純粋な女の子と、どこまでも優しい青年がふとしたきっかけで出会って愛し合うようになる――そういう話、普通ならぼくは絶対観に来ない(そうでしょうねえ・・・)

多分、音楽座がこの作品を初演した当時(30年前だそうです)なら、観てもげんなりしてたと思う。苦手なんですよ、こういう話ほんとに(宇宙人のタームはまた別にして)

でも、これは本当に腹立たしいことなんだけど、幼い女の子が継父に性虐待をされてました、ってストーリーの演劇を観たとして、30年前のぼくなら、

「いくら“不幸”を表現したいからってやりすぎだろ。昔の大映テレビかよ。却下」

と思ってただろう。が、今や、こういうことがしばしば現実にあることを知ってしまっている。

多分、昔も本当にそういうことはあったんだろう。

だけど、めったに表沙汰にならなかったし(そこも病的だけど)本当にレアだったんだと思いたい。

かつては荒唐無稽だと思えた佳代の生い立ちが、実は珍しくもないものだと思わせられてしまう時代に日本はなってしまった。

おそらく当初の創り手の希みとは完全にはずれた感想だと思うんだけど、今回初見の観客としてはこの事実が一番突き刺さってきた次第です。





なんか、めっちゃ厭世的な感想になってしまったけど、作品自体にはちゃんと感動しました。

でもそれ以上に、カーテンコールで土居裕子さんが歌う「ドリーム」のワンフレーズを聴いた瞬間、全身に鳥肌が立ってぶわーーーーーっと涙が溢れてしまいまして、それで全部ふっとんじゃった。

お話の中身じゃなくて、そういうことに感動するのってひねくれてるよね。

ゆうみを思いっきり褒めたいんですが、今そのトリハダを抑えるのが大変なので、ちょっと時間経ってから再開します。

(ほんとか?)


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