てくてくミーハー道場

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2019年10月18日(金) 『組曲虐殺』(銀河劇場)

三演目にしてやっと観に来れた。

正直、この作品を観るのは覚悟が要った。

タイトルが怖すぎるってのもあったんだけど(実際には「そういうシーン」は出てこないと事前情報で判ってはいても、やはり、ぼくには怖かった)

チラシとかの紹介文で、「笑いと涙に包まれた」とか書いてあるけど、ぶっちゃけて言います。未見の方を脅かすつもりはないけど、この芝居、重いです。とても重いです。ほんわかするつもりで観てはダメです。

もちろん、ほんわかるすシーン、笑えるシーン、たくさんあります。登場人物も、全員“善い”人たちばかりです。

でも、だからこそ、重い。

井上ひさしの作品は、思えば、そんなんばっかりだ。

笑える。楽しい。出てくる人みんなを愛さずにはいられない。

だけど、だからこそ、「あー良かったね」で終わらないんだ。どれもそうだ。



実は、ぼくはこまつ座の作品を観るとき、劇場に入ってもワクワクしない。

なのに、上演されていると知ればついつい観に来てしまう(見逃すものもあるけど)

こまつ座の作品は、にっぽん人の義務として、観なきゃならないような気持ちになってしまう。

これこそがまさに“演劇”のレゾンデートルなのではないかと思ってしまう。





出演者寸評

井上芳雄:丸々と太ったインドマグロのごとき脂の乗りっぷり(←褒め方がかなり失礼)

上白石萌音:必要以上に美人じゃないところが素晴らしい!(←おいおい失礼にも限度があるぞ)

神野三鈴:うますぎて話にならない(←感動のあまり褒め方が変)

高畑淳子:あて書きですよね?そうですよね?(←そろそろ怒られるぞ)

土屋佑壱&山本龍二:これぞ井上ひさし(え?ニコイチ?)

そして

小曽根真:この人がいなかったら、ここまでの名作になっていなかったのではないか。ぼくなんかが偉そうに言うことではないけど。





さて、今後再演されたらぼくは観にいくでしょうか。実は若干不安である。

それくらいぼくには重たすぎたのである。

だが、観たことを1グラムも後悔はしていない。それだけは言える。

以上です。


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