てくてくミーハー道場

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2019年05月31日(金) シアターコクーン・オンレパートリー2019『ハムレット』(Bunkamuraシアターコクーン)

このコヤの『皆既食』で出会って以来、ぼくが絶大なる信頼感を抱いている岡田将生君ですが、その彼がハムレットを演じるということで、「そんなに期待しちゃいけない」と自分にブレーキをかけながらやってまいりました(なぜ?!)

だってね、ハムレットって役はね、誰がやってもそれなりになる役の代表なのよ。

そのくせ、大したことないとあっさり記憶が消えてしまうというやっかいなキャラクターなんです。

ぼくの中では、藤原竜也の初演(2003年シアターコクーン)が未だに最高峰なんですが(彼より前の時代にはちゃんと観てないので、偉そうなこと言えないのですが)、ホレイショーは円城寺あやさん(1993年『暴君(BROKEN)ハムレット』)で、クローディアスは平幹二朗(2016年彩の国さいたま芸術劇場)で、オフィーリアは植本潤(2002年メジャーリーグ版)ていうめちゃくちゃさ。



そんな変態なぼくを迎え撃つ(?)のは、ホンは河合祥一郎先生の正統派。妙な新解釈はなし。演出はサイモン・ゴドウィンが日本初お目見えということで、若干緊張したんですが、この辺もさほどウルトラCな解釈はなし。フォーティンブラスも普通にしゃべってました(コラ)

そのフォーティンブラスは最近テレビCMでよく顔を見る村上虹郎君だったのですが、舞台では初。実は今回、フォーティンブラスもホレイショーもレアーティーズもぼくがあまり観てこなかった役者さんたちで、先入観を抱かずに済んで、そこは良かったと思います。

良くなかったのは、美貌(体形含む)のバランスがとれてな(黙れ!)点。

今思い返してみると、タツヤ君初演時のキャスティングって、オンナコドモ大絶賛の2.5次元だったんだなあ。いや、こないだの彩の国版もそうだけど。そういうところって意外と大事なのかも(え)

ほんで、今回良かったと思ったのが、いつもはさして言及しない女性陣。

ガートルードの松雪泰子、良かった。明らかに“夫のいない時期”を我慢できないであろうザ・女(褒めてるんです!)のたたずまい。

旅役者たちの芝居の後にハムレットに罵られる場面なんて、岡田・松雪両人が美形すぎるせいでちょっとあやしい雰囲気になっちゃって、実の母子の設定なのにドキドキしてしまいました。

オフィーリア・黒木華。華ちゃんの実力には一目も二目も置いているぼくなのですが、“美貌”という点がちょっと弱いか(おい)

むしろ「黒木華なので期待しちゃうぞ」っていう気持ちが良くなかったのかな(あれ?)、けっこう抑えたつもりだったんだがな。

普通の女優さんが演るオフィーリアの正解が未だぼくには見えてこない。これはどうしたものか。



で、「ええっ?」と思ったっていうか笑っちゃったのが、ある種の客が思わず期待してしまうローゼンクランツとギルデンスターンが、今回なんと夫婦(ギルデンスターンが女)という設定だったんです。

サイモン・ゴドウィン、ちょっとそこ座れ(?)

意味は何だ?(えっと・・・)

まあこの二人って、そもそも「『ハムレット』の中で、一番ないがしろにされてるキャラクター」だもんなあ。こんぐらいの遊びはしてもいいのか。・・・いいのかな?よくわからん。

夫婦という必然性がほとんど感じられなかったんですが、何だったんでしょうかね。



ま、こんなとこか。

岡田君についてほとんど書いてないけど(おい)

期待を裏切ることはなかったけど、それを超えてくることもなかった、というのが正直な感想。

ひたすら「いい男だなあ・・・」と思って見てました。(それって良いこと?)


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