てくてくミーハー道場
もくじ|前回てくてく|次回てくてく
2017年04月23日(日) |
『Romancing SaGa THE STAGE〜ロアーヌが燃える日〜』(サンシャイン劇場) |
さて、伝説の『犬夜叉』の余韻に浸ること一週間。
当時20代半ばの心身ともにエネルギーに満ち溢れていたあつくんも、今や齢4(略)←アンタ本当にファンなの?
そんなあつくんですが、なんと喜ばしいことに少年性は未だ健在。
over 40にもかかわらず、激しい殺陣で有名な30-DELUXの準団員化しております。
というわけで、本日東京千穐楽におじゃましました。
しかしまぁ、いくら30年来(!)のファンとはいえ、原作への知識がまったくないのに、とうとうゲーム原作の作品までよく観にきたなぁと我ながら感心。
いや待てよ。
そもそも演劇を観るのに、予備知識がなきゃならないルールなんてないじゃないか。
むしろ、何も知らずに観た方が、その作品の良し悪しを公正に判断できるというものだ。
というわけで、すがすがしいほどにまったく「ロマサガ」の予習をせずに観劇。
だからこそ、きっぱりと感想が書けます。
舞台化は大成功であったと。
いや、ゲームクラスタの人たちの目にどう映ったかは知らないよ。彼らの中には、小林智美さん(ゲームのキャラクターデザイン担当)が描くビジュアル命という人もいるかもしれないし。
でも、生身の役者たちは近くで見たらアレ()かもしれないが、遠目で(わらくし本日2階席でした)見た限りでは、
「クールジャパンのコスプレスキル、すげぇ!」←
と唸ること間違いありません。
特に、ウイッグの技術はすごいですね。サラサラ長髪(黒髪であれ金髪であれ)を作り上げる日本の毛髪造形技術は世界一じゃないのかしらん。いや知らないけど。←
ちなみにあつくんが演じたシャールというキャラクターは銀の短髪だったのですが、これまたよく似合っていた(銀髪という点は犬夜叉と同じですな)
本来はムキムキのお兄さんらしいんですが、あつくんが演じるとやはり実年齢よりはるかに若く見え、本来のシャールの服装は幾多の戦いでボロった白T白パンなのに、あつくんは王子様のようなたっぷりしたパフスリーブの白ブラウス姿で、二次元キャラにありがちな“不自然な体型設定”(よくあるでしょ?2メートル超の大男とかの設定)を払拭しておりました。
というように、ビジュアル面はもちろんのこと、ぼく的にも一番不安だった「ストーリー理解できるかしら?」に関してですが、むしろこの点が一番良かったのではないかと思います。
というのも今回、30-DELUX名物の“開場早々に始まる前説”のことを忘れて開演5分前に入ってしまったので、「詩人」と「ゆきだるま」による“ロマサガ基礎知識講座”をほとんど聞き逃してしまったのです。
にもかかわらず、ちゃんとお話が理解できました。
終演後にプログラムを読んで判ったのですが、今回の上演化にあたっては、ゲームの製作陣と劇団側のスタッフが2年半もの年月をかけて共同で内容を練り上げたのだそうです。
元ネタの世界観を壊さず、なおかつ舞台で初めてロマサガに触れる人にも「予習を強いることなく」楽しんでもらえるよう努力したとありました。
それはしっかりと成功していました。ゲームを一切やったことのないおばちゃんが言うんだから()間違いありません。
出演者には、あつくんをはじめぼくもまぁ知っている人(元モーニング娘。の新垣里沙ちゃんとか、きたろう(緒月遠麻)とか馬場良馬くん、そしてもちろん座長・清水順二さんとか)もいれば、お初の方も。
先入観なしに観てて今回一番印象に残ったのは、主役・ハリードの想い姫ファティーマを演じた笠松はるさん。
声がすごく美しくてセリフが明瞭だったので、声優さん?と思ったら、元四季の女優さんだった。
後半で朗々とすばらしい歌声も披露。
そういや今回、なぜか2曲だけ挿入歌があって、一曲はそのファティーマが歌う「光を抱いて」
そしてもう一曲「宿命の子」という曲を、まさに“宿命の子”であるサラ役の新垣ちゃんと少年(役名が“少年”・・・ゲーム制作スタッフの力入れるバランスがおかしい←)役の香音有希さんが歌った。
この香音さんがなんか不思議な役者さんで、全然“少年”らしい芝居ができてないので、「なんでキャスティングされたん?」と思っていたら、ののののわんと(驚きすぎ)
O G
だったんでございますよ。いや、“王子”じゃなく(コラ)
つまり、元ジェンヌ。
正直、知らんかった子である。
調べてみたら、美人ざくざく大豊作の89期生らしいのである。
すまんかった。知らなくて。
でも、あの演技力では路線ではなかったんだろう(ずけずけ)と思ってさらに調べてみたら、やはりダンス要員だったようだ。
2014年に退団した後は、OG版『CHICAGO』とかミュージカル『美少女戦士セーラームーン』とか(!)に出演していたようだ。
声が全然男役の声でない(かといって少年の声でもない)ので、退団後はむしろその方が良いのかもしれないが、本日歌を聴いた限りでは、おうたの方もあまり得意分野ではなかったようだ。こういう言い方があるかは知らないが、「コールユーブンゲン歌唱」なのである。
なんか一番ディスってしまってごめん。
正直、この「少年」という役は、中学生ぐらいの男の子に演ってほしかった気がする。声変わり前でも後でも。
贅沢言うならつっきー(松井月杜くん)とかがキャスティングされてたら最高だった。つっても、今つっきーはまさに声変わり最中で、舞台活動はお休み中らしい。
大人の声になったつっきーがどんな作品でカムバックするのか、今のぼくの楽しみの一つである。
話が逸れてしまった。
香音さんばっかりディスってしまって申し訳ないのだが、きたろうが“ロマサガ主人公8”のひとりであるカタリナを演じて、それがもう『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』で演じたヤン・ウェンリー以上のビジュアルどハマリっぷり(マント姿お手のもの!)はいうに及ばず、ミラ・ジョヴォヴィッチレベルのクールな女闘士っぷりが目も眩むほど素晴らしかったので、ヅカOGとしてはやはりこれぐらいやってほしいかと(在団時のポジションが違いすぎる気もするが・・・)
とまあ、全体的に満足な公演でした。
唯一、後悔しているというか、むしろここもほめたい部分なのだが、長めのプロローグの締めに主要人物が勢ぞろいするシーンは、各キャラをちゃんと認識した今の気持ちでもう一回見たいなーと思っております。きっとワクワク感が全然違うだろうな。
ただそのためにDVD買うかと言われると(略!)
|