てくてくミーハー道場
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ぼくは心底平和主義者ですので本来このようなタイトルを好んでつけることはないのですが、今回あまりにも熱狂できる事態でしたので、あえて命名いたしました。
たぶん、「連続『ネイサン事件です!』事件」よりは意味通じるかと(^^ゞ
ところで、この「ネイサン事件です」ってモジリ、何歳以上の人だと通じるんだろ? たしか該当のドラマ『HOTEL』(追悼:松方弘樹さん as 東堂マネージャー。安らかに・・・)は第一シリーズ放映開始がもう27年も前で(ネイサンはおろか、羽生君も生まれてない!)、スペシャルが完結したのは2002年なので今から15年前。まあ、それならほとんどの日本人に通じると思ってもいいわけだな。
ちなみに、まったく本人のあずかり知らぬところで日本人に「何度も事件起こすやつ」よばわりされているネイサン・チェンですが、ニワカのぼくは今シーズン冒頭に初めて演技を見たんですけど、日本のフィギュアファンの間では、2013年に福岡で開催されたジュニアグランプリファイナルに出場した時に、
「すげー子いるんだけど」
みたいに認識されたらしいです。それまで噂とか某動画とかでアメリカ男子のホープという情報は入ってきてたけど、実際にその演技を目にしたのはほぼこの時が最初だそうで、そのときシニアの部の優勝者であった羽生結弦選手も、「将来手ごわくなりそうなジュニアの選手」の一人として、ジュニアの優勝者であるボーヤン・ジン選手とともにネイサンの名前を挙げていたというエピソードも聞きました。
で、ジュニアのラストシーズンである昨シーズンにジュニアグランプリファイナルで完全優勝して、全米選手権ではシニアに交じって3位。やっぱりなーと思ってたら、その大会のよりによってエキシビションで大けがしてジュニア世界選手権に出られず、今シーズンどうなるの?!とオタの皆さんをやきもきさせていたそうです(この辺からぼくも名前だけ知るようになった)
そして今シーズン。噂のネイサン・チェンを見てみっか、と動画巡りをして見つけたのは、「Golden West Championships」とかいう謎(コラ)の大会のフリーの動画で、画質はボヤボヤしてるし、上下黒のトレーナーとジャージみたいな衣装で演技してるし、途中で音止まってるし、自分でCD取り替えてまた途中から始めるし、なにこれ練習風景?! みたいなひどい動画で、よく考えたら点数も覚えてないっす。←
競技会っていうより今季のプログラムのお披露目会みたいな趣きの動画でした。
で、よくわかんないまま本格的にシーズン・インしてフィンランディア杯(ここでパトリック・チャンに勝ってるこの子!)、フランス杯(この大会、あんまよく覚えてないぼく←)に出場して、けがはすっかり治ったんだね良かったねーと皆さん安心して迎えたNHK杯。
スケートカナダでまたもや2位力(そんなの要らん!)を発揮した羽生君に挑むツッパリヤン○ー顔の()17歳。
ここまではさほど事件を起こさなかった(←)
だが、とにかく並居る先輩たちを抑えて羽生君に迫る2位。ファイナル出場権を確保してほのかに事件のニオイが漂ってきたのであった。
グランプリファイナルでは、ショートで冴えず「やはりまだまだ大舞台に慣れておらんな」と年寄り(ぼくのことだ)を安心()させておいて、フリーでいきなりトップをマーク!!!(◎_◎;)
あっぶねぇ〜(汗)←羽生君ファンの皆さんの声
何をしでかすだ、おめえ(←)
と、胸を撫でおろした日本のスケートファンが次に遭遇した事件は、まさかの羽生君全日本欠場でした。
これについては既に書きましたので、省略します。
さて年越し前後は、羽生クラスタは去年に比べてかなりヒマだったので(と思う)、ぼくも心置きなく本命様たちにどっぷり浸かって過ごし、たまーに海外のナショナルとか欧州選手権とかの情報を仕入れて過ごしていたら、いよいよアメリカで事件が起こりました(笑)
106.39+212.08=318.47 (◎Δ◎;)・・・(但し参考記録)
やっちまった。・・・やっちまったコイツ←
取り返しのつかないことを(嘘)やってくれた。
(ところで関係ないけど、この大会、女子も男子も優勝したのは「CHEN選手」だったという楽しいオチもあった。中華系の身体能力おそるべし・・・)
そして迎えた四大陸選手権。
ある意味世界選手権より、いやへたすっと平昌オリンピックよりも歴史に残るであろう(まだ分からんけど)“伝説の激闘”が繰り広げられた四大陸選手権2017男子シングルなのでございました。
というのも、単純にネイサンが羽生君に勝ったからということじゃなくて、その、勝負が決まるまでの15分間に、世界中のフィギュアファンが狂喜乱舞するような試合展開が繰り広げられたからなのである(正直ここまで他の選手をすっかりきっぱりいない扱いしてスンマセン!でも許してください!)
まずショートでは羽生君が今シーズン懸念のサルコウ抜けを起こしてしまい3位。グランプリファイナルで羽生君を脅かした若い二人(ネイサンと宇野君)が揃って国際大会で100点越えを果たしワンツーとなりました。
くそっ(←私情まみれ)ま、まだフリーがあるっ!とギリギリしてたら、翌日女子の結果が出てこれまたなななんと初出場シニア1年目の三原選手が優勝!!
きゃー素晴らしい!とちょっとだけ女子に浮気して「幸先いいぞー」(これ、結果別の意味でも幸先良かった)と男子の試合に臨みました。
宇野君が初めて試合で跳んだ四回転ループがばっちし決まったものの、その後トリプルアクセルを二つとも失敗するという珍しいミスで意気消沈。
心臓が口から出そうなほどの緊張(ぼくが)の中、羽生君登場。
最初の三つのジャンプはシャッシャッシャー!()と決めていよいよ問題の四回転サルコウのコンビネーションジャンプ。
わっ!抜けた!!!(TΔT)
えっ?ループつけた?!三連続にしようとした?・・・でも諦めた?
ダラダラ・・・(←ぼくの脂汗)
よし、次、リスフランが心配な(いちいちそういうこと書くな)トゥループ。よしっ決まった!
えーと次は予定だとトリプルアクセルとダブルトゥループなんだけど、さっきのサルコウにつけるはずのトリプルトゥを挽回するために三回転だな、よし。これくらいはぼくにも分かる。
で、えーと次は何だっけ?3連続だっけ。3つ目のサルコウは三回転でいいんだ・・よ・・・な・・・・
えっ?
な、何やってんの?羽生君?
・・・・・・・・ごめん、分からない(T△T;)ニワカのぼくには分からない。これ、大丈夫なん?リカバリーできてるの?つうか、そんなに四回転トゥループ跳んでリスフラン(お前そればっかり)大丈夫なの?
・・・・・・・・・・・・・・・。
すいません。ここで計算諦めました。(_ _ )
解説と実況のお二人が(顔は見えないけど)唖然としたのち興奮でワナワナしてるのが伝わってきて、
「もしかして、羽生君すげえことやったのか?」
と察することはできたんですけど、あまりにも混乱してたので、最後のジャンプがトリプルアクセルだった(これ自体もんのーすごいことだったらしい)ところを、目では見てたのに、脳に入ってこなかった(←残念な奴)
さて、演技を終えて、さっきまでヒラヒラと妖精のように舞っていたはずの羽生君が、まるで軍(いくさ)から帰った戦国武士のような顔つきで何やら数えてる。
何とも言えない「ざわ・・」「ざわ・・」(c福本伸行)な空気の中、コールされた点数は206.67点。もちろんここまでの1位。
当然羽生君にとっても今シーズンのベストスコアでしたが、それよりも、なんだろ?点そのものよりも、今起きたこと自体に会場が興奮を抑えきれてないっていうか。
そんな空気の中ポーカーフェイスで滑り出したネイサン・チェン17歳。
画面に、「1位になるにはあと200.59点」と出てて、去年までだったら「あはは、ムリムリ。羽生君の優勝で決まり!」となってるところですが、だーれもそんな楽観をしてないところが恐ろしい。
その予想通りのことが起きました。(×_×)
冒頭の一番難しい四回転ジャンプ2本をポンポーン!と成功させたのち、ちょっとおっとっととなりながらも次々に四回転ジャンプを降りるネイサン君。
三連続を跳んだところであれっ?ダブルトゥループを3回跳んじゃったぞ(最後のジャンプは0点)、ふふふ、まだまだじゃな、と年寄り(ぼくのことだ)を安心させといて、次に跳んだのが、なんと四回転サルコウ!(予定外)
・・・・・・・・・。
おら、再び沈黙。
うわ〜ん(T△T°)なんか最後のアクセル失敗してたみたいだけどもうそんなんどうでもいい←
実況解説者会場のお客さんたち、そしてテレビの前のぼくたち、全員魂が抜けたみたいになりました。
結果、ネイサン君204.34点でフリーは2位。
ただし、総合307.46点で303.71点の羽生君を下し、“初出場シニア1年目の17歳”(三原選手とおんなじでした!)が金メダルに輝いたのだった。
こんな血沸き肉躍る闘いが近年あっただろうか。(ぼくはニワカだから、知らん←)
ていうか、フィギュアスケートって、こんな格闘技っぽかったっけ?
羽生君を見た目でナヨナヨしてると思い込んでいる家人に思い知らせてやりました()
話逸れるけど、今シーズンネイサンが使ってる曲はショートフリーとも勇ましさ漲るクラシックで、若く威勢の良い選手が攻めに攻めるのにふさわしく、それでいて品が良いというベストマッチな曲で「良い組み合わせだなー」とずっと感心しています。クラシックバレエを小さい時からやっていたというその身体能力にもふさわしいし。
韃靼人なんて、「出撃するときに聴きたい曲ベスト10」(そんなんあるの?)に必ず入ってるもんな。
ちなみに、ぼくは奈良に行きたくなるけどな(JR東海の思うツボ!)
閑話休題。
ああ、フィギュアスケートって、やはりスポーツだったね。
ダンスと親和性が高いという感覚から、以前からなんとなく好きだったぼくだけども、今年、スポーツとしてのフィギュアスケートを理解できるぐらいまでになってて良かった。それがなけりゃ、この興奮に置いてけぼりにされてるところだった。
それもこれも、昨シーズン驚異の点数をたたき出して「そ、それはどういう計算で出たの?!」と採点基準に興味を抱かせてくれた羽生君のおかげであります(結局羽生君かよ)
さあ、シーズン後半のクライマックスはこれから。
空中戦は日米だけじゃなくて、中西加露の“戦士”たちも手ぐすね引いて待ってるからなあ。
とするとやはり、締めの言葉はこれしかないよな。
みんな。ステイヘルシーだよ!(^^)
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