てくてくミーハー道場
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2012年03月27日(火) |
『JEKYLL & HYDE』(日生劇場) |
ぼくにしては(と言いますか、日本のミュージカルとしては、と言いますか)珍しく、ヅカOGが出てない作品でありました。
そして気づけば、元四季に占拠(こらっ)されていた。
・・・というのは別にどうでもいいことで。
名優・鹿賀丈史が日本初演キャストとして決定的にすばらしいジキハイを創り上げたのだが(総裁最後の再演のときに、その千穐楽をぼくも観ることができて、とにかくすんごいトリハダだった)、今回メインの全ての役が新キャスト。
総裁の後を引き継いだのは、これまた元四季のプリンシパル石丸幹二。
歌うまいし、いい男だし、無難なところだね、とナマイキなことを考えながらの観劇だったためか(・・・っえ?)、それとも26時間起きてるせいか(・・・っえ?っえ?)
あれ? 思ったほどでは・・・
みたいな感想を抱いてしまった(×_×;)うそぉ〜ん・・・
うそじゃないの。ほんとなの。(哀)
思うにジキハイって、特に、終盤ハイドが薬で閉じ込められそうになって反撃に出て、ジキルとハイドが交互に出現するハイライトの場面って、「ね、ねぇ? まじめにやってる?!」ってほどあざとく死に物狂いに「一人コント状態」で演ってなんぼなんではないかと。
総裁のあのシーンは、もう、すごすぎて笑いがこみ上げてくるほどだったんだけど、笑いながらも何かお腹の底からぞぞぉ〜っとくるものがあった。
どこか、野性爆弾のコントのような(エ?)狂気が感じられたわけさ。
そこまで演ってのジキハイなのではないか。
石丸さんは、キレイすぎるのよね。その点(い、いや、総裁がどうと言ってるわけでは/焦)
それでもやはり、役者の習性というんですかね、心なしかハイドになってる時の方が楽しそう(^^ゞ気持ちは分かる
ただ、そのわりに、ハイド時にルーシーをいたぶるナンバー「Dangerous Game」にあんまり色気を感じなかったし。
まー、今回ルーシー役の濱田めぐみちゃんにもあまり色気が(黙れ!)
あ、でも、今回の最優秀キャスト賞は圧倒的高得点で濱田さんに差し上げたいです。
『ボニー&クライド』のボニーも良かったし、期待が大きかったのだけど(当然ぼくは四季時代は知らないの)、その期待したコースにびしぃっ! びしぃっ!! とストレートを投げ込む名投手のように、めっさ気ん持ち良い歌唱力に酔いました。
ルーシーの代表的ナンバー「A New Life」って、毎回ぼく、
「だから、今すぐ逃げろって言ってんじゃん。呑気に歌ってる場合か!」
と思ってしまうんだけど(←ミュージカルの客失格)、今回の濱田さんの歌唱は、ちゃんとその時だけ時間が止まって、ルーシーの心象表現になってた。
ホント、素敵でした。
(笹本)玲奈ちゃんとの歌勝負(笑)「In His Eyes」なんて、今回一番の聴きどころと言って良かったのではないでしょうか。
その玲奈ちゃんも、今までのエマ役の中で一番期待できるキャストだったので、安心して観ました。
実はさ、これまでのエマを観てて「エマって、要る役?」って思ってた(ぼ、暴言加速中!)
んで、何年か前に何となしにFrom韓国バージョン(ジキハイを『マラソン』で主演したチョ・スンウが演じた)を観に行ったら、このカンパニー全員が完璧に上手い人たちでさ。(韓国の“歌手”は、歌は必ず上手い。アイドルでもね。つうか、歌が下手でも“歌手”って名乗れる日本の芸能界がおかしいんだが)
この公演のエマ(プログラムが見つからなくて名前分からない・・・ゴメン)の歌を聴いて、やっと「エマとルーシーは対等なんだ。彼女たちも、ジキルとハイドのような関係なんだ」と理解できた。
そんなわけで、今回やっと拮抗したルーシーとエマが観られて嬉しかった(とげとげだね!)
ただ、ほかのキャストの皆さんに関しては、(もう暴言禁止のお時間です!)
あと、この作品、ぼくはワイルドホーン作品の中でやっぱ一番好きです。
ナンバーが全部名曲。(言外に←余計なことを言うな!)
特に、アンサンブルが歌うナンバーが好き!(前にも書いた気がするけど、「Murder, Murder」を「事件♪事件♪」と訳した高平先生はホントさすがだ)
はい、そんなわけで、石丸さんに関しては、あと数回再演してコッテリさを身に着けたジキハイをもう一度観てみたいかなと思いました。
すまん。さっきからブロードウェイ版のCDを繰り返し聴いちゃってます。
は、早く寝なくちゃ・・・。
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