舌の色はピンク
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2008年12月06日(土) |
ハットはベージュのラコステ |
六本木でヒルズやらミッドタウンやら練り歩き。 杉並在住の女子大生がツリーの大安売りだと語った。その通りだ。 銀河を模したイルミネーションがアホみたいにきれいだった。
ミッドタウンは人工の極みで 陰気くささとか慎ましさはゼロだったのだけど 一階ロビーに hpの巨大なポップがあって 通りがかりのサラリーマンがその台に ツツー…と指を滑らせ埃を確認する姿を 二階から眺められたので満足だった。 シンデレラの継母さながらだったものな。
家に帰ったら人形があった怖い。
母親がもらってきたらしいのだが 僕は人形がもう、もう、キョーフなのだ怖い。 永遠に動かない顔は 生涯ずっと人間どもを眺めながら 「私もそっち側がよかった、」 と嘆いているようだ怖い。
今回我が家に住まうこととなった人形は 60cm3頭身ほどの幼児ドールで なんとワンタッチすれば 「じぃちゃん、ばぁちゃん、アーソボッ☆」 なる音声を発する代物なのだから怖い怖い。 だってストーリーあるもんこんなもの怖い。
……長年手塩にかけて育ててきた一人息子は 上京した先で家庭を築き、 今ではお爺さんとお婆さんも二人暮しに慣れたものだが 体も心も老いるにつれ孤独感は増してゆき だんだんと寂しさに耐えれなくなっていった、 ある日お爺さんが家に帰ってくると そこには幼児の人形があるではないか 「じぃちゃん、ばぁちゃん、アーソボッ☆」 「お婆さん、なんだいこれは?」 「何を言うんですお爺さん、今日から私たちの愛娘で、す、よ」 「じぃちゃん、ばぁちゃん、アーソボッ☆」 「ほっほう。ケンジが家を出てって久しいしな、いいかもしれんな」 「そうですよ。可愛がってあげましょうよウフフフフ」 「じぃちゃん、ばぁちゃん、アーソボッ☆」 「あっはっは、かわいいやつだ。お前は家を出ていきもせんしなあ…」
かくして人形を可愛がる二人が三人暮らしにも慣れ始めたころ 一人息子のケンジが里帰りをしてきた 「父さん母さん、ただいま!」 「おお、ケンジおかえりよ。まったくお前はろくに顔も見せんで」 「ほんとそうですよ。さあさぁ、ケンジですよアナタも挨拶なさい」 「じぃちゃん、ばぁちゃん、アーソボッ☆」 「えっ?」 「なんだケンジ、せっかくこの娘が挨拶しとるのに」 「それでも家族なの? 東京でどんな生活していたの?」 「え、ちょ、…父さん? 母さん?」 「じぃちゃん、ばぁちゃん、アーソボッ☆」 「ケンジ。私たちはあなたを、家族全員一人一人に 挨拶もできないような息子に育て上げた覚えはありません」 「何言ってんだよ。どうしたのこの人形」 「喝ァーッ! 人形とはなんだドラ息子がァーッ!」 「ケンジ。そこに正座なさい。ちゃんと母さんと目を合わせて」 「ななななんだよ、おかしいよ、二人ともおかしいよ!」 「じぃちゃん、ばぁちゃん、アーソボッ☆」
怖い。
2008年12月04日(木) |
「赤い鬼がきたよ」と洒落てみるか |
サンタクロースは小学校に入る前から 「いない」と認知していた、 というより僕の周囲が「いる」方面に 認知させようとしてこなかったよう思える。
これが小学校一年生のときだけ違った。 6つ上の兄が「今年は来た」と言う。 「お前も知っての通り、サンタクロースはいない。 これは誰だってわかる。世間の常識だ。当たり前の話だ。 兄ちゃんだってお前くらいの年にはわかってたし、 小学校入って信じてると馬鹿にされるのがサンタの存在だ。 だからサンタはいない。 でもな、あのな、今年はマジで、来た! マジで! あれはサンタだった! 本当にサンタ! サンタはいないけど今年はマジで来たんだよ!」
僕はその言葉を100%信じた。 5年生くらいまで信じてた。 サンタはいないけどウチにだけあの年だけ来たのだ。 クリスマスソングが聞こえる時季になるたび ほんわか追懐する幼少期の淡い思い出。 こういった体験を経て大人になっていったのだなあ。 あと本当は6年生くらいまで信じてた。
2008年12月03日(水) |
刺すYOU TOURIMA 辻斬り |
監視カメラと赤外線が張り巡らされた 敵組織のビルに潜入、2階3階と順調に階を昇り いよいよ敵集団が待ち構えるとされる10階に届きそうなその時 尿意を催してしまった。 僕は物事の一大事に臨む際に少しでも尿意があるのが許せないタチだ。 仕方なくトイレに入る。 はたして閉ざされた個室から待機中の敵共が現れ 僕は拉致された。 車に乗せられると助手席に座っている男が 中世風の仮面をつけている変態で 私はお前の兄だと言う。そんなわけはない。 しかしさておきだ、僕は尿がしたい。 さっきまでスパイ映画よろしくアクションしていた自分も 尿意に襲われては敵わない、 変態の前にあってもそれは変わらず ただただ尿意の為だけにひれ伏していた。
屈辱的なきぶんで目を覚ました後 トイレで排尿しトーストを食べ歯を磨き服を着替えて家を出た。
2008年12月01日(月) |
光を創るな 誰が許した誰が |
さそり座の占いが 「今日は何もやっても目立たない日」 だったらしい。 そんな占いありか。ありなんか。
今日2008年12月1日は クラスに2人くらいは目立たない生徒がいたし またこの占い結果を知ってる人間から 「オマエさそり座じゃね?」 とゆーデリカシー0のジョークも飛び出したのだろう、 そういうことだ。
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松本大洋の「日本の兄弟」を読んだ素晴らしいとても素晴らしい。 漫画である必然性に酔いしれた。 「日本の友人」がとくに好き。 「闘い」みたいな漫画描きたかったことを思い出した。
中川いさみの「大人袋」も読んだ狂ってるとても狂ってる。 焦りを覚える。 7巻まであるらしいので揃えよう。人に薦めようとは思わない。
2008年11月30日(日) |
このところ悔やんでばかり居る |
マジキチで評判のネットフレンドである のんたんさん、もといお味噌汁の大革命さんに声をかけてもらい 椎名林檎の10周年ライブに行った。 死ぬ前に一度は「罪と罰」を生で拝みたかった念願も成就、 昔の曲もたっぷり聴けてよかった、 でもいかんせんオーケストラ演奏が僕には邪魔でしようがない。 あの壮大さは林檎の世界観を狭めてしまうよう感じられるのと、 あと個人的にバンド音が好みなので。 オーケストラのみならず金使いすぎな演出と やたら広いステージ・会場も音の密度薄らいでいく印象、 そして時々甲高いアイドル声みたいになる今の歌唱法に嫌気。
「すべりだい」「正しい街」「幸福論」は確実に良かった。 なんだかんだ言っても生林檎初めてだし全体的には満足。 ただ二度と(今後の)椎名林檎のライブに行こうとはなりますまい。
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帰りはのんたんさんと夕飯をご一緒した。 今日この日ほどキチガイの四文字を連呼した日はない。楽しかった。
2008年11月29日(土) |
君って一体誰のこと ただの幻想なのか |
恋人の買った入浴剤が 湯船に入れると星型の小さい飾りが散るという代物で、 ネットでの評判に 「星拾いごっこができるよ☆」との声があるらしいのだけど まず「星拾い」という遊びが実在しないだから 「ごっこ」は成立してないと思った声を素直に恋人に届けた。
「ロマンチックぶっちゃって。星拾いは無いだろう。 星拾いが実在するとすれば、 せいぜい隕石が落ちてきた時にその破片を調査する 地質学者の学術的研究ぐらいしか浮かばない」 「いいじゃん地質学者ロマンチックじゃん! 地質学者に思い馳せられるじゃん!」
女の子のロマンは難解だ。 入浴剤は単純に普通にきれいでした。
2008年11月28日(金) |
町のはずれでシュヴィドゥヴァー |
しんくんと馬を食べたり夜通し歌ったりした。 彼はいくら若いといってももう若くないんだし 徹夜は控えて体を大事にして欲しい。 かと思えば僕のほうが先に疲弊しきってしまい もう年だってことを失念する若さゆえの過ちを犯すくらいだから まだまだ若輩者だ。
2008年11月22日(土) |
何を試されていたのだか |
小学校の林間学校か何かで肝だめしがあった夜、 一組ずつ時間差でスタート地点に送り出されるため 出発を待つ間は全員映画鑑賞を強いられ、 大広間にてただそのためだけに用意されたビデオ機器により ただそのためだけに設置されたスクリーンに かの「死霊のはらわた」が再生された。
我々はおののきふためいた。 僕は日本の教育制度の見直しが必要だと思った。 教師陣はニタニタして遊んでる様子だったけど あれはやっちゃいけない、 ホラー映画の映像以上に 平気で小学生の集団にトラウマ植えつけるおとな達の倫理観が 怖くてしかたなかった。
成人した今思い返すと 「はらわた」と「肝」がかかってたのか? とゆう柔軟な説も浮かぶ。 だとしても 死霊の、はらわた と 小学生の、肝 をかけるなよ。 なんかもうフォローしようがない。あれは、だめだ。
酒を飲まず酒に興味もない自分としては、 ボジョレーヌーヴォーって解禁してばっかり! みたいなイメージがある。 ちょっと目を離した隙にすぐ解禁しちゃう。 季節の変わり目ごとに ボジョレーヌーヴォー、解禁! のニュース目にしてる気がする。 街中歩いてたってすこし油断してると すぐボジョレーヌーヴォー解禁してる。
ボジョレーヌーヴォー解禁って言いたいだけな気もする。 世間も自分も。
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