はぐれ雲日記
DiaryINDEXpastwill


2000年12月31日(日) shiwasu

ここ数年大晦日に家にいたためしがない。毎度仕事だ。
しかし、今年はなんとか紅白を観てゆっくりした。
しかしひごろの不摂生がたたって胃腸の調子をこわしてひどいめにあった。
12月22日より胃のもたれ、ゲップの多発、膨満感が続いている。
ムム・・・。典型的な胃がんの症状かも・・・などと 事態を悪いほうへ悪いほうへと考えてしまう。
給料3ヶ月の遅払い。夏、冬ボーナスの未払いの心労。
労働組合結成に依る組合員労働者と非組合員労働者とのぶつかりあい・・・。
体の疲労は眠れば回復するが、心のストレスは安眠を妨げるのみ。
吐き気をこらえながらすでに10日が経過。 顔色が悪くやつれてきたのがわかる。
子ども達に顔を見られないよう、始終台所に立つ。
それにしても今日は大晦日。
カラ元気を出して少しずつ料理をつまみ、食べているふりをする。良かった、気づかれていない・・・。
しかし、心ではもしもの時の保険金の計算、子ども達へ平等に分ける借金の山の分配などなど、ロクなことを考えない。
町医者で胃潰瘍の薬をもらってくるが、内視鏡検査もしていないのにこんなもの飲めるか!と思う。
医師も患者の状態を軽く考えるのは良いが、常に最悪の事態も想定して治療にあたって欲しい。
まあ、年末で異常な混み方だったからしょうが無いかぁ・・・。しかし正月は病院もやっていず動きがとれない。ああ、最悪。
自分自身の様子観察で行くしかない。
ちょっとHPも閉店休業とした。



2000年12月20日(水) セロハン菊

今日は土曜日。のんびりと勤務先へ向かう。
青梅路は少し冬陽が射して、畑の霜がキラキラと光って見えた。
あと10分で職場に着く。時計は8時半ちょうどだった。
道端で老婆がネッカチーフをかぶってゆずを籠に山盛りにして売っていた。
ちょうどバス停近くの陽だまりのようになっているその場所には
セロハン菊と呼ばれる紋切り型の色合いの菊が折り重なるようにして咲いていた。
ピンク、オレンジ、黄色、エンジ色・・・淡いとか深い色調では決して無く
つっけんどんなほどの単調さで、必死になって咲いていた。

それにしても今日はいい勤務だった。
患者さんの状態も落ち着いていたし、仕事も和気あいあいだった。
何事も無く過ぎた一日。
こんな日もあるさー。


2000年12月12日(火) 山里の寺

同僚のYさんが亡くなった。病棟がいっしょになった時、第一印象はとっつきにくく頑固おやじの
イメージがあって、正直言ってやりにくかった。
でも、ほぼ一年経つ頃にはそんなイメージがすっかり払拭。 さっぱりした気性で言うべき時には
はっきりと意見を言う人で皆に慕われるようになり、私も仲良しになれてうれしかった。
ところが8月に体調を崩して入院。職場では人一倍働き、 家では80過ぎのお母さんの介護をしておられた。
9月のある日、「ちょっと入院するから」と言って私の夜勤の時に自宅の庭で採れたという大きな栗を
病棟のみんなで分けてと、どっさり持って来てくれた。
わたしは「じゃあ、しっかり治して又元気な顔を見せてくださいね」と手を振った。
その時、「ああ」と言ってちょっと寂しそうに笑ったその姿が最後になろうとは・・・。

今夜、お通夜だった。奥多摩の山里にある古いお寺で、境内に入りきれずほとんどの人が外で読経を聞いた。
650年前からあるという杉の大木。暗闇の仁王像。玉砂利。磨きぬいたような夜空に凍てつく星。
中空に浮かんだ大きな大きな月。 ほんに今夜は満月か。それにしても山は冷える。

帰宅して頂いた”志”を開けてみると、うす味梅干2パック、海苔、お茶のつめ合わせ。もうひとつの箱には
清酒と砂糖が入っていた。  最後まで気配りの人である。不謹慎だが今間でのお返しの中ででこんな「うれしい」香典返しはなかったですよ。最高。
「だけど早過ぎだよー。おやじさん。」  しんしんと寂しい。  はかなくて・・・眠れない。



鈍角 |MAIL

My追加