はぐれ雲日記
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2000年12月20日(水) セロハン菊

今日は土曜日。のんびりと勤務先へ向かう。
青梅路は少し冬陽が射して、畑の霜がキラキラと光って見えた。
あと10分で職場に着く。時計は8時半ちょうどだった。
道端で老婆がネッカチーフをかぶってゆずを籠に山盛りにして売っていた。
ちょうどバス停近くの陽だまりのようになっているその場所には
セロハン菊と呼ばれる紋切り型の色合いの菊が折り重なるようにして咲いていた。
ピンク、オレンジ、黄色、エンジ色・・・淡いとか深い色調では決して無く
つっけんどんなほどの単調さで、必死になって咲いていた。

それにしても今日はいい勤務だった。
患者さんの状態も落ち着いていたし、仕事も和気あいあいだった。
何事も無く過ぎた一日。
こんな日もあるさー。


2000年12月12日(火) 山里の寺

同僚のYさんが亡くなった。病棟がいっしょになった時、第一印象はとっつきにくく頑固おやじの
イメージがあって、正直言ってやりにくかった。
でも、ほぼ一年経つ頃にはそんなイメージがすっかり払拭。 さっぱりした気性で言うべき時には
はっきりと意見を言う人で皆に慕われるようになり、私も仲良しになれてうれしかった。
ところが8月に体調を崩して入院。職場では人一倍働き、 家では80過ぎのお母さんの介護をしておられた。
9月のある日、「ちょっと入院するから」と言って私の夜勤の時に自宅の庭で採れたという大きな栗を
病棟のみんなで分けてと、どっさり持って来てくれた。
わたしは「じゃあ、しっかり治して又元気な顔を見せてくださいね」と手を振った。
その時、「ああ」と言ってちょっと寂しそうに笑ったその姿が最後になろうとは・・・。

今夜、お通夜だった。奥多摩の山里にある古いお寺で、境内に入りきれずほとんどの人が外で読経を聞いた。
650年前からあるという杉の大木。暗闇の仁王像。玉砂利。磨きぬいたような夜空に凍てつく星。
中空に浮かんだ大きな大きな月。 ほんに今夜は満月か。それにしても山は冷える。

帰宅して頂いた”志”を開けてみると、うす味梅干2パック、海苔、お茶のつめ合わせ。もうひとつの箱には
清酒と砂糖が入っていた。  最後まで気配りの人である。不謹慎だが今間でのお返しの中ででこんな「うれしい」香典返しはなかったですよ。最高。
「だけど早過ぎだよー。おやじさん。」  しんしんと寂しい。  はかなくて・・・眠れない。



2000年12月11日(月) 無題

着メロに”鉄腕アトム”と”ヤン坊マン坊天気予報”を追加した。
ムーミンの手帳2001年版を買った。
蜂に刺されたところが昨日からやたらと痒い・・・。



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