はぐれ雲日記
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2000年12月08日(金) ろうきん

地元のろうきんへ初めて行ってみた。
中央労働金庫。おっかなびっくりで出向いた。
とりあえず、現時点での正装、ユニクロにジーンスといういでたちでアポなしで伺う。
なんのため? もちろんこの寒空、ジングルベルは響き渡り、正月はすぐそこまで来ている。
この年が越せるか越せないか?生活の窮状を訴え年越し資金を調達するためだ。
係りの人はとても感じが良くて親切だった。
営業のキーワード=感じが良い。 これでキマリだろう。
それにろうきんの金利は2.2%。ますますキマリだろう。
応急資金の貸し付けの項目に”賃金の遅払いにより必要な資金”とあるのに○印。
その他、失業資金とか、育児介護資金とかあって一般の銀行とは貸し付け制度が根本的に違うのにびっくり。
帰る時に「がんばってください。」と励まされて2度びっくり。 うれしかったぁ。
翌日、足りない書類を揃えて持って行ったついでに世間話。
たまたま沖縄の話題で盛り上がって、係りの方が「今年、沖縄に行って5.15平和の行進に参加しました。」とのこと。
そして沖縄にはろうきんが12支店あることなどを教えてくれた。

帰り道、「あー沖縄の話がひさびさにできて良かったぁ〜。 貸し付けが受けられたらうれしいけど
だめだったら返す必要無いから得した。」と思うことにした。

結果は一週間後。 電線が北風でびゅんびゅん鳴って・・・空がまた見覚えのある蒼さに光っていた。



2000年12月07日(木) 竹炭

奥多摩に住んでいる同僚の峯ちゃんが”竹炭”を持ってきてくれた。
多摩のさわやかさを竹炭で「奥多摩特産土産」とある。 20センチほどの竹炭が10枚以上あって
なんと380円! 安い。 たたくとコンコンと軽やかな響き。
早速、お風呂へいれて見た。すると・・・なんてやわらかいお湯なんだろう。
ふわぁ〜ふわぁ〜として、体中にお湯玉がゆっくりしみわたってゆく感じ。
なあんか、ゆったりのんびり、神経のこま結びがほどけて行く。
今までいろんな入浴剤を使ったけど、これは今までで最高の入浴剤だと感じた。
なんと、顔を洗ったら”きゅっきゅっきゅっと音がする。なにこれ?!
炭ってよくアク抜きに使うけど、あたしってそうとうアクの強い人間なの?
自然の恵みってすごいね。
体がさっぱりしたら心までさっぱりしたような湯上り気分。
これで、庭に松の木でもあって、枝のてっぺんにぽっかり明るい月でも浮かんだら・・・
好いた人とふたり、生ビールでキュッと飲れたら!
いかんいかん。この竹炭、妄想竹かも知れない・・・。  おっと。



2000年12月06日(水) ゲンセンカン主人

つげ義春さんの漫画が好きだ。 初めてつげさんの漫画に出会ったのは小学生のころ。
流感で熱をだし、トロトロ眠って、起きて、倦怠感と浮遊感が一体になって身の置き所もないほど
すっかり弱った体で、外のご不浄で用をたして、またトロトロと眠りにおちて・・・。
こんな繰りかえしの中でうすがみをはぐように少しづつ回復していったある日のこと
クラスメートが何冊かの単行本を持ってお見舞いに来てくれた。
「明日とりに来るよ。」としっかり言い残して帰ったのは、これらの本は”貸し本屋さん”の貸し本だから。
りぼんの騎士、バラのイヤリング、月刊”少女”などに混じってあの、”ネジ式”があった。
他の漫画の内容は、不思議と忘れたが”ネジ式”はまだらまだらだが、漫画のひとこまひとこまを
覚えている。乗っても乗ってももとのところはもどってしまう汽車。
少年と年配の女医さん。採血の注射器。血が流れないようネジ式。 ちょっと倒錯した大人の世界。
いままで読んでいた少女漫画とはまるでちがう世界。
小春日の汽車の中、夢の中で垣間見たような不思議なストーリー。
病みあがりの心身にインパクトが強かったのか、ふたたび高熱をだしてしまった。
「だめだぁ、字イは体に毒だ!」と本は家の誰かに取り上げられてしまった。

自分で稼ぐようになってからはゲンセンカン主人、赤い花、無能の人、丹沢鉱泉旅行記・・・
一生懸命読ませていただいた。 今でもこの時期になると読みたくなる。
つるべ落としに陽が暮れて、木枯らしが吹いて、肩をすぼめながらとぼとぼと家路に着く。
夏に比べ、少しトーンダウンした体調に、こたつとつげ義春本はすごく波長があってるもんね。
「おーい、ここにあったおみかんとせんべいはどこーーー?」



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