はぐれ雲日記
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さきほど、にあんちゃんの誕生日にと駆けつけてくれた長男が帰った。 夕方の4時に到着して夜中の12時半に帰って行った。 仕事は朝といっても2時半のセリに出るわけだから、ほとんど寝ないで仕事に直行。 交通事故に気をつけるんだよぉ。 飲みすぎるなよ〜。 ちゃんとメシ食うんだよー。 もう、祈るような気持ちだ。指圧の心、母心。
青菜と油揚げの煮びたしと、大根の味噌汁をトン、と置いて顔を見ると キタナイ無精髭! 「なんやコラ。ミットモナイ!貧乏神みたいな髭生やして。 上野忍ばず公園のホームレスやんか! 魚売れないわな。 清潔感無いと!」 ポンポンいうわたしに「これがみんな同情して魚買ってくれるんだよなー。」 とヘラヘラしている。 ちょうど今日剃ろうと思ってたんだよねー。とかなんとか。 それからかーちゃん、築地で一番上等の鯵のヒラキも焼いてくれよな〜。ヘラヘラヘラヘラ・・・。 「鯵のヒラキに極上も下等もないだろーに・・・。」と思いつつじゅうじゅう焼く。
味噌汁の大根は千切りやいちょう切りやサイコロなどいろいろに切った。 それをがばりがばりと口へ放り込みながら、ちょっとぎこちなく言ったこのことば。 「俺、小番頭になったんだ!。」 それから中番さん、大番頭さんとくる。 「あーじゃあ、店もすぐつぶれるかもね♪」ちょっとからかったつもりだったが 「ウー。そうかもしんない・・・」 誉めてくれなかったのが心外とばかりに感情を押さえて受け流した。 よし。少し大人になった。ここでやさしく 「なーんでまた、おまえみたいな若造が。番頭は10年、20年選手でないとなれないんよ。」
「だってオレ、仕事できるもん。」 「休んだことは一日も無いし・・・。」 ああ、駄目駄目。そういうのは態度や顔にでちゃうんだよね。 人様は顔で笑っていても腹で馬鹿にするからね。 まだまだ素直に下出に・・・。だまって先輩の仕事ぶりを盗んでね。 入ってまだ2年目なのだから、電信柱でも誰にでも挨拶するんだよ。 頭を低くして。 イヤな仕事はおまえが先に立ってやるんだよ・・・。 魚河岸というところは以外に因習の世界。 長男は居住まいを正して、はい、はいと聴いている。
帰り際、後姿を見てがく然とした。 異様に右肩が下がっている。 来る日も来る日も相当重いものを担いでいるのだろう。 手取りは15万円ほどだが、入社時より毎月9万円の仕送りをしてくれている。
ハタチの小番頭。 お江戸日本橋七つ立ち・・・よりまだ早い。 七つ立ちは4時半だからね。
お気に入りのサイトでおもしろい小噺をみっけた。
脇野さんと又野さんの結婚式でのこと。 司会者はなぜか真っ赤な顔をして、 「ただいまより、脇の毛(脇野家)と股の毛(又野家)のご結婚披露宴を・・・・」
もうひとつ M君は、理科の時間に 「方位を16言ってみろ」 と言われて 「ホ〜イ、ホ〜イ、ホイ…………」 と16回言った。
えーいとどめだ!
修学旅行中、金沢の兼六園を訪れた時、 看板に 「鯉の餌 10円」 彼は10円玉を投げていた・・・。
こんな他人の受け売りは手抜きでは?というスルドイつっこみは受けつけません。 もう、笑い疲れてぐったりです。体中麻痺ひまひた〜。
・・・今日は風がびゅうびゅうふいた。
夕方からしとしとと小雨が降り止まず、本日の第三食=おでん。 大根半本と、うでたまご6個はあらかじめたっぷりのお湯でコトコト煮こんでおく。 大根が柔らかくなる間、友人から借りてきた井原西鶴の”好色五人女”を読んだ。 ただし漫画。 約300年前に実際あった事件をベースにした恋愛悲話五つ。ちょっと面白い。
読んでるうち首をかしげる。物語には”好色”な女なんてひとりも出てこない。 お夏もお七もやたら純情なだけ。 ”好色”などとはとんでもない題名だ。 カンバンに偽りアリとはこのこと。 京都・暦屋おさんは今小町と歌われる美しい人妻。 手代と恋に落ちて・・・。 不器用で、潔くて、決して男好きなどでは無いおさんが山奥に隠れ住むが。 おっ、いいじゃん。いいじゃん。 わたしはおさんの生き方が好き。 不義密通は町内引きまわしの末、獄門さらし首。 ひどい話もあるもんだ・・・。 今そんなことしたら、日本中がさらし首だらけになってしまうにちがいない。
そろそろおでんが煮えたころあい。 良い匂い。。 こどもたちがおでんはおかずにならないよ。といつも騒ぐのを思い出し あわてて味噌にみじんネギ、かつおぶしとごま油を合わせて火にあぶり”焼きみそ”をこさえた。 さらし首、さらし首、日本中がさらし首。とつぶやきつつ大根にたっぷりの練りからしをつけて がぶりと噛みつく。 アチチッ!
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