こちらでは、ユースケ氏の出演作品の中から、後世に残したいとまで気に入った作品&ここまでこのドラマを食い入るように観てるのって私だけだろうと思ったドラマを、筆者が勝手に必要以上に評価させて頂いています。ネタバレ有です。
「いま何待ち?」フジテレビ 芸人・ユースケ氏を鑑賞 - 2006年01月13日(金) 「ぷっすま5時間生放送スペシャル」の余韻もあって、お笑いタレントとしてのユースケ氏も観たくなって、また画面の前に釘付けになり、寒さも手伝って運動不足。 ダイエットとは無縁でいられた時代は過ぎて、最近お腹もぽっこりしてきたなあーという危機感に加え、私の冬の持病でもあるカントンナイジカク再発の恐怖と隣り合わせの、命を削るようなDVDもしくはVIDEO鑑賞が、今年もまた始まった。 「いま何待ち?」 2002年10月〜2003年3月 フジテレビ 放送時に録画していたが、最初のほうは見逃したので、借りたんだけど、それにしても借りにくく買いにくいパッケージだ。 目だけ隠したコスプレ美女の写真に、もし家族がAVと間違えて観たりしたら困るし、もっと困るのは、中身を確認されることなく、ただ「うちのおかーさんはAV隠し持ってる・・・」と密かに思われて、腫れ物に触るような扱いを受けることが怖い。ユースケ・サンタマリア・ファンをカミングアウトするのと、AVコレクターと思われるのと、どっちがいいのか究極の選択である。だから買えない。(借りたけどね。二児の母である40過ぎの主婦が、ツタヤで借りてきたけどね) ショートドラマ&その出番待ちのゲストさんたちの赤裸々な雑談トークで成っているこの名作。 トークは実際に観た方がいいのでここでは詳しく触れないけど、決して家族揃って観ることはお勧めしない、深夜番組ならではの貴重なお話満載。 ユースケ氏はじめ様々な役者さんの、素の部分が味わえて楽しい。あそこまでしゃべってくれるなんて、すごい。 そして中学生の息子を持つ私にも、大変勉強になった。 ドラマは、宮藤官九郎が脚本。面白くないわけない。時間の流れをあえて切って入れ替えて見せたり、巻き戻して別の登場人物の視点で見せたりとか得意。よく考えられた伏線に感心してしまう。※宮藤さんは、#13で「吉祥寺」というサラリーマンの役で出演&トークもしています。 DVDでは、放送順ではなく、主人公・西荻トシキの壮大な人生ドラマを時系列で振り返るように順番が編成しなおしてある。 西荻トシキ、1970年生まれ。5歳のころ、テレビドラマ「三つ子探偵局」の二郎として子役をつとめたことのある男。それからサラリーマン、ビデオレンタル屋バイト、アクションドラマのエキストラ、旅館のバイト、夫婦漫才を経て、とうとう社長に登りつめる彼の波乱万丈にしてチョット羨ましい生き方。 以下、#番号は放送順、年代は西荻トシキの人生での年をあらわします。 #12、13 熱血サラリーマン 1991 #07、08 三つ子探偵局 1993 #03、04 走れエロス 1994 #16、17 熱血エキストラTOSHIKI〜TOSHIKO 1995 #09、10、11 スリールームス「斜陽の間」「潮騒の間」「河童の間」 1996 #05 ただいま分娩中・前半 1997 #14、15 天国と地獄2001 2001 #01、02 同窓会〜告白 2002 #06 ただいま分娩中・後半 2002 #20 中央総武線の女 2007 #21 奥多摩の女 2007 #22、23 平成の無責任男 2007 #18、19 熱血!社長物語 2023 とにかく笑える。カッコ良いとかカッコ悪いとか言う暇も無い。 この中で特に私のお気に入りを選ぶとしたら。 有名人気ドラマのパロディで遊ぶユースケ氏の声の音域を味わうなら・・・「熱血サラリーマン」 数奇な巡り会わせを描いたストーリーの可笑しさが最高だったのは・・・「ただいま分娩中」 似合うんだか似合わないんだかわからない、ユースケ氏の女装が何とも言い難い、見てはいけないステキなものを見てしまって儲かった気分にさせられたのは・・・「熱血エキストラ」 宮迫博之の裏表はっきりとしたキャラが面白く、ユースケ氏の熱演も渋く光るのは・・・「天国と地獄2001」 ギラギラしたユースケ氏を観て自分を奮い立たせたい時にぴったりなのは・・・「熱血!社長物語」 でも、どの回も、それぞれ捨てがたかった。タイトルに熱血がついてるのは特にユースケ氏のあのテンションに合ってるということだろう。ある程度、人間としての「恥」という限界を、捨てて超えてしまって潔くコメディアンに徹し、それでいてどこか甘さというかリリカルな魅力が、母性を刺激する、なんて複雑で深い味わいなのでしょうか。見る人が見たら、キモイとかうっとうしいという分類に入ってしまいがちな、でもカッコイイのはやっぱり、あの声と目の表情でしょう。 よく見ると、目は一重じゃないんです。極細の奥二重だったんです。それがユースケ・サンタマリア氏の仕掛ける巧妙な罠だったんです。ということを声を大にして言いたいと、常日頃から思っている。 - 「世にも奇妙な物語 ’05 春の特別編」より「倦怠期特効薬」フジテレビ これはお得な一品 - 2005年12月31日(土) 「世にも奇妙な物語 春の特別編」より「倦怠期特効薬」 2005年4月 フジテレビ (先日の再放送を、やっと録画で観られた・・・。私が今年最後に観たユースケ氏がこれ。) ユースケ氏が演じるサラリーマン・卓也は、「倦怠期」を乗り切る手段として、不思議な漢方薬にはまっていった。心の中の理想の女の姿が妻に投影される作用。 妻のみゆき(田村たがめ)は知らないが、卓也には彼女の姿が憧れのグラビア美女・井上和香に見えている。 これも一種の浮気に違いない。ばれなければ、妻を傷つけることもなく、むしろ妻を喜ばせながら浮気できるという、かなりおいしい話だ。 でも、すぐによそに女を作ったりせずに、卓也なりに悩んだところが、彼らしい優しさなのだろう。 本当は、昔のように、みゆきをそのまんまで愛せたらと願ってる。それゆえに、最初は夢中になった井上和香バージョン奥さんとのラブラブ生活にも、いつしか違和感や罪悪感を持つようになり、自ら出してる幻覚を自ら避けて過ごすという、矛盾した事態に。 避けられてると察したみゆきの、いじらしく切々とした涙の言葉に(このときの井上和香は泣かせる)、とうとう幻覚が消えて、本来の奥さんへの愛が戻ってくる(田村たがめも結構可愛い)。そして薬ビンの中身を、きっぱりゴミ箱に捨てる卓也。 そこでホロッとして「良い話だなあ」と思わせておいて、実は妻のほうでもその薬を使っていて、夫がイケメンに見えているのだった、というオチがついている。あらあら。奥さん、それじゃあんまりじゃないですか?あの涙はなんだったの? まあ、人って、筋の通らない生き物だから、そういうこともあるかもしれないですね。毎日朝から晩まで一瞬たりともよそ見せず、最初から最後まで何年も、一人の人を一貫して好きでいることのほうが、珍しいのかも。 ときどき我に返って愛して、ときどき勝手な夢を見させてもらう、それでもお互い大事に思ってるんなら、いいのかも。 で、この短いお話の中に、ユースケ氏の可愛げのある表情が、実にバラエティ豊かに収まっていることが判明。 ベッドで奥さんから慌てて逃げるように寝た振りするところとか。それから漢方薬局のおじさんとのやりとりとか。「一ヶ月分、もらおうか。」のあたり、ユーモラス。 雑誌の写真から飛び出したように井上和香が出現したときの、慌て方がリアルで、かっこ悪くて情けなくて良い。 横に寝ている彼女に。思わず「カワイイな・・・」と迫るところとか、適度にヤラシくて、これも良いし。 彼女との夢のような毎日、特効薬を飲み込んでから期待一杯にニンマリするその顔の、子供じみて嬉しそうな。 「もし俺が浮気したら、どうする?」って訊くときの目の表情はピッとして落ち着いてて、一瞬妙にカッコイイ。 思い出のアルバム、恋人時代の、明るく無邪気そのものの写真の数々。 プロポーズしたシーンも然り。怪しげなところが全然ない。さわやかで安心できる、善人っぽさ。 奥さんに申し訳ないような気がしてきたころの、彼女に対する微妙な雰囲気。 彼女のけなげな心を知って思わず「ごめん」と抱きしめるところなんかとても優しい感じだし。 ラストの罪の無い笑顔は、ちょっと間抜けにも見えて、可愛くてカワイソウだし。 と、これほど短時間のうちに様々なユースケ・サンタマリア氏を鑑賞できる一品だったとは、かなり儲かった気分でした。 -
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