俳優ユースケ・サンタマリア氏を個人的趣味で鑑賞...いえもと(改名しました)

こちらでは、ユースケ氏の出演作品の中から、後世に残したいとまで気に入った作品&ここまでこのドラマを食い入るように観てるのって私だけだろうと思ったドラマを、筆者が勝手に必要以上に評価させて頂いています。ネタバレ有です。
ドラマのあらすじを知りたくない方にはお勧めできません。
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目次
 

 

「ウェディングプランナー〜スウィートデリバリー」フジテレビ その3 ファンとしておいしいシーン - 2005年10月10日(月)

その3 ユースケ氏のファンとして、観るとおいしい数々のシーン

一般に漫画にはしばしば、シリアスな画風のすぐあとに軽いタッチの絵で顔に縦線入れたり表情をクルクル変えることが多い。こんな漫画風な感じを出すのに、ユースケ氏の持ち味がぴったりだ。
おとなげなく加奈子にくってかかるところも、加奈子にすっかり負かされている顔も、どれもコミカルで憎めない。それに彼は、笑いながら・かつ困ったように・怒るのが上手だと思う。何を表すにしても、ひとつのニュアンスだけじゃないところがすごくいい。

例によってお気に入りのユースケ氏をもう少しピックアップ。

☆第1話 教会で葉子との結婚式、トオルの表情の変遷が見もの。花嫁が遅れているときの焦った様子。誓いの言葉のときの幸せそうな顔。その後、突然他の男が現れて葉子をさらって行ってしまい教会に取り残されたトオルが、呆気にとられた親族のほうに向き直りながら「あれは…誰!」いい演技だった。
☆第2話 トオルと加奈子の二人が、外回りの帰りにホットドッグ屋でムキになり、張り合うように次々追加注文している様子。「二つ」「じゃあ三つ」このシーンはチャーミングで保存もの。
☆第4話 元恋人の結婚式が終わって一皮向けた鳴海柊平(妻夫木聡)に、「専属になってくれないか」と穏やかに語るトオル。後輩に対する暖かい目線を感じる。
☆第5話 元彼女が働いているという歯科医院で、治療音に身悶えするトオル。加奈子との小学生のような口喧嘩と、身悶えが、交互に見られるので楽しい。
☆また第5話 新白金クリニックで、勉と出来ていると誤解され、その通りだと白状すればお仕置き部屋行きは勘弁してあげるといわれて、無理やり勉と抱き合い「好きだー!」と言わされた後も、まだしばらく抱き合い勉の髪の毛をいじるトオル
☆第9話 千恵理の手作り弁当に入っていた小玉葱、苦手なんだけど、加奈子の手前も、頑張って食べるトオル。かわいそうなくらい、いいひとだ。死にそうな思いで飲み込んでから「うまあ〜い!」と言ってあげる、あの口調・表情、思わず頭を撫でたくなる。
☆同じく第9話 加奈子に「ホテルグランディア、行くなら行けば」と言われての、トオルのいつもとは違う静かなリアクション。加奈子に言われるとショックだったんだろうな・・・。(それなら千恵理とデートなんかしなければいいのだが、そこがトオルの弱くておひとよしなところ)
普段うるさい奴が神妙だと、はっとするものだ。
☆第10話 元夫に拓を渡さなきゃならないかもしれないらしい加奈子の、落ち込みを少しでも癒そうと、拓も含めた社員旅行を企画するトオル
加奈子に笑顔が戻ったのを見て、ほっとした表情を浮かべたトオルの、実に優しげなこと。
☆第11話 トオルの、加奈子に対する最初のプロポーズの口調。「だったら、結婚してやってもいいかなあー、なんて」の「なあー」の声がうわずっているその塩梅が、うまい。セクシーですらある。
軽い気持ちで冗談っぽく言ってる振りして、実は心臓バクバクしてるらしいことを、よく表してる。加奈子も、どうして気がつかないのか、この二人は鈍感にもほどがある。だからドラマとして成立するのだけれど。

その他、他の個性的過ぎるキャラ達に巻き込まれ困惑系、お調子ハッタリほら吹き系(練馬春日町の○○と呼ばれていた系)など、地だかなんだかわからないような魅力をあますことなく出してくれている数々のシーン。たまにムショウにコーラを飲みたくなるように、私は時々このドラマを観たくなるのだった。こんなカラフルなユースケ氏をはじめ、豪華なキャストの意外な一面がたくさん観られるお買い得なドラマが、レンタルにも出ていないなんて、なんとこの世はご無体な話だ。
(今、気がついたけれど、「アル花」も「お見合い」も「ホームドラマ」も「ウェプラ」も、全ていしだあゆみさん出演作だ・・・。)



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「ウェディングプランナー〜スウィートデリバリー」フジテレビ その2 トオルと加奈子はいつから恋? - 2005年10月09日(日)

その2 トオルと加奈子は、いったいいつごろからお互いに恋を意識したのか

登場メンバーみんなの恋と自分探しストーリーが入り混じる中、トオルはいつから加奈子を好きに、加奈子はいつからトオルを好きになったのか、
それが分からない・・・。いつからなんだろう。最初からともいえなくもないし、もっと遅いのかもしれない。
とりあえず二人とも非常に恋に鈍感だ。自分の恋心を自覚するのも遅いし、相手からの気持ちをキャッチするのも甘い。
他のメンバーのラブストーリーのどさくさに紛れて加奈子とトオルの恋の道が見えずらい。それも狙いのうちかも。

好感が恋にいつ変わったのか、観ればみるほどよく分からない。
ここでは、相手への好意とか尊敬とか共感とか友情といったものを含めた、恋のタネを感じさせる場面をピックアップしてみる。

☆第1話 結婚式で新婦に逃げられた過去を持つ自分にはウェディングプランナーなどには向かない、と一度は去ったトオルが、オフィスを覗いたときに聞いた加奈子たちの会話に、なにかを感じたらしい場面
結婚は、恋愛よりも、ずっと大変なもの。その出発地点が結婚式なのだから、せめてみんなで祝福してあげたい。結婚に失敗した私だからそう思うのかも・・・そんなふうに語る加奈子に何か背中を押され、そのおかげで、トオルは一歩踏み出せたのかもしれない。その後、例の、結婚に反対されているカップルのお父さんを、頑張って説得して式場(といっても菜の花畑なんだけど)に連れてきたトオルを、加奈子も少し見直したようだ。
☆第2話 担当していた披露宴で、冷め切っているカップルが案の定トラブルを起こして、新婦が控え室から出てこなくなった際、場つなぎにトオルと加奈子が即席で馴初め再現ドラマを演じるハメになったとき、新婦の心を代弁して加奈子が、新郎役のトオルに向かって「不安にさせないって約束して欲しいの」と真に迫って語り、それを受けてトオルも「約束するよ。結婚してください」と返すところ
もちろん余興の芝居でのことだけど、なんだか将来を暗示しているようなシチュエーションに、本当に暗示にかかってしまったのではないだろうか。
(最終回での実際のプロポーズが、間が抜けた感じのものだけに、ここでこんな絵を観られて嬉しい。)
☆第3話 加奈子の息子・拓のたっての望みで、仲良し家族ごっこで遊園地にいくことになってしまって、でも案外楽しんで帰りは外食しようというときに、社から緊急呼び出しがあり、帰りたくないという拓に加奈子が「ママはいつも拓といたいけれど、パパの代わりもしなきゃならないの」と言い聞かせているシーン
この加奈子の姿を見て、トオルの加奈子観がだいぶ変わって来たような気がする。偉いナーって感心したでしょう。
☆同じく第3話 トオルの上司だった柿沼部長が、スウィートブライダル社のスタッフに難癖をつけ、特に加奈子を馬鹿にするような発言をしたときに、これまであれほど言いなりだったトオルが怒って掴みかかるシーン
そしてそんなトオルに共鳴したであろう加奈子が、トオルの代わりに部長を思い切り殴ってやったのが爽快である。その後、トオルは加奈子に「余計なことしてくれて」等、冗談めかしてしゃべりながら、結構嬉しそうだ。
☆第5話 結婚式の最中に他の男と逃亡した女、つまりトオルの元彼女が、また現れて、トオルとよりを戻したいと、ずうずうしくも言ってトオルに抱きついているとき、息子を連れて通りかかった加奈子が、皮肉たっぷりにバトルをしかけているシーン
その後オフィスでも加奈子はずっとトオルにつんけんして「できの悪いラブストーリー見せられて腹が立つ」と言っている。なぜ加奈子がそこまで怒るのかトオルには理解できない。その鈍感さがいい。
☆同じく第5話 スーパーのトイレットペーパー売り場で加奈子がトオルと遭遇「なんでいつもあたしの前に現れるの」よほどトオルと葉子のことがひっかかっているらしい。トオルも「俺だって、仕事以外でお前の顔見たくない」といいつつ、四六時中気になる存在に変わりつつあるのでは。
☆さらに第5話 その元彼女・葉子を捨てた歯科医の門松の結婚式で、わざと門松にライスシャワーをぶつけまくる葉子に、「これを海に投げて忘れちまえ」と諭している、お人よしなトオルを眺める加奈子
自分を振った女の為にあんなに一生懸命になって・・・そんなトオルの素敵な一面を見て、無意識の領域で加奈子はトオルに惹かれていったようだ。
☆第6話 拓のサッカーの練習の流れで加奈子の部屋にあがりこんで普通にご飯を食べてるトオル、拓と仲良く一緒にデートする女の子の存在が心配でたまらないからといって拓と彼女の後を尾行する際にトオルを巻き込む加奈子
拓を通してすっかり友達になった二人は、絵だけみるともう夫婦のようだ。
☆第7話 和菓子屋の勉に結婚式をドタキャンされて落ち込み、プランナーを辞めようと考え、拓の恋の相談にもつれない答えをする美咲、に対して、今までの仕事のアルバムを渡しながら「まっすぐで混じりっけのない気持ちを、今までたくさん見てきたんだろう」と気づかせるトオル
それを影でそっと加奈子が見て「社長らしいこと言ってる」と微笑む。トオルの好感度アップ。
☆第8話 この回ではトオルが見合いをするにあたり、カウンセラーの響子に「実は気になるひとがいて・・・」と言いかけたり、拓に加奈子の気持ちをそれとなく「俺のこと、何か言ってなかった?」とさぐりを入れてみたりして、かなりトオルは加奈子を意識しているらしい。拓が「うん、言ってたよ。」というやいなや「えっ!?何て!?」と身を乗り出してくるところが可愛い感じ。「あんな大人になっちゃだめよ、って。」と聞いたら「なんだあの女は!」とまた怒るのも楽しい。
☆やはり第8話 デパートで加奈子の元の夫・友之と出会い、加奈子はとっさにトオルとつきあっているような振りをするが、その芝居に乗っかってトオルが、友之の前で精一杯見栄を張るシーン
その後オフィスにもどって、純に「そいつどんな奴?」と聞かれて「センスも悪いし、だめだめ」などとトオルが言うのだが、だめだめなのはどうみてもトオルのほうだ。この時点でトオルはこの元夫の存在を面白く思っていない。
☆第9話 トオルはなぜか見合い相手の千恵理と付き合うことになって、公園でデート。一方加奈子は、友之と拓との3ショットでこれまた公園に来て、トオルたちと出くわす。そのお互いの心理かけひきのシーン
すごい。やっぱり加奈子のほうがヤキモチ焼きだ。加奈子はトオルのことが気になってホテルグランディアに潜入調査までしている。
しかしトオルがこの縁談で大手ホテルの婚礼部門をまかされるなら、そのほうが彼にとっては幸せなのかと思って、わざと突き放した言動をとって、転職をうながすあたり、だんだん愛になってきているんじゃないだろうか。当人は気づいていないが。トオルのほうも、加奈子と元夫がよりを戻して拓とまた3人で暮らすようになるなら、そのほうが彼女にとって幸せなのかと考えるにつれて、さびしいような複雑な気持ちのようだ。
☆また第9話 転職できないことを千恵理にうちあけ、結局トオルは千恵理と別れることになるが、そのとき「俺はやっぱりスウィートブライダルが好きだ」「あいつらを裏切れない。“彼女”を裏切れない」というセリフがある
これは考えようによっては、彼女・加奈子を好きだということかと思われる。
☆第10話 ここでは、友之から「拓を引き取りたい」と告げられてしまった加奈子の、尋常ならぬ様子に、トオルが気遣うシーンがいっぱいだ。
いつもあれほど喧嘩していた相手が静かというのは、とても気になるものだろう。
事情を知ってからは、友之に会いに行って拓の引取りを思いとどまらせようとしたり、「何もかも一人で抱え込むな」と加奈子を手伝おうとしたり、その献身ぶり。
☆第11話最終回 加奈子の病室に見舞いに来た純が、やたらべたべたするので、やきもきしたりうろたえたりするトオル 
この後、加奈子の事態を解決する妙案として、偽装結婚計画がもちあがり、その相手役に純はどうかという話になると、トオルはまた心穏やかではない。しかしそれを目立たなくさせているのが、もっとヤキモチ心をあらわにしはじめた美咲の言動。
結局この偽装結婚計画は立ち消えになったが、そのときはトオルも嬉しそう。
・・・・これ以降、トオルの冗談めかした(でも実は本気の)プロポーズから、ラストに向けて、トオルと加奈子の心は、恋の探りあいと、相手の幸せを思う心のせめぎあい、さらに拓の将来など、いろいろ絡み合った問題に悩む。
トオルの最初の冗談的プロポーズに必要以上に加奈子が立腹したのは、本気のプロポーズを望む本音が隠されている。
トオルのプロポーズが実は本心かもしれない・でもどうなんだろうと、加奈子を迷わせるのは、トオルの愛情表現が素直じゃないからだ。
教会の屋根に登ってしまった拓を説得しているトオルのセリフを、よくよく聞けば、あれほどの告白もないと思うのだけれど、「友達はパパにはなれないんだよ」という言葉を、言葉通り受け取ってしまう加奈子が愚かしくて可愛い。(でも実際こんな事件があったら教会の周りは消防車やらで騒然となっててトオルの声なんか聞こえないんじゃないかな?)
そして最後の、喧嘩してるんだかなんだかわかんない、トオルのプロポーズと加奈子の承諾は、いかにもこの二人らしい。色気もなにもあったもんじゃないけど、なかなか良い。(欲を言えばこのときのユースケ氏の絵をもう少し綺麗に撮って欲しかった。)
スウィートブライダル社のみんなが二人に内緒で用意してくれた、アウトドア結婚式では、やっと仲良し幸せ新婚家族の表情が観られて、安心させられる。ホッペのキスで良かった。(絵として)



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