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2005年09月08日(木)
自転車の去就


私は日頃の通勤に自転車を使っています。

しかし、一ヶ月くらい前かな、
朝にマンションの自転車乗り場に自転車がなくて、
大慌てしたことがありました。

自分が勘違いしてどっか別のところに
止めっぱなしにしたんじゃないかと
近所のスーパーとか探してみたけど、
なにせ出勤前なんで時間もない。

結局バスで出社したんだけど、
やっぱり遅刻してしまいました。



で、なくなったままにしとくわけにもいかないので
近くのデパートで新しい自転車を買ったんだけど(2号車)、
その5日後くらいに最寄のATMで、
なくなったはずの自転車(1号車)が見つかりました。

うれしいような、がびーんなような…。



というわけで、今手元には2台の自転車があるわけで…。
ただ、こないだしょぼいミスで2台の自転車が
いっぺんにダメになってしまいました。

かなりがびーんです。

詳細はまた次回の日記にしたいと思います。
とはいっても、次回にひっぱるほどたいした展開
…ではなくて、ただ眠たいだけです。

お休みなさい。








2005年09月13日(火)
自転車の去就2


これまでのだいたい。

1:自転車(1号)を失くした

2:新しい自転車(2号)を買った

3:1号が出てきた

4:自転車が2台になった


--------------------


こないだ出張したときに、時間がなかったので
駅まで自転車(2号)で行きました。
そしてばたばたと100円駐輪場にとめて
急いでホームに向かいました。

しかし、仕事を終えて駅に帰ってきたときには、
駐輪場にとめていたはずの自転車(2号)がない。

どこを探してもない。
ついでに自転車の鍵がバッグの中にない…。

ありゃ。

推測されるのはただ一つ。
駐輪したときに鍵をつけっぱなしに
してたんだろうね、きっと。

がびーん。かなりがびーん。

自転車は天下の回り物とはいうけれど、
買って間もないピカピカ…。
ショック大でござる。むー。

さらに踏んだり蹴ったりなことは、
もう1台の自転車(1号)の鍵も
2号の鍵といっしょにくっつけてたから、
1号も使用不能になっちゃったのです。

がびーん。むっちゃがびーん。








2005年09月14日(水)
自転車の去就3

これまでのだいたい。

1:自転車が2台(1号と2号)になった

2:2号がなくなった

3:1号の鍵もいっしょになくなった


--------------------


行方不明の2号はともかく、
1号は鍵さえあれば問題ないなので、
スペアキーを探すことにしました。

探すことにしたのはいいんだけど、
2号と違って歴史ある1号のスペアキーは
だいぶ前に使いきっちゃってる気がするんだよね…。

そして、スペアキー出てきたことには出てきたんだけど、
案の定それは2号の鍵。
こないだ買ったばかりの新品だから、
出てくるのは当たり前か。






そして手元に残ったのは、
鍵のない1号と、鍵しかない2号。





なんとも切ない。





いやはや、





しみじみとあはれなり。






…といつまでも感慨にふけってるわけにはいかないので、
次の手は、1号の鍵をこじ開けて使用可能にする作戦です。

近所の自転車屋さんになんとかできないか
問い合わせてみたけど、
うちではこじ開けはやってないんだよね〜
と言われるばかり。

鍵屋さんに頼んだみたらいいよ、とは言われたけど、
出張料金+こじ開け代でけっこうかかっちゃう。

遠くの自転車屋さんでこじ開けしてくれるところは
知ってるんだけど、そこは出張してくれないし、
そこまで自転車かついでくわけにもいかないし。
車もないし…。むー。

で、結局出した結論は、
新しく買うほうが安くて早くて手間もかからない。

というわけで今日ビックカメラで自転車買ってきました。
2ヶ月前に2号を買ったばっかりなんだけどね。
とほほ。





2005年09月17日(土)
ディープブルー


今テレビでディープブルーの
DVDのCMをやっていました。

今日は他人の秘密の一つを
ちょこっとだけ告白したいと思います。



以前付き合った彼女の話。

小学生のとき、遠足とかについてくる
写真屋のお兄さんのことが好きだったんだ。

そういうイベントの時くらいしか
会う機会はないんだけど、
その人のことが本当に好きだったんだ。

中学生になるとその写真屋さんと
会うことはなくなったんだけど、
中学2年生になったころ、
写真屋さんが亡くなった噂を聞いた。

彼は写真を撮りにスキューバで海に潜って、
どう手違いがあったのか詳しくは知らないけれど、
結果的に帰らない人になった。

そのことは地方紙の後ろの方に
小さく載って名前も確認できたから、
その噂は本当だった。



それ以来、彼女は写真屋さん以上に異性を
好きになることができなかった。

好きになるという感情を
ずっと封印することに努めてきた。

テーブルにこぼれた水滴に見入って、
何も考えることができなくなった。

写真屋さんの写真屋の住所を調べて
そこの近くまで行った。

電車を一人で乗り継いで、写真屋さんが
発見されたダイビングスポットの島まで小旅行した。

失うことを恐れて、前へ進むことを止めた。

私に出会うまでは。





というところで今日は終わり。
また次回に乞うご期待、ということで。

…とは言うものの、単なる個人的な思い出話なので、
自己満足以外の何ものでもないか。

ま、所詮は日記ということでご勘弁を。





2005年09月18日(日)
ディープブルー2


大学のサークルで出会って、
1年後くらいに付き合いだして、
その前後からも「何かあるのかなー」って
くらいしか感じでなかったけど、
付き合い始めたらやっぱりそういうことは
話しておかなくちゃいけないと思ったようで、
少しずつ私に写真屋さんのことを話してくれました。



止めていた歩みを、少しずつ踏み出した。



図書館に連れてってくれて、
そのときの新聞記事を見せてくれた。

近くの砂浜に遊びに行って、
始めは寄せる波を遠くから眺め、
貝殻を拾ったりしながら、
波に足をつけることができるまで回復した。

小説の「黄泉がえり」を私に紹介してくれた。
ちょうどその時期に映画化もされて、
それも一緒に見に行った。

「ノルウェイの森」を紹介してくれたのも彼女だった。

「ノルウェイの森」という本も、
そしてそれを彼女が紹介してくれたということも、
すごく時分にとって意味深に見えた。

ジャック=マイヨールの小説も教えてくれた。

小学校の修学旅行で泊まったホテルも見に行った。
もちろん写真屋さんとの思い出の場所の一つ。



でも、そのとき未だに海への抵抗があったということは、
彼氏がいながらも昔好きだった人のことを
引きずっているということで、
それが彼女を違うところで
苦しめているというのもあったかもしれない。



しかしながら、彼女の歩みは一進一退ではあったけれども、
確実に前に進んでいった。

彼女が自覚している以上に、
彼女は普通の女の子に戻っていった。





2005年09月19日(月)
ディープブルー3


そんなこんなして付き合ってはいたんだけど、
やがて私たちは別れることになった。

その時まだ私は未練があったから、
彼女の氷はまだ完全には溶けきってなくて、
近い日にまた仲直りする日が来るだろうと
思っていた。

でも彼女はまもなく別の彼氏をつくることができた。

私は完全にふられてしまったわけなんだけど、
彼女が完全に立ち直って
普通の女の子に戻ることができたのは、
本当に嬉しかった。



彼女は私にいろんなことを教えてくれたし、
いろんなものを私に残していった。

宮本輝の小説、
アディエマスの歌、
家計簿をつけること。

人が死ぬという恐怖、
そしていつかは忘れ去られる切なさ。
ちいさな手首に残った細い傷痕。

愛する人を失うこと。
悲しさとか寂しさとかいうことよりも、
まさに「失うこと」としか言いようのない、
喪失感。



彼女は新しい人生のステップを踏み出したけど、
私は彼女から多くものを継承し、
失恋の悲しみとは別の種類の何かが
私の中に居座っている心地がします。



まったくの偶然なんだけど、
明日「黄泉がえり」がテレビであるらしいですね。

それを今日CMで知ったとき、
心臓の鼓動が速くなるのがはっきりとわかったし、
それがまた自分を焦らせ、緊張させ、
思考を止めさせました。



明日、私は「黄泉がえり」を見るのかな。





2005年09月20日(火)
ディープブルー4


家に帰るのが22時くらいになり、
先にお風呂に入ってからテレビをつけたから、
結局「黄泉がえり」は最後の方しか
見ることができませんでした。

っていうか「黄泉がえり」のことはすっかり忘れてて、
テレビのチャンネルをパチパチ変えてたら
たまたま見つけて思い出した次第です。

竹内結子が消えるあたりから、
何が悲しいのか涙がたくさん出てきて
やがては泣きじゃくるというか過呼吸にようになって、
もう手がつけられない状態になりました。

やがて落ち着いてきたかと思ったら、
番組の後の「この胸いっぱいの愛を」の
予告宣伝を見てまた憂いが溢れてきて、
どうしようもなく感極まってしまいました。

こんなときこそ恋人に電話すべきなんだろうけど、
彼女とはいつでも電話できるわけではないので
ワン切りを3回くらいして非常事態を知らせてみたりすると、
それだけでどうにか自分を落ち着かせることができました。



今は他人の彼女となってしまった前の彼女のことを
思い出して悲しいのか、
あるいは死と忘却(されること)への恐怖からなのか、
何が私を刺激するのかわからないけれど、
私の心には、彼女から継承した
何かが根をはっているようです。

それが結局は「憂いの泉」ってことなのかも。

会社でも恋人の前でも、三枚目…というかアホ役で
みんなに笑われるキャラなんだけど、
ほんとはかなりマイナスな人なんだよね。



でもそんなときの私の口癖は
「ぜってー負けねー」。

うん、ぜってー負けねー。


エンピツ