| 2009年01月22日(木) |
汚れた服のあの不思議な女性は、もしかしたら… |
さて、またまた昨日からの続きになります。
不思議な女性がいよいよ立ち上がったので、 私も立ち上がり、降りるべく出口に向かおうとした、 その時だった。
ドン
と、にぶい音がしたのだ。
びっくりして、音のした方を見ると、 杖を持った70代くらいのおばさんが、 バスの中で滑って転んだのだった。
おばさんは、シルバーシートに座っていて、 お客さんがいなくなったので、立ち上がり、 出口に向かおうとしていたらしいのだが、 そこで、お尻からすてんと転んでしまったのだ。
「あ、大変っっ!! おばさんを起こさなくちゃ」
私の前にいたかの不思議な女性は、 すでに、おばさんのところに駆けつけて、 おばさんを起こそうとしていた。
もちろん、私も大急ぎで駆けつけて、 おばさんをいっしょに起こそうとした。
ところが、このおばさん、 重くて、二人の女性でも、 立ち上がらせることができない。
起きあがらせ方が下手なのかもしれないが、 動転して、あわてていたので、 どうしてもうまく起こすことができないのだ。 おばさんは、自力でも なかなか起きあがれない感じだった。
どこかを痛めたかしら… 大きな音がしたから、とも考え、 できるだけ静かに起こそうとした。
しかし、おばさんは起きあがらない。 女性二人で必死で起きあがらせようとしても。 一生懸命になっていると、そこに 運転手さんが、
「どいて、女性じゃ無理だよ。 そんなやり方じゃダメだ! オレがやるから、どいて」
と、言って大急ぎで駆けつけてきた。 体格もよく力もありそうな運転手さんだった。 私たちは、おばさんから離れた。
すると、運転手さんは、 おばさんの背中の方にまわり、 おばさんの脇の下に手を入れて、 えいっ、力を入れて、引き上げた。
すると、おばさんも、滑る床だったけど、 せいいっぱい足に力を入れて踏ん張り、 なんとか、立ち上がることができたのだ。
ああ、よかった、 おばさんが、立ち上がった! よかった、どうやら、 大丈夫らしい…
と、私が思った瞬間だった。 かの不思議な女性が、そのおばさんの 汚れた服を、手袋で拭きだしたのだ。
おばさんの服は、雨で汚れた床だったので、 かなり汚れてしまっていたのだ。 それを、自分の手袋で、ていねいに そう、片方ずつ違う手袋で拭いていたのだ。
汚れることをいとわず、 まるで、普通のことのように、 すっすと、何も言わずに。
私は、あわてて、テッシュをだして、 いっしょに拭きはじめたが、 あまり量はなかったので、すぐに汚れてしまった。 とてもそんなものでおさまる汚れではなかったのだ。
すると、運転手さんが、 運転席の側にあったタオルを 持ってきてくれた。
それを、不思議な女性が受け取り、 なんとかおばさんの服をふき取ることができた。 もちろん、シミは大きく残ったが、 それでも、大分汚れをふき取ることができた。
おばさんは、この状態にやや呆然としていたが、 少し落ち着くと、こう言った。
「どうもありがとうございます。 もう、大丈夫です。 どうもすいません…」
そして、私たちに頭を下げて、 バスを、ゆっくりと降り始めた。 私たちも、おばさんが歩けることを確認し、 ほっとして、おばさんがバスを降りるのを見ていた。
しかし、雨がまだふっていたし、 少し心配だったので、 駅に向かおうとするおばさんに 私は、傘をさしかけて、 駅までいっしょに行こうとした。
すると、おばさんは、 こう言ったのだ。
「あのね… 大丈夫です。 傘、なくても、 大丈夫です」 「でも、そこまでですから…」
と、私が言うと、 おばさんは、もう一度、 しかしきっぱりとこう言った。
「あのね、大丈夫なの。 大丈夫だから…」
こうまではっきりと言われたので、 私は傘をさしかけるのをやめた。 きっと、おばさんは、いやなのだろう。
おばさんは、ゆっくりと雨の中、 荷物を引きずりながら、駅の方に向かった。

その後ろ姿を見ながら、 私と不思議な女性は、目を合わせて、 なんとなく頷きあった。 私は、この女性に、こう話しかけた。
「汚れちゃいましたね、 大丈夫ですか?」 「大丈夫です、 もともと汚れていたし…(笑) 洗えば、大丈夫だから」
女性は、こうくったくなく言うのだった。 女性の服は、さっきより汚れていたように見えた。 おばさんの服を拭くときに汚れたのかもしれない。
しかし、それには触れず、 私たちは、ちょっと笑い合い、 さよならを言って、 このバスからそれぞれ離れた。

私は、この不思議な女性と 別れてから、ふと思った。
あの汚れた服は、もしかしたら… こんなふうに誰かを助けるか何かして、 汚れたものだったのかもしれないなぁ… きたないからイヤだ、なんて 思ってしまったなぁ… 悪かったなぁ… あの人は、もしかしたら、 天使だったのかもしれないなぁ…
なんて。 そう思って、ちょっぴりうきうきし、 雨の日もバスも悪くない、と思ったのでした。
というわけで、雨の日のバスの出来事でした。
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| 2009年01月21日(水) |
笑顔がやわらかい不思議な女性 |
昨日からの続きになります。
私は、バスの中で、隣に座った女性から、 突然声をかけられて、戸惑いながらも答えた。
「今日は、傘を持って、 家を出ましたか?」 「あ、いえ… 途中で買いました。 今日は、出るとき、 天気予報を見て来なかったので…」
私は、このまま会話を続けるのか、 途中でさりげなく会話を打ち切るか、 心の中で迷いが出ていた。 なんでこんなことを聞くのだろうとか。
しかし、こんな私の気持ちなど、 全く無視するかのように、隣の女性は、 私に話しかけてきているのだった。 それが、ものすごく自然だったのだ。
「私も忘れちゃって… こんなに降るとは…でも、 バスに乗れば大丈夫かなと思ったので、 買わなかったんです」 「ぬれましたね」 (服が濡れていたのでこう言った)
「ええ、でも、このくらいなら大丈夫。 雨で、服が洗われるからちょうどいいかも(笑) 汚れているからね(笑)」
なんて、答えたりしたのだ。 私はその答えと、その笑顔に驚き、 思わず、女性の顔を見つめてしまった。
なんとも言えない感じの やわらかい、本当に心から、 ふふっと笑った顔だったのだ。 なんだか、雨の日を楽しんでいる、 そんな感じさえ受けた。
なにか、私の心に変化が生じてきた。 最初は、こんな人が隣なんてイヤだと思ったけど、 ちょっとイヤでなくなり、そして、 心がゆるんできた感じがしてきたのだった。
一瞬、あやしい宗教の人で、 その教えで、こんな日に、こんな格好でも、 こんな笑顔をするのかも… などとも頭をかすめたが、 仮にそうであっても今、バスの中で、 宗教に誘われることもないだろうと思い、 それは考えないことにした。
その女性は、その後も、 たわいないことを、ごく自然に、 例えば、
「傘はコンビニかなんかで買ったんですか?」とか、 「雨だと、道路が混みますね」 「今日は、あったかいものが食べたいですね」 「もうすぐ駅ですね」
なんて話しかけてきた。 その話し方は、とても丁寧で、 イヤな感じを受けなかったので、 私も、
「はい、近くにあったコンビニで買いました。 280円でした」だの、 「そうですね、混みますね」 「今日は、鍋がおいしいかもしれませんね」 「そうですね、駅ですね。 時間がかかりましたね」
などと答え、その女性と、 なんとなくたわいもない話を続けた。 それが、イヤではなくなっていたのだ。
とても、 不思議な感じの女性だった。 汚れた格好しているけど、 言葉づかいは丁寧だし、 楽しそうだし、 人に対する警戒心もないようだし、 なにより、 自然体という感じがしたのだった。 力が抜けているというか。
私は、まだまだ警戒して、 頭であれこれ考えながら、 体のどこか力を入れながら答えているのに。 でも、いつの間にか、この女性のペースにのり、 私もなんとなく力が抜けてきたのだった。
そんなやんわりした時間を のろのろのバスの中で過ごしていたが、 いよいよ、駅に到着した。 バスの運転手さんが、
「終点です。 到着が遅くなってしまって 申しわけありませんでした。 雨が降って滑りやすくなっているので、 お気を付けてお降りください。 ゆっくりと降りてください」
などと、社内放送した。 乗客は、終点近くになって混んできて、 座席はほとんど満席、立っている人も 何人かいて、その立っている人たちから、 順番にゆっくりと降り始めた。
私は、真ん中より少し奥の二つ座席の窓際に 座っていて、その隣に不思議な女性が 座っていたので、この女性が立つまで 立てずに、じっと待っていた。
隣の女性は、後ろの乗客が降りるまで、 待つつもりでいるらしく、座ったままだったので、 私もじっと待っていた。 まぁ、急ぐこともないしね。
そして、 いよいよ隣の女性が立ち上がり、 私も、立ち上がった。
そのとき、 事件は起こったのだ。 私は大いにあわててしまった。
この続きは、また明日書きますね。
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| 2009年01月20日(火) |
いやだなぁ、こんな人が隣なんて… |
先日、バスに乗った。 滅多にバスには乗らないのだけれど、 この日は冷たい雨が降っていたので、
「よし、それなら、 バスに乗ってみよう」
などと思い立ち、ウォーキングの途中から、 バスに乗ってみることにしたのだ。
そして、いちばん近くのバス停に行き、 最初に来たバスに乗ることにした。 最終地点はどこでもよかったので、 終点まで乗って見ようと決めた。 だいたい、どこかの駅に向かうしね。
そんなわけで、 雨宿りしながら、 バスが来るのを待っていた。 すると、バスがやってきた。
私は、いそいそと乗り込んだ。 そして、運賃の210円を運賃箱に入れた。 いったい運賃は、いくらなのか、 どこでどう払うのか、やや戸惑ったが、 運転手さんが親切に教えてくれた。
幸い、バスは空いていて、 二人がけの席に一人で座ることができた。 外の風景もいつも見ているものとは違う感じなので、 私は、外の風景をぼっーと眺めていた。
道路は雨のせいなのか、混んでいて、 バスはのろのろと小さな通りを進んでいた。 あまり歩く速度と変わらない感じだった。
でも、久しぶりに バスに乗れたのが嬉しかったので、 外の風景を見て楽しんでいた。 たまには、バスもいいね、なんて思いながら。
外の風景を眺めていたら、 とても目についたことがあった。 多くの店のシャッターが 閉まっていることだった。
今日は、店がお休みの日なのかとも思ったが、 シャッターの前に貼り紙をしてあるお店もあるし、 さびれた感じがしていたので、 閉店したお店だと感じた。
「ああ、このあたりも、 シャッター通りになったんだね… 今どきは、切ないね」
などと寂しく思ったりした。 そんな小さな商店街通りをバスは のろのろと走り続けていた。
雨が強くなって来たせいもあって、 バス停に止まるたびに、 乗り込む人が増えてきて、席が徐々に 埋まってきた。
そして、ついに、 私の横にも、女性が座った。
しかし、その女性は… 傘を持っていなかったようで、 雨にぬれていて、 その服はやや汚れが目立っていて、 ほつれかけた布製のバックを持ち、 片方ずつ別々の手袋をはめた、 貧しそうな感じのする人だった。 年の頃は、40代前半に見えた。
「なんで、私の横に座るの? 他の席も空いているのに… ここじゃなくてもいいじゃない。 私も、ぬれちゃうわ。 それに… においでもしたらイヤだなぁ… こんな人が隣なんて…イヤだわ…」
などと瞬間的に不快に思ってしまった。 この狭いバスの中で、しかも雨だから、 もちろん窓はぴっしり閉まっているし、 暖房は効いているし… だから、余計そう感じたのだ。
しかし、幸い、その女性からにおいが することはなかったので、ほっとしたが、 なんとなく落ち着かない気分になっていた。
私は、早く終点に着くといいな、と 思うようになっていた。 そして、その女性から、せいいっぱいの距離をとり、 目をそむけて、外をまたぼっーと見つめ続けた。
バスは、相変わらずのろのろと、 走り続けていた。 しばらく、走ったところで、 びっくりすることが起こった。
隣の女性が、私の方を向いて、 こう話しかけてきたのだ。
「雨になりましたね…」
私は、不意をつかれ、 びっくりして思わず、
「えっ、ええ、そうですね」
などと答えた。 すると、その女性は、さらに こんなことを聞いてきたのだ。
「今日は、傘を持って、 家を出ましたか?」
この続きは、明日、書きますね。
実は、このバスでは、この他にも、 いろいろとあったのです。 この女性にも驚きましたが、 他にも驚くようなことが…
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| 2009年01月19日(月) |
新宿区立「漱石公園」に入ってみる |
さて、昨日からの続きになります。
昨日の最後に紹介した写真の小さな道の 左側に、この公園はひっそりとある。 どれどれと入ってみると、 ほら、「漱石公園」と書いてある。

ここから入ると、 こんなさわやかな感じの公園になっている。 もちろん、入場料などもなく、オープンな公園だ。 奥に見えるお家には、夏目漱石関連の本や パンフレットが置いてあり、警備員のおじさんもいる。

この公園は、新宿区が、 「夏目漱石生誕140周年記念事業の一環として、 夏目漱石が141回目の誕生日を迎える 平成20年2月9日に、区立漱石公園が リニューアルオープンした」のだ。 (「漱石公園」HPから)
以前は、とてもみすぼらしい公園まがいの ところだったけど、(私は知っている) いつの間にか、こんなきれいな公園に生まれ変わったのだ。 「夏目漱石生誕140周年記念事業」として きれいにされたんだね。
そして、ほら、もちろん、 漱石さんもちゃんといる。

では、いったいこの公園は、 どんなゆかりがあるかというと、 こんな看板が立っている。

そう、ここは、 「漱石終焉の地」なのだ。 (49歳、胃潰瘍を悪化させて亡くなる)
ちなみに、昨日紹介した吉野家のとなりにあった 記念碑のある場所は「誕生の地」。 漱石さんは、この界隈で一生を過ごしたのだ。 (熊本で先生をし、一度イギリスに留学するも)
そして、この公園のある場所で、 本格的に執筆活動をし、 最後の9年間を過ごした「漱石山房」と 呼ばれた家があったらしい。 それが、こんな家だったようだ。

さらに、近づいてみると、 漱石さんの部屋は、こんなだったらしい。

かなり几帳面で神経質な方だったらしく、 いつもきちんとしていたとか。 赤い絨毯が印象的な部屋だけど、実際には、 本がいっぱいで、絨毯の赤は見えなかったらしい。
ともかく、この部屋で、 朝日新聞に掲載された小説などを 毎日8〜20枚くらい書いていたという。
さて、この「漱石山房」には、 その周りに洋風のベランダがついていた。 (上の写真の全体像を見るとわかります) そのベランダを再現したものがこれだ。

このベランダは、漱石さんの仕事場の書斎の まわりにあったベランダだけど、 ベランダだけ、再現されていて、 書斎の中に入るとかはできない。 つまり、こんなベランダがついていた、 というだけのものなのだ。
「ベランダより、書斎そのものを 再現してほしいぞ」と、私などは思うが、 場所も予算もなかったのかもね。 でも、今ひとつ工夫がほしいなぁ… これだけじゃね。
でも、ともかく…、漱石さんは、 このベランダがお気に入りで、 執筆に疲れると、椅子に座ってひと休みしたらしい。 ふぅーん、って感じだ。
さて、このベランダのわきには、 こんな気持ちいいこぎれいな庭がある。 まぁ、庭というより、出口に向かう道、 という方が正しいのだけど。

以上が、この公園の全てだ。 こじんまりとしていて、15分もあれば、 全部を見終わってしまうようなところだ。
しかし、この界隈には、 漱石さんゆかりの地が、他にもまだまだあって、 散歩コースなどもあるから、 歩いてみると楽しいかも知れない。

私は、まだこの漱石コースを歩いてないので、 あたたかくなったら、歩いてみようと思ってます。 何か発見したら、ご報告します。
あ、そうそう、 昨日すっかり、書き忘れてしまいましたが、 あの吉野家の「牛とじ鍋定食」の旗ですが、 漱石さんが、「牛鍋」が大好物だったので、 あの旗を立てているのだとか。 知りませんでした… 吉野家もやりますね。
というわけで、漱石公園の紹介でした。 場所は、こちらを見ると書いてます。 ただ、この地図を見て行けるかどうか、 かなり心配ですが… 「漱石公園地図」
機会があったら、訪れてみてくださいね。 もっとも、あまりの小ささに驚くかも知れませんが(笑)
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| 2009年01月18日(日) |
歴史的有名人ゆかりの地…結構あるんです |
さて、今日は、このあたりに点在している 歴史ある場所、有名人ゆかりの地の紹介です。 今年は、こんな場所も紹介していきたいと 思っています。
以前も、「島崎藤村の旧居跡」を紹介したけど、 このあたり(新宿区、文京区)には、 結構あちこちに有名人ゆかりの地があるのだ。
ウォーキング中に、 「あれ?これは、何かな?」 なんて、石や家の前で、立ち止まってみると、 有名な方の生まれた家の跡地だったり、 活躍した場所だったり… そのたびに、確認しているのだ。
で、そうそう… 今日は… この方ゆかりの場所の紹介だ。 それが誰かというと… ほら、こんな坂道がある。

この坂は、「夏目坂」というのだ。 そして、この標識に近づいてみると… こんなことが書かれている。

そうです、 「夏目漱石」さんゆかりの地 なんですね〜
夏目漱石さんは、このあたり 牛込馬場下横町 (現在の新宿区喜久井町)で誕生し、 このあたりに住み、執筆していたのだ。
この標識によると、夏目漱石さんのお父様、 小兵衛直克さんに関係ある坂のようだ。 この小兵衛直克さんは、このあたりの名主で、 その末子(五男)として漱石さんは生まれた。
この坂のあたりで ちょっとは遊んだかもしれないね、 なんて思いながら、この坂を ぶらぶらしてみると…
牛丼吉野家が見えてくる。 そして、この吉野家の脇に ひっそり立っているものを見つける。

近づいてみると、 こんな記念碑が 立っているのだ。

牛とじ鍋定食の旗の前に、 「夏目漱石誕生の地」 の記念碑は立っているのだ。
漱石さんは、末っ子(姉1人、兄4人)で、 しかも高齢出産で生まれた子だったので、 母親が恥ずかしがり、余計な子、要らぬ子として扱われ、 幼少時に、四谷の古道具屋さんに里子に 出されたり、かなり辛い思いをしたらしい。

こんな記念碑を読みながら、 うんうんなどとわかった気になって さらに坂を歩くと、 ゆかりのある地だけに、 こんな店もあることに気付く。

このあたりには、漱石さんゆかりの店も 結構点在している。 私は、ゆかりの店に一度だけ入ったことがあるが、 古ぼけた写真が飾られているだけで、 他は別に変わったことのない居酒屋さんだった。
そして、この夏目坂から、 少し入ったところに、 こんな場所があるのだ。 これがどんな場所かというと…

現在、新宿区が力を入れて整備している、 もちろん、漱石さんゆかりの場所なのだ。
すがすがしくていいところなんだけど、 ちょっとね…なんて思うところもある 場所なんだな、これが。 この場所のことは、明日ゆっくり書きますね。
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| 2009年01月15日(木) |
「ちょっと気の毒かも…」なんて思った「塀」の話 |
デザインをちょっと変えてみたりしています。 投票ボタンなど、まだついてないのですが、 また、復活しますので、その時には、 どぞ、ポチッをよろしくお願いします。
さて、今日は、
「ちょっと気の毒かも…」
なんて思ったやや気の毒な 「塀」たちの紹介だ。
「塀」たちも、よくよく見れば、 いろいろな顔をしていて、 それなりの苦労もあるようなのだ。 って、塀たちは、 苦労と感じてないかもしれないけどね。
まず、最初は、 こんな小さな路地で見つけた。

「おっ、 塀に何かぶら下がっているね。 なんだろう?」
何かちょっとでも気になることがあると、 どうしても確かめて見ずにはおれなくなる。 それがたとえ、「塀」であっても。
すると、こんなものが ぶら下がっていた。

「ふむ…さびた鎖だね。 この塀に、何かを つなげていたんだね」
さびた鎖が、だらりんと塀に ぶらさがっていたのだ。
そして、さらに近づいてよーく見ると、 すっかりさびたカギもついていた。 もはや、カギの合わせる数字もわからない 状態で、ばっちかった。

「自転車でも止めておいたのかな? まさか、犬さんでないよね? 他に、ここにカギつきで、 止める必要があるもの、 あるかしらん?」
などと考えてみたけど、 自転車と犬以外は頭に浮かばなかった。 他に何かありますかね?
ともかく、この塀にはかつて、 何かがつながれていたことだけは確かだ。 それが何かはわからないが。
この鎖を、ぐいっと引っ張ってみたが、 当然、がっつりと「塀」につながれていて、 とても外れそうにもない感じだった。
もしかしたら、このカギの番号を忘れて、 このまんまの状態になっているのかもしれない、 なんても思った。 ともかく、このさびた鎖のおかげで、塀は、 やや薄汚くなっていて、みすぼったらしく見え、 ちょっと気の毒に思えたのだった。
さて、次は、 こんな立派なお宅(右手前)の 塀の一角で見つけた。

この家を通り過ぎようとしたら、 目に入ってきたものがあったのだ。 それは、これだ。

植木の中に犬の糞を棄てないで、 と書かれた、 お風呂場用(たぶん)すのこだ。 そして、糞をすてないことは、 当然、エチケットだと 言いたいのだと思う。
この塀の下の植木に、こっそりと、 うんちを棄てていくような飼い主もいるらしい。 確かに、エチケット違反だ。 それに、この植木や塀を掃除する人のことも、 考えてほしい。
この塀は、形もキレイに揃えられ、 キレイに掃除もされているが、 こんな苦労があるんだね、 などと思ったのだった。
ということで、 やや気の毒な「塀」たちのお話でした。
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| 2009年01月14日(水) |
この「あ な」は危険らしい… |
このところ、寒い日が続いているので、 ウォーキングも厚着になりがちで、 背を丸めて歩きがちになるので、意識して、 背筋を伸して、しゃきしゃきと 歩くようにしている。
また、交差点で信号を待つときは、 腕をぐるぐるまわしたり、 足首をぐるぐるまわしたり、 首をぐるぐるとまわしたり、 冬の運動不足を補うために、 人目もはばからず、 運動するようにもしている。 こまめに体を動かさないとね、 なんて言いながら、せっせと。
さて、今日は、 そんな寒い日の ウォーキングで見つけた、 お知らせ看板の話だ。
ちょっと目を離すと、 この新宿区などは、どんどん、 街の姿が変わっていく。 大きなビルが取り壊されていたり、 逆に、大きなビルが建っていたり。
下の写真の道路は、 現在、道路拡張工事中だ。 なので、道路沿いにあったビルや家が がしがしと取り壊しされている。 (写真左側の金網があるあたりは、 取り崩されたビルのあと) 近々、その先に見えるビルも 取り壊しされることになっている。

この狭い道路が、何年後かには、 広い道になるらしい。
「へぇ〜 いよいよ、このあたりも 取り壊しが進んできたね。 あの美容室があったビルも ついになくなったんだね〜」
なんて、きょろきょろしながら、 この道を歩いていたら、 金網のところに、お知らせ看板が 貼り付けてあるのを見つけた。
何か書いてあるね、 なにかしら? (お知らせ看板は、かならず チェックすることにしている)
と近づいてみたら、 こんなお知らせ看板だった。

あ な か あ り ま す
の、お知らせ看板だった。 どうやら、この金網の内側には、 大きな穴があいているらしい。
どれどれ、どんな 「あ な」かな? なんて思い、 金網の外から内側をのぞいてみると… 確かに、大きなでこぼこが見えた。

「ホントだ、 大きなあなぼこがあるね。 何の穴かしらね? でも、この金網をよじ登って、 この中に入る人がいるのかしらね」
なんて金網の中をのぞいていたら、 私の姿をあやしいと思ったのだろうか、 警備のおじさんが見回りにやってきた。 そして、金網をのぞいている私に、 こう話しかけてきた。
「何かありますか?」 「あ、いえ… この金網から入る人がいるのかなと 思って…ほら、 こんな看板ついているし」
と、私はこの「あ な」 看板を指さした。 すると、警備のおじさんは こう教えてくれた。
「まだ入った人はいるとは 聞いてないけどね。 一応、予防のためだね。 ここにあったビルを解体して、 まだ、地下を全部壊しきってなくて、 埋め戻しもしてないので、深さのある 大きな穴があいているんだよ。 落ちたら危ないからね」 「ああ、なるほど、それは、 落ちたら危ないですね」
などと、私もまじめくさって大きく頷いた。 この金網のなかの 「あ な」は、 相当危険なようだった。
しかし、この看板のおかげで、 まだ、この金網の中に入った人がいないことがわかった。 この看板は、役立っているようだ。 よかった、よかった。
この看板が役立っていることを確認し、 「あ な」がなぜ、危険かも わかったので、私は満足し、 この警備のおじさんに教えてもらったお礼を言い、 この場所を離れた。
なんとなく… 「あ な」 というところが気になるから、 人目を引くのかもしれない… それが、注意喚起になっているのかも… なんて、思いながら。
というわけで、この看板は、 大いに役立っていたのでした。
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