まゆのウォーキング、ぼちぼち日記

2008年08月23日(土) 会社の対応とトイレットペーパーのゆくえ

さて、また昨日からの続きになります。


勇気ある警備員の方と、私は、
このトイレットペーパーの製造元に
電話で連絡してみることにした。
この事件をちゃんと伝えなくてはいけないと
いう思いもあるし、なにより、この
トイレットペーパーをなんとかせねばならない。

会社に電話をすると土曜日だったが、
女性がでたので、私は、かいつまんでこの事件の
様子を話し、このトイレットペーパーを
引き取りに来て欲しいとお願いした。



事情を聞くと、この女性は、
「少しお待ちください」
と言い、誰かと話し合った後、
こう言った。



「トイレットペーパーが落ちたんですね、
 場所は、○○ですね…
 ただ、こちらでは製造元で、販売元ではないので、
 販売元の会社の担当から連絡させます。
 すいませんが、電話番号を教えてください」




どうやら、製造元では、販売に関してまでは、
わからないということだった。
そこで、私は携帯番号を教えた。

私は、スーパーマーケットで買い物もあったし、
警備員さんの警備の仕事があるので、
このままじっとこのトイレットペーパーの側に
いるわけにも行かないし、
電話を待つわけにもいかない。



「後で、電話してくると言うことなんですけど」
「じゃ、こちらの駐車場の入り口で、
 一時保管しておきますから、
 会社の方にそう伝えてください。
 私が見ていますから」
「じゃ、お願いします」




備員さんが快く言ってくれたので、
私たちは、駐車場の邪魔にならないところに、
トイレットペーパーを移動した。







「じゃ、会社の方には、私がちゃんと事情を話し、
 回収に来るように言っておきますね。
 トイレットペーパーのある場所も。
 そして、◎◎さん(警備員さんは名札をつけていた)
 のところに行くように言っておきますね。
 お手数かけます」
「はい、それで結構です。
 いや、このたびは、ご協力ありがとうございます。
 ともかく事故にならずによかったですね」




何から何まで、しっかりして気持ちよい対応を
してくださる警備員の◎◎さんだった。
私は、スーパーマーケットに入り、
◎◎さんは、自分の仕事に戻った。



買い物をしていると、
携帯電話が鳴った。
そこで、電話にでると、
販売元の男性の方からだった。





「すいません…
 トイレットペーパーが
 落ちたとか…。
 どんな状態で、
 どんな車だったでしょうか?」





そこで、私は、この男性に詳しく顛末を話し、
警備員の◎◎さんの危険を顧みない行動と、
今、そのトイレットペーパーがどこにあるかを
順を追って説明した。



「ともかく、一つ間違えば、
 大きな事故になりかねなかったんですよ」
「はい、すいません。そうですね…
 その辺りを回っている車が、
 今すぐには確認できませんが、確認にします。
 また、そのトイレットペーパーをすぐに
 回収に行きます。
 詳しい住所はわかりますか?」
「いいえ、わかりません。
 スーパーマーケット■■店なので、
 ネットで検索すればわかると思いますが」
「あ、そうですね、
 こちらで調べます。
 すいませんでした」
「じゃ、お願いします。
 そして、◎◎さんには、ちゃんと
 お礼を言ってくださいね」




と、いうことになり、
後の対応を任せることにした。
そして、買い物をすませ、
警備員の◎◎さんのところに行くと、
まだ、そのトイレットペーパーはあったが、
回収に来ることを伝え、
私は家に戻ることにした。

家で、夕飯の準備をしていると、
再び、電話が鳴った。
販売元の男性の方からだった。




「ただいま、
 トイレットペーパーを
 ◎◎さんのところから回収しました。
 どうもすいませんでした…
 あの後、車のことを調べたんですが、
 今のところ、はっきりしないんです。
 ただ、幌付きのトラックと
 いうことなので、個人運送業に
 お願いしている運送会社では
 ないかということです。
 今後、厳重に注意し、
 このようなことがないようにします。
 今回は、ありがとうございました」





という、回収終了のお知らせだった。
トイレットペーパーを拾ってから、
3時間後には、回収も終わった。
よかった、よかったと思っていると、
また、電話が鳴った。
電話に出ると、販売元の責任者らしき、
女性の方だった。
一通り、私に謝ったあと、
この女性は、こう言った。



「今回は、配送状態まで把握できず、
 ご迷惑をおかけましたが、
 配送の徹底をするようにします。
 どうもありがとうございました」




しっかりとした口調の方だった。
しかし、電話を切った後で、
ふと、こう思った。


今どきは、配送の方も、燃料費の高騰や、
過酷な労働で、大変なのではないか、
個人業者運送業の方だとしたら、
コンテナもないのではないか…
しかも、この会社から徹底されると、
ますます大変になるね…
でも、事故になったら、
こんなことではすまないからね…
気をつけてね。



と、やや複雑な思いを持ったのでした。
後日、再び、このスーパーマーケットに行った時、
警備員の◎◎さんのところに行き回収時のことを聞いたら、
すぐに来てくれて、丁寧にお礼を言われたと言うことでした。

こうして、びっくりな出来事は、
何事もなくすばやく終わったのでした。
よかった、よかったと思ったのでした。





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2008年08月21日(木) 勇気ある人の正体

昨日からの続きになります。


私が、どうしたものだろう、この状況は…
とおろおろとしていると、そこに、
一人の勇気ある人が、飛び込んで行ったのだ。


そして、2車線の車を止めて、
落ちている段ボールをまず回収し、
歩道側に投げ入れた。




ほら、この人だ。
(私は、持っていた携帯カメラで
 大急ぎで写真を撮った)






左の方にまだ残っているのが、
落ちたトイレットペーパーだ。
赤丸のところ。

そして、この人は、つぎにその
トイレットペーパーを回収するべく、
車を止めたまま、3車線側にと
突き進んで行った。



そして、3車線側から、
歩道の方に向かって、
トイレットペーパーを投げてきた。
しかし、急いでやっているので、
歩道の方までは飛んでこず、
再び、1,2車線側に落ちてしまう。

それを見ていた私は、
携帯を素早くしまい、
1,2車線まで飛び出して、
その1,2車線側に
落ちたトイレットペーパーを
大急ぎで、歩道側に投げた。





私も夢中になって
どんどん投げた。

そして、ついに、
トイレットペーパーを
全部取ることができたのだ。





ほら、こんなふうに歩道に
投げ入れたのだ。






この勇気ある人のおかげで、
トイレットペーパーは無事に回収され、
車も何事もなく、走れるようになった。


この道路に飛び込んだ勇気ある人は、
このスーパーマーケットの警備員の方だった。
このすぐ近くに駐車場があり、
この状況をみていて、
駆けつけてくれたのだった。
そして、すぐに行動を起こしてくれたのだ。



無我夢中で、協力しあい、
トイレットペーパーを拾い合った後、
私たちは、二人で見合って、
ほっとしあった。
そして、


「よかったですね…
 無事に回収できて…」
「危なかったですね。
 大きな事故にならずに
 よかった、よかった」



と汗をぬぐいつつ言いあった。
そして、その後、
興奮していたので、どちらが
こう言ったのかわからなかったが、
こんな会話をかわした。


「あの落とした車は、気が付かずに
 行っちゃいましたね」
「荷物を落として行くなんて、
 無防備ですね…」
「落としたトラックは、
 確か、コンテナではなくて、
 幌(ほろ)でしたね」
「そうそう、幌式のトラックでした。
 そこから、ぼたって落ちた…」
「うんうん」



こんな話をしながら、
二人とも冷静になり、
今度は、こんな会話になった。


「ところで、このトイレットペーパーは
 このスーパーマーケットに納入されて
 いるものですか?」
「いいえ、あのような幌付きの納入車は
 来ていません。違うと思いますよ」
「そうですよね、3車線側を走って
 ましたから、違いますよね」



ということで、このスーパーマーケットに
来た車ではないことが判明した。

すると、
このトイレットペーパーは
どこへ行くものだったのか。
そして、
このトイレットペーパーを
どうしたものか…
今度は、そんな問題が出てきた。




これが、その問題の
トイレットペーパーたちだ。
どこへ行くのだったのか…









私たちは、このトイレットペーパーを
じっくりと見て、製造元の電話番号が
書いてあるのを見つけ、この製造元に
電話で連絡してみることにした。
もちろん、私が電話をした。

土曜日だったので、電話が通じるかどうか
わからなかったが、かけてみると、
女性が出た。



「はい、○○会社です」
「もしもし、そちらの会社で、
 トイレットペーパーを作られていますか?」
「はい、作っていますが…
 あの〜なにか?」
「はい、さきほど、
 そちらのトイレットペーパーが
 幌付きのトラックから落ちて、
 大変なことになりかけたんですが…」
「えっ?
 トイレットペーパーが落ちた?」




この後、この会社と
やりとりをすることになった。
そして、このトイレットペーパーの
ゆくえは?

この続きは、また明日書きますね。






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2008年08月20日(水) わぁー、あの人、すごいぞっ!!でも…大丈夫か?

夏休みも終り、今日から元気に再開します。
どうぞまたよろしくお願いいたします。 <(_ _)>


先日、とんでもない出来事に遭遇した。
今日は、そのとんでもない出来事の顛末だ。
どんなとんでもない出来事かというと、


えーーっ、
こんなことあるんだね、
ひとつ間違えば、
とんでもない事故になったね〜



なんて、出来事だった。
さて、それがどんな驚きかというと、
こんなことだった。



いつも通り、タオルと水を持ち、
もちろん万歩計も装着し、短パンにTシャツという
ラフな格好…というより汗をかくので、
惜しげなく洗えるものを来てだね、
元気に家をでた。

この日は、夕飯の買い物もしたかったので、
帰りに、スーパーマーケットに立ち寄れるコースにした。
8000歩ほど歩き、汗びっしょりになり、
そのスーパーマーケットに向かっていた。

この日は、土曜日で、土曜市もあり、
このスーパーマーケットの周辺は、
車がいっぱいで、混んでいた。


さぁ、
今日のお夕飯の材料を
買って帰ろう…
今日、食べたいものは、
何かなぁ…
何しようかなぁ…
ふっふ



などと、頭は食材のことで
いっぱいになっていた。
ウォーキングをして帰ると、
お腹がすき、夕飯がとってもおいしいので、
夕飯のメニューを何するか、
私にとっては、とても大事なことなのだ。

と、そんなことを
頭の中で楽しく考えながら
歩いていたときだった。




キキッー
バサッバサッ





と、車のブレーキ音と、
バサッバサッという音がした。
それは私の目の前の車道で起ったのだ。
とてもびっくりして、
目を大きく開いて凝視した。



なんと、
トラックの荷台から、
段ボールが落ちたのだ。  

そして、
その段ボールが、
車間距離のほとんどない状態で、
後ろの車の窓ガラスにぶつかり、
段ボールが壊れ、
その段ボールの中に入っていた
トイレットペーパーが、
車道に散乱してしまったのだ。




そして、その段ボールが
ぶつかった車が急ブレーキを
かけて、止まったのだ。



そのトイレットペーパーを落とした、
前のトラックは、何も知らずに、
走り去ってしまっていた。

幸い、この急ブレーキをかけた車の
後ろの車も、何とか、止まって、
事故にはならなかった。



うわっ、
大変だ!!
トイレットペーパーが
散らばったぞ。

こりゃ、大変だ。
あのトイレットペーパーを
何とかしなくちゃ…




私はどうしようと、焦りの気持ちで
いっぱいだったが、落ちたのが、
3車線の一番内側で、
中央分離帯のすぐ側だった。
うかつにその道路に出るわけにはいかない。

3車線の内側の車道は、
このトイレットペーパーの散乱のおかげで、
ストップしていたが、手前の2車線は、
普通に車が走っていたのだ。

でも、あのトイレットペーパーを
そのままにしておくわけにはいかない。
でも、他の車線は車が通っているし…
どうしたらいいんだろう…

あまりのことに、
もちろん、写真を撮ることも忘れ、
すっかりおろおろしてしまった。


私が、
呆然としていたそのとき、
なんとっ、
すごい勇気ある人が
現われたのだ!




わぁーーー!!
すごいぞ、あの人!!
でも、大丈夫かぁ!!




私は思わず絶句した。
このすごい人の話は、
明日書きますね。





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2008年08月13日(水) 自転車盗難防止番号、取調べの結果

《お知らせ》

明日14日(木)から、20日(水)まで
夏休みをとりますので、お休みします。
どぞ、よろしくです。



さて、昨日からの続きになります。
私は、新宿のはずれにある交差点の近くにある
交番のお巡りさんに、疑いをかけられて、
乗っている自転車を調べられたのだ。
私は、かなり不愉快になり、お巡りさんに、



「どこが、
 アヤシイんですかっ?」




と、くってかかった。
すると、このお巡りさんは、
こんなことに慣れっこになっているのだろう、
平然とこう答えた。


「ここは新宿ですから、
 何があってもおかしくないんです。
 だから、誰でも、調べるんです」

「誰でもですか?
 じゃ、なんで、あっちにいる、
 もっとあやしそうな人には、
 声をかけないんですか?
 私は、たまたまこの交番の前で、
 信号待ちをしていただけじゃないですかっ」



この交差点のはす向かいに、
やくざっぽい若い男が3人いて、
紙袋みたいなものを持ち、
角のところで、なにやら話をしていたのだ。
そっちの方がよっぽどアヤシイと思ったのだ。

私などに声をかけるより、
あの3人に声をかけた方が、
役割を果たせるのではないか、
誰でも、調べるのならなおのこと、
などと思ったのだ。

このお巡りさんは、ちらっとその3人を見た。
しかし、すぐに私の方を見て、


「すぐにわかりますから、
 ちょっとお待ちください。
 すぐに照会できますから」
「もしあやしくないことが
 わかったらどうするんですか?」
「ここは新宿なので、いろんな人が
 いるので、調べないと…」



こんな押し問答をしながら、
じりじりとして、照会の返答を待った。
その間に、このお巡りさんは、
私の荷物をちらっと見た。






私はその視線を見逃さなかった。
全く、荷物まで疑っているらしい。
いったい私のどこがそんなにアヤシイと
思われているのだろう。
(確かに、キレイに入れ込んでいるとはいわないが。
 ちなみに、伊勢丹、ブックオフ、ドラックストア、
 ドンキホーテで買い物をしたので、いろんな袋があった)


今日は、この交番は、
相当ヒマだったのではないか、
などと思った。




そして、他のお巡りさんから、
ついに連絡が入ってきた。



「照会とれました。
 問題ないようです」
「問題ないようですって、
 最初から問題なんてないわよっ。
 うちの自転車なんだからっ」




お巡りさんは、汗を拭いて、
また、同じことを繰り返した。



「いろんな人を調べるのです。
 ここは、新宿ですから」




いったい、
どんな基準で調べられるのか
新宿だから以外の理由はないのか?

よっぽど、新宿って悪いんだね。
新宿区に住んでもう7年ほどたつけど、
今まで、こんなことはなかったけどね。
新宿では、どんな人でも、
調べられる可能性があるらしい…
やだね…
なんて思ったのだった。



そして、このお巡りさんは、
こう言うと、謝りもせず、何事も
なかったように、立ち去っていった。
ぷりぷりと怒りが収まらない私を置いて。

もっともお巡りさんたちはこれが仕事で、
こうして街を守ってくれているのだと思うので、
ありがたいとは思うが、
もう少し、一般人を調べるときには、
接し方とか、話し方を考えるべきではないかと思った。
たとえば、


「○○で事件があり、それで、
 自転車の盗難を調べています、
 ご協力お願いします」



なんて、いわれたら、すんなりと、
取り調べも受け入れると思う。
わけもなく、いきなり、新宿だからという
理由で、取調べをされても、不信感と
不愉快さと反感だけが残るのではないかと思う。

いったい、声をかけて調べるための、
どんな基準があるんだろう、
これからは、この交番を通るときには、
思い切りあやしげに振舞ってやろう、
などと、逆に思ってしまったのだった。
(すっかりひねくれてしまった)



というわけで、取り調べされた顛末でした。
どこがあやしかったのか、よくわからないけど、
ともかく、自転車姿はあやしかったようです…
(なんだか、悔しい…)
これが、私とともに疑われた、我愛車。
ぼろっちぃけど、頑張って働いてくれます。






それでは、しばらく夏休みに入ります。
夏休み後は、また元気にアップします。
みなさまも、よい夏休みをお過ごしくださいませ。





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2008年08月12日(火) お巡りさんに、取り調べされる…怒り爆発

さて今日は、昨日の心が温まる話から
いっぺんして、



「なんでっ、
 私が何をしたって
 いうのよっ」




と、大いに怒りに
燃えてしまった日のお話です。


実は、私は、
お巡りさんから
取り調べをされたのだ。
本当にびっくりで、
怒り爆発してしまった。





ことの発端は、こうだった。
先日、新宿に買い物があったので、
自転車に乗って、買い出しに出かけた。

新宿の伊勢丹までだと、
自転車で、15分くらいの距離なので、
荷物があるときには、自転車を使うことにしている。

日よけ用の大きめな帽子をかぶり、
白いTシャツに、綿パンツにサンダル、
そして、小さなバックと汗拭きタオルを持ち、
元気に出かけた。



そして、伊勢丹での用事が終り、
ドラッグや本屋さんに立ち寄り、
自転車のカゴをいっぱいにして、
家に戻るために、
新宿のはずれの交差点で信号を待っていた。

この交差点には、交番があり、
常時お巡りさんが何人かいて、
この日は、2人のお巡りさんが
外にでて、汗だくになりながら、
交差点付近を見ていた。


私は、自転車を降りて、
信号が青になるのを待っていた。
もちろん、自転車から降りて、
おとなしくね。

(茶色の建物が交番。
 この交差点を渡ろうとしていた)






すると、背の高い(年の頃35歳くらい)
やや意地悪そうな顔をし、汗をいっぱいの
一人のお巡りさんが、
私にこう声をかけてきた。


「この自転車、
 カギ、ついてますか?」
「ええ、もちろん、
 ほら、ここについてますよ」



私は、自転車のカギを指さした。






お巡りさんは、
自転車をじろりと見渡して、
そのカギを確認した。


「あ、ありますね。
 小さいから、わからなかった」



実は、この自転車のカギにつけていた
キーホルダーが壊れて、
カギだけの状態になっていたのだ。
早くキーホルダーをつけないと、
小さなカギをなくしちゃうなと、
私も思っていたところだった。
やっぱり、早くつけなきゃね、
などと、思っていた。



私はそれで、
終わったものと思ったが、
ことはそれでは
すまなかったのだ。
お巡りさんが、
こう言い出した。




「この自転車、ちょっと
 調べさせてもらっていいですか?
 盗難防止用のシールも貼ってあるし、
 すぐに調べますから…」
「はっ?
 何でですか?」

「この辺りでは、盗難が多いので」
「え、じゃ、この自転車、
 盗んだとでも言いたいの?」

「そうではないのですが…
 調べれば、すぐにわかりますから。
 ところで、この自転車を買ったのは
 どこで、いつですか?」
「はっ?
 わかりませんよ、そんなこと」
「えっ、わからない?
 それはないでしょう?」



そんなことは、あるのだ。
だって、この自転車は、兄から
もらった自転車だったので、
かなり古く、そしてどこで買ったかなんて、
知りようがないのだったから。

しかし、ここで、
兄からかもらったなど言うと、
兄にも連絡がいくかもしれず、
ややこしいことになりそうなので、
(融通の気かなそうなお巡りさんだったので)
私は、不愉快そうに、


「家族が買ってきたんです。
 だからわからないんですっ」



と、答えた。
このころには、私はもう
気持ちがイラ立ち、口調は
かなりキツくなっていた。
お巡りさんも尋問状態になっていた。
そして、こう聞いてきた。


「じゃ、そのとき、どの辺りに
 住んでいたんですか?」
「神奈川ですよっ」
「いつくらいに買ったんですか?」
「もう覚えてません、
 たぶん、20年くらい前ですよ」



その頃、兄は神奈川県に住まいがあったので、
とっさにそう答えた。
すると、このお巡りさんは、こう答えた。


「ともかくこの盗難防止番号を
 照会すれば、すぐにわかりますから、
 ちょっとお待ちください。
 お名前を教えてください」
「○○ですよ、
 後ろにも書いてあるでしょ?」
「ああ、そうですか、
 じゃ、この番号調べます」



と、言って、自転車に貼ってある、
盗難防止番号を控え、それを、交番の中にいる
別のお巡りさんに渡し、照会をしてもらうようだった。






その間、声をかけてきたお巡りさんは、
私が逃げないようだろうか、
私の横に立ち、自転車を
じろじろと見ていた。

私は、このお巡りさんの
いかにも疑っているという態度と、
ここまでのやりとりの仕方で、
かなり、頭に来ていたので、
お巡りさんに向かって、強い口調で、
こう聞いた。



「この自転車を盗んだと、
 疑っているんですか?
 このボロな自転車を?
 もし、違ったら、
 どうするんですか?
 私のどこが
 アヤシイんですかっ?」




すると、お巡りさんは、
意地悪そうな目で、
汗をぬぐいつつ、こう答えた。



この話の続きは、明日書きますね。
本当に、怒りぷんぷんで、
今でも、この怒りはおさまりませんっ。                               




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2008年08月11日(月) 愛された思い出…「あたたかいみかん」

昨日からの続きになります。
引き続き、鈴木秀子さんの本↓からです。
「生の幸い、命の煌き」からです。







「愛された思い出」
(1部略し、強調はこちらでしました。
 P16〜25からの引用)


彼が目を開いて、私と目を合わせました。
私は思わず、聞きました。


「なにか楽しい思い出はない?」
「ない」
「懐かしい人や親切にしてくれた人は?」
「ない。そんなの一人もいない」



突然彼は金切り声をあげ、
私の問いかけを頑固に否定し続けます。
私は彼の繰り返す悲劇の人生を受け止めることに
徹しようと決めました。


「これまで生きてきたけどさあ、
 厭なことばっかりでさあ、
 いいことなんかありゃしない」
「ずっーとたいへんだったのね、
 辛いことばかりだったのね」

「はじめに行ったおじさんちでさあ、
 働くだけ働かされてきつかっただけだ」
「最初のおじさんの家では大変だったのね」



こんなやり取りをしばらくしたあと、
ふと彼が明るい表情を見せました。
そんな表情に促されて、私はもう一度、
前にした質問を口にしました。


「誰か懐かしい人はいないの?」
「誰もいない、絶対いない。
 みんなおれに辛く当たっただけだもん」
「そう、誰もいないのね。
 人間は誰かに愛情をかけてもらわないと
 生きていけないんだけど。
 あなたがこうして今生きているということは、
 きっとそういうことがあったからなのだと
 思うけど…」
「いや、そんなことは絶対にない」



時間が大分たちました。


「みかんでも食べてみない」
ストーブの側に置いてあったみかんは
ほんのり温まっていました。



私は大きいみかんを手渡すと、少年は
素直に両手で受け取りました。
そしていつまでも黙ってみかんを両手に包んで、
大事そうにしてます。
しばらく時間が過ぎました。




突然、少年が「あっ」
と声を出しました。


「このみかん、あったかい。
 おばあちゃんのことを
 思い出した」





そして、いきいきと夏樹君はこんな
エピソードを語ってくれました。
彼の声は、今までと打って変って、
夏の緑の木の葉を渡る風のような
すがすがしい響きに満ちていました。



彼が4歳だったころ、村に法事の寄り合いがあり、
祖母が出かけた夜のことでした。
夏樹君は、夜更けまで寝ないで
祖母の帰りを待っていました。

起きていた夏樹君を見ると、祖母はうれしそうに、
「ほら」といって着物の襟を開き、
懐からみかんをひとつ取り出して渡しました。



「そのみかん、
 あったかかったんだぜ」
「おばあちゃんは法事で出たみかんを
 食べないで、あなたのために
 大事に持って帰ってきたのね。
 おばあちゃんは、あなたのことを
 とてもかわいがっていたのね」
「うん、おばあちゃんは、とっても
 おれのことをかわいがってくれたんだ」




こういった時から、夏樹君の態度が
がらりと変りました。


「あなたは誰も自分のことを大事にしてくれた
 人なんかいないといっていたけど、
 おばあちゃんだけは、あなたのことを
 とても大事にしてくれていたのね」
「うーん、でも、おばあちゃんだけじゃないよ。
 転校した時の先生がとても優しくしてくれた。
 ボクを横に立たせて、
 「転校生だから、みんな仲良くしてあげようね」
 といってくれた」
「先生も…」

「まだあるよ。
 おじさんの家を飛び出した時ね、
 駅まで来たけど、
 切符を買うお金がなかったんだ。
 駅員さんに「どこへ行くの」と聞かれて
 「わからない」と答えたら、
 その駅員さんは、
 「普通、汽車に乗るときには、行き先が
  決まっているものだよ」
 と笑って、
 「まだ汽車はこないから、
  これでも食べてなさい」
 とアイスキャンデーを買ってくれた。
 食べてる間に気持ちが落ち着いて、
 その時は家出をやめて帰ったんだ…」



夏樹君は、目をきらきら輝かせています。
明るい光が彼の体中からあふれている感じです。



「夏樹君、
 あなたを大事にしてくれた人が
 何人もいたのね。
 愛された思い出があるってことなのね」
「うん、今まで気がつかなかったけど、
 いっぱいあったんだ」




そう答える彼は、私の部屋に入ってきた時の、
無気力な少年と同じ人とは信じられないくらい、
いきいきとしてさわやかでした。


苦しい時は誰でも、人生には厭なことばかり起り、
それは避けられないと思いがちです。
しかし、生きているというそのこと自体が、
自分で意識するしないにかかわらず、
計り知れないほど、多くの人の思いやりや愛情、
温かさを受けていることの一つの証拠です。

あなた自身も知らないうちに、
そういった人を生かすことをして、
誰かのそういう存在になっているに違いありません。
人間の命は、自分だけのものではない、
深いところでみんなつながり合っているのです。



             (ここまで引用)



とても心に残ったお話でした。
たとえ、小さな思いやりや愛情でも、
それが、誰かの心に残り、
立ち直るキッカケになったり、
生きる力になったりする…
そんなこともあるのだと思いました。

夏樹君が、この後、
どんな若者に育っていったか、そこまでの
記述はありませんが、今までの生き方と
少しでも違った生き方を
していったのではないかと思います。
そう合って欲しいと…。
愛されていた思い出があるのだから。

人はみな、生きていくのに、
多くの人の思いやりや愛情を与えてもらっている、
だからこそ、生きていられるのだと思いました。
回りにいる人に、思いやりと愛情をこめたい、
そうしみじみ思いました。


この本は、臨死体験の話なども載っており、
生きることを考えさせてくれる本です。
といっても、実話が多いので、読みやすく、
その話の一つ一つが心に残るので、
どんどん読めると思います。
おすすめの一冊です、機会があったら、
ぜひ、読んでみてくださいね。






この本でなくても、鈴木秀子さんの本は、
ぜひ、手にとって見てくださいね。
とてもいい本が多いので。

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「鈴木秀子さんの本」





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2008年08月10日(日) 愛された思い出…「生まれてからずうーっと不幸」

今日は、締め切り仕事があったので、
UPが遅れてしまいました。
仕事が終わったので、すっきりとしました。
ああ、よかったぁ…

今日は、本からのお話です。
今日紹介する本は、私が心から尊敬し、
生き方の手本としている鈴木秀子さんの本、
「生の幸い、命の煌き」からです。






この本は、生きることと、
死を新しい視点でみつめた本です。
死は、恐れるものでも、忌み嫌うものでもなく、
また、生と死は切り離されたものでもなく、
生の延長線上にあり、それゆえに、死の意味は、
生を際立たせてくれるものだと言っています。



一つ一つのお話に、人間としての生き方、
死の受け入れ方、生きることの意味などが
書かれており、静かに心に響いてきます。
ぜひ、読むことをおすすめしたい本です。

私は、この本を読んで、
今の自分の姿勢を見直しました。
そして、人間としてやさしくありたいと、
心から思いました。
(なかなか思ったようにはいかないのですが…)




さて、今日の話は、この本の中から、
「愛された思い出」
というお話の紹介です。
(1部略し、強調はこちらでしました。
 P16〜25からの引用)




「愛された思い出」 


少年院でカウンセラーをしている若い友人から、
年の瀬も迫った早朝、電話がかかってきたことがあります。
彼女は、「お姉さん」と皆から親しまれて、
問題をかかえる少年、少女のよき相談相手となっています。
その彼女の電話の声は、いつもの明るさに似合わず、
おどおどしていて、困り切っている様子でした。

彼女と話し合った結果、私は、さまざまな非行のあげく、
少年院に送られてきた一人の中学生の男の子に、
寒い暮れの夕方、出会うことになりました。


無表情の、背だけ伸び切ったという感じのこの少年は、
痩せた肩を怒らせ、足を引きずりながら、
揺れる舟のように歩くのでした。
椅子に座る時も、はすかいにどすんと大仰な音を立て、
左足を右膝にのせて、相手の目の前に、
汚れた大きな靴底がいくようにするのです。
少年は時々、上目遣いに回りを見渡しては私を無視し、
ふてくされた態度をとり続け、口を開きません。




「誰の手にも
 負えそうにありません」




と、消え入るようにつぶやいた若いカウンセラーの
電話の声がもっともとうなずかれます。
黙って彼の前に座っていた私は、ふと口にしました。
自然に話したくなったのです。


「夏樹君でしょ。
 私、夏樹って名前って好きだなぁ。
 夏の緑の木々の枝を渡る、
 さわやかな風を感じるもの」



彼は、顔を横にそむけたまま、貧乏揺すりをしています。
彼の全身から、灰燼が吹き上がるようです。


「何も話したくなかったら、
 無理に話さなくてもいいのよ。
 黙ってていいから、
 私といっしょにしばらくここにいてね」



彼は、ちらっと私を横目で見て、またすぐ目をそらせました。
そのまま貧乏ゆすりを続けています。

私は沈黙し、気づかれないように彼の動作を読み取り、
彼の動きに合わせて体を動かすことにしました。
彼が息を吐くときにゆっくりと一緒に吐き、
彼が足を組み替えれば、私も腕を組み替えると
いった調子です。
これは心を閉ざしている人と交流を持つための
ゆとりを与える助けになる方法です。



しばらくたって突然夏樹君が、
組んでいた足をほどき、
両足を床にきちんと揃えて座り直しました。
しかし上体は斜めにかしいだままです。
伏せていた目を細く開き、
まだ子どもっぽさを残している口元を
きゅっと結び直して、老人のような声で、
初めてこういいました。




「俺ってさぁ、
 生まれてからずうーっと
 不幸なんだ」
「えっ、不幸?
 ずっーと不幸?」




私は、彼が不幸などという抽象的な言葉を使って
話し始めたので驚いてしまったのです。

彼は、いったん口を開くと、胸にたまっていたものが
どんどん勝手に飛び出してくるので、
自分でとまどっている様子です。

大人ぶった口調や、時には幼児の甘えた
舌足らずの話し方で、夏樹君が独り言のように
いったことはひとつのことに集約されます。
それは、彼の最初の一句にこめられた思いです。



「おれほど不幸なやつはいない。
 誰からも大事されたこともないし、
 みんなおれをやっかい扱いにする。
 だから、仕返ししているんだ」




こんな思いで生きている少年の生い立ちは、
もちろん恵まれたものではありません。
彼の話をまとめると次のようになります。


彼は生後すぐ相次いで両親を亡くし、
育ててくれた祖父母も亡くなったと後は、
親類の家をたらい回しにされました。

最初に預けられたおじの家では、
少年は仕事の手伝いばかりさせられ、こき使われました。
あまり学校に行くこともできない彼は、
「登校拒否」のレッテルを貼られてしまったのです。
10歳のとき、耐えられなくなって逃げ出します。
しかし、すぐに連れ戻されて、
次に預けられた別のおじの家では、家族が意地悪くて、
なにかと少年を虐待します。
そこを逃げ出すのですが、また、
別の家でひどい目にあうことになります。

少年は自分のこれまでの人生が
いかにひどいものだったか繰り返していました。
事実がどうであったにしろ、
今の夏樹君はそう感じ取っているようでした。


しばらく沈黙が流れました。
思い切って話したあとの夏樹君の顔に、
少年らしい表情が漂い始めています。
しかし、目は暗く、ときどき前後に揺れる体は、
背骨のない軟体動物の雰囲気に包まれています。




この続きは、また明日書きますね。
この後に、夏樹君がどんな話をするか、
ぜひ、続きを読んでくださいね。
私はとても感動しました。





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