■ふたつ目の恋愛②■


私が2番目に愛した愛した人は・・・
のちに旦那さんとなる人たかちゃんと言う

始めはチャラけていて、声が大きくて「なんて人だ?」ってイメージ

2軒目のお店で知り合った
街のお祭りの日、女の子は全員浴衣でお店に出る
言葉では表わさず、その頃の流行り歌J-POPを歌ってくれた
「お前のために唄おうかな~?」とか、小声で。
「浴衣の君はとてもキレイで色っぽい」なんて歌詞だったと思う

普段は乱暴な口調で話すたかちゃん
少し顔を赤くしてそんなことを言うもんだから、何故かときめいてしまった

二人でアフターに会うことが多くなって
たかちゃんのお昼休みには公園で待ち合わせして
私の手作り弁当を食べさせたりした

たかちゃんを好きだった一番の理由は
一緒に居ても、私に身体の関係を求めてこなかったところ

私の子供にパパとして認めてもらうまでは、と言っていた

たかちゃんを知れば知る程、見かけとは違い
誠実な人だと知る

過去に色々とあり、人を信じられなかったり、人と距離を取ったり
そんな人だったけれど、私たちはお互いに甘え合って過ごした

たかちゃんと知り合うまでの私は
母に捨てられたことが傷となっていたのかもしれない
誰と付き合っても、甘えることができなかった

言いたいことも言えず、心の中で消化しようとしてしまう
そして消化しきれなくなると、自分をコントロールできなくなってしまう

たかちゃんと一緒にいた頃は
素の自分でいられたのかもしれないと、後になって思う

私の娘は父に虐待を受けたせいか、男性をひどく嫌った
たかちゃんが話しかけても返事もしない
たかちゃんが近付こうとするものなら泣きだす始末

たかちゃんは私と付き合うことを諦めて
私から離れようとしたこともあった

そんな日々を繰り返し、娘はたかちゃんに慣れ出した
自分からたかちゃんに抱きつくようになって
いつの日か「パパ」と呼ぶようにもなる

たかちゃんの粘り勝ち
たかちゃんの気持ちが嬉しかった

既に同棲を始めていた二人
ある日「役所に行くから印鑑持ってでかけるぞ!」
テレ屋のたかちゃんのプロポーズだった

役所で私たちは「婚姻届」に記入し、晴れて夫婦となった

全てのものに感謝した日でもありました・・・
2005年02月07日(月)

~夜の蝶 編④~


3軒のお店には長くはいなかった

色気を売らず、会話でお客サンを取る術を覚えた私は
3軒目のママさんとは、仕事をする上での思考の違いで長居するつもりはなかった

この店のママさんは【擬似恋愛】を女の子に要求して
私が辞めてからは若い女の子に客を取らせて斡旋料も取っていたくらいだ

客の元へ行く女の子の派手な下着を配給し、儲けていた
そんな噂を耳にし、つくづく辞めて良かったと胸を撫でおろした

この店では専属歌手として店の真ん中で、リクエスト曲を歌った
リクエストがない時は、お客サンの横に座ってお相手をする

この店は自分の得意客が来ると、バックマージンがついた
最初のお店からついて来てくれたお客サンは、よく通ってくれた
旦那と離婚して、子供を一人で育てていることを知っていたから・・・

3軒目のお店には半年くらいいただろうか?
4軒目のママさんは私の親友でもあった女性

それまで勤めていたお店をやめて新しく自分のお店を開店させるため
マネージャーとして助けて欲しいと言われ、勤めだした

そのお店でもリクエスト曲に応え、歌を唄っていた

2005年02月06日(日)

~夜の蝶 編③~


2軒目のお店には3年くらい勤めただろうか?

ママさんは、とても厳しい人だった
1軒目のママさんがとても気さくな人だったため、違いに戸惑った

2軒目のママさんは、とてもバリバリしている女性であったが
同時に色気もあって魅力的だった

女の子より自分が目立ち、ママ目当てで客を集めていた

私はママさんにどことなく似ていたので【ちぃママ】と呼ばれていた

ママさんはある会社の重役の愛人だった
愛人と言うと聞えがいい・・・
恐妻を持つ重役は、自由になるお金があまりなく
年に数回ママさんと行く旅行から、毎日ママさんの自宅へ通って食べる
昼飯の材料費だって、全てママさん持ちだったと言う

接待でお店を使う時も、重役のBOXには高級料理の数々、高級ブランデーが並ぶ
その料金も格安で重役の会社の接待費へまわる

そんな店だった

当然、お店に勤める女の子もすぐに辞めてしまう
ママさんは気まぐれな人だったから、昨日と今日、違う指示を出し
文句を言おうものなら、責めたてる

いつだったか、ママさんが愛人と喧嘩をしたことで
お店で浴びるほどお酒を飲んだ
心配した私が「ママ、今日はもうお酒やめましょうよ?」と言うと
裏の厨房に呼び出されて、しこたま怒られてしまった
いつもは「私の身体を心配してくれてありがとう~^^」と言うママさん

愛人とママさんが別れた気配が漂うなか
お店でのママさんは人が変わったようにピリピリしている

2番目の旦那さんとなるたかちゃん
同棲を始めた頃、ママさんと喧嘩をしたのをきっかけにお店を辞めた
2005年02月05日(土)

~夜の蝶 編②~


私が夜の仕事を始めたきっかけの最初のお店は
東北の港町から旦那さんとかけ落ちして北海道に逃げて来たママさんの店

一人女の子を募集していると聞いて友達の紹介でお店に出た
1週間だけの約束で、私はソコに立った

先端が丸く半径を描くようなカウンターだけのお店でした
10人も入れば一杯になるような、そんな小さなお店

港町には漁師さんが集まる
東北出身とあって、東北からやってくる漁師さんや
地元の漁師さん
ママさんの旦那の会社関係の人たち
東北なまりのある気さくなママさんを慕ってくる人

小さなお店は連日賑わっていた
右も左も分からず、身なりもパッとしない私が勤まったのも
そんな気さくなママさんが可愛がってくれたからだと思う

面接へとでかけた翌日
ママさんは勤めに必要なスーツなどを買ってきて届けてくれた

20年繁華街の真ん中でお店を続けてきたママさんは一目わたしを見て
「あんたの笑顔は売れる。きっといつか店を持つかもしれないね」と云った

1週間の約束が気がつけば2年半の月日が経っていた

ママさんの病気治療のため、お店を閉めることになり
その頃は私にも得意客がついていたので、なし崩しで他のお店に移ることになる
2005年02月04日(金)

■一度目の不倫⑤■


情に負け、最後に一度だけ・・・ととしさんを部屋に入れた

しばらく外で迷っていたのが解る
としさんの身体も手も氷のように冷たい

としさんは私を抱き寄せて
「もう一度やり直せないか?」
「もう一度、僕のそばで笑って欲しい」

そう言って私にKissをした

咄嗟に私は顔を背け、身体を離す
としさんはそれでも諦めず
ベットに押し倒された

私はそんなとしさんが哀しかった

いつも私を待たせるだけで、いつも私を不安にさせ
いつも私は胸が痛かった

そんな優位に立っていたとしさん
拒んでいる私を無理矢理抱こうとしている

私は哀しくて声をあげて泣いた
泣きじゃくっている私にとしさんは我に返って
身体を離した

そして二人、向い合いお別れの言葉を云った

としさんと私の4年間の不倫が終わった

2005年02月03日(木)

■一度目の不倫④■


としさんとの別れも私は泣いた

ある日としさんがお店に来た時
いつもお店では暗黙の了解で私がとしさんにつく

本当の別れを決めた時、私はとしさんにつかなかった
ずっと別のお客サンにつき、としさんをお店に置いて
一人先に帰ってしまった

としさんが店のラストまでいる時は
アフターデートをして、そして二人の部屋へ行く

やっぱりとしさんはラストまでいたので
別れを決めていた私は、先にお店を出て自宅へと戻った

すぐにとしさんが追いかけてきて
私の部屋のチャイムを鳴らす

インターフォン越しに会話をする

「どう言うつもりなの?」
「開けてくれないのか?」


「さようなら・・・」

2度チャイムが鳴り、そしてとしさんは帰って行った

愛した人との別れは、どんな時も哀しい・・・

クリスマス・イヴの夜
別れてから幾日が経ったそんな夜
いままでにみた事のないくらい酔った姿のとしさんがカウンターに伏していた

ママさんが同情して私につくよう指示したくらいの酔い方だった

私を見たとしさんは酔って泣いていた

そう言えば・・・
としさんは奥さんと別れて
私との結婚を考えるほど愛してくれていたんだった・・・

クリスマス・イベントのゲームで用意していたセーターを
ママさんが私が選んだセーターだから「プレゼントしますね」と渡した

そのセーターを抱きしめてとしさんは泣いていた

その夜のアフターにとしさんは私の部屋のチャイムを鳴らした

「寒いよ・・・」
「寒いよ・・・」
「最後に一度だけ、部屋へ入れて欲しい」
2005年02月02日(水)

■ふたつ目の恋愛①■


本当に本当に人を好きになるって難しいことだと思う

いつでも真剣に恋をしているつもりでも
別れてみると、どうしてあの人が好きだったんだろう?と思い返す

大袈裟に云えば【死んでもいい程、愛した人】の数は少ない

遠距離で終わってしまった彼 かぁくん
2番目の旦那さんになったたかちゃん
そして現在好きな ゆうさん
片手で足りる・・・

そもそも一人と付き合うと長いので
全てを入れても30半ばでも両手で余る・・・^^;

たかちゃんと知り合ったのは
2軒目のお店で

としさんとの不倫の恋の終わりを決めた時、すぅ~っと心の中に入ってきた人

一つ上
営業マン
顔立ちは、真田広之さん
歌手を夢みていただけあって、歌唱力は抜群だった

営業マンの飲み会は、一つ成績を上げると支社全体で盛大にお祝いする
お得意さんの一人がたかちゃんを連れて飲みにきた

まだまだ子供のたかちゃん
何故か私の源氏名を何度も遠くから叫び呼ぶ

子供っぽくて、チャラけていて
そんなたかちゃんが苦手だった
酔うとクセも悪くなるところもあったし

だからたかちゃんを好きになるなんて
その頃の私は思いもしなかった・・・

2005年02月01日(火)

■一度目の不倫③■


としさんは私と奥さんの
そんなやり取りは全く知らず、私も心配させたくなかったので
彼には何も話さずにいた
そしてその頃から、としさんへ別れ話を持ち出していた

としさんは私との再婚を考え出した

としさんの親友がお店に来て
としさん夫婦がもう危ないこと
私との再婚をとしさんが考えていること
としさんがソレを奥さんに告白したこと
としさんの親友の口から聞いた

としさんは私に逢っても
そんなことを口に出さなかった

私は人を不幸にしてまで、自分は幸せになろうと思えなかった
彼の考えと私の考えは、合うことがなかった

ただ私を愛しい瞳でみつめるだけで、ただ哀しそうに・・・

逢う度、私は「別れましょう」って云っていた

そしてのちに2番目の旦那さんとなるたかちゃんとの出会いが始まる

2005年01月30日(日)

■一度目の不倫②■


としさんとは4年

私がテツと離婚して間も無く
私ととしさんは別れた

としさんの奥さんにバレてしまう事件が起きた

ニュースにもなるくらいの大きな地震
私が「捨てることを条件」にした私からの手紙の束を
としさんはタンスの上に隠していた
としさんの家の前には焼却炉があった
私との逢瀬の後、毎回私から渡す手紙をとてもとしさんは喜んだ

忙しいとしさんは月に1度逢えればいい
寂しい毎日を私はいつとしさんが来てもいいように
手紙を用意してとしさんへ渡していた
家に入る前に読んで、手紙は焼却炉に捨てること
そんな約束をしていたから、手紙を残していたことも知らずに過ごしていた

その手紙の束を奥さんにみつかってしまった

奥さんは時々としさんが私の自宅へかける電話番号を調べあげ
(NTTの発信履歴を取り寄せた)
度々、私の自宅へ電話をしてきた
私の名字が知りたかったのだと思う

「佐藤さんのお宅ですか?」
「違います」
「ではどなたのお宅ですか?」

・・・・・・・そんな電話が何度となく繰り返しかかってきた
2005年01月25日(火)

■一度目の不倫①■


ホステスをしていた頃
まだテツとも暮らしていた頃

私は一人の大人の男性と知り合った

歌が上手くて、とても物静かな男性【としさん】でした
私より20歳も上の人

今の私は30半ば
現在の私から見れば、40歳の男性は同世代で気軽に話せるけれど
まだ20代そこそこの私にしてみたら、とても大人の男性だった

私をみつめる目や、としさんの視線の先にいる私
としさんとの出会いは私に大人の世界を教えてくれた

としさんには妻子がいた
そして地域では有名な人

私からとしさんに連絡を入れることは皆無だった

もちろん携帯もない時代、連絡手段があるとすれば
としさんの自宅へ電話を入れるしかない

私はとしさんとの付き合いを大切にしたかったから
私からとしさんの自宅へ電話をかけることはしなかった

お酒に酔ってはとしさんさんに逢いたくて
仲良しママさんがいるお店で夜を明かした日々でした・・・

2005年01月22日(土)

歌でも唄って / こころ

My追加