2013年11月15日(金) |
いのうえシェイクスピア「鉈切り丸」 |
14日昼の部を観てきました。生の舞台を観るの、久しぶりですー。
6月の「断色」(堤真一、麻生久美子、田中哲司)以来。
偶然ですが「断色」も「鉈切り丸」も、脚本・青木豪、演出・いのうえひでのり。
会場に入るなり、ロビーにいのうえひでのり氏のお姿が。毎回観ていらっしゃるのかしら。
客席に蘭丸(@リーガルハイ)くんがご観劇でしたよ。
前日に一妻多夫訴訟での蘭丸くんの大活躍を観たばかりだったので、かなり感激。
というか「蘭丸だ! らーんーまーるー!」と思うばかりで
田口淳之介くんというお名前を思い出すのに手間取ってしまった。
さて「鉈切り丸」。
なぜ「なたぎりまる」という名前をつけられたかは、おいおいわかるのですが、
シェイクスピアの「リチャード三世」を、源範頼(のりより)を主役にしてみたお話。
長男・頼朝(生瀬勝久)、次男・義経(須賀健太)、そして三男・範頼、幼名を鉈切り丸(森田剛)と、
母はそれぞれ違えど源義朝を父とする源氏の3人。
人一倍醜く、歪んだ身体で生まれてしまった範頼が、策略と殺戮の限りを尽くして
征夷大将軍までのし上がっていくお話です。
当然、頂点を極めた途端に奈落の底にまっさかさまなわけですが。
森田剛くんの極悪非道っぷりがすさまじいです。
悪役だけどちょっとはいいトコあるよねー、とか、実は憎めないよねー、とか、まったくない。
加えてビジュアルの醜さ不気味さが徹底しているので、
「朧の森に棲む鬼」の染さまのように、悪いやつだけどカッコイイ、色っぽい、
そこに惑わされてしまう、なんてこともない。
この人こそ範頼の息の根を止めてくれるのでは、と期待した人物が次々にあっけなく毒牙に倒れ、
すべて殺されまくったあげくの最後の最後に、わりと意外な人物にトドメを刺されてようやくのカタルシス。
剛くん、あの歪んだ姿勢や動きのままずっと舞台にいて、殺陣もこなすので、本当に大変だと思います。
声もいくぶん低めのまま、抑揚がない感じで不気味さを出していて、ほんと、何から何まで「陰惨」。
巴御前に「あなたには華がない。人の上に立つ器もない」とかまで言われちゃうほどです。
主人公がそんなで笑いや哀愁の要素がまったくないので、
頼朝(生瀬勝久)のちょっとぽわーんとした殿っぷり、その妻・北条政子(若村麻由美)の美しさやかかあ天下っぷり、
頼朝の忠実な家臣・梶原景時(渡辺いっけい)の安定の報われなさっぷりに、めっちゃ癒されます。
お笑い担当としては、源氏の歴史を記録しておくよう命じられた、同じく頼朝の家臣の大江広元(山内圭哉。
「SPEC」の第二話で異常な聴覚を持つ死刑囚を演じた人ですね)もすごく楽しい。
そしてそんな源氏のもとに、重要な場面ごとに現れる平家の生霊、建礼門院(麻実れい)の圧倒的なオーラと美しさたるや!
またまた実感しましたよ、元宝塚トップスターのゆるがぬ実力を。
美形担当には、同じく家臣の和田義盛を演じる木村了くんがいるのだけど、
舞台全般を通して、一番心惹かれるのは生瀬さんと若村麻由美さんなのよね。
生瀬さんの声の良さと存在感は、そこいらの美形を軽く凌駕しますな。
若村麻由美さんも最高に美しいままシリアスからお笑いまでこなし、なんという高値安定。めっちゃステキ。
大女優のおひとりに違いないのに、パンフによると、ご本人は
「役者は役を取ったらただの者、という意識なので、『女優』というキラキラした肩書きで呼ばれるのが
いまだに恥ずかしい」そうですよ。謙虚にもほどがある女優さんです。
範頼の生母イトを演じた秋山菜津子さんも、やはりいつも通りステキだったけど、出番が少なくてちょっと残念。
もちろん、存在感はそれでも十分すぎるほどですが。
周りをかためているのがこれだけ凄い人たちなので、面白いは面白いのですが、
主役のふたりが、ちっちゃくて醜い(あくまでもそういうキャラね)男と、
敵の女にならざるを得ない恨みや哀しさを体現するにはまだちょっとなー、という印象の成海璃子ちゃん(巴御前)
なので、ラブストーリー的な萌えどころはまったくない、というのがちょっと寂しいかも。
ラストの水を使った大立ち回りも「朧の森に棲む鬼」を彷彿とさせました。
いかにも範頼にふさわしい絶望的な最期でしたが、やはりわたしは朧の染さまの、
ちょっと甘さもあるダークヒーローの方が好みかもなー、と思ったりもしました。
そうそう、本編にはまったく関係ないけど、舞台上で使われている水が臭いです!
冒頭から森に降りそそぐ霧があんな悪臭ってありえないです。マイナスイオン台無し。
中列くらいにいたのですが、それでも臭ってきたし。スモークが焦げ臭いのは仕方ないにしても、
水は雑菌がはびこるまえに換えましょうよ。あれは本当にどうにかしていただきたい。
今年の観劇はこれにておしまいです。ライブはましゃの大感謝祭があるけどね。
思い起こせば、観たかったけどうっかり出遅れてチケット取れなかったのが、
九月花形歌舞伎の「陰陽師」と、7月の大泉洋ちゃんの「ドレッサー」で、このふたつを観れなかったのは
かなり残念です。「ドレッサー」はいつかWOWOWでやってくれることを、ほんのり期待しておきましょう。
2013年11月11日(月) |
イッテQ登山部が凄すぎる |
昨年のマッターホルン登頂の録画も、つい最近までHDDに残してあったほど、
イッテQ登山部の活動は大好きで必ず観ております。
ほんと凄い。ほんと大好き。
というかイモトが本当に凄い。
今回のヒマラヤ・マナスル登頂(8163m)も、自分はアルピニストではなくてコメディアンだからと
万全のサポートをまわりにお願いしていましたが、いやいやいや、あの本意気の取り組み方に一切の甘えは無いし、
だからこそまわりもあれほどのサポートをするのだろうし、だからこそ、観るといつも感動してしまうわけですし。
感動と笑いのあの絶妙なバランスがね。
最高の技術と体力と精神力がなければ挑めない、とんでもない過酷なことをやっているのに、
イモトの存在ひとつでちゃんとバラエティになってしまうものね。
本物のアルピニストの方々だけの登山の様子も、観ればきっとドラマチックだろうとは思いますが、
感動はあってもここまで笑えることはないでございましょ?
去年のマッターホルン登頂も、世界一のイケメンガイド・ミハエルをも唸らせるほどの根性で、
まるで包丁の刃のように細く切り立った尾根を四足動物のように登っていく様子に
ひたすら圧倒されましたっけ。
で、あんな苦労して登頂した途端、スケジュールの都合?か何かでヘリでぶーーんと運ばれて
下ろされちゃうとかもう、画的には最高のオチでした。
今回も、世界最高峰のひとつに挑むという点については一切のオフザケは無い(フザケテたら命にかかわる)、
最高の冒険ドキュメンタリーでありながら、弱ったりキレたり喜んだりしているイモトの姿は明らかにバラエティ。
だけど絶対逃げずにやり遂げてしまうイモトは誰よりも凄くて、
それを観て泣いたり笑ったり、2時間TVに釘づけになってしまったのでした。
そうそう、これまでの登山に常に同行しつつも常に途中で脱落し、
今回初めて最後まで登りきったディレクター石崎氏。
おめでとうございますとは思いつつも、これでヘタレキャラ扱いできなくなってしまうかと思うと、
ちょっと残念というかかなり残念というか。
でも登山部全員の登頂成功は本当に素晴らしい。最高でした!
2013年11月06日(水) |
爻ノ篇までにSPEC全話を |
爻ノ篇までにSPEC全話をもう一度観ておこうと、余計なことを思いついてしまい、
相変わらず目がツラいです。
漸の篇の段階ではまだ多くの謎が謎のまま残っております。(ノベライズも読んだけど映画以上の情報は得られず)
ですが、さすがにここまできてからテレビドラマを最初から観返すと、
「これはそういうことだったのね」と、腑に落ちることがいっぱいで出てきて最高に楽しい。
テレビで一話目を観たときには「なんじゃこりゃ?」だったのにね。
当麻をガサツすぎるキャラと思ったことも、冷泉を安っぽいインチキと思ったことも、
とにかく何から何までわけわからなすぎると思ったことも、なんとも懐かしい。
今やもう、当麻は言うに及ばず、冷泉だって最高に魅力的で大好きだし。冷泉もう死んじゃったけど。
わけわからなすぎた世界も、今や十分納得の上、全然アリだと思えますし。
2010年10月期のドラマなので、若干3年前の作品ですが、
トリ頭のわたしは細かいシーンなぞかなり忘れていて、実に新鮮に楽しんでおります。
が、いかんせん地デジ移行直前のアナログ録画なので、画面の下にずーっと
「地デジコールセンター」のお知らせが出てるのよね。時代を感じさせるわー。
そうそう、トリ頭と言えば、ここ数週間ほどウォーキングコースの近所の川に、
白鳥さんが1羽滞在中なんですよ!(ボケた写真で失礼)
トリ頭などと比べては失礼な、真っ白な美しいコハクチョウ。
見慣れているカモさんの3〜4倍の大きさはありそうな、ノーブル&ゴージャス。
なぜこんなところに不時着してしまったのか理由はわかりませんが、とりあえずよくいらっしゃいました。
北に渡って行かれるまでゆっくりお過ごしくだされ。
|