2006年05月26日(金) |
『夢現ファクトリー』 リズム 2006.5.24 |
今までハーモニーをじっくりきいたりすることはあまりなかった。 しかし、リズムのハーモニーを聞いてから、仲の良い声で心地よいなあと思った。 リズムの歌は一昨年のドラマ主題歌として初めて聞いた。 そのドラマは自閉症の子供とその家族のお話だった。 私は甥が自閉症の障害児なので、そのドラマを一生懸命に見ていた。 そのドラマでかかっていた主題歌がリズムの「万華鏡キラキラ」だった。 ハーモニーがきらきらしていて、タイトルにぴったりあっていて、 すぐに好きになった。 すぐに覚えてカラオケでも歌えるようになった。
そして、リズムのファンになっていった。 ファーストアルバムは明るい楽曲がたっぷりでとても聴きやすいいいアルバムだった。 しかし、「万華鏡キラキラ」以外は特に大好きな歌はなくて、全体的にいい感じのファーストアルバムだった。 なので、今回のセカンドアルバムはそれほどすごく期待はしてなかったけど、 このアルバムはすごくすごくよかった。 特に「願い」「キセキ」は私の大切な歌になるに違いないと思った。
リズムの歌の特徴、 それはリズムほとんどの歌が友情や周りの仲の良い人たち、 大事にしている人たちへの歌が多いことだ。 恋愛を歌わない。そこが特徴だと私は思う。 恋や愛を歌わず大切な人へ歌うというのは、 これはこれですばらしいことだと思う。 リズムの二人は中学生の頃からの親友だと言う。 だから、親友の歌が一生懸命に歌えるんだと思った。 ハーモニーも親友だからこその、仲良しのハーモニーだと思った。 仲が良くて、お互いを思いあっているからこそできる暖かく優しいハーモニーなのでしょう。 男女のハーモニーとは決して違う。 友達同士で思い合うハーモニー、そして友達同士で一生懸命に力を合わせて作り上げる楽曲は他のアーティストと何かが違う。 女二人での活動はすごく難しいはずだ。がんばって続けてほしい。 これからの活動、ほんとに応援していきたい。 リズムの二人が作り出す音楽の世界は私にとってはとても新しい。 また、新しい扉を開いたような気持ちになった。 ギターとピアノのデュオなので、ぜひともライブも聞いてみたいと思う。
2006年05月23日(火) |
『Portable Tunes-HARCO CM WORKS』 HARCO 2006.4.26 |
私はHARCOというアーティストをぜんぜん知らなかった。 銀色夏生さんの「メール交換」という本で初めてHARCOというアーティストを知り、興味を持った。 アルバムジャケットに写っている青年は、 不器用な家庭教師をやっている大学生のような感じで 顔を見ただけで、ああこの人はこういう声だろうなと思いながらCDを聴いてみた。 そしたら1曲目から予想通りの声で思わず「あたった〜。」とつぶやいてしまった。 1曲目の「世界でいちばん頑張ってる君に」という曲は、 シングルにしてもいいほどに、とてもインパクトのあるいい曲でスズキアルトのCMソングだ。 現にシングルで出ているようだ。 このアルバムの曲はすべてCMソングの曲なのだが、私は聴いたことがあるのかないのかわからない。 聴いていても記憶に残ってないのだろう。 3曲目の「カゴメ野菜スープ」はカゴメ野菜スープの特色そのものを歌詞にして印象的なメロディをつけている。 スキャットだけでさっぱり何かわからない曲もあり、 映像がないと何のことかわからなかったりするけど、 なんだが面白いしほっとする。 わからないのにほっとするというのは HARCOというアーティストの声の魅力と 曲作りの腕にほかならない。 腕とセンスがなければCMソングなんて書けない。 いきなり「賃貸で部屋探そう〜〜♪」なんて流れると笑ってしまう。 「私のマウススプレー」という曲では (一大決心して髪を切ったのに、1日だれも気づいてくれなかった。そんなときはマウススプレーで気分を変えよう。)といった感じの歌で、 歌を聴いているとその状況がよくわかって楽しい。 木琴をたたいているだけの曲もあるし、普通のアルバムには入れられないようなユニークな曲がたくさんだ。 面白い。 HARCOという人はとんでもない才能を持っている人なんだということがよくわかった。
2006年05月19日(金) |
『ASKA Concert Tour「 My Game is ASKA」』 2006.3.4 in 日本武道館 |
ASKAのソロコンサートをWOWWOWで見た。
「My Game is ASKA」って変わったタイトルだなあと思っていたら、 ASKA本人が最初は「My Name is ASKA」と思ったけど、 面白いからちょっと変えてみたと言っていた。 自分自身をゲームのこまのように考えるというのも面白いなと思った。
時任三郎さんに書いた「君が愛を語れ」をオープニングで歌った。 スローバラードにアレンジされていて、 最初はすぐにはあの曲だとはわからなかった。 CHAGE&ASKAの歌は一切歌わず、ソロの歌だけだ。 ソロの曲は大迫力なので、独特の世界が広がる。 ASKAの宇宙を感じる。 あんなにマイクを離して歌っても、ちゃんと歌詞が聞き取れるところがすごい。 どの歌も本当に迫力があり、歌う姿にも魂がこもっている。
ただ、しゃべるときの声が以前より低くなったような気がした。 歌うときの声はすごくよく出ていたし、 あれだけうねるようなメロディーと難解な歌詞を歌うパワーは少しも衰えを知らない。
最近思うけど、ASKAはシンガーであるけれど、飛鳥涼という人を演じている俳優さんのようにも見える。 飛鳥涼という人物を作り上げ、ファンの前で演じきっている珍しいタイプのシンガーだと最近では思う。
WOWOWでこのソロコンサート見ることができて、ほんとにうれしかった。 武道館は行ってみたいけど、 地方の人間にはなかなか行くことができないので、 あの臨場感をテレビで見ることができてうれしい。 また、いろいろ放映してください。WOWOWさん、ありがとうございました。
2006年05月18日(木) |
『HORIZON』 レミオロメン 2006.5.18 |
レミオロメンのニューアルバム。 去年のシングル「南風」で注目。 ジャケットもすごくいいんです。 有線から流れる「南風」を初めて聴いた瞬間は、曲は優しいのに、 声は熱いなあと思った。 「南風」は春先の歌で、だんだんと南風が吹く頃の暖かくなっていく途中の歌なのに、声が熱いなあと感じた。 その後『エーテル』で「3月9日」を聴き、 この男性でも女性でもない人間の暖かさに触れたような歌詞と曲に、また新しい感情が湧いた。 男性でもなく女性でもない人間の気持ちを歌うというのは、私にとっては新鮮だ。 普段聴いている曲はたいていどちらかに振り分けることができてしまう。 「3月9日」は人としてこうありたいという祈りのような曲だ。
その後、「粉雪」で大ブレーク。 すっかりスターになったなあと思っていたところへアルバム『HORIZON』。 ジャケットは空と海と地平線。 まだ、1回しか聴いてないけど、音が分厚くなった。 しかしボーカルが変わらず熱い声なので、ぜんぜん音に負けてなくて、 新たなレミオロメンの音楽を聴けてよかった。 ファンの間では前はもっと日本語を大切にしていたのに、 レミオロメンは変わってしまったという人がいるけれど、 私は変わったというより、より進化したと思う。 『エーテル』の頃から、このグループは歌詞を大切にしながら、 ロックしていると思ったし、 今回のアルバムも英語を使っているのは1曲だけ。 今の世の中、英語をまったく使わないのはかえって不自然だと思う。 藤巻さんという人はさりげなく、 いい言葉を書ける人だなあと尊敬してしまう。 ミスチルの桜井さんの時もそれは強く感じたけど、 桜井さんは希望が大きい壮大な感じがする。 藤巻さんは普段の日常生活の中で、一つ一ついいことを考えて、 小さいことをそして言葉を、積み重ねていく詩人だと思う。 ああ、コンサートに行きたくなってしまった。
2006年05月15日(月) |
『僕らがいた』 松たか子 2006.4.26 |
今まで松たか子さんの歌はあまり聞いてなかった。が、この人の歌声は5月にとても似合うと気づいた。 ぜんぜん無理せず、自分の音域で自分の歌い方で歌うところが心地よい。 歌唱力で聴かせようというシンガーではない。 こつこつと自分に合う歌を、自分の歌を一つ一つ作っている感じだ。
今回の新曲は私の大好きなスキマスイッチが作った曲だったので、注目していた。 松さんの方からスキマスイッチに曲をお願いしたそうだけど、なんだか松さんのために書いた感じはしない。 いい曲を1曲書いた、という感じだ。 スキマスイッチはちょっと前にW-indsにも「キレイだ」という曲を書いていたけれど、このときもW-indsに書いたというより、いい曲を1曲作ったという感じだった。 あっ、松さんのアルバムのことを書いていたのに、脱線してしまった。
なので、今回の新曲「明かりの灯る方へ」とアルバムのために書いた2曲「そして僕の夜は明ける」「水槽」はどれもただ単にすばらしいできの曲だと思う。 いい曲を松たか子さんが松さんなりに理解して歌いこなしている。 これらの曲はもうなんとしてもスキマスイッチにも歌ってほしい。 というよりも自分たちが歌うのに書いた感じがするのは私だけだろうか。
スキマ以外の曲もこれまたすばらしい。 akiboshi作曲の「時の舟」もいいメロディだし、 そして何より松たか子さん自身が、なんともあたたかいメロディーの曲を作るようになったことに驚いた。 「僕らがいた」や「未来になる」「その日まで」はなかなかの傑作だと思う。 こんなにもいいメロディーと詞が書けるのなら、 女優とシンガーの両立はまだまだ続けられるだろうと確信した。
私はどうも春は苦手で沈みがちになってしまうのだが、 今年の春は松さんの歌声でかなり気持ちよく過ごすことができた。
このアルバムはすばらしい粒ぞろいの曲集だ。はずれな曲は無し! 特に一番好きなのは「山手線」。大好き。 「山手線、いいなあ、行ってみたいなあ、行けないけど…。」と 一人でつぶやいてしまう。 「ソレアレス・メモリー」もうっとりする。リピートでずっと聴いていたくなる。
2006年05月14日(日) |
『smiles』 堂島孝平 2006.2.22 |
5月5日にナガシマスパーランドで堂島幸平さんの歌を8曲ほど聴いた。 今まで堂島さんのことは名前しか知らなかったので、歌を聴いたのは初めてだった。 すごい高い声が出る人で、かと言って細い声ではなくて、 バックの分厚いガンガンの音に決して負けない声。 初めて聴いた声で、あれだけインパクトのある声に出会ったのは久々だった。 顔は遠かったのでぜんぜん見えなかった。 すごく夏らしいというか元気でポップで、楽しい気持ちになる曲が多かったので、気にいった。 とにかくもっとあの声が聴きたいなと思ったので、最新アルバム『smiles』を聴いてみた。
全体的にすごくまとまりがあってとても聴きやすい。 これが名曲!というのはちょっと聴いただけでは感じられなかったけど、 すごく楽しい気持ちになって、何度も聴いた。 寝る前も聴いた。 普通、寝る前にやかましい音楽はじゃまになることもあるけど、 これはポップな音楽なのに安らかな気分、いい気持ちになった。 ライブで聴いたときの声はすごく高い声だけど、しっかりとしていて細い声ではないなあと思った。 が、CDはまた声が違っていた。 ライブではあんなに高音が響いて印象に残ったのに、 同じ曲をCDで聴くとそんなに高い声に聴こえない。 不思議だなあ。
曲は小澤健次風の曲あり、スガシカオ風の曲ありという感じだけど、 彼らよりもとてもゴージャスで堂島さんの個性が光っている。 オープニングの「スマイリン・ブギ」はジャズのパレードを見るかのような ゴージャスで楽しい雰囲気なので、 これから楽しいミュージカルを見るような気分になる。
2曲目の「LUCKY SAD」もライブで聴いたときは、 高い声が響き渡ってすごくポップで楽しかったけど、 CDはおとなしい。 ライブよりもCDで聴くほうがおとなしいのはあたりまえだけど、 この曲はアイドルが歌ってもいいような、楽しく淋しく切なく明るい曲なので、 誰か他の人にも歌ってほしいと思う。 タイトルも好きだなあ。「LUCKY SAD」ってなんかいい響きだと思う。 ジャケットの絵や歌詞カードの中身の絵が、 60年代のアメリカの絵らしいきものを使ってあるので、 全体的にアナログな音にも聴こえる。 そういえば80年代の伊藤銀次がこんな感じだったような気がする。
それにしてもライブではあれだけ印象的だった声が、 CDではそんなに印象的には聴こえないので、 CDとライブでは違ったパワーを魅せることのできる人なのかなあと思った。 でも、一度だけしかライブは見てないので、これはあくまでも第一印象なのでしょう。 「デビュー11年目です。」とおっしゃってましたが、 伊達に10年歌っているという感じはみじんもなく、 しっかりと地に足のついた活動をしていることはちょっと聴いただけでもしっかりと伝わってきた。
さっきは名曲はまだ見つからないと書いてしまったけど、 「アーリーモーニング」はセンス抜群です。完全に参りました。
2006年05月05日(金) |
FM愛知公開録音『川嶋あい、平川地一丁目、堂島孝平、うたまろライブ』 |
ナガシマスパーランドでの『FM愛知プレゼンツ、ホリデイ・スタイル・プレミアム・ライブ 川嶋あい、平川地一丁目、堂島孝平、うたまろ』に行ってきた。 朝、7時から整理券を配ると情報を得たけれど、さすがに7時到着するのは断念し、もうだめかなあと思いながら、8時半に到着。 入場整理券は1661だった。 2400人まで入れるとのことだった。
ライブは午後1時半からで、待つこと5時間。 やっと中へ入ったら、まるで体育館のような大きい広いところに御座がしいてあった。 靴を脱いでなるべくつめて座る。正座する人、体育座りする人。 こんな経験もあまりないので面白かった。
1時半きっかりに始まった。 FM愛知のパーソナリティの人が司会をしている。 最初のアーティストは地元の「うたまろ」。 来月、メジャーシングル第二弾を発売するので、とてもはりきっていた。 地元なので、少々ナガシマスパーランドの思い出話や地元の話もした後、 インディーズ・デビュー曲「せつない」「やわらかな日々」などを歌い、 新曲の「陽炎」も歌った。 「陽炎」は今までよりも印象に残る手ごたえのある曲に仕上がっていた。 うたまろは5曲歌った。
次は堂島孝平さん。 堂島さんは続けて3曲を歌った。 白いエレキギターがとても似合っていて、夏らしいいい曲だった。 声がとても高く、しかも決してファルセットではなかった。 私の好きなタイプの声で、いっぺんに好きになってしまった。 堂島さんも今年新しいアルバムをリリースされたそうで、 今度ツアーもあるとのことだった。 ファンの人もたくさん来ていて、その人達はすぐに立ち上がっていたが、 堂島さんは「きょうは、いい曲をいっぱい歌いたいです。でも、きょうは御座がしいてあるので、みなさん座ってゆっくり聴いてください。」と言って立っているファンを座らせた。 みんなが座っているところで、立ち上がって前が見えないのは後ろの人は気分が良くない。 堂島さんはファンの心を気遣って、さりげなくファンを座らせた。 その後、みんなでいっしょに歌いましょうと言っていたけど、その歌は結構難しかったので、歌いにくかった。 堂島さんは8曲歌った。全部、夏らしい曲だった。 ちょっと、オザケンに似た感じもした。そういえば、小沢さんはどうしているのでしょうか。
次は平川地一丁目。 いきなり2曲ほど歌った。 そのうち1曲は割と最近の歌「夢の途中」だった。 二人はみちがえるほどに大人になっていた。 とても高校生には思えない。 自信たっぷりの歌とギターには貫禄さえうかがうことができた。 兄の龍之介君が 「ナガシマスパーランドの駐車場とバス停とレストランのペンキは僕らのお父さんが塗りました。だからいい仕上がりです。」と言ったので、 みんなびっくりして笑っていた。 本当にお父さんがナガシマスパーランドでお仕事をされていたようだった。 今回行く事になってお父さんから話を聞いたそうだ。 兄弟で音楽の仕事をすることに困る事はありますか?との質問に 「仕事で顔を見て、家でも顔を見て、学校でも顔を見るのであきました。」と龍之介君が答えてくれて面白かった。 本当に二人は大人になっていた。 歌もびっくりするほど上手くなっていたし、 なによりその自信にあふれたステージにファンじゃない人も釘付けになっていった。 平川地一丁目も新曲をリリースするとこのことで、 今、ドラマの主題歌になっているそうだ。 「今はこのドラマを見ることがいきがいです。」と龍之介君。 5月24日発売の「運命の向こう」とカップリングの「悪魔の片想い」を歌った。 「悪魔の片想い」はファンが大いに盛り上がった。 平川地一丁目は6曲を歌って終わり。
最後は川嶋あいちゃん。 「きょうは「子供の日」ですが私もだんだん子供と接する事が少なくなり、少し淋しいです。「大人の日」というのもあればいいな。そんなくだらないことを言ってないで歌いましょう。きょうは本当に申し訳ないのですが、3日程前からひどい風邪をひいてしまい、30分の持ち時間があるにもかかわらず2曲しか歌えません。本当にごめんなさい。」と言って「ガラスの心」を歌った。 あいちゃんは無理して来てくれたんだと私は思った。 ああ、あいちゃん、あったかくして早く寝てと心で叫んだ。 あいちゃんは「次は弾き語りをします。「旅立ちの日に」。」と言って精一杯弾き語りをした。 のどの調子は悪かったけれど、体調が悪くても精一杯歌うあいちゃんに感動した。 まだ若干20歳なのに、私はもう子供じゃない、 大人だからしっかりしなくてはという姿勢が現われていて、 あいちゃんを見る度に私はいろいろ教えてもらっている。
若い人の目ざましい成長を見るのはとても気持ちいい。 いつまででも変わらずに子供でいたいという人が多い中、 平川地一丁目や川嶋さんからはそんな甘えた考え方が微塵も感じられなかった。 着実に大人への階段を上って、その成長の足跡をまざまざと見せ付けられた。 素晴らしい成長ぶりに感動した。
2006年05月03日(水) |
『a piece of cake』 小松未歩 2006.4.26 |
この人はこんなにもか細い声で、なんでこんなにも心をえぐるような歌を歌うんだろうといつも思う。 春が似合うような明るい歌もたくさんあって大好きだけど、心の底からの悲しみの歌もすごいと思う。 私にとっては中島みゆきさんの書く詩よりも、小松さんの詩の方がリアルに胸につきささる。
いつか 笑って話せる日が 二人に訪れるとしたら きっと私 おばあちゃんになってる この空の下で どれだけの人が 最愛の人と結ばれるの 幸せだった思い出が鮮やかすぎて ここからまだ動き出せない 「deeo grief」 作詞 小松未歩
小松さんの失恋の歌は決して相手をうらまない。 全部、一つの出来事として受け止めて思い切り悲しむようだ。 相手のせいにしない。 どこまでも悲しんで立ち直るところまでは書かない。 次の明るい光を求めたりしない。 アルバムの中に1曲か2曲くらいそういう曲が入っていて、いつも胸につきささってくる。 grief=悲観。悲しみの重さを感じる。
これを聴いていると、本当にどれだけの人が最愛の人と結ばれるのかなあと思う。 最愛の人っていうのは誰にもわからないし、思い込めば最愛の人となるし、 本当にわからない。 最愛ってどんなものだろうか。人と人を超えているのかもしれない。
「はるのきおく」は昔を懐かしんでいるいかにも春らしい曲。 ひらがなのタイトルもあたたかい感じ。
「神様はジッと見ている」も良い。 自分の心に嘘をついても神様はジッと見ていて、時折その事実を突き詰めてくる。 だから素直に生きようという歌。
「向日葵の小径」はこれから夏へ向っていく時期に情景が浮かぶような歌だ。 向日葵の小径を 二人 歩いた あの頃は もう戻らない 分かっているけど この場所を動けない
「向日葵の小径」 作詞 小松未歩
向日葵はわたしにとっても、 きれいで大きくて太陽に向う明るい花でありながら、悲しい花でもある。 向日葵が並ぶ道を歩いていると、明るい黄色が短い夏を悲しむかのように見えてくる。
「あなた色」や「my darling」はいかにも小松さんらしい自由に心を綴った歌だと思う。
素晴らしい考え方の人だと思う。 悲しい心はそのままに無理に明るい方向へ行こうとしない。 悲しいときはずっと悲しんでいる。辛い気持ちをかみ締める。 そして楽しい時は心のままに楽しく歌う。
私は小松さんの歌で励まされる事はあまりないけど、こういう素直な気持ちも大事な事だなあと思う。
2006年05月02日(火) |
『JUKE BOX』 BENT FABRIC 2006.2.15 |
テレビで81歳のジャズ・ピアニストのピアノ演奏を見た。 すごいパワフルだった。体が自然に揺れている。 ピアノに合わせて若い人が歌っているが、みんなすごく楽しそうでノリノリだった。 まさに、音を楽しんでいるって感じでいいなあと思った。 音を楽しむ!そのものだ。 しかしその時は忙しくて曲名やアーティスト名を控える事ができずに、 忘れてしまっていたが、ラジオ番組でその曲がかかり、「おお!あの楽しそうに演奏していたあの曲だ!」と判りとうとうCDを買った。
ピアノの音がまるでアナログレコードを聴いているようなひびきに聞こえる。 ピアノはとても力の必要な楽器だ。 肩に力が入っては絶対にいけないし、力の入れ具合がとても難しい。 熟練するとこんな感じになるんだなあと思った。 ジャズと言っても、いわゆるスイングとかではなくて、何なんでしょう? 私にはポップスに聴こえるのですが。 ときおり軽やかなピアノの音が聴こえて、体が浮きそうな気分になる。 「It feels like love」はアルファベットの歌みたいに親しみやすい。 「shake」もパーティ会場でジャズ・ピアニストがごきげんに演奏しているみたいな感じだ。 たぶん歌は若い歌手の人が歌っているのだろうと思う。 色んな人がみんなそれぞれの歌い方で歌っている。 ほんとにタイトル通り「ジューク・ボックス」から聴こえてくる音楽みたい。 ビートルズの時代の曲を軽やかにしたみたいな感じで、こだわりのない洋楽を久々に聴くことができてよかった。
2006年04月30日(日) |
『瞬間(とき)』 小椋佳 1980. |
『瞬間(とき)』は私が小椋佳さんのアルバムで一番好きなアルバムです。 小椋さんの歌との出会いは高校の音楽の授業で習った「しおさいの詩」でした。 その時は音楽の授業で習って歌っただけだったので、歌っている人のことは知りませんでした。 後の小椋佳ブームの時にはじめて知りました。 その頃は特に小椋さんの曲が好きではなかったのですが、このアルバムの作品は全部大好きです。
タイトルにもなっている「熱い瞬間(とき)」は何かに感動しているその一瞬を歌にしています。
くしゃくしゃな笑顔で 泣いている人がいた こみあげる 歓びに 抱き合う人がいた 私も追いかけよう そんな熱い瞬間を
高校野球の優勝の瞬間かなとその頃の私は思いました。 当時、小椋さんは36歳。今と違って36歳の人は大人でした。 特に小椋さんは人生の色んな事を早くから経験されて、大人の中の大人って感じでした。 大人の小椋さんがこんな風に感動の瞬間を歌にした事に私は感動しました。 やはりこの人の書く詩はただの抒情詩では収まらないと思いました。 かと思えば「二人こうして」は本当にゆったりとした愛の歌で 捨てられないものは 何 ひとつ ありません あなた いがいは
恥ずかしげもなくあっさりと歌っています。 考えれば、捨てられないものはあなた以外にあるはずです。 なかったらおかしい。 しかし、なぜか小椋さんのあの声で聴いていると、 素直に聴けるのです。
私にとって小椋佳さんの歌詞は歌詞というより詩に思えて、 歌詞カードは詩集です。
病気を克服して活動を続けている小椋佳さん。 すごいなあと思わずにいられません。
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