私の音楽日記

2006年01月22日(日) 「東京の空の下あなたは」  山口百恵  1977.

この曲は2003年に突然「山口百恵の21年振りの新曲」と歌われて『MOMOE PREMIUM』というCD−BOXの最後に収録された曲。
いわゆるお蔵入りになっていた曲でまだそんな曲があったんだなあと驚いた。
そしてこの曲はNSPの天野滋氏作詞作曲だ。

アップテンポな曲だけど
「東京の空の下のあなたには私の気持ちはわからない」とか
「バカね バカね バカね 私は」というくだりはまるで演歌のようだ。

しかしあの百恵節で歌うと演歌ではない。
ちょっと影は感じるけど泣いてないからだ。
あくまでも、山口百恵の少し翳りのある歌謡曲になっている。
そしておそらくこの曲を天野君が歌っていたなら、NSPの曲になっていたんだろう。
私にはこの細かいアップテンポの曲を百恵ちゃんの声で聴いていても、天野君の声が時折重なって聴こえてくる。
アイドルの初期の歌はあまりに幼すぎて聴くのもはずかしくなるような曲が時々あるが、百恵ちゃんは宇崎、阿木コンビが歌を作るようになった頃から歌声にも力が入ってリスナーをひきつける歌手になっていった。
引退の頃は美しさを増して、華やかで煌びやかで何を歌ってもスターだった。

私はこのお蔵入りした「東京の空の下あなたは」が良いとか悪いとかどちらかわからない。
ただ、天野君らしい細かいストロークの調の曲と、淋しげな詞で百恵ちゃんをイメージして書いたのだなあと思い、その頃のNSPの歌を思い出した。
そうそう、あの頃天野君の書く曲は細かいストロークで、あまり抑揚のない曲が多かった。
あまり抑揚のない百恵ちゃんの声や表情に天野君が書いた歌はあっていたのだ。
百恵ちゃんも淡々と、しかし一生懸命歌っている。

もともとNSPはフォークにどっぷり浸かっているグループではなくて、
たまたまヒットした曲がフォーク調だっただけで、ジャンルはないような不思議なグループだった。
この「東京の空の下あなたは」を聴いていると、曇り空を見上げている百恵ちゃんの姿が浮かんでくる。

今となってはこの曲が最後までお蔵入りせずに2003年に陽の目を見たということは良かったと思う。
きっと天野君もこの曲が発売された事にうれしさを感じただろう。
活動期間が短かった百恵ちゃんに、隠れた音源がまだあったとは芸能界はやっぱり不思議な世界だ。



2006年01月20日(金) 「Duets」  山下久美子  2005.12.21

久々に山下久美子さんの歌を聴くことができた。
久美子さんの歌では「瞳いっぱいの涙」という曲が大好きで、これは原田真二さんの曲だった。
久美子さんは布袋さんや、原田真二さん、佐野元春さんなど色んなアーティストの曲を久美子流に上手く味付して歌える人で、くせがあるといえばくせのあるあの声がとても魅力的。

そして久々に聴いた今回のアルバムは「Duets」。
そうです!色んな人とデュエットしているのです。
まずオープニングが忌野清志郎とのデュエットでもう聴いていてごきげんになってしまった。
最初っから清志郎の声が聴けるなんて、もうそれだけでこのアルバムは楽しい色んな味が楽しめることが補償されているようなもの。
次の曲の甲本ヒロトさんとの「ドレミの歌」も弾んで楽しい。
ユーミンの「やさしさに包まれたなら」もユーミンとは全然違っていい感じだし、元フライング・キッズの浜崎さんとの「ラチエン通りのシアター」などはよくぞこの曲を取り上げてくれた!さすが浜崎さんと大感激してしまった。
そういえば私は最悪に落ち込んでいた頃、フライング・キッズの曲にかなり励まされてた。
病床で毎日フライング・キッズの曲を聴いていた過去を思い出してしまった。
あと、亀淵有香さんとの「The Rose」も渋い。
この曲は久美子さんの声質にぴったりで、とても自然に聴けた。
この曲は色んな人が歌っていて、どれもが素敵で本当に楽曲が素晴らしいのですね。
そして吉川君との「Someday」やラストの元春との「A Silver Girl」を聴いていたらもう胸が熱くなってしまった。
こういう気持ちを忘れてはいけない。絶対に。

久美子さんは双子のお子様を育てながらの活動で、辛い事もたくさんあると思うけど、こんな素敵なアルバムを作っていける素晴らしいアーティストだと再認識しました。



2006年01月19日(木) 「Beyond the Sea」  K  2005.1.18  

Kは本当に韓国の人なんだろうか?そして本当に若干22才なんだろうか?
日本でのデビューアルバムを聴き終えた感想はこの一言。
驚くほど上手くて完成されたアルバムで圧倒された。
こんなに日本語が上手いなんて、こんなに表現力が豊かだなんて、韓国の人とは思えない。
そんじょそこらの日本人よりも日本語の歌が上手い。もうびっくりだ。
テレビではバラード系の歌しか聴いてないので、バラードのKだなとか思っていたけど、ポップな曲も恐ろしく上手い。
びっくりしたし、しびれた。
1曲目の「Cover Girl」のなんというカッコよさ!
発声の仕方の微妙な強弱の感じや表現力はなんともいえない。

「陸の上の舟」はポップな曲なのに、Kの声によってバラードにも聴こえると私は思う。
「Beyond the Sea」は歌いたくて海を越えてきたと言っているように聴こえる。
日本のファンに向けての歌かなあと思った。
ゴスペラ―ズや平井堅、エグザイルなど色んなアーティストの歌の要素ををひっくるめた歌が歌えるKは、しかし誰にも似ていない。
古内東子さんが「Fly away」という詞を書いているが、Kが歌うにぴったりの詞だ。
DVDの方は6分ほどの歌っている映像だけど、とにかくピアノを弾く姿がめまいがするほどかっこいい。
あんな情熱的にピアノを弾き歌う事ができるなんて、とても22才とは思えない。
単に音楽に感動したというより、人として恐ろしく素晴らしい人だと驚くばかりだ。



2006年01月14日(土) アコースティックナイト in 川越町〜伊勢正三・太田裕美・大野真澄〜川越町あいあいホール



1.地球はメリーゴーランド(3人)
裕美さんは水色のロングツービース、裾はギザギザ。
2.海岸通り(3人)
 MC 大野さんが業務連絡を会館の人から頼まれる。
「駐車場のナンバー○○○○の車がライトがつけっぱなしになっています。」と大野さんがメモを読あげる。
「この車のお客さん、すぐに消してきてください。」すると一人の男の人が「わたしです。」と言ってあわてて外へ。
正やんが舞台袖へひきあげる。
「コンサート楽しかったなあ。と思って帰っても車が動かないんじゃだめですよね。教えてもらって良かったですね。」(裕美さん)
「裕美ちゃんと出会ったのはもう30年前、たくろうも歌ってた「ペニーレイン」だよね。」(大野さん)
「そうですね。あれからもう30年。30年経ってこうやって一緒に歌っているっていいですね。」(裕美さん)
3.さらばシベリア鉄道(大野さんと裕美さんがデュエット)
裕美さんが袖へ消える。
「この「あなただけを」は湘南サウンドを意識して作ってくれと依頼されて、7週か8週1位になったんですよ。」(大野さん)
4.あなただけを(大野真澄)
「この曲はみんな知っているかなあ?「ビートルズはもう聞かない」です。」(大野さん)
5.ビートルズはもう聞かない
6.ラブソング 「新しいアルバムの中の曲です。」(大野さん)

大野さんが引き上げて、裕美さんが再び登場。衣装は水色のツーピースで同じでした。
「私は本当に曲にいい曲に恵まれていて、この曲もとってもいい曲なので、聴いてください。」(裕美さん)
7.サントリー南アルプス天然水の歌 水の里(太田裕美)
「若い頃は自然や地球を守るとか考えた事がなかったけれど、お母さんになって初めて地球をきれいなまま孫やひ孫の世代に伝えたい、自分の時代だけじゃなく、ずっときれいな地球を守りたいと思うようになりました。お母さんになってから、自分の世界がパノラマのように広がって、色んな人から色んなことを教わったり、歌の世界もお母さんの気持ちで歌ってくださいと依頼されたりするようになり、歌の世界も広がりました。」
「きょうは東京も朝からずっと雨です。」(裕美さん)
8.雨降りお月さん
9.雨だれ
「「雨降りお月さん」は歌が子供の頃から大好きな私の歌の原点で「雨だれ」はプロとしての原点の歌です。」(裕美さん)
正やん登場。
10.君と歩いた青春(太田裕美、伊勢正三)
正やんは冬が苦手だという話しと紅白のスキウタの話しが交わされた。
「私は1曲でもすごくうれしいのに、正やんは2曲も入ってすごい!」(裕美さん)
正やんが紅白で踊りが恥ずかしかったとのエピソードを話した。
11.雨の物語(伊勢正三)
「冬は苦手なのですが、僕の歌は今の時期の歌が多いのです。」(正やん)
「シベリアはマイナス59℃だって。冷凍庫みたい。凍っちゃうよね。」(正やん)
「そんなに低いと組織が壊れちゃいますよ。」(裕美さん)
「瞬間冷凍で組織は守られるんじゃないの。」(大野さん)
12.暦の上では
13.なごり雪

裕美さんと大野さんが登場。
14.空に星があるように(3人)
ギターのAの音が合わなくてやり直し。みんな笑っていました。
15.22才の別れ 
16.木綿のハンカチーフ
 
 アンコール
裕美さんがマイクを落とす。「きょうは色んなハプニングがありますね。」
17.学生街の喫茶店
18.ささやかなこの人生
19.ママはフォークシンガー

とりあえず憶えてきた曲名だけは書きました。MCは記憶が支離滅裂です。



2006年01月11日(水) スキマスイッチ2005「全国少年」

コンサートに行きたかったけれど、チケットが取れずあきらめたスキマスイッチのライブがWOWOWで放映された。
最初はインタビューで「去年は余裕がないままにこなしていったけど、今年はコンサートの本数が増えたにもかかわらず、大変だったというより、去年よりも余裕を持って楽しみながら演奏できた。」と語る二人からは本当に新人としての清々しさを感じた。
まだ、落ち着きや貫禄はなく、飾り気のない言葉で思慮深い表情もないところが素敵だった。
「ふれて未来を」は胸にじんわりと響く曲なのに、一緒に楽しく口ずさむ事もできる曲でファンはのりのり。
「雨待ち風」の熱唱もよかったけれど、やっぱり私はなんといっても「奏」に強く胸を打たれる。
この歌を聴いていると、誰にでもこんな広い気持ちで接していければいいなと強く思う。
「かけらほのか」「さみしくとも明日を待つ」はその感情たっぷりなところがよかったし、「飲みに来ないか」はいかにも若々しくて楽しくなった。
最後は「全力少年」で最高に盛り上がっていった。
私はスキマスイッチが「全力少年」で大ブレークしたことには不満があったのだが、いやいや、これでよかったのだと改めて思った。
「雨待ち風」や「奏」などのバラードで売れてしまったなら、どうしても次もバラードを作ろうと言う事になっていくのだろうと思う。
そんなことになると妙なプレッシャーがかかってしまうだろう。
歌唱力があるので、自由に歌いたい歌、作りたい歌を歌ってほしいし、「全力少年」のような明るい曲がヒットして、こんなに色んな曲を作って歌っています!とどんどんアピールしていってほしいと思う。




2006年01月08日(日) フォーク ニューミュージック グラフィティ展

四日市市で催された「フォーク ニューミュージック グラフィティ展」に行ってきました。




           桑田さんと拓郎さんのサイン入りギター







              ポプコングッズ




               松山千春コーナー




               オフコースコーナー




           オフコースコーナーが一番広かった!




              ポプコンの歴史




              ポプコングッズ色々




              ポプコンの歴史は奥が深い




             私たちが憧れた先輩の「雅夢」




            「雅夢」のラストコンサートのポスター
             行きました。









             ああ、ポプコンは私の青春でした。




              村下孝蔵さんのコーナーです。




         村下孝蔵さんの歌も好きな歌がたくさんあります。 




              5Fのレントランへ行きました。
              窓から見た四日市の街。




              四日市の街は大好きです。




              きょう買ったレコード。
              『太田裕美2枚組ベスト』
              『デイ・ドリーム/シグナル』
         持ってないと思っていたら持っていた!かぶってしまった!!
              『壁にかけた地図/阿呆鳥』
              『氷の世界/井上陽水』
           ネット友Dさんにプレゼントしようと思って買いました!
              『空飛ぶ日曜日/谷山浩子』カラーレコード
              『心象風景/榊原まさとし』
               「横浜マリー」が聴きたくて買いました




      谷山浩子さんの『空飛ぶ日曜日』はグリーンレコードでした。
      きれいなカラーレコードです。

私がレコードをあさっていたとき、高石友也さんがリハーサルをやっておられました。
「あの素晴らしい愛をもう一度」を歌っておられました。

はしだのりひこさんが受賞した数々のトロフィーが並べられてありました。
あと、ハイ・ファイ・セットやツイストのビデオも見ました。
ポプコンの歴史には改めて驚きました。
第1回で「安井かずみさん」、第3回ではオフコースが「サルビアの花」で入賞していました。
私は小坂明子さんの頃からリアルタイムで聴いて参加もしました。
有意義な一日でした。



2006年01月01日(日) 紅白歌合戦の感想。

珍しく紅白を後半からほとんど全部見た。
妙な演出が少なくてなかなか楽しめた。
WaTのマイクスタンドが倒れてしまったのは、カメラさんがぶつかったためだったようだ。
それにしてもそんなミスが起こるなんて、何だったのだろう。衝撃的だった。二人はかわいそうだった。でも、あわてずに歌いきってよくがんばったと思う。まだ、新人なのにかわいそう。これからも応援したくなった。
あと中島美華さんの歌が歌い終わらない内に北島三郎のイントロが流れて、なんか曲を軽く扱っているようで、いやな感じがした。
「雪の華」はとてもメロディーのきれいな名曲なので、曲の終わりや余韻もとても大切なのにまだ歌い終わってないのに、北島三郎の曲のものすごく派手なイントロが流れた。子どもの頃、ああいった曲が終るか終らないかのうちに次の曲が始まるというのを見た記憶があるが、紅白は歌を聞かせる番組なのでしょう。
歌を台無しにする事はやめてほしいと思った。北島三郎の歌はもう聴きたくない。

一番良かったのはDreams come trueの「やさしいキスをして」「何度でも」でこれは何度聴いても感動的だ。
そして今回はこの2曲をメドレーで歌ってくれたことがまたよかった。
「何度でも」はどんなことがあっても何度でも立ち上がれば、道が開けるかもしれないという力強いメッセージの歌。
「やさしいキスをして」はたとえ報われなくてもただ一人の人という究極のラブソングでどちらもドリカムのよいところを思いっきり出していた。
美和ちゃんはもちろんのこと中村さんもノリノリで声をだして、見ていて楽しかった。
2番目に良かったのは山崎まさよしさん。
野外ですごく寒そうに歌っていたけれど、オーケストラを従えての熱唱で寒さで顔がひきつっているのに、声はとても出ていた。
そして、なんといってもあの長い歌をフルコーラスで聴けて大満足だ。
今になって「One more time, One more chance」が聴けるとは思ってなかった。
3番目に良かったのは松任谷由実 with friends of the earthの「Smile again」。
アジアのスターたちと中国語や韓国語で歌って、ユーミンの歌も良かったけど、他の方々の歌にも魅了された。
ユーミンの紫色の着物姿にもちょっとびっくりした。とても似合っていた。
あと、D−51が歌う番になったら突然仲間さんがヤンクミの顔になって「おまえら!人を感動させる歌を歌うんだ!」とか言って面白かった。
ハプニングにも負けずに歌ったWaTも良かったし、ポルノグラフィティも良かった。aikoもきっちりと新曲を歌ってくれてうれしかったし、ゴリエの踊りと人文字もすごかった。和田アキ子とm-floは大迫力ですごかった。おかあさんの隣でギターを弾く直太朗がかわいかった。T.M.Revolutionの派手なステージは健在だった。アリスはその前に森進一が出てきたので、チャンネルを変えてしまって見逃してしまって残念。あとスキマスイッチとBoAと麻衣ちゃんも見逃した。残念。
スマップの力はすごいと思う。それぞれの個性に好感が持てる。
ただ、今の歌「Triangle」は悲しい歌だと思う。
あの歌を聴くたびに世の中では色んな差別や悲しみがあり、その反面幸せすぎる人がいるということを思い出す。
そういう歌をあんな身軽に歌っていいんだろうか。
毛皮とか着て歌っていいのだろうか。毛皮はやめてほしかった。

でも、私的には2005年の紅白は面白かったです。
再放送でもう一度見たくなりました。



2005年12月22日(木) 川嶋あいX'masコンサートツアー2005「long and deep X'mas」 in 名古屋市民会館中ホール

川嶋あいちゃんはまだ19歳なので、真面目で丁寧に歌を歌うシンガーソングライターといっても、まだかわいらしい女の子だとばかり思っていました。
が、私の予想は大きくくつがえされました。
あいちゃんは立派な大人のレディでした。
歌は声がよく伸びて、高音を伸び伸びと聴かせ、おしゃべりではちょっと低めの抑えた声で自分の思っていることを淡々と話し、受けなくても笑ってごまかしたりせず、慎重に考えながら進行を進めている感じでした。

最初、あいちゃんは茶色のフリルのついたワンピースの上にあかいエンジ色のボレロを着て静かに登場。
クリスマスコンサートらしくバックには普通の6人バンドに4人のストリングスのメンバーが加わり、クラシックのイメージで最初の曲を披露しました。
そしてストリングスが抜けて「絶望と希望」ともう1曲。

「大阪でのコンサートでは吉本ネタを披露したところ受けなかったので、レーザー・ラモンをやろうと思ったけど、私はそんなことやりません。」
と言いながらいきなり「フゥー!」と片手を掲げてやったのですが、お客さん達はただ、ただ、びっくり。
「また、受けなかったですねえ。失敗です。東京で挽回しなければ!」

その後はクリスマスメドレー。
「赤鼻のトナカイ」などの誰もが知っているクリスマスソングをメドレーで3曲歌い、続いて松任谷由実さんの「恋人がサンタクロース」、辛島美登里さんの「サイレント・イブ」も歌いました。
どちらもあいちゃん流の歌い方で素敵でした。

その後はメンバーが袖に下がり、あいちゃんたった一人でピアノの弾き語り。
「カバーですが、とても好きな曲です。最初は洋楽。次は邦楽です」
「rose」「あなた」。
「rose」は誰の曲かわかりませんでしたが、歌詞の内容がよくわかるいい曲でした。
その後、小坂明子さんの「あなた」を歌ったのですが、何度か不思議な転調をしていて、私は初めの頃「あいちゃん、ちょっと間違って覚えているなあ。」と思いましたが、それは違いました。
あいちゃんなりにあいちゃんの歌いやすい、気持ちをのせやすいメロディーに変えてあるということが曲が進むにつれてわかってきました。
原曲と微妙に違うなんてものではなく、かなりメロディーや調が変わっていて川嶋あいの「あなた」に仕上がっていました。

その後、「レーザーラモンネタが失敗した時のために、抽選会を用意しておきました。今から私からのクリスマスプレゼントのコーナーです。」
あいちゃん自身が大きな箱から、座席番号のくじをひいて抽選が行われ、5人のファンの方々にあいちゃんからのクリスマスプレゼントが手渡されました。
きれいなミラー、来年のカレンダー、マフラー、今年出版された本、昨日発売されたばかりのDVDがすべてサイン入りでプレゼントされました。
当たった方はすごいラッキー!!うらやましかったです。

その後、「雪に咲く花」や「12個の季節」などの代表曲が5曲披露され、
「最後はみなさんと「きよしこの夜」を歌いたいと思います。みなさん、立ってください。」
まず、あいちゃんが1番を歌い、2番は1番の歌詞でお客さんが歌いました。
そして、3番は皆でハミング。
ここであいちゃんは
「「きよしこの夜」は本当は歌詞が5番まであったそうです。しかし、戦時中に4番と5番の歌詞は削除されて、今は4番と5番の歌詞はわかりません。なのできょうは私が4番の歌詞を作りました。今から私が作った歌詞を4番として歌います。5番はまたみんなで1番を歌いましょう。」
そのとおり、4番はあいちゃん作詞のきよしこの夜を歌い、5番はまたもう一度、みんなで歌いました。

私は4番と5番の歌詞が削除されていたなんて、知らなかったです。
今は随分思想が自由になりましたが、そんな時代もあったのです。

ここで、コンサートは終了。

そして、アンコール。
あいちゃんはワイン色のキラキラした飾りのあるスカート、黒のセーター、その上に白いベスト姿でした。
どこからみても、普通のお嬢さんの洋服でした。
そして、新曲「Dear」。
その後、あの「アメイジング・グレイス」ともう1曲をメドレーで披露。
ラストは「約束の日」。この曲はおかあさんに聴いてほしい曲だそうです。
あいちゃんはおかあさんに「私は夢をかなえました。歌手になりました!。」と言いたいそうです。
しかし、お母さんと暮していた頃はうざいとか思ってしまって、なかなか上手く感謝の気持ちが伝えられなかったそうです。
「人は好きな人の前では不器用なのです。」とあいちゃんは言いました。
あいちゃんには、気持ちを伝えたい生みの両親も育ての両親もすでにいません。
私は心からあいちゃんのお母さんの変わりにあいちゃんの歌を聴いてあげたいと思いました。
あいちゃんの話しを聞き、歌を聴いて涙があふれました。
私の周りの人も何人かの人が泣いていました。

全部で19曲。ここでコンサートは完全に終了しました。

とても深い夜でした。とても深い意味のあるコンサートでした。
私は実は腰と背中に激痛が走り体調不良で、おまけに大雪。
なので、行くのを見合わせようかとかなり悩みましたが、行ってよかったです。
あいちゃんは19歳の女の子なのに、私の娘くらいの年頃の子なのに、女であることにすこしもこびない、まったく甘えないしっかりと地に足をつけたアーティストでした。
私は忘れてしまっていた昔の自分の気持ちを少し思い出しました。
たしかそうでした。
女であることにこびず、甘えず、失敗もしっかり自分で受け止め、曖昧に笑ってごまかさない女性が好きだったのです。
あいちゃんはまさにそうでした。
ギャグが受けなくても笑ってごまかさない。凛と受け止めて、淡々とステージを進行させる。
衣装もちょっとよそいきの服の感じで女の子である事にまったくこびていませんでした。
曲とその内容でお客さんをもてなし、そして自分の考え方や思いをこれほどまでにしっかりと伝えるというコンサートを見たのは今回が初めてです。

たくさんのことを19歳の川嶋あいさんから学びました。

今回のコンサートは14歳の娘と二人で行きました。
もちろん、あいちゃんの歌を聴きたかったのですが、同世代の人のがんばりを娘にも見てほしい。そして、何かを感じてほしいというのももう一つの目的でした。
きっと、娘も何かを感じとってくれたと思います。
大雪と体調不良を押して行ったこのコンサートは私の心の宝物となりました。
あいちゃん、ありがとう。

コンサートが終ると市民会館前は大雪で10センチほど雪が積もっていました。
大通りも10センチほどつもり、車はまったく通っていません。
歩くと足首まで雪に埋もれる状態です。
本当は市民会館から地下鉄につながる連絡通路があり、わざわざ外の道をとおる必要はないのですが、行きも帰りも雪が見たくて、遊びたくて、雪合戦したり、大きな木から雪がくずれ落ちる雪崩を見て「おォ〜!」と叫んだり、道に止められている自転車に積もった10センチ程の雪を落としたりして地下鉄の駅に入りました。
こんな大雪を見たのは娘は生まれて初めてです。
一生忘れないでいてくれるとうれしいです。



2005年12月21日(水) 「かざぐるま/空蝉」  一青よう 2005.9.21

一青さんの声は和風の楽器のようだ。まさにアジアの歌姫だと感じる。
「かざぐるま」は映画で使われた歌だそうで、歌詞が抽象的でよくわからないが、それもそのはず。
風は見えないから。見えない風がかざぐるまをまわすから。
見えなくてもそこに存在するから。
最後の「待つことも恋でした」というフレーズが一番わかりやすくて好き。
見えなくても形がなくてもそこに存在するという意味で風と心は似ている。

カップリングの「空蝉」がこれもまたいい歌だ。
これは中村雅俊さんに書いた歌で、雅俊さんが歌う「空蝉」も素晴らしくいい。
思いっきり中村節が聴ける曲だと思う。
歌詞も言葉遣いがやさしげで中村さんにぴったりだと思う。
一青さんは他の歌手に詞を書くことにも優れていると思った。
中村さんの「空蝉」と一青さんが歌う「空蝉」はぜんぜん違って聞こえる。
中村さんはひたすら優しく相手を見守っているようなストレートな歌い方だと思う。
が、一青さんは決してストレートに歌っていない。色んな意味を含んだ歌い方をしている。
空蝉は決して優しいだけではなく、弱がる強さなど色んなものを持っている。
そして、アレンジがものすごくよい。
この手荒でそっけないアレンジは歌を立体的にしている。
なんと言っても、初めのフレーズにまいってしまった。

  赤い糸は僕とつながってたはずの ラプソディー

赤い糸を信じている人はどれくらいいるのだろうか。




2005年12月12日(月) 「BEST」  中島美嘉 2005.12.7

ベストアルバムよりもオリジナルを待っていたけど、あまりの楽曲の良さからこのベストアルバムで、ものすごく満足してしまった。
中島美嘉の新曲を初めて聴くときはいつもドキドキする。
今度はどんな曲だろうか。どんな歌詞だろうかとすごく期待する。そしていつもドキドキが切ない感動に変わる。

今回はベストアルバムなので、全曲知っている曲、1曲だけ好きじゃない曲があるけれど、あとの13曲は全曲大好きな曲ばかりだ。
1曲目の「アメイジング・グレイス」はファーストアルバムにも収録されていて、そちらで聴いた時も衝撃的に良かったけれど、今回は綾戸智絵さんのピアノ伴奏で歌っている。
綾戸さんのピアノはとても感情豊かでゆったりとして、その人間性を感じさせるようなピアノの音色だ。
若い中島美嘉は落ち着きはらってそのピアノに声をのせている。
そしてこの「アメイジング・グレイス」のあとに、あの名曲「STARS」が続くその瞬間には心ここにあらずの状態になった。
「STARS」はそれだけで充分感動的な歌だけど、「アメイジング・グレイス」の後に続くとまた格別の良さがある。
この曲を聴いていると、外が吹雪であっても曲の世界に入っていってあたたかくなる。
特にこの歌のSTARS
星は決して手に入らないけれど、手に触れられないと存在しないような気がするけど、遠い光は消えやしないというその主題にはいつも感動させられる。
「CRECENT MOON」はとても軽快で軽やかで、私は本来この手の歌は好きではないけれど、この歌に限って例外。
とても中島美嘉に似合っていると思った。
「WILL」「桜色舞うころ」「FIND THE WAY」などのバラードは絶品だし、特に「WILL」はこれも星を歌った歌で、この歌を聴くといつも夜空が心に浮かぶ。
「朧月夜」は古い唱歌を、中島美嘉のポップスに変えてしまって、この時も驚いた。よく知っている歌だけど、2番の歌詞なんて知らなかった。
ああ、こんなにきれいな歌詞だったんだと改めて聴きほれた。
「RESISTANCE」は胸をしめつけられるような切なさがいい。
「Love Addict」はジャズで、すごく難しい歌をまったく嫌味なく歌っている。
私は歌が上手いのですという歌い方ではなく、さらっと軽く歌っているのにものすごく上手い。
ジャズのリズムとベース音が心地よい。
「雪の華」は今の季節には欠かせない名曲となるだろう。
今年は春には「桜色舞うころ」という名曲を高校の卒業式で歌って、感動させてくれて、秋には「GLAMOURAS SKY」でHYDEと共に、そして冬には綾戸智絵さんと共にその素晴らしいエンティナーぶりをみせてくれて、本当に頼もしい存在だ。

このアルバムでは曲順の良さにも拍手を送りたい。
こんなに曲順が良くて好きなアルバムは今までになかったと思う。
私は中島美嘉の若くて重みがないところがとても好きだ。
どんなに切ない歌を歌っても重くはない。
しかし、しっかりと地に足や声を落ち着けて歌っている。
どんな歌にでも挑戦する。そんな歌手が今までいただろうかと思う。
2006年もまた、新たに色んな曲に挑戦して驚かせてほしい。
本当に好きな歌手に会えて私はうれしい。


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