私の音楽日記

2005年07月28日(木) 「ケツノポリス4」  ケツメイシ  2005.6.29

初めてケツメイシのアルバムを通して聴いた。
それは春に聴いた「さくら」がとてもとても素敵だったから。
これはプロモーションビデオもとても良く出来ていて、今年のサクラの歌の中ではケツメイシの「さくら」が一番好きだった。

ラップ系はあまり好きではないけれど、ケツメイシはうまくポップな感じとラップを混ぜ合わせている感じがする。
このアルバムの曲はどれも若者らしくて、とても正直に素顔のままに素朴な言葉で綴られている。

 行けるとこなら どこまでも歩いてく
 日々こうして 生きてる
 汗かくぞ 歩こう 明日も楽勝
 それくらいの気持ちで いいはずよ
   「歩いてく」

 今日一日の始まりを告げるように
 鳴り響く目覚ましのベル
 起きてカーテンを開き
 部屋に散乱する 昨日着た上着 片付けて
 ほっと一息 テレビを付け ホットコーヒー
 また今日一日の始まり
    「朝日」

 暗い世界 暗い時代の果て
 笑い合い 笑いたいのに なぜ
 涙を流すの 声を殺すの
 人の上に人はいないのに なぜ
    「願い」

素朴で歌の詞というよりも、詩を読みたくなる。
若者らしい感性で難しい言葉よりも感覚的にわかる言葉で小さな迫力を感じる。

歌詞カードがまた良くて、ライブの日のミニ写真集のようになっている。
ライブの様子はもちろんのこと、始まる前のコンサート会場の様子、リハーサル風景やファンがグッズを買う様子、開場を待つファンの群、コンサート前のメンバーの表情やコンサートが始まって興奮するファンの顔が写っていて歌詞といっしょにそれらの写真にも見入ってしまった。
ジャケットの写真もどこで撮ったのかわからないけれど、ぜんぜん気取っていないメンバーの自然な表情。そして写真の右下に日付が入っていてより一層親しみを感じた。

夏の初めに発売されたアルバムだけど、夏のアルバムというより、さわやかな春の日を思い出させてくれるような楽しさを感じられるアルバムだと思う。



2005年07月24日(日) 「歌に誘われて」  井上陽水  2004.4.1

この曲は陽水さんが西鉄バスのCMソングとして書き下ろされた曲だそうで、私は全く知らなかったが、ネットのお友達が珍しいからと送って下さって初めて知りました。
ネッ友Nさん、どうもありがとうございました。

バスに乗っているイメージで作られた曲そのもので、ゆったりとした陽水の独特の声とメロディーが流れにひたっていると、本当に歌に誘われてどこかへ出かけたくなってきた。
そして今更ながら陽水のプロとしての曲の作り方にすごさを感じた。
絶対に自分の世界を崩さず、何事にも迎合せずにその商品のイメージのCMソングを作る。
陽水の世界そのものなのに、それはどこまでもバスで旅にでるイメージでもある。

そして摩訶不思議な歌詞の世界も健在で
 
 子供と大人は ミツバチ
 楽しげにさみしげに 歌に誘われて

なんて部分はいかにも摩訶不思議な陽水の世界で

 あなたの住む町へ 口笛吹きながら
 あの町へ 胸はずませて
 願いの言葉は日まわり

 楽しげにさみしげに 歌につれられて

で、バスに揺られて旅に出たい気分にさせられる。

歌が好きな気持ちと歌をつれて歩く気持ち、そして遠い日、鼻歌まじりにバスにゆられた記憶が融合したような傑作だと思った。



2005年07月20日(水) 「伝えたいことがあるんだ」  小田和正  1997.11.21

小田さんの新譜「そうかな」も良かったけれど、私はこの97年のベストアルバムがお気に入り。
小田さんの歌はたとえ悲しい歌でもその声のきれいさで、悲しい歌がきれいな歌になっていると思う。
たとえばオフコース時代の「秋の気配」は ♪ぼーくがー あーなたーから はなれてゆく と完全に彼女を置き去りにする男性の歌なのに、小田さんのあの声でそれを歌われたりしたら、残された女性は「悲しいけれどこれは美しい想い出になるのね。」と受け止めるしかない。決してうらんだりできない終り方になる。
しかも秋の気配の中ではなぜ僕があなたから離れていくのか理由を述べていない。
単に心変わりかあきてしまったという事なんだろうと想像できるけど、別れを切り出す男の歌としては、よくあれだけ美しく書いて歌えたものだなあと20代の頃から妙に感心していた。
ソロになってからの小田さんの歌は未来を信じて行こうとか、大切な人やものを大事にしようというような歌が多かったと思う。
このベストアルバムでもそういったメッセージが多い。
小田さんのきれいな声でそういったメッセージを歌われると、ちょっときれいすぎるけど、そうだなあとうなずいたりしてしまう。
このアルバムに収録されている「君との想い出」では、珍しく小田さんは
 ♪誰もいない冬の海を歩く 二人が好き  
  あんなふうに君に会えた あの夏の日が好き
  I was wrong  I was wrong
アイ・ワズ・ロング〜〜!!
俺が悪かったとざんげしている。この歌を聴いたときは驚いた。
小田さんが自分が間違っていたなんて歌うんだなあと妙な衝撃を受けた。
あとやっぱり大好きな曲は「ラブ・ストーリーは突然に」で当時は「東京ラブストーリー」とこの曲に多いにはまった。
三連符ぎみに歌う 
 ♪あの日 あの時 あの場所で 君に会えなかったら
  僕等は いつまでも 見知らぬ二人のまま
は今でも名フレーズだと思う。このフレーズがラブソングのすべてを語っている。



2005年07月15日(金) 「naked」  華原朋美  2005.6.29

朋ちゃんはすっかりしっとりとした歌が歌いこなせる大人の歌手になって、復活した。
小室さんから離れた頃は、どういう路線でどんな歌を歌っていくのかよくわからないような感じがしたけれど、このアルバムでは伸び伸びと色んなタイプの歌を歌っている。
どれも私はすごく気に入っているけれど、1曲目の「好きは世界一長い言葉」のすごいファルセットには驚いた。
小室さんの曲を歌っているときにもファルセットは上手だったけど、この曲でのファルセットはおそらく全く発声方法が違うのだろうと思う。
あと「哀しみの向こう」は10年位前にダイアナ・ロスが歌った「If you hold on togher」のカバーで原曲も素晴らしいけど、朋ちゃんバージョンもすごくいい。とても聴きやすくてカバー曲に思えない。
ラストの「ベン」もマイケル・ジャクソンのカバーだけど、これもカバーと思えないほどいい出来。
どちらもシンプルで素直に歌っていてとても好感が持てる。
「愛のうた」はとてもメロディーが中途半端なので、かなり難しい曲だと思うけれど、それだけに朋ちゃんの歌の上手さが際立っている。
次の「たったひとつの約束」がこれまたすごくいい。
声もメロディーも詞も全部いい。
「たったひとつの約束」それは「私が私らしくいること」
そして
 しあわせはきっと心にあるから
と自分への応援歌のようだ。

「しあわせの道」は秋元康大先生の素晴らしい詞で、(彼は天才だと思う)
朋ちゃん自身を歌っているような詞だ。
 しあわせになりたくて恋も仕事もがんばって大人にもなった
 でも何かを手にする代わりに 何かを手放してしまい
 そういう不器用な自分をやっと好きになってきた
という感じの歌で
朋ちゃんだけでなく、そういえば私自身もそうだったなあと思ったりする。

このアルバムをなぜにこんなに気に入ったのかを考えてみると、シンプルなところがなにより良い。
凝ったことはしない。難しく考えない。
素直な声で無理なく歌われている(1曲目を除いて)。
1曲目のファルセットはちょっと辛そうだけど。
これからもその伸びやかな声を大切に色んな曲をきかせてほしい。


 



2005年07月12日(火) 「秋の虹」  平松愛理  2004.10.6

平松愛理さんは本当に強い人だ。
こんなにも力強い、それでいて繊細で研ぎ澄まされた言葉とメロディーのアルバムを作ってくれて、本当にありがとうと言いたい。
4年ぶりに作成されたアルバム。その間の想像を絶するような日々は平松さん著の本で読みました。
たくさんのことを教えられ、たくさんの感動をいただきました。

そしてその後、こんなにも内容の濃い素晴らしいアルバムをプレゼントしていただけるとは。

全盛期の平松さんの歌は、あくまでも若い女の子の素直な気持が軽やかに歌われている歌が多かった。
たとえ失恋の歌でも正直に歌っていた。
また、次があるし元気を出そうよという歌が多かった。
時折昔の恋を思い出して、ああ、あの時この道を選んでなかったら私は今頃、どんなところにいたのでしょうというような、懐かしさをかみ締めるような歌もあったけど、誰もが感じるノスタルジーのような歌だった。
とても色んなメロディーが作れる人で、アレンジ次第で色んなタイプの曲が書ける人だと思ったし、同じ女性としてもとてもわかりやすかった。
コンサートも2回行って、一度は植樹祭に平松さんが来てくれて、一緒に木を植えたりして楽しかった。
きれいで才能があっていいなあと憧れの女性だった。もちろん、今でも。

その後、彼女が壮絶な病気との戦いの日々を送りながら曲を作り、コンサートもこなし、書く曲も大きく変わったと思う。
今は本当に広い心で曲を作っておられると思う。
 
 幸せは心がきめること
 私たちはいつも逢える 心というこの場所で
 
というメッセージは深い深い意味があると思う。

そして

 love is blind love is blind
 見落としてる幸せがある

このアルバムで平松さんは熱唱したり、声を張り上げたりはしてない。
ファルセットも無理しないでほしいです。これは本当にいいアルバムだから。
ジャケットの青空とそれを見上げる平松さんのきれいなこと。

いい歌をこれからも届けてください。楽しみにしてます。

DVDでデビュー曲と「部屋とYシャツと私」を歌う平松さんを見た。
とても元気で美しかった。
ドラムの女の人もきれいだった。
人はどんなに辛くても前を向いて生きていくんだと教えてもらったような気がした。



2005年07月10日(日) 「二人」  奥田美和子  2005.6.22

「愛と夢のあとに」をテレビで聴いて、奥田美和子さんの声や歌い方、表現力に圧倒された。
すぐにファーストアルバムが発売される事を知り、作詞は全て柳美里さんということで、おそらくは重い歌を歌うのだろうとは予想していた。
しかし、ここまで絶望感だけのアルバムを作るとは思わなかった。
柳美里さんは壮絶な愛と悲しみを経験されている方なので、ほとぼしるような絶望感やその絶望を受け止める自分の気がおかしくなるほどの、苦痛や喪失感をたくさん経験されたのだろう。
しかし、ここまで絶望だけの愛、未来のかけらも希望もない明日を書かれるのはなぜ?
かろうじて「さくら散る前に」と「はばたいて鳥は消える」は少し懐かしさも感じる。
その他は私みたいな弱虫には絶望感しか感じられない。

私はCDを聴く前に詞を全て読む人だが、私みたいな弱虫は歌詞カードを読んだだけで、その苦しい世界にひきづりこまれそうになり泣いてしまった。
一歩まちがえばその世界に落ちこんでしまいそうな怖さがあった。

しかし、CDを聴いてみるとどうだろう。
奥田さんの歌の上手さで曲のメロディーの良質さでその絶望感が希望までいかなくとも、悲しみの焦点がぼやけるような気がした。
近眼の目で悲しみを見つめているような。
「ブランコに揺れて」も詞を読んだ時は悲しいだけだったけど、これもアレンジと奥田さんの温かな歌い方でかなり違った歌にしていると思う。

とにかく奥田さんは歌が上手い。
このアルバムはこれでいいと思うけど、次回はもう少し希望をもった作品を作って欲しいと思う。
悲しみの方が多いかもしれないけれど、そこには希望の光もあるはず。
次回は違うタイプの歌を御願いします。

それでもなお、この世界に落ち込みそうになる自分がこわくなります。



2005年07月08日(金) 「Radio days」 N.S.P. 2005.2.2

このアルバムは買ったときはものすごく気に入って、一度ここに感想も書いた。
どんなことを書いたのかは憶えてないけれど、(私は自分で書いたものを読み直す事はまずない)「水のせいだったんです」「北風が見ていた」「Radio days」「夏の日差しがいっぱい」「残像」が好きで何度も聴いていた。
一番好きな曲は「残像」と「北風が見ていた」だけど、ちょっと今までの曲の暗さとはまた違うタイプの暗さを感じてしまい、色んな経験を積んで再結成に辿り着き、絶望や希望を繰り返したんだなあと漠然と思っていた。
「夏の日差しがいっぱい」もタイトルとはうらはらに、なんでこんなこと書くんだろうともの悲しく思った。

 僕がここから消えても 
 君は探しつづけてね 
 この僕を探しつづけてね
 すぐにいい思い出なんかにせずに

 短すぎる僕の一日が

昔から薄暗く切ない詩が多かった。
しかし、ニューアルバムのこれらの詩には悲しみが満ち溢れていて、
「天野節やなあ」とは思ったけど、なんてこんなにも暗いのかなあとも思っていた。

ファンへのラストメッセージだったんですね。天野君。
ただの1ファンなのにこんなにも悲しい。
いつまでも探しつづけるでしょう。

「北風が見ていた」

 誰もがだまってた理由は
 冬を待っていただけ
 静かだった 死んでゆくように
 風も見てた
 風が見ていた

人は誰もがいつかは必ず死ぬ。
天野君がコンサートの最後で言っていたように、「どれだけ生きるかじゃなくて、どう生きたかが大事だと思う。一日、一日を大切に。」という一言を改めて思い出した。

最後の最後まで、命を惜しまずファンのためにたくさんの作品を残してくれて本当にありがとう。天野君。
ずっとずっと探しつづけます。




 



2005年07月05日(火) N.S.P.シングル コレクション 

ファンクラブに入った頃、
シングル完全収録のこのアルバムに大喜びして買った3枚組のアルバム。

「さようなら」から始まるこのアルバムを涙無しでは聴けません。

「夕暮れ時はさびしそう」「お休みの風景」「赤い糸の伝説」「弥生つめたい風」「北北東の風」「面影橋」「見上げれば雲か」「めぐり逢いはすべてを超えて」「もえる白昼夢」「僕たちの失敗」

私は「お休みの風景」が一番好きです。
今でもこれを聴くとあの頃と同じように胸に何かがこみ上げてきます。
「北北東の風」「面影橋」も何度も胸につきささりました。

「さようなら」をこんなに悲しい気持ちで聴く日が来るとは予想もしてなかった。
具合が悪いとは聞いていたけど。。。

天野君、ほんとうにありがとう。
あんなにたくさんの繊細な歌。ニューアルバムも素晴らしかったです。
繊細な歌詞の歌も大好きだったけど、スリムで長身、さらさらの髪でやさしくて面白くてあこがれてた。
あんなお兄さんがいたら自慢できるなあって。

ポプコンの先駆者だったニュー・サディスティック・ピンク

私も天野君の曲を聴きながら、ポプコンを目指してました。

私の青春を彩ってくれたN.S.P.の天野君。
ほんとうにありがとう。
もうあの笑顔が声が、聴けないかと思うと本当に悲しいだけです。

辛かったでしょう。ゆっくり休んで
また、天国でも歌いつづけてくださいね。


  いつまでも心にへばりついて
  ぼくの心を悲しくさせる
   さようなら さようなら……

    「さようなら」作詞・作曲:天野滋



2005年06月29日(水) 「JOKER」  Janne Da Arc  2005.6.15

「月光花」がドラマティックでいい曲だなあと思ったけど、おそらくこのバンドはもっとハードな曲が得意なんだろうなと思っていた。
しかし、この6枚目のアルバムはポップで弾んだような曲が多い。
「I' so happy」「Love is here」は明るくて夏にぴったりだし、「仮面」はポップでいい曲だけど、それだけじゃなくて、人はみな仮面をつけて強そうに生きているけど、間違いは過ちじゃなく、痛みや喜びそれが生きている意味というさりげないメッセージが込められている。
「wild fang」「easy funky crazy」はおそらくこのグループが得意であろうと思われるハードな曲。
「love is here」もきらびやかな曲でこれも夏の青空のイメージ。
私が一番気に入ったのは「風にのせて」。
バラードでとにかく声がいい。最後のファルセットなんかしびれる。
これは名曲だと思う。
ラストの曲がハードで、しかしメロディーラインが美しい「ダイヤモンド ヴァージン」。
曲の配置もなかなか面白いと思った。
普通ならこの曲を前半に入れても良い感じだけど、ラストに収録することによって、全部通して聴いてしまうアルバムになっていると思う。
てっきりビジュアル系のバンドだとばかり思っていたけど、時折テレビで見かけるメンバーはとても面白い。笑ってしまう。

この夏一番聴くかもしれない掘り出し物のアルバム。



2005年06月23日(木) 「閃光」  Hi Fi-SET

いつも今頃の雨の多い季節になると、ハイ・ファイ・セットの歌が聴きたくなる。
山本潤子さんのソロでなく、赤い鳥でもなく私はハイ・ファイ・セットが大好きだから。
ハイ・ファイ・セットの歌はどこまでも青空に似合うカラッとした歌だと思う。
ユーミン作の「スカイレストラン」や「冷たい雨」などもハイ・ファイ・セットの歌だとさらっと聴ける。
どの歌も安心して聴ける。
ユーミン作の「最後の春休み」などは誰もが経験した気持ちではないんだろうか。
学校を卒業した後の最後の春休みには誰もが色んな事を思い出して、ちょっと淋しかったりするだろう。
この曲はその感じをうまく出している。淡い淡い思い出として。

最後の「歌を捧げて」はオフコースの名曲だけど、ハイ・ファイ・セットが歌ってもすごくぴったりとくる。
この歌は小田和正さんが作った歌でオフコースの名盤「Song is love」のラストにも収録されている。
ハイ・ファイ・セットもこの「閃光」のラストに収録。
歌をこれまで大切に歌ってきた、これからも私の歌すべてあなたにあげるというファンへのメッセージが込められている名曲。
オフコースもいいけど、ハイ・ファイ・セットが歌ってもすごくいい。

ハイ・ファイ・セットのアルバムは安心して聴けるいいアルバムばかりだと思う。


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