私の音楽日記

2004年11月23日(火) 「Every Best Single 2」  Every Little Thing  2003.9.10

このアルバムを聴いていると、
持田香織さんの歌がどんどん上手くなっていく様子と
歌詞の細かい部分がわかりやすく、よくなっていく様子がありありとわかる。
すごい存在感のある人、グループではないように思うけれど、
すごくがんばる人だなあって思いながら聴いてしまう。

ELTの歌は曲がそれほど複雑ではなくて、凝ったつくりをしていない。
Aメロ、Bメロ、サビ、あとは繰り返しといった感じで覚えやすい。
詞も誰でもちょっと考えれば体験したり、
思ったり心当たりがあるようなことなので、身近に感じる。

「Rescue me」なんかは若い女の子の不安な気持や社会への矛盾を
上手に詞にしてあって、
これは若くない私にでも、とってもよくわかるけれど、
これを書いたのが男性である五十嵐さんということで、
なんて女性の気持がわかるんだろうとびびってしまった。
他の曲もなんて女心がわかる人なんだろうとずっと思っていたけど、
ここまで上手く書かれると怖いほど。

どの曲も本当にクオリティが高くて、しかしそれを強く感じさせないとてもいいグループなので、
これからどんどん最高峰といえるアルバムが作れるんだと思う。

限りなく優しく切ない詞がもうひとつステップアップすることを
ファンとしては期待してしまう。
あと、歌い方はもとの素直な歌い方に戻してほしいような…。
たぶん「ファンダメンタル・ラブ」あたりは冒険だったのだと思うけど、
のどを大切に歌いつづけてほしいなと思う1ファンなのであります。






2004年11月21日(日) 「GATES OF HEAVEN」  Do As Infinity  2003.11.27

Do As Infinityの歌は本当に力強くていつも励まされる。

伴ちゃんのボーカルはファルセット無しの真正面から勝負するような強いボーカルでそれでいて、とても女らしい。
とっても強い歌詞を誰にもひけをとらない強い声で歌っているのに、
あくまでも女らしい。
今年の初めにライブも観たけど、やはり女らしく強くたくましかった。

この「GATES OF HEAVEN」は特に力強い歌が多い。

「Field of dreams」は路上で歌っていた彼女、彼らの戦いの歌だし、
「科学の夜」では

  ”Love&Peace 争っていた国境線も今では消えうせて と

世界の歴史を歌っている。
ライブで聴いたときは、バックスクリーンに映る文字や映像とともに壮大さを感じる事が出来た。

「柊」
 ”柊は冬の訪れ 告げる花
  僕達を ただそこで 見下ろしている
  舞いだした粉雪は 積もるのでしょう
  冬をたえぬいてゆく 強さがほしいよ

「Weeds」
 ”冷たい風にもくじけずに
  歩いていくんだ どこまでも
  終らないこの道 生きてゆく
  後悔しないよ 大丈夫
  また そっと種をとばそう 今

前へ前と進もうという詩にとても励まされる。

「アザヤカナハナ」では

 ”君は好きですか? 
  貴方の事を

  それでいいのか? それがいいのか?
  お隣さんとは違う君だけの
  アザヤカナハナを咲かせてよ!

「君は好きですか?貴方の事を」という問いかけに
「はい、好きです。」とは答えられない自分が悲しい。

このアルバムにはたくさん教えてもらいました。





2004年11月20日(土) 「FORCE」  Every Little Thing  2001.3.22

ELTは日本語をいいメロディーにのせることが得意なグループだと思う。
日本語に心地よいメロディーを作ることにかけて五十嵐充さんは本当に上手い。
この4枚目のアルバムでは五十嵐さんはELTを抜けてしまっているが、
急激に変化しているわけではなく、
持田さんのクリアで無理の無いボーカルと
女性としてとても共感できる身近な詩で、また新しい心に残る曲を次々と作っている。

五十嵐さんは天才肌で妥協しない完璧型の人だけど、
五十嵐さんが抜けたELTは
肩に力が入らず楽になったような感じがするのは私だけだろうか。

このアルバムではなにより「fragile」が聴けるので、もうそれだけでも充分価値があるといえるが、
最後の「One」や「force of heart」も共感できたり、励まされたりするいい歌だと思う。

「One」はテーマが壮大で自然や果ては地球のことを歌っているような気がするし、
対照的に「force of heart」は

 自信持って 立ち向かって
 若き!! 乙女達

と女の子達への応援歌となっている。いいなあ。この詩。

リアルをまのあたりにした時にこそ、自信を持って立ち向かおう!



2004年11月15日(月) 「windless blue」  風  1976.10

風のアルバムはどれも大好きで、リアルタイムではセカンドアルバム「時は流れて…」を一番聴いた。
これは盤が傷だらけになってしまって、もう一枚買った。

しかし、大人になった今はなぜかこの「windless blue」。
好きな曲はもちろんだけど、全体的な流れに非常に安らぎを感じる。
さびしいあたたかさや、きらめく古びたたたずまいや、全部打ち消してしまう優しさ。

全部いい。

「通り雨」の
 
 ”淋しいのなら忘れよう
  人の心なんて
  
  久しぶりなら忘れよう
  なつかしさなんて

  思い出すなら忘れよう
  おもいでなんて

  悲しいのなら忘れよう
  君の笑顔なんて

この全部打ち消して忘れてしまう優しさに高校生の頃ひかれて憧れていた。
あの頃、そんなに打ち消してしまいたいことがあったんだろうか。

 ”あの街並みが見える
  遠くかすんで
  しまっておいたストーブ
  もう出さなければ
  いけない季節です
   「3号線を左に折れ」

昨日、ストーブ出しました。さりげない一節。

 ”愛し合ってたあの頃の二人は
  けんかも出来たのに
  この頃君はとてもやさしい目をしてる
    「少しだけの荷物」

リアルタイムで聴いていた頃から、私の中ではこの部分は普遍。
だんだんやさしくなって、だんだん人の心はとまっていく。






2004年11月14日(日) 「ガラスの鼓動」  斉藤由貴  1986.3.21  

私は斉藤由貴ちゃんの声やルックスなど全てが好きで、曲もほとんどの曲が大好きです。
どれが一番とかは決められませんが、
このセカンドアルバム「ガラスの鼓動」はかなり気に入っています。

1曲目の「千の風音」はちょっと変わっていて、由貴ちゃんが詩を書いていて、歌詞カードには手書きの詩が載っているのですが、CDの方には曲だけです。
この詩を読みながら聴いてね、ということなんでしょうか。
このアルバムの歌詞カードは他にもちょこっと変わったところがあって、
基本的に黒の文字で書かれているのですが、ときどき文字がピンクになってます。
なぜかはわかりませんが、それだけのことで、あっ!由貴ちゃんの気持が
ここにあるのかな?とか想像してしまいます。

このアルバムには「情熱」「初恋」(恋は旧字体なのですが、私のPCでは出ません)「土曜日のタマネギ」などが収録されていて、
どれも好きですが、私は「コスモス通信」「海の絵葉書」がとても好きです。
「コスモス通信」はコスモスが咲く秋、もうすぐ冬、雪のペンキがすべて消していく時期に
幼い頃に好きだった彼のことを思い出して、どうしているかしらという歌で、

 ”白い雲の飛行船が
  風に追われてく
  遠い街のあの人に
  元気と伝えて

私も日々、白い雲の形がいろんなものに見えてしまう人なんで、
「雲の飛行船」という言葉にひかれてしまいます。

「海の絵葉書」
 
 ”海の絵葉書 別の未来へ
  私は一人旅立つわ 
  海の絵葉書 読んだ瞳を
  淋しい青で染めたい
  海の絵葉書 読み終わったら
  あなたの岸に捨ててね

昔から手紙を書くことが好きなので、手紙の歌は好きです。
今も書きます。
手紙はどんな手紙でも読んでもらった後は捨ててほしいです。
気持は変わってしまうから、いつまでもそこにとどめたくはないんです。

このアルバムのラストは「今だけの真実(ほんと)」
真実とかいて「ほんと」と歌ってます。
悲しいくらい私も同じようにそう思います。
今だけだから、ほんとうのことは今だけで、過去でも未来でもないから。

 全て 知ってる 今だけの真実…



2004年11月09日(火) 「キャンディ」  太田裕美  1999.11.3

タイトル曲「キャンディ」は原田真二さんの大ヒット曲のカバーです。
原田さんが歌っているときも甘かったけど、
裕美さんが歌うとまた違う甘さで、
ひんやりと甘いって感じがします。
松本隆さんがぜひとも「キャンディ」を歌ってと裕美さんにリクエストしたということらしいですが、
松本さんの意図や気持がわかるような気がします。
裕美さんの声と雰囲気で歌ってほしかったんでしょうね。

「風をあつめて」は、あのはっぴいえんどの曲ですが、
この歌は私はよく知らなかったんですが、
なんて簡素で難解なことでしょう。

 ”とても素敵な
  味爽どきを 通り抜けてたら
  伽藍とした 防波堤越しに
  緋色の帆を掲げた都市が
  破泊しているのが 見えたんです
  それで ぼくも
  風をあつめて 風をあつめて
  蒼空を翔けたいんです
  蒼空を

詩人の詩が音楽になっているなあと思いました。
風をあつめるというひびき自体が、ここでないどこかに連れて行ってくれるようなひびき。
どこか遠くへ行けそうな気がしてきます。

「かくれんぼ」も遠い遠い懐かしさを感じます。
 
 ”もう何も喋らないで そう黙っててくれればいいんだ
  君の言葉が聞こえないから
  雪景色は外なのです なかでふたりは
  隠れん坊
  絵に描いたような 顔が笑う
  私は熱いお茶を飲んでいる

  吐息のような嘘が一枚
  
本当のような嘘を誰もがついているけど、吐息のように嘘をつくというのは
それほどの嘘は自分でも気づかないんでしょう。

「ブランコ」「瞳のウフフ」はとっても裕美さんらしい
ふわふわと空中に浮かんでしまうような曲で
これから冬になっていくのに、
「春がこないかなあ」と思わず思ってしまうんです。

 ”瞳のウフフ
  
  私の他にはそんな風に見つめないで
  目隠ししてあげるねぇ

  星が突然落ちても
  太陽が溶けて消えても
  氷だけの世界になっても
  私だけを見て

春がきそうな気配です。

このアルバムはしばらく聴いてなくって、久々に思い出しました。
思い出させてくれたBさん、どうもありがとうございました。

やっぱり、素敵です。



  



2004年11月08日(月) 「Blooming Ivory」  今井美樹  2000.4.14

今井美樹さんの声にある何かは私の中にある何かと、波長があってしまうのかもしれない。
同じ失敗を繰り返したり、知らず知らずのうちに疲れていたときにはいつも聴いている。

このアルバムはいい曲ばかりだけど、曲順もなかなかいいと思う。
1曲目が「瞳がほほえむから」。
タイトルからしてあったかくて、いつ聴いても本当にいい曲だと思う。

「空に近い週末」では

 ”さえぎるものの
  ない風景が
  胸にまた生まれそう
  見上げた 空が近い
  不思議ね 空が近い

この「さえぎるもののない風景」という言葉がすごく好き。
あと「さえぎるもののない青空」という言葉も出てくるけど、
さえぎるもののない風景、時々見ているような気がする。
きっと見ているんだと思う。

「Miss You」は今井さんの声の幅にぴったりで、とても気持ちよく歌っているのがよくわかる。
聴いている自分も本当に心地よい。

「Bluebird」は軽やかに「青い鳥はきっとそばにいる」と歌う。

 ”歩きだそう そして夢見よう
  いつの日にも明日は来るから
  青い鳥はきっとそばにいる

この「Bluebird」と「幸せになりたい」はノリがよくて前向きであったかくて
いつも励まされている。

「春の日」「かげろう」は春と秋の静かな別れの歌で、
「胸は傷むけどこの切なさはここへ置いてゆく」ときっぱりと置いていくと言う。

今井さんの歌はとてもおだやかで透明感があって、安らぎを感じる歌ばかりだけど、意外にどんな歌もきっぱりとしている。

「愛しつづける勇気を私はそれでも捨てない」
「もう何が起きようとも会えない」
「青い鳥はきっとそばにいる」
「せつなさをここへ置いてゆく」

と自分自身できっぱりと決めるところに私は共感してしまうんだろうか。





2004年11月07日(日) 「DEEP RIVER」   宇多田ヒカル  2002.6.19

このアルバムはとても内容が濃くて、ヒッキーのアルバムでは一番好き。
ベストアルバムかと思うほどいい曲ばかり。
「travelling」「嘘みたいなI Love You」「光」「FINAL DISTANCE」と心にしみる曲ばかり。

特に「Letters」。
これは今時、置手紙の曲。
「置手紙」。久々に聞く言葉。
自分はいつしただろうか?覚えてない。
今はメールと携帯の時代だから、置手紙はしない。
それを現在の歌姫宇多田ヒカルが歌うのだから、驚いた。
この歌の二人は彼の方が言葉でのコミュニケーションが下手で、
置手紙を置いていなくなる。
そして彼女の方は置手紙なんかよりも、
声が聞きたい、シャツの上からでも触れたいんだと叫んでいる。
彼の方は気まぐれなのか、何かを探しつづけているのか、ふといなくなるが、また戻ってくる。
置手紙には「必ず帰るよ」と一言。
彼女の方はいつも「おかえり」の一言が言いたい。

そして、言葉を交わすのが苦手なら、置手紙はもういらない。
次にいなくなるときはもう何もいらない、と終る。

何か深い感じがする。この後、二人はどうなるのか。
この状態がずっと続くような気もする。いろんな余韻が残る曲。

そして何よりすごい歌唱力。うまいなあ。技術的にもすごいなあ。
憧れてしまうなあ。

海外デビューアルバムも職人芸を発揮して、すごかったけど、
国内新譜、もう待ちきれない。






2004年11月06日(土) 「遠乗りの果て」  佐藤公彦

春や秋のやわらかい季節になるとケメの歌が聴きたくなる。

昔好きだった人に合うような気持ち。
ケメは私の記憶のある限り、私の最初の王子様だった。
アーティストだけど、なぜかもっと近いところにいる人みたいに錯覚していて、近くにいるお兄ちゃんみたいな気がしてアルバムを聴いていた。

ケメの歌は同録している曲が多いのか、すごく身近に聞こえる。
ライブかと思うものも多く、いっせえので録っているなあと楽しい気持ちになる。

このアルバムもとてもかろやかに気分よく歌っているケメと
なめらかで絶好調なピアノの音がよく聴こえて、ベースも自然にはねていて、
ギターもやかましくなくて、最大限にケメのあのボーカルが一番先頭にいる。
ああ、弱そうだけどがんばれって気分になってくる。

このアルバムでは「学生通り」が一番思い出深い曲。
 
 ”学生通りを歩いてゆく
  持ち歩くメモ帳に詩がひとつふたつ
  ぼくに届かぬ 君の気持が
  捨てられていく詩がひとつふたつ

  お茶の水から竹橋へ
  辞書をひきながら君を待ったあの頃
  早く来すぎたぼくを目かくし
  うれしそうに君はそのまま目かくし

  わかってくれるだろ
  そう信じたいから
  この学生通り捨ててゆく

この歌のまねをして、あの頃は小さいノートを持ち歩いて、
詩をたっくさん書き散らしていたんだった。
寺山修司監修の本に詩を送ったりして。。。遠い日



2004年11月05日(金) 「ジャニスへの手紙」  南沙織  1976

このアルバムが今頃になって聴けるとは思ってもいなかった。
ずっと、ず〜っと聴きたかった。
ソニーさん、再発ありがとう。うれしいうれしいです。

「ジャニスへの手紙」というタイトルの通り半分がジャニス・イアンの曲です。
ジャニスの曲、なんてシンシアにぴったりなんでしょう。
シンシアの声は女らしくて爽やかなのに、決して細い声ではないところが大好きです。
声質としては太いともいえるような気もします。
しっかりした声で
それでもものすごく女性らしい、永遠の憧れです。

1曲目はあの大ヒット曲「哀しい妖精」のイングリッシュバージョン。
英語詩で歌うとより一層女らしいです。
メロディフェイクがとても自然で、自由自在なネイティブイングリッシュを感じます。
シンシアの歌はだれが歌っても真似はできません。
シンシアのように歌える人はいないと思います。
その声と歌い方の魅力を最大限に生かしたアルバムです。
英語の歌は本当にここちよく響きます。
意味がわからないのに、ひきこまれます。

ジャニスのあたたかいメロディーもいいけど、後半の「ロック天国」「SWALLOW SONG」
そしてラストのディランのあの曲「風に吹かれて」は圧巻です。

私はこんなにそよ風を感じる「風に吹かれて」を聴いたのは初めてです。

このアルバムを聴く事ができて本当に良かった!


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