私の音楽日記

2004年11月04日(木) 「Lluvia」  今井美樹  1991.9.7

「Lluvia」は乾いた土に降る雨という意味らしい。

「雨」。
心がからからになってしまうと、このアルバムをよく聴いている。
作家陣が強力で布袋作品を歌う前の傑作アルバムだと思う。
タイトル曲の「Lluvia」が最高。
詩、曲、アレンジ、声どれも輝いていると思う。
この曲は作詞を今井さんご自身で書かれているが、今井さんという人はつくづく自然体で無理せずに書ける人だなと思う。
歌にしても無理はしない。とても正直でありのままだと思う。
最後の上田知華作詞作曲「DISTANCE」はクリスマスの恋人達の長距離電話の歌。
 
 ”窓の下を急ぐ チェーンの音に今
  あなたの声が途切れる
  ”こんなに離れても 愛しているけれど
  もうきっと君を守れない”

  涙拭うことも
  ひとりきり眠ることも
  苦しくはなかった 好きなように生きてきたつもり
  今 今夜こそ この距離を越えたい
  降りしきる世界に 何もかも消えてく
  Why don't we love
  Why don't we love

この二人はこの後どうなったんだろうか。距離を越えることができたのだろうか。



2004年11月02日(火) 「retour」  今井美樹  1990.10.31

哀しい時や失ってしまったなあと落ち込む時は、いつも今井さんの歌にお世話になってます。
特にこの「retour」。フランス語で蘇生という意味。
人間が生きていく上で起こる色んな悩みや悲しみから解放されたいという意味らしい。

どの歌も言葉もよ〜くわかる。
人は哀しいときは泣いてもいいし、後悔してもいいんだよと教えてくれるような歌たち。
1曲目の「retour」では、新しい私に蘇生する、蘇るんだと歌っている。
 
 ”体中 全てが 目覚めていく
  変わるのよ 今すぐ
  明日は違う私になる
 
  この街の 光も
  この街の 色彩も
  気づいたの 自由は
  私の腕の中にある

2曲目の「Sol y Sombra〜ソル イ ソンブラ」ではスペインを優雅に歌う。
それからしばらく日常的な喜び不安、悲しみなどを歌う。
「幸せになりたい」この曲は離婚した友達を優しく迎える友情の歌。
この歌にはわけもなく励まされた。

 ”冴えない夏の空 少しだけ蒼い海
  灰色の高層マンション
  ダメになるヤツもいる だけど友達が待っている
  ここにおいで

  渋滞は毎日 鳴らし合うクラクション
  行く人はみんな急いでる
  幸せになりたい ひとりきりだった悲しみと
  昨日を 忘れて ここにおいで

「去年は、8月だった」ではたった1年で移り変わっていく気持ちを自分で怖れている。
 ”たった1年が
  だけど1年が流れ
  いつしか 嘘がわかるほど
  疑い深くなったわ

「泣きたかった」では知らず知らずのうちにためこんでしまった何かや
ずっと前に封印していた哀しい想い出を突然思い出してしまって、
あの時は気づかないふりをして泣かなかったんだと突然今になって泣いてしまう。
この歌を聴いて泣いてしまった女性はどれくらいいるんだろうか。

「半袖」は辛いことでも、それは自分で選んだことだからと凛とした強さを感じる歌。

「冬のマーケット」「輝く星になって」も前向きに振り返る歌。

ラストは「新しい街で」

 ”空は 雲を抱き 樹々は 葉を歌う
  雨は 虹を掛け 光は 地を包む

  時が動きだす 私はここにいる

私の感傷的な気分だけでなく、音楽的にもよいものがたくさん詰っている。
岩里佑穂さんの詞がとてもありのままの人を書いていて清々しい。
上田知華さんやKANさん、柿原朱美さん、山口美央子さんらが今井さんにぴったりの色んなタイプの曲を作っていて、音楽的にも素晴らしい。

明日からもう一度がんばろうと思わせてくれる。

    



2004年10月31日(日) 「TRUE」  中島美嘉  2002.8.28


「AMAZING GRACE」で始まる、最強、捨て曲一切なしのファーストアルバム。
デビューアルバムでここまでやれるアーティストがいるんだと愕然とした。
全曲、素晴らしい。楽曲、歌唱力、ともに全部すごい。
このアルバムは本当に聴き倒したので全曲歌えるようになった。
でも、のどが弱くて曲が難しくて歌えないんですけどね。

詞、曲、歌とすべてにおいて完璧に近いものを感じるけど、秋元康さんの詞がなんてすてきなんでしょう。

「WILL」

 ”「あの頃」って 僕たちは 夜の空を信じてた
  同じ向きの 望遠鏡で小さな星探した
  いつもそばに 誰かいて 孤独の影 紛らせた
  停電した夏の終わりに 手さぐりして キスをしたね

  あれから僕はいくつの 夢を見て来たのだろう
  瞳を閉じて見る夢よりも 瞳を開きながら
  
  あれから僕はいくつの 自由を生きてきただろう
  運命の支配じゃなくて 決めてたのは 僕の「WILL」

  過ぎてく過去は すべて 自分の通り道
  この夜の空に 変わらない永遠が 見守っている

「STARS」

  ”あんなに離れてる 小さなあの星が
   輝いているのは 想いを信じているからでしょう

   手に触れられないと 存在しないような
   あきらめ方をしてしまうけど
   遠い光 消えやしない

中島美嘉さんに一番あっている曲は「CRESCENT MOON」かな。
これは彼女の魅力を最大限に生かした1曲だと思った。
   
本当に何度聴いても飽きないアルバム。



2004年10月30日(土) 「君と歩いた青春」  太田裕美  1981


このアルバムには伊勢正三さん作詞、作曲のあの名曲「君と歩いた青春」が収録されている。
この曲以外の曲は全部裕美さん作曲。詞はいろんな人が書いている。
これまで裕美さんが特に歌が上手いと思ったことはなかったけれど、
このアルバムを聴いてすごく上手いなあと初めて感じた。

最初の「セカンド・ランー二番館興行ー」はフォークソング調で始まるが、
サビからオーケストラもかぶさり、大きく盛り上がる。

「雪・一信」はちあき哲也さんの詞で、つぶやくように歌う歌で、
雪がしんしんと積もる音が聴こえそうな曲。

 ”好きになればなるほど あんな日々がもどかしくて
 
  女だもの ただ、たしかめあえた胸の何かより
  いつもそばに ああ いられるようになりたかった
  So you miss me… I miss you

5曲目、LP時代のA面最後の曲は作詞も裕美さんで思いがこもっている。

 ”一度きりの青春 悔いはない
  あなたがいて 歌があれば
  他に 何も いらない

「あなたのそばに…」

「くちぐせ」「Smile」「恋はミステリー」は裕美さんらしいポップでカラフルな曲。

ラストの「サヨナラの岸辺」が私は一番好き。
これは松本隆さんの作詞で松本さんの本音かなあと当時思いながら聴いていた。

 ”別れを口にしないのは
  たぶんまた逢える気がするからね
  この店を出て潮風にあたれば
  そこはサヨナラの岸辺

  好きになるのがこわかった
  これだけは正直な気持ちなの
  あなたの腕をすり抜けて逃げれば
  そこはサヨナラの岸辺

このアルバムには私の大好きなアレンジャー大村さんと大好きな作詞家のKUROさんが参加されている。
お二人とも早くに亡くなられてしまった。
このアルバムのクレジットを見ると万感の思いがこみあげてしまう。



2004年10月28日(木) 「こころの扉」  高木麻早  1975.7


中学生の頃に気に入っていて、針飛びだらけの盤になるほど聴いたアルバム。
高木麻早さんの声はふっくらとしていて、それでいて音域が広いようで、
低い声はしっかりとしていて、高い声も消え入りそうな声でなく、
自然にのびていく声。

このアルバムは全曲麻早さんの作曲で詞は色んな方達にお願いしたようだ。
麻早さんの音楽はフォークというよりちょっとカントリーっぽいと思う。
悲しい歌や静かなバラードでさえもリズミカルに弾んでいる。

シングルヒットした「すりガラス」。
この歌は麻早さんが歌っていくうえで、思い悩んでいる時期に作られた曲ということらしい。
窓の外がみえそうで見えないすりガラスに
ご自身の気持ちを照らし合わせてみごとに気持ちのもやもやを表している。
しかしこういう歌でさえ、重たくならないところが麻早さんらしい。 

「旅じたく」はウィッシュの伊豆丸礼子さん作詞で失恋の歌。
  ”あなたがいなくても さびしくはないのよ
という歌なのだけど、弾んで弾んでいかにも楽しそう。
高音もきれいで、ピアノも弾んでいる。

唯一「さようならの詩」は静かな愛の歌。
この曲だけが静かに語っていてアルバムにメリハリを与えている。

「不思議な気分」
この曲は別れた人を思い出して、もう一度やりなおせるかしら…という
とても不確かなどういう状況なのかよくわからない歌だけれど、
これを聴いているとなぜか安らかな癒されるような気がする。
まさに「不思議な気分」になっていく自分を感じてしまう。
このアルバムはどの曲も不思議な安らぎを与えてくれる私にとって異色のアルバム。
 



2004年10月26日(火) 「再会」  The LOVE   2004.6.23


「The LOVE」というグループのことはぜんぜん知らないのだけど、楽曲が良いので聴いてます。
詞、曲そのものにハートがこもっていて、曲作りのテクニックも充分なため、
思わず引き込まれてしまいました。
グループ名そのままに色んな「愛」を歌っているのだけれど、
10年いいえ、20年くらい前のニューミュージックを聴いているような錯覚に陥ります。
詞、曲、ボーカルが一昔も二昔もまえの感じですが、音は古臭くはありません。
ミディアムテンポのバラードがお得意なようで、印象的な言葉が多く、
ニューミュージックの時代を思い出してしまいました。
こういう歌を得意とするグループが存在する事を最近になって初めて知りました。
もうデビュー7年ということで、地道にがんばっているグループです。

中でも「遅咲きの花」は名曲中の名曲なので、ロングセラーでヒットすればいいなあ、もっと色んな人に聴かれるようになれば、きっと愛されるグループになるだろうなあと思いました。
そのためにも私は有線にリクエストいっぱいして、がんばって貢献しています。



2004年10月25日(月) 「心のうちがわかればいいのに」  佐々木好  1982.2

もう20年以上愛聴している佐々木好さんのファーストアルバム。
大事な言葉だけを凝縮させ、ほとんどの装飾をとりはらったかのような歌の数々。
そのせいかこのアルバムの曲は時間的にはとても短い。
詩も短いものが多い。でも、内容は濃い。

 ”二人でドライヴニコニコしながら
  あなたと私は笑う
  対向車が恐くないかと尋ねると
  ガックリした顔になりカリーナを眺めて
  人間てサ自分は信じられるけど
  他人はなかなか信じられないものだ
  あー心に焼きつき ますます好きになりそう

  二人は想い出にすぎないみたい
  初めから知ってた
  アフロの頭はもう切ったかしら
  ニコッと笑っておくれもう一度
  出会いってサ決められているみたいに
  不思議と別れがあるね
  あー私の名前だけあなたに呼んで欲しい
    「ドライヴ」

誰がなんと言ってもこの歌が一番好き。

余分な言葉は一つも無い。
楽しい今現在から別れまでを予感していて、
それは悲しくとも確実に来るとわかっている。
しつこくないところが佐々木好さんの歌の特徴。
冷静に理解することができる。

「今日はどんな日でしたか」「#4006」「心のうちがわかればいいのに」では
身近な生活観や心象風景を素直に淡々と歌う。
 
 ”今日はどんな日でしたか 疲れましたか
  一日が長く感じたり短く感じたり
  邪魔になる事や
  何かをしようと思っても
  過ぎてく時のほうが速くなる

 ”心のうちがわかればいいのに
  それからあなたの性格も

なぜ『心のうちがわかればいいのに』をタイトルにしたのかはわからないが、
誰もが一度は持ってしまう願望でしょう。
実際は心のうちがわかってしまえば恐い事が多いと思うけれど、
誰もが一度はそう思うのでしょう。
でも、心のうちがわからないからこそ人は人を好きになるのでしょう。  



2004年10月24日(日) 「朧月夜〜祈り」  中島美嘉

 ”菜の花畠に 入日薄れ
  見わたす山の端
  霞ふかし。
  春風そよふく 空を見れば、
  夕月かかりて におい淡し。

「朧月夜」。
こんなにいい歌だとは知らなかった。中島美嘉さんが歌ってくれたおかげで気づいた。
元がいい歌だと思うけど、
葉加瀬さんのアレンジや美嘉さんの歌唱で新しく生まれ変わった。

暗いところや夜はどうも苦手だけど、こういう音楽を聴いていると
ああ、一人じゃないって思ってしまう。



2004年10月23日(土) 「天下無敵の愛」「月明かりの下」  酒井法子

ネッ友と言わせて頂いていいんでしょうか?
ネットで知り合って、あっという間にすっかりお世話になってしまっているNさんが教えてくれた曲。
大好きな斉藤由貴さんがノリピーに作詞した2曲。
作曲は崎谷賢次郎さん。

2曲とも素敵な素敵な曲です。

「天下無敵の愛」は母ならではの子どもへの愛の歌。
それも天下無敵な愛の歌。
最初聴いた時はびっくりしました。あまりにもきらきらとアップテンポで。
崎谷さんはこういう曲も書かれるんですね。
アレンジもハードできらきら系の音満載でノリピーのきれいな声もなめらかです。
一生懸命歌ってる。聴いていて気持ちいいなあ。
アレンジはエレキの刻み方がいい。
こういう刻み方の音は久々に聴いた気がする。
歌が終って演奏があっという間に終るところも、さわやかな印象でとってもいいと思う。

 ”だけど だけど 愛してる どんな時も世界一
  例え駄々こね へ理屈 ワガママされても
  問答無用! 捕まえたら 問答無用! 抱きしめちゃえ
  これこそ 天下無用の 愛の技


「月明かりの下」もすてきです。
こちらはミディアムテンポでやさしく深い愛の歌。
ノリピーの声がとてもクリアでサビの部分はうっとりしてしまう。

 ”やがて 花は芽吹いて 咲いては散ってゆくけど
  めぐりゆく季節を越えて 変わらないものがあるの

由貴さんの詞はやっぱり感性豊かでいいな。もっともっと聴きたい。
それと同時にノリピーもなめらかに歌う人だと再確認した曲でした。









2004年10月22日(金) 「ほし・つき・ぴあの」  村松健  1993.9.22

秋に聴くピアノ。
シンセとかほとんど使ってなくて、ピアノのほかはリズム楽器だけかなあと思うほどのシンプルで繊細なベストアルバム。
デビュー当時はもろにフュージョンですごく爽快で疾走感があり、走るピアノって感じだった。

倉本さんの大人のピアノも大好きだけど、村松さんの王子様のピアノがやっぱり好きだなあ。
このアルバムは繊細そのものの安らぎのピアノ。
特に「星が生まれる丘」「キャンドル・パワー」「封じこめられた光と影」あたりは秋の寂しさと強さを表現しているような気がする。
そして「月とお話し」「大きなとちの木〜11月」「生まれ変わっても」で
冬へ向っていく。
決して振り返らずに。


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