私の音楽日記

2004年10月21日(木) 「Wish You The Best」  倉木麻衣  2004.1.1

選曲的には少々の不満があるもののいい曲ばかりでうれしいうれしい初のベスト。
ジャケットの麻衣ちゃんがもうめちゃくちゃかわいいので、ジャケットもすごく気に入って買った一枚。
なぜ麻衣ちゃんの曲が好きなのか考えてみると、80年代のAORの香りがするから。
デビュー当時はよくヒッキ−の音楽と比較されていたけど、ヒッキ−の曲は80年代のAORとは遠く離れているでしょう。

麻衣ちゃんの音楽は彼女ならではのものだと思う。
AORに今の音の要素が混じっていて、ハスキーで透明感のある声がのっかっている。
麻衣ちゃんの書く歌詞にもとっても共感してしまって、英語まじりの乾いた感覚の前向きな歌詞も大好き。

「Stay by my side」の流れるようなメロディー、「Secret of my heart」の心に残るサビ、
「NEVER GONNA GIVE YOU UP」の洋楽のようなリズムと打ち込み、「Delicious Way」はたしかファーストアルバムの1曲目ですごいインパクトを感じた曲、
「Reach for the sky」「風のららら」の爽快さ、「冷たい海」すばらしくなめらかな英語交じりの日本語詞。
ノリノリの「Stand up」や「Winter Bells」「Feel fine!」。
私は日本語と英語の見事な融合に魅力を感じるけど、
ほとんど日本語の歌詞の「Time after time〜花舞う街で〜」の日本的な言葉の数々もいい。京都で作った歌詞かなと感じてしまう。

二枚組にしてほしかった。
私の好きな「Lovin' you」が入っていない事は非常に残念。
シングル曲でまとめようとということになると、こんな風になってしまうんでしょうね。
ちょっと物足りないけれど、でもうれしい何度も聴いているベストアルバム。



2004年10月20日(水) 「Hurricane」  島 健  1989

台風23号が来ているので思いついて「ハリケーン」を出してきた。
ジャケットはわたせせいぞう氏の風の強いハリケーンの街。
しかし私には「ハートカクテル」の知識がまったく無いため、この絵の意味をよく知らない。
でも、わたせせいぞうさんの絵は好きだなあ。動きが感じられるんですよね。
動いているアニメを見ているような気分になってしまう。

この「Hurricane」というアルバムは秋風のようにさわやかなフュージョン。
一番のお気に入りは9曲目の「Takeshi's Theme」で、
これを聴いていると
外が台風で荒れ狂っているのに、優雅にコーヒーを飲みたくなってくる。
10曲目の「Hurricane」だけは強い風と叩きつける雨のイメージで、他とは全く違う曲。
風が吹きあれ、木々がゆれて不協和音を作り出している。
そして走るピアノ。風に飛ばされて激しく舞う木の葉が見えてくる。
この曲以外はハリケーンを感じさせないが、
大人のフュージョンあるいはジャズっぽいポップスで台風の夜に聴いて台風を忘れさせてくれる一枚なのでした。





2004年10月19日(火) 「autumn winds best from OFF COURSE」  OFF COURSE  

「autumn winds best from OFF COURSE」  OFF COURSE  

このアルバムはジャケ買いしてしまった。
しかもジャケットが好きなので、LPの方を買ってしまった。CDが出ているのにもかかわらず。
きれいなたぶんこの花はスイートピー。優しい優しい気持ちになる。

中身はいきなり1曲目が「さよなら」なので、なにも1曲目にしなくてもって感じがしたけれど、
確かに全体的に秋の選曲になっている。
もちろん「秋の気配」「愛を止めないで」「言葉にできない」も収録。

私は聴き飽きるほどオフコースは聴いているが、この中では「冬が来るまえに」と「秋ゆく街で」が大好き。
「冬が来るまえに」は小田さんお得意の優しく心変わりを告げる歌。
この時代にしてはメロディーが複雑で、よくできていると思う。
そして何よりも美しい小田さんの声がメロディーが感性が、奇跡をおこしているような気がする。

 ”ああ 燃ゆる想いは消えて
  かわらぬ愛はもうみえない
  あなたの嘘のないやさしさに
  かえすことばもなく
  私はただむなしく ありがとう ありがとう

「秋ゆく街で」はライヴバージョンでアルバムラストにふさわしい。
いいなあ。これは素直で。

 ”いちどきりの短い人生だから
  僕の生き方で もうしばらくは
  歩いてゆこう
  手にあまる不安の中に

  あなたの愛がかくれてしまう  
  それも誇りをすてて
  ありふれた人生を生きてゆくよりは
  いいかも知れない

鈴木さんの「いくつもの星の下で」も素直でなおかつ情熱的でとてもいい曲。好きです。



2004年10月17日(日) 「玉姫様」  戸川純  1984.9.25


戸川純のこの異様なアルバムはお気に入りでよく聴いた。
ライブも2回行ったけど、やはり異様だった。
最初にいったところは小さいホールで
オールスタンディングだったので、前の方のお客さんはみな純ちゃんといっしょに踊りまくり、右へ左へと人波が揺れいていた。
私も最初は前の方にいたけれど、人波に押されて何度も壁にたたきつけられたので、
危険を感じ後ろの方から見ていた。

そんな純ちゃんの異常な異様なアルバム。
でも、この異様な気持ちがわかるんです、私には。
特にタイトルの「玉姫様」。
ここまでひどくはないけれど、私もそうだから。
レディヒステリック、もうあなたの話が理解できない状態に陥る。
それでこのアルバムが好きだったんだろうか。

あと「踊れない」これもそうそう、そうなんです。
 
いつも決められている 思いどおりに動けない

「蛹化の女」

 ”それはあなたを思い過ぎて変わり果てた私の姿
  月光も凍てつく森で
  樹液すする私は虫の女

カノンにこんな歌詞をのせるというのは純ちゃんが考えたんだろうか。
パッフェルベルもびっくりだろう。
でも、変じゃないから不思議。



2004年10月16日(土) 「VIRIDIAN」  鈴木祥子  1988.10.21


鈴木祥子さんはなにより声が魅力的だと思うけれど、
どうでしょうか、このアルバムは。
アコースティックとエレクトリック、そしてシンフォニックの融合。

「夏はどこへ行った」ではあくまでもアコースティックかと思っていたら、
突然にエレキの悲しい響き。

「サヨナラの朗読」はアコースティックとシンフォニックの融合。

タイトル曲の「ビリジアン」ではピアノとサックスそして祥子さんの声自身が、楽器の一部になっているような気がする。

このアルバムの中で私の一番好きな曲「悲しい青空」は
出だしから祥子さんの声がパンフルートの音色に聴こえてしまう。

私の耳には心には祥子さんの声が楽器の音色に聴こえるときがある。
ホイッスルの音、パンフルートの音、グロッゲンの音に…。
色んな音と溶け合うことのできる不思議な声。

 ”悲しい青空 何日も続いて
  あの人の行方 誰も知らない
   「悲しい青空」




2004年10月15日(金) 「永遠の少女」  松田聖子  1999.12.15


「永遠の少女」というタイトルはミスマッチかなと思う。
たしかに1曲だけ娘さんのSAYAKAちゃんが歌ってもいいだろうなと思える歌が収録されているが、あとは一皮むけた大人の女性の気持ちを歌っている。
10曲中8曲の歌詞を松本隆氏が書いておられるが、私は松本隆さんの詞が一番聖子さんの曲にあっていると思う。
決して難しい言葉を使わず、それでいて情緒豊かで深い感情を書ける松本さんの詞は
聖子さんの素直な声質にぴったりくると思う。
「櫻の園」は3月頃にシングルにしてほしかったきれいなきれいな曲。
「哀しみのボート」がシングルカットされたけれど、
次に「櫻の園」をシングルカットしてほしかったな。
   
   雨上がりの櫻の園
   散るために咲くから綺麗なの?
   雨上がりの櫻の園
   あなたの微笑を
   失って

   Song for you 散り急いだ
   無数の花が道を覆うの
   木の下で振り向くあなたの影
   さようならって手を振っていた
   櫻は別れの花

このアルバムの曲はどれもいい曲で捨て曲なんて一曲もない。

一番好きな曲は「エメラルド海岸」。
私はこの曲を聴いてから、秋になると「エメラルド海岸」はどこにあるかなと
秋だけののエメラルド海岸を探してます。

 太陽が海に溶けてく
 一瞬の静寂が好き
 予知夢ってほんとにあるね
 夢で見た景色そのまま

 エメラルド海岸にひとり
 季節はずれの避暑地には
 エメラルド海岸にひとり
 恋のかけらも落ちてない



2004年10月14日(木) 「えんぴつで作る歌」  平川地一丁目  2004.7.28


声が曲によってあまりに違うのでびっくりしてしまった。
痛々しい。
「とうきょう」と「君のくつ」は本当に同じ人の声なんだろうかと思うくらい違う。
去年、生で歌声を聴いていただけに、1年でこの変貌には驚いた。
すごく苦しそう。
特に「風は海を渡れる」「「ただいま」の予感」は歌詞も悲しい歌詞なので、なおさら痛々しい。ノドが痛そう。

曲は全体的に悲しく繊細な曲が多いけれど、
「星から吹く風」「君のくつ」「桜の隠す別れ道」「君との約束」「夕暮れ時の帰り道」など力作ぞろいでいい曲ばかりだ。
才能豊かなソングライターだと思う。

男の子を育てた事がないので、男の子の声はこんな風に変わるんだと感慨深く思った。
遠い昔の「フィンガー5」の晃の声変わりを思い出した。

声が安定したら、また色んな曲を歌ってほしいな。



2004年10月13日(水) 「ジレンマ」  斉藤和義  1997.2.26


このアルバムには魂がこもっている。
ギターの音、詞、曲すべてに気迫がある。
1曲目から10曲目まで全く力を抜かない。
こんなアルバムもあるんだなあと思った。

「郷愁」ではハーモニカの音が心を揺さぶる。

ちょっと郷愁を感じるけれど、もう行かなくちゃと明日へと向う姿が見えてくる。
これは隠れた名曲だ。とても深い。

「すっぱいぶどう」は頑丈な歌だなあと思った。エレキの音も私の好みの音。
何かに挑戦している。
ちょっとスガシカオさんに通ずるものがあるようにも感じた。

「印象に残る季節」のギターがまたいい。
印象に残る季節は冬と、冬を歌うにふさわしいアコースティックギターの音。
声も冬の夜を思わせる声にかわっている。
ギターと声が絶妙のバランスで何度も聴き込んでしまう。

「進め なまけもの」はまるで自分のことのようで、笑ってしまった。
言い訳して、もうきょうはここまでと、自分に甘くなってしまって
ああもう最後に笑えるなら、なまけものでもいいやと思ってしまう。
ギターの音が陽気でいい。

「ドライヴ」も空へのドライヴ。これもとてつもない名曲でしょう。
ほんとうによくできています。
「進め なまけもの」「ドライヴ」も冬の歌。
斎藤さんは冬が好きなのかな。

最後の「幸福な朝食 退屈な夕食」はちょっと難解複雑でかっこいい。
いろんなインパクトのある言葉が並べられている。
ちょっと佐野元春を彷彿した。

本当にいいアルバムです。



2004年10月11日(月) 「リトル・ファンタジー」  尾崎亜美  1979.10.5

尾崎亜美さんの5枚目のアルバム。
1曲目の「FOR YOU」はオープニングそのものの曲。
最近は1曲目に、いかにもこれから始まりますという曲を置かれているアルバムが減ったと思う。
ある意味最初の1曲目が勝負ともいえるので、最初から全力投球ということなのでしょうか。

このアルバムのオープニング曲「FOR YOU」は

 ”突然ですが、大好きです
  心の鍵で開けてほしい

学生時代の淡い恋の歌だけど、とてもインパクトのある詩で印象的。

2曲目の「Little Fantasy」はアルバムタイトルの曲にもなっているが、
結構難しい歌詞に色んな機械で音が作ってあるので、
当時は新しいなあと感じた。

他の曲もこの当時はとても新しかった。
歌い方や声も色々変える事のできる人で、「ジェシー」では今までとは全く違った歌唱力を感じたし、
「心にメイクアップ」ではサウンド面と歌唱面のどちらにも新しさと力強さを感じた。

「心にメイクアップ」の

 ”心にMake up 悲しいMake up"

にはハッとした。

「香港紙人形」は悲しい歌で、たった一日で旅立ってしまう人を歌っているのだが、
そこにはなぜか夢がある。
悲しいだけではなくて、これを越えて新しい自分を育てたいという意思が強く出ている。

亜美さんの歌にはたとえ悲しい歌でも常に新しい何かに挑戦するような強さを感じてしまう。
そしてどの曲にも小さいあるいは大きな夢がある。

これはサウンド面と歌唱力の両方から感じられるものかもしれない。
音の懲り方は半端ではないし、新しいものへの挑戦とファンへのサービス精神が旺盛な方なのだろう。
それでいてサウンドに頼らずきっちりと良い歌を作る方なので本当に尊敬してしまう。



2004年10月09日(土) 「トワイライトの風」  相曽晴日  1982.11.5

相曽さんのファースト・アルバム。
これも本当によく聴いた。ジャケットも素敵で湖に妖精がただよっている絵が描かれている。
きれいな青がいっぱいに広がっている。
私はずっとLPを部屋に飾っていた。この青を見ると胸がしんとした。
なんともいえない青。水色でもなく空色でもなく輝く青。

そして中身は本当に丁寧に丁寧に1曲1曲に全力投球したことがありありとわかる内容になっている。
当時彼女は高校を卒業するかしないかの頃だったのに、これほど完成度の高い曲を次々に生み出していた。
今も変わらずあたたかい心のこもった歌を作っておられるが、
このファーストアルバムはあまりにもしっかりと地に足の着いた原点。

1曲目の「トワイライト」はポプコン本選会で賞を受賞した曲だけど、歌詞が変えてある。
この詞もいいけど、もとの詞もよかったのにな。
私は2曲目の「コーヒーハウスにて」が一番のお気に入り。出だしが、
  
 ”風に色があるとかないとか
  隣では文学少女達が
  パイをつつきながら大論争

なんてきらきらした始まりなんでしょう。
秋になるとこの歌を口ずさんでしまう自分が今もいる。

「歳末の街角」も風景が目の前にうかんでくる曲。

 ”歳末の街角に募金箱を持った君がいた
   流れゆく人混みの中にポツリと独り立っていた

  貧しい人達の為に君はますます貧しくなった
   愛するひとよ なぜそんなに瞳が輝いているの

「金糸雀色の風」(かなりやいろのかぜ)はおそらく想像力をふくらませて書いたのでしょう。
いっしょうけんめいさが伝わる作品。

これをリアルタイムで聴いていた頃は自分自身もまだ子どもみたいなものでした。
相曽さんと同じような場所で聴いていた。

でも今は違って、ちょっと離れたところからああいっしょうけんめいに作った詞とメロディーなんだと
胸があたたかくなるような気持ちで聴けるアルバム。秋になると毎年聴く大切なアルバム。



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