私の音楽日記

2004年10月08日(金) 「小さな願い」  ル・クプル  1998.7.1


ル・クプルの歌はどの歌も安心して聴ける。
とんでもない冒険をしたり、奇をてらったりしない。
淡々と自分達の歌を歌うだけ。

私はル・クプルの歌は全部聴いているわけではないので、このアルバムが何枚目のオリジナルアルバムなのかわからないが、
1曲目の「逢えてよかった」から最後の「Tokyo love story」まで本当に温かくゆったりと聴ける。
「ひとつ屋根の下」「妹よ」「東京ラブストーリー」という大ヒットドラマの使われた曲に詞をつけたそうだが、
ドラマと関係なく楽しめる内容。

「それを恋と呼ばないのは」はちょっとジャズ風でおしゃれな一曲。

 ”世界の果てを教えてよ
  たぶんあなた知ってるんでしょう
  昔あなたと似ている人を
  絵本で見たのよ

  約束なんて破るためにあるって思ってるんでしょう
  胸に刺さった棘はまるで 天使の羽ね

ラストの「Tokyo love story」もとってもいい曲。
この曲だけはドラマで使われていた事をはっきりと憶えてる。
たぶん、印象的なシーンで使われていたのでしょう。

 ”言葉の代わりに 海の香りだけ閉じこめた手紙を
  子どものように眠る あなたに残して旅立つわ



2004年10月07日(木) 「哀しみの孔雀」  杏里  1981.9.21

このアルバムはちょっと不思議なアルバムで、LPレコードの方にはプロデューサーやミュージシャンのクレジットがあったのに、
CDの方にはそれらのクレジットはおろか、作詞作曲者の名前さえ書いてない。
どうしてこんなことになったのか不思議。
曲名だけしか書かれていない。

私の大好きなミュージシャン、ムーンライダーズを中心に
大貫妙子さんや佐藤奈々子さんパンタさんらが参加
もしくは作詞、作曲されていて、それは個性あふれるアルバムです。
おそらく杏里の数多いアルバムの中で、一番位置付けの難しいアルバムでしょう。
ファースト、セカンドと尾崎亜美さんの曲を中心として、ポップ感抜群であり、
翳りもあるという路線で来て、
第3弾でいきなり、アンニュイな世界に入ってしまう。
どうしてこの当時このような変わったアルバムがでたのでしょうか。

でも、私は非常に好きなアルバム。
個性の強い曲を杏里なりに淡々とある時は冷たく、ある時は弾んで、ある時はひたすら悲しく歌っている。

「白いヨット」

 ”真白いヨットが 入江をすべる
  真白い三角帆を 光でふくらませて
  夏の終わりを見とどけるように
  ヨットは沖へでていく

実に大人っぽいです。当時杏里は19か20歳なのですが、
大人っぽいけれど、背伸びはしていない。

「いつの日か Happy End」は当時杏里にぴったりの曲かな。
難しい曲をあっけらかんと歌いこなし歌のうまさが際立っている。

他の曲もとにかく背伸びしていないのに、大人っぽく淡々としている。

しかし最後の曲「哀しみの孔雀」だけは杏里のバラードそのもの。

これ以降のアルバムはポップ路線をひたすら走りつづけているようですが、
あれほどの歌の上手さなので、
またこの『哀しみの孔雀』のようなひたすら上手く淡々と歌うアルバムも
聴きたいと思ってしまう今日この頃。



2004年10月06日(水) 「風の伝説」  姫神  2004.4.21


姫神さんの現時点ではラスト・オリジナル・アルバムです。
しかし、きっと他にもたくさんの音源があるでしょうから、まだまだこれからたくさん発表されるのでしょう。
このアルバムはよく聴きました。
コーラスの練習の風景も見ましたし、姫神さんの演奏も見ました。
自然と音楽が溶け合う風のような音楽でした。
このアルバムを初めて聴いた時も
1曲目の「めぐり逢う星の夜」と2曲目の「海を愛した日」では、
歌声と東北の風が溶け合うような響きを感じました。

5曲目の「砂山・十三夜」が一番好きなのですが、すばらしいメロディーと音階とボイスで
風の中に暮しているような気がしてきます。
この懐かしいやすらぎは何なんでしょうか。

6曲めの「潮騒」でが一転して、しゃきっとした新しい何かを感じる事が出来ます。

7曲目の「野辺は澄み渡り」では不思議な音階に神経が集中し、

8曲目の「大地はほの白く」では姫神さんらしい落ち着いた演奏。

9曲目の「神々の詩」は聴き慣れた曲にもかかわらず、
ブルガリアン・ヴァージョンでは、すごみさえある歌声に吸い込まれそうになり、
最後の「風の人」で風の中に戻っていきます。

姫神さん、素晴らしい音楽をありがとうございました。
全国ツアー中に具合が悪くなるなんて信じられませんでした。
これからはご子息の吉紀さんが、姫神さんの音楽をさらにグレードアップされるのでしょう。
永遠に姫神さんの音楽は生き続けます。



2004年10月05日(火) 「SUPREME」  松田聖子 1986.6.1


聖子さんの1986年、SAYAKAちゃんが生まれた次の年に発売されたアルバムです。
このアルバムの曲はどれをシングルにしてもいいと思われるほど、完成度の高い粒揃いの力作ばかりです。
聖子さんの声にも透明感があり、なおかつ声に力があります。

私は「瑠璃色の地球」と聖子さん作曲の「時間旅行」特に好きです。
「瑠璃色の地球」はあまりにも有名な歌ですが、これはメッセージ色の強い歌でありながら、それを感じさせないところが魅力かなと思います。

「時間旅行」は松本隆さんお得意の情景が目の前に浮かぶような歌詞と
SEIKOさんのシンプルできれいな曲が印象的です。

このアルバムの曲は非常にバラエティに富んでいて、まさにアイドルの王道の曲から
「瑠璃色の地球」のようなバラードまで1曲1曲がまったくタイプの違う曲でありながら、
まとまりを感じさせるアルバムです。
なぜかなと考えてみたところ、トータルで白のイメージがあると思いました。
私にとってはどの曲も色にすると白のイメージがあります。
ジャケットの聖子さんも白のブラウスに、白い花を髪につけています。
花のように美しい聖子さんです。



2004年10月04日(月) 「Kahala compilation」  華原朋美  1999.12.22


最近、朋ちゃんをテレビでよく見かける。
「I'm proud」を何度か生で聴いたが、余裕で歌っている。
大ヒットしていた当時は苦しそうだった。歌詞も時々間違えていた。
小室さんがピアノを弾いているときはうれしそうだった。

今、聴く「I'm proud」は軽々と余裕で歌っている。歌いこなしている感じである。
前は一生懸命で必死だった。ハイ・トーンもちょっと苦しそうだった。

朋ちゃんの声は大好きなので、小室さんとの最後の共演となってしまった「kahara compilation」を今も時々聴いている。
この頃の朋ちゃんの声は本当に一生懸命で、輝きとしてはMAXだと思う。
当時、安室奈美恵ちゃんもがんばっていたけど、朋ちゃんの方はある程度の余裕を持って
よい仕事をしていたと思う。
本当にきれいな声だ。
このアルバムには収録されていないが、当時小室ファミリーで歌っていた歌でも朋ちゃんが一番光っていた。

どの曲も素晴らしく小室さんの控えめながら主張する不思議なサイドボーカルもとてもいい。
「LOVE BRACE」「LOVE IS ALL MUSIC」「I BELIEVE」「I'm proud」「save your dream」は永遠の名曲。
「save your dream」は朋ちゃんにしか歌えない歌だと思う。
本当に二人の息がうらやましいくらいにあっている。
小室さんは朋ちゃんの声のよさを最大限に引き出していた。
「Just a real love night」なんか最高!また二人で歌ってほしい。

でも、小室さんは自分の気持ちを歌詞にする人だから、
「You don't give up」あたりからだんだんと気持ちが移り変わっていく事がわかる。

朋ちゃんの今の声は自信に溢れている。
プロなんだからまた、できることならもう一度二人で歌ってほしい。

このアルバムを聴いていると、素晴らしい歌唱力と同時に運命の儚さも感じる。
でも、華原朋美さんは素晴らしいアーティスト。
これからもよい歌をどんどん歌ってほしい。



2004年10月03日(日) 「星になった涙」  加藤いづみ  1992.6.19

「星になった涙」  加藤いづみ  1992.6.19

もともと加藤いづみさんの声が好きだが、このアルバムはタイトルと高橋研さんの曲が多数ということで買ってみた。
高橋研さんはアルフィーや中村あゆみさんに曲をたくさん提供され、ご自身の歌もすごくスピード感があって爽快なものが多い。
そんな高橋さんの曲を加藤いづみさんがどんな風に歌うのかすごく興味津々だった。
聴いてみたらこれはうれしい裏切りだった。
高橋さんの書く曲といづみさんの声がすごく近く近く寄っている。
どちらも近づこうとしている。

2曲目の「ドライヴ」。
一体どこへドライヴに行くのだろう。まるで星へのドライヴみたいだ。

「想い出がいっぱい」「ナチュラル・ガール」「あくびの午後」はいづみさんの声にぴったりの曲だ。
「シェルブールの雨」はこれはいい曲。名曲でしょう。

 ”シェルブールの雨が この街にも
  天使の歌声のように降る
  心の地面が渇いている時
  失くしかけたものを
  想い出させてくれるよ 雨が

「髪を切ってしまおう」では

 ”髪を切ってしまおう
  あの人が一番好きだったものを
  だめにしてしまおう
  生まれかわるために

私の学生時代には失恋したら髪を切る人がいた。
今はどうなんだろう。

ラストの「太陽になれない」はアップテンポで元気で悲しい曲。

 ”歯車が狂い始めたら 直しに来てほしい
  あなたのこと好きな気持ち 変わらないけど
 
  太陽にはなれない 輝きは弱くても
  月の光のような そんな生き方が好きだから
  
  太陽にはなれない ごめんね だけど私
  夢みているよ いつか その胸の夜空に浮かんで
  あなたを照らすよ

ホント、そうやなあって思ってしまう。



2004年10月02日(土) 「風の扉」  鈴木祥子  1990.3.1

鈴木祥子さんのサード・アルバム。

曲のバラエティが非常に富んでいて、音も厚みのあるものからシンプルなものまでいろいろとつまっている。
どんなに音がぶ厚くなっても、あくまでもアコースティックを貫きとおしている。
この独特なアコースティックなアレンジは誰が手がけたのだろうと思ったら、
西平彰さん、ああ、納得。

一曲目の「風の扉」は扉がぱーっと開くような鮮やかな曲。
二曲目の「愛はいつも」もこれもとってもいい。
ちょっとハスキーだけど
あくまでも透明感のある祥子さんの声がひびきわたる。

  ”愛は いつも正しいと思う
  愛は たぶん力だと思う
  愛は いきる勇気だと思う

ギター1本で歌う「危ない橋」にはまいりました。
ギターの弦がキュッと鳴り、滑り出すような声と戻れない時。

ラストの「雪の夜に」は小泉今日子さんに書いた「優しい雨」に通じるものがある。
しんしんと静かな夜に雪がひっそりと積もっていく。

 ”はかない想い出が
  心に積もるように
  白い雪 舗道を埋めてゆく



2004年09月30日(木) 「THE LOVE MAP SHOP」 チューリップ  1981.3.5

チューリップの多数のアルバムの中でこのアルバムはとてもバランスがとれていて
充実している。何よりも音が良い。
この音の良さは音にうとい私にでもわかる。

ジャケットでは「THE LOVE MAP SHOP 24 HOURS OPEN」となっている。
まだ、24時間営業がメジャーな存在ではなかった頃のこのタイトルにはセンスを感じた。

タイトル曲の「The Love Map Shop」は

 ”ひとり歩きに 疲れたら
  ここへくれば いいさ
  Love Map Shop 迷った人はみんな
  Love Map Shop ここで買ってゆくのさ
  Love Map Shop 自分の地図を

とオープニングにふさわしく、財津さんらしい招待状のような曲で始まる。

次の「さよなら道化者」は財津さんにありがちな未練がましい歌。
私は基本的に男子が女々しいなよなよした歌を歌うのはいやなのだが、
財津さんに限ってはおおいにかまわない。
大いに泣いてほしいし、オーバーにやってほしい。
この歌は最後に馬鹿騒ぎになっていくのが面白い。なぜ、こんなことになったのだろうか。

「さよならの真ん中で」は宮城さんの作詞、作曲でとてもチューリップらしい曲。
この曲は当時よくコンサートの半ばで歌われていて、
コンサートにメリハリがついてとてもいい感じだった。

そしてこのアルバムにはラストにあの名曲「Shooting Star」が収められている。
この曲は長くチューリップのコンサートのラストナンバーになっていた。

 ”宇宙をかける 流れ星のように
  心に翼つけて いま 旅立て

本当に財津さんらしいいい曲。
このアルバムはオープニングとラストの曲があまりにもよいため、
アルバム全体を引っぱり上げているような気がする。本当に名盤。



2004年09月29日(水) 「accelerando」  石川優子  1986.5.21


アクセラランドゥとは音楽用語で「次第にテンポを速めて」という意味。
石川優子さんが次第に大人っぽくなっていった頃のアルバム。
作詞は優子さんと秋元康さんで作曲は全曲優子さん。
もともときれいな声質で歌の上手い人なので、どんな歌もそれなりに歌いこなせる。
このアルバムでは全曲優子さんが作曲されているので、当然ご本人のベストな曲作りになっている。

始まりの曲「夏のボサノバ」ですでに大人の女性へのテンポを速めている。
今までのかわいいイメージでなく、格段に大人の女性をめざしている。
声は美しいだけの声でなく、より一層、つやのある声になりメロディーにしっかりとのっかっている。

「週末のレイクサイド」はとても自然で自由。
 ”AH- わがまま聞いて 24時間
  大事な書類もばらまくように
  AH- わがまま聞いて せめて1日
  無駄な時間を 過ごしてみたい

「愛を振り向かないで」は優子さんの名曲の中の1曲。
本当にしっかりと完成されたバラード。

「消息欄」はドラマの主題歌にでもなりそうないなくなってしまった恋人を探す歌。

 ”「電話を待つ」と名前だけの短いメッセージ
  最初の言葉 ドラマの筋 思いめぐらせている

  印つけた 消息欄 小さく折りたたむ
  何度だってくり返すわ 手がかり見つけるまで

新聞の「消息欄」を気にとめたことがなかった私が、この歌でたびたび消息欄を見るようになった。
「電話を待つ」「心配している」「連絡待つ」などの短いメッセージにこめられた強い祈りを感じた。

「二ールサイモンも読みかけのままで」も素晴らしいバラード。
  ”二ールサイモンも読みかけだったのに
   私達の恋は終わり
   二ールサイモンも読みかけだったのに
   いつのまにか 閉じてたページ
   思い出さえもめくれない あの頃の恋

ラストの「セ・ラ・ヴィ(それが人生)なんて早すぎる」はこのアルバム中で一番明るくポップな曲。
優子さんお得意のポップ感。
とっても明るくて思わず口ずさみたくなるような軽やかさ。

 ”セ・ラ・ヴィ そんな言葉で片づけないで あなたらしく生きて
  セ・ラ・ヴィ 人生なんて わからないもの どんな風に変わるか

どの曲もしっとりといい曲で、最後が明るく軽やかという最高に聴き心地よいアルバム!









2004年09月28日(火) 「CIRCLE」 RAG FAIR  2004.9.8


ラグ・フェアの夏の終わりにふさわしいアルバム。
一回聴いただけで、腕をあげたなあと思った。
あくまでも基本はアカペラで、ピアノとギターのエッセンスがところどころに散りばめられている。
「Dip! Dip! Dip!」はアカペラでここまでやれるんだと感動さえおぼえた。
今回のアルバムの曲はとてもとても暖かい。
 
 ”I wish for peace
平和であるように”
   「昼寝」
 
 ”そうさ 人は
  誰かを愛すためにここに生まれた
  白い微笑みくれるツボミのように
  なにげない毎日にすべてがあるさ
  君が笑うと僕も笑えるんだ”
    「Seeds of love」

 ”柔らかな日差しの中に
  遠い日のぬくもり抱いて
  何度でも何度でも咲く あなたの側で咲く
  あたたかな花でありたい
   「HANA」

「嘘をつかないで」のアカペラ+ストリングス+ビブラフォンというのはこんなにも微妙な音がでるのかと驚いた。
まさに声の楽器と金管楽器が融合している。深い音。まさに傑作。
最後の「愛の言葉は落ちた」の「落ちた」部分では本当に音が落ちている。

「GOOD LUCK!〜旅立ちのエール〜」はお得意のポップ・ナンバー。
シングルになった「君でなければ」は財津和夫さんの曲でサビの部分がもろに財津ワールド。
コーラスもチューリップっぽい。
財津さんの歌も聴いてみたくなる。

ラストの「at the circle」もいい。元気がでる。

 ”まわりまわるよ 全てのことは
  本当に人に譲れる人は いつか譲られる日も来る
  信じ信じられて 生きること
  僕らはみんなどこかで繋がっている

前作より格段によい。
礼央さんの声もますます磨きがかかっている。
メンバーのみなさん、くれぐれも声をノドを大切にしてください。


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