今朝起きると、妻は頭が痛いと言っていました。どうやら、寝不足のせいのようです。『本のすすめ』の表紙作り、模様替えと、連日忙しい日々が続きました。 平日は朝ゆっくり寝ていればいいのですが、土日はそうもいきません。子どもたちがひばりのように早起きだからです。夜中まで模様替えをしていたとしても、朝はどうしてもゆっくり寝ていられず、疲れはたまっていきました。 加えて、頭痛を誘発するのは、ストレスからの解放です。何かほっとしたときに、血管が拡張して痛くなるのです。昨日は、助産婦さんが来るはずでした。それまでに模様替えを終わらせて、部屋をきれいにしておこうと頑張っていたのです。しかし、結局、来ませんでした。そのとき、気が抜けてしまったのです。 そんなことが重なって、頭痛になってしまいました。まぶしいと痛がるので暗い中、それでも空腹は頭痛によくないので、妻は朝食のにんじんパンにルッコラとゆで豚をはさんだサンドイッチを食べました。
ぼくは、昨日夜更かしをして、数日来、忙しさのあまり読まずにいた新聞に目を通し、ついつい『ミステリ十二か月』を読み、それからこの日記を更新しました。そのため、すっかり寝坊をしてしまい、あわてて犬の散歩に行き掃除をして、妻のお世話もそこそこに、子どもたちと家を出ました。 夕方、家に帰ると「ナッツが食べたい」と妻が言いました。そういうことがあるものです。実は、今日、オーストラリアに出張していた部長がおみやげに、マカダミアナッツ・チョコレートをくれたのです。チョコは血管を拡張させる食べ物なのですが、それよりも食べたいものを食べて元気になった方がいいと、コーヒータイムにしました。 「休まなくちゃと思っていたんだけど、頭が痛くて、一日眠れなかったんだよ」と妻は言いました。夜は、足裏、てのひら、腰、肩、首とマッサージのフルコースをしたのですが、その時にこう言われました。 「『しまっていこーっ』って言いながら、マッサージして」 「ええっ。それは誰に対して言うの?」とぼくがたずねると 「首の筋肉とか、拡張している頭の血管にだよ」とのことでした。そこでぼくは、 「しまっていこーっ」とか「しっかりするんだ。ゆるみっぱなしじゃないか」とか「そろそろ仕事に戻ってくれなきゃ困るよ。いつまでもこんなんでどうする」などと頭の血管に呼びかけながらマッサージを続けました。 そのかいあってか、妻はいくぶん元気をとりもどしました。 「よく眠れるために、少し働く」と言って、明日のお弁当用の肉じゃがを0時すぎから作ってくれました。辰巳芳子さんの本にある、素材の味を生かすための調味料の味が芯までしみていない肉じゃがというもので、なかなかその発想は新鮮なのでした。 今、部屋はしょうゆと砂糖のいい香りでいっぱいです。
2004年12月05日(日) |
もよおしそうな人もいれば無事に産んだ人もあり |
先日、帰宅すると一心不乱に机に向かっている妻の姿がありました。一日中、『本のすすめ』の表紙作りに没頭していたのです。 『本のすすめ』というのは、個人で作っている隔月刊の、本を紹介する小冊子です。第14号ができました。毎号、妻が表紙を作ってくれているのですが、今回も素敵なものを描いてくれました。
この週末は、部屋の大模様替えが敢行されました。だいたいぼくはものぐさなたちなので、めったなことでは、模様替えをしようなどと考えつきません。反対に、妻は、よりよいものを求めて、納得がいくまでとことんやるタイプなので、妊娠していようが、ものすごい勢いで家具の配置換えなどに着手します。 金曜日に帰宅すると、部屋の様子がまるで変わっていました。本棚は解体され移動し、中の本は全て出され、ダイニングテーブルの向きは変わり、ぼくの重たい机の場所も変わっていました。いったい、これが妊婦さんのやったことなのでしょうか。 「テレビを観るときの向きが気になっていたの」と妻は言いました。たしかに、前回の模様替えの結果、テレビに対して斜めに向き合うようなことになっていました。それを改善するべく、妻はこの重労働をなしとげたようでした。 土曜日は朝から夜中の2時まで、模様替えの続きでした。子どもたちの二段ベッドは解体され、別の部屋に移動させられ組み立てられ再び解体され移動させられ、本棚は移動しました。おかげでぼくの書斎コーナー兼洗濯物干し場が居間の一角に確保され、押入れの中にあった、岩波少年文庫たちも本棚に並べられました。 妻は、起き上がれないほどの腰痛になってしまいましたが、それでも満足そうでした。
日曜日は、助産婦さんが来る、定期健診の日でした。朝10時の約束でした。電話の音で起こされると、もう、9時でした。昨日の模様替えですっかりくたびれてしまい、子どもたちも起きていたのに、すっかり眠っていたようです。 あわてて電話に出ようとすると、そばにいた子どもの髪を踏んづけてしまったようでした。 「痛いよ」と言われましたが、それにはこたえず、走って電話に出ると助産婦さんからでした。 「今、別のお宅に来ているんですが、もよおしそうなんです。お産が早くすんだら、午後から行けますが、来週にしていただいてもいいですし。ご都合はいかがですか。平日じゃあ、ないほうがいいんですか」 ぼくはあわてた。「もよおしそう」だなんて人がいるのに、早く返事をしなくちゃ。手帳はどこだ。ない。カレンダーはどこだ。壁にかかってない。あわてて走っていって、カレンダーを子ども部屋で見つけました。模様替えの最中に、子どもたちに持ち去られていたのです。 「お待たせしました。来週の日曜日にしてください。」 「わかりました。それじゃあ、日曜日の10時に予約、ということにしましょう。ごめんください」 なんだか、寝起きだったせいもありましたが、知らない人のお産にあわててしまいました。対照的に、助産婦さんはいつもとまったく変わらない、ゆっくりとした口調でした。そこにベテランさを感じました。
自宅出産を希望されていたイギリスの雑把さんが、無事に自宅でお産をされたそうです。おめでとうございます。 その知らせには「楽しかった」と書いてありました。それを読み、妻はしみじみと 「安産は自分でつくるものなんだね。雑把さんは、たくさん勉強もして、散歩もいっぱいしたんだね。私も、腰痛だって愚痴を言っていないで頑張ろう」 と言いました。 それから、もくもくと自転車こぎにとりくんでいました。
外は大雪です。すっかり真っ白になった、お隣の邸宅の庭の雪明りがきれいだったので、照明を消して、夕食を食べました。
妻が、「夜、翌日の料理をする」と宣言しました。なかなか早起きはできないので、朝、料理をすることはできない。夕食は簡単にした。だから、今のままでは何もできない。けれど、家族の健康が気にかかる。ぼくは、自分のお弁当となると、いいかげんなものを作りがちである。だから、夜、作りたいとのことでした。 そこで一緒に作ったのが、朝食用に「豚バラと大根とにんじんの煮込み」、昼食用に「厚揚げと豚バラとニンニクの芽とたまねぎのいため煮」でした。つまり、豚バラ肉ブロックを解凍したのです。これで明日は大助かりです。
それにともない、朝のスケジュールを立て直しました。最近、遅刻ぎりぎりの出勤が常態化しつつあったのです。 6時20分〜起床、犬の散歩、6時40分〜掃除、子どもたちを起こす、7時〜朝食と弁当の準備(前夜の作業により時間が短縮されました)、7時20分〜いただきます、7時40分〜朝食の後片付け(子どもたちはまだ食事中)、8時〜身支度、8時20分〜いってきます、保育園経由で出勤。 なんと、初日は予定通りに進行し、始業17分前にゆうゆう出勤できました。時間に余裕があると、子どもたちにも優しくできました。
さて、最近、朝日新聞の社説で連続して、少子化が取り上げられていました。ぼくは、少子化については、一概に対策が必要である、とは言えないと思っています。それは、地球規模で考えると、人口増によって環境破壊が進んでいるからです。 けれど、ぼくたちは子どもをたくさんほしいと思っています。人口は増加している地域と減少している地域があって、人がいないがゆえに、保全できなくなっている環境もあります。また、何よりも自分たちの子どもたちに、そのような問題意識を持ってもらい、それを周りの人にも伝えていくようにできれば、そのほうが環境問題に貢献することになるのではないか、と考えたのです。 そのような理屈とは別の面、例えば子どもたちがかわいいなど、もたくさんありますが。
少子化対策といっても、現実に子育て中のぼくたちにしてみれば、つまりは育児支援ということです。育児手当が手厚くなったら助かるし、育児休暇をとっても給与が保証されていれば安心です。 周りを見ていても、男性は働きすぎです。残業するのが習慣となっていますし、妻の出産時に3日間とっていいことになっている特別有給休暇さえも、帝王切開当日の1日しかとらない人がいます。女性が出産後も復職できるようにし、その分男性の仕事を減らすようにできないものでしょうか。ぼくの職場では、女性は結婚したらやめることになっています。
このようなことを考えていたら、収入減をおそれて、とらない方向に気持ちが傾いていた育児休暇や、育児のための短縮勤務なども検討しようという気になってきました。おそらく誰も活用したことはないだろうけれど、そのような制度はすでに明文化されています。そう簡単に世の中は変わらないだろうけれど、自分が動かなければ何も変わらないでしょう。 男性にとっても、女性にとっても、出産も育児も仕事もしやすい社会にしていけば、きっと、いろいろな問題を解決することができるはずです。親による児童虐待のニュースを耳にするたび、心が痛みますが、ぼくにもできることがあるのではないかと思い始めました。 頑張ろう。
帰宅すると、パンのいい匂いがしました。なんと、妻がアンパンを焼いていたのです。あんこは、先日ぼくが小豆を煮て冷凍していたものを煮詰めただけ、と言っていたものの、それでもアンパンを焼くとは、人生に対して前向きでしかも元気でないとできないことです。つまり、妻の体調がいいということであり、嬉しくなりました。最近は、まめに料理をしてくれています。 先日の子どもの食事をめぐる話し合い以後、夕食は軽めになっています。例えば、アンパンと大豆ココアとりんごとケフィアヨーグルトといった感じです。準備が簡単なので、早く食べられ、子どもたちも早く就寝できます。子どもたちも朝は食欲があり、よく食べ、今のところうまくいっています。
足浴については、ドクターハウシュカの入浴剤というものを「クロワッサンの店」で買ってあり、お風呂で使っていました。その説明書をよく読むと、「足浴に最適」と書いてあったので、それをキャップに1杯バケツに入れ、そこにお湯を入れて使っています。15分くらいつかってもらったあとに、軽く足の裏をもんでいます。かかとと足首は、素人の妊婦に対するマッサージでは、避けたほうがよさそうなので、それ以外をもみます。
就寝前には、マッサージオイルで腰をさすります。 しかし、それにしても、どうしてあんなに体が冷えやすいのでしょうか。しばしば驚くほど腰が冷えています。冷えは、妊婦には何より禁物だということなので、湯たんぽを使ったりもしていますが、ぼくには本当に、あの冷えは驚きです。
それから、肌荒れの原因らしきものについて、妻が思いつきました。洗濯洗剤です。ずっと、粉石けんを使ってきたのですが、どうも、衣類が黄ばんで臭うので、生まれて初めていただいたお中元の合成洗剤を使ってみました。すると、衣類が白く、臭いもなくなってきたので、しばらく使っていたのです。そのせいではないか、と言うのです。 折りしも新聞に、「粉石けんでの上手な洗濯の仕方」がのっていたので、そのとおり、お湯をはった洗濯機にまず、粉石けんだけを入れて5分ほど回してから洗濯すると、臭くありませんでした。しばらく、この方法で試してみようと思っています。 粉石けんのパッケージを見ると、ちゃんと同じ方法が書いてありました。今までちゃんと読んでいなかったのでした。
夕食時、子どもたちがいっしょうけんめい食べていないことが多く、そのたびにぼくたちは「ちゃんと食べなさい」と注意していました。けれど、妻は言いました。 「夕食やめようか」 よく話してみると、「あまりおなかがすいていないのだろうし、2時間もすれば寝るのだから、夕食はおにぎりとか、パンとかでいいのではないか」ということでした。 ぼくも、それでいいような気がしてきました。 「食べるってことは、自分のためのことなんだから、食べたくないのに注意して食べさせることもないよ。『食べなさい』って言われて食べる子どもなんて、世界にはそんなにいないはずだよ」と子どもたちに言いました。 子どもたちは、「ちゃんと食べるよ」と泣きながら、たくさん食べていました。けれど、本当に、ぼくは無理に食べる必要はないのだし、これか活動するという朝食に力を入れたほうがいいんじゃないだろうか、と思いました。 明日の朝は魚でも焼いて、夜は簡単にしてみるつもりです。
|