2009年06月12日(金) |
Give it up and I got what I came for |
19時からS(vo)と六本木のビルボードライヴ東京でレオン・ラッセルを観る。一番前のど真ん中。ステージにくっついたテーブルで、レオンの目の前だ。おかげで何度もレオンと目が合った。こちとらバンドメンバーのソロ中も、休んでるレオンをひたと見ていたのだ。アンコールの時は、眼鏡のサングラス部分を上に上げていたから、目が合っているのが確認できた。多分、「うわ、あの女泣いてるよ」かなんか思ってた筈である。今日私は、レオン・ラッセルの人生に一瞬存在しただけで満足。帰る時に私の目の前まで来て、隣の人が握手してもらっていたが、私は手を出さなかった。そういうことはいいや。
レオン・ラッセルを聴いて25年。アルバムは(後期のや企画モノを買っていないので)15枚しか持っていないけど。ライヴは1991年の九段会館から、今度で6回目。
で、思うこと。
今のレオンのライヴを観て心から満足するようでは、逆にレオン・ラッセルというアーティストを馬鹿にしてる。
―――暴言ですか? いいよ別に。
詳細な非難は既に去年書いた。興味のある人は去年のを読んでくれればいい。だって、去年のビルボード公演と全く変わらない。セットリストも、前回(去年)・前々回(2005年)と殆ど一緒だ。
オープニングがローリング・ストーンズで、その後も立て続けにカヴァーばかりだ。他人の曲をやるほうが客にウケている。何故そんな飲み屋の流しみたいなことになっているんだろう。
正直、今のレオン・ラッセルの歌うストーンズやビートルズは神経に障る。私が泣くほど好きな'I've Just Seen A Face'を、単なる「スタンダード・ナンバー」として適当に演奏している。というか、何を弾いても同じだ。
レオン自身に、やる気がないんだもの。
最前列のお客達が、(端に座って動かない)レオンを殆ど見ないで、(中央で動いている)バンドメンバーの方ばかり見て喜んでいる。去年と同じだ。
去年、最前ど真ん中のテーブルにいた女性客は、スタンダードナンバーのカヴァーは喜んで一緒に歌っていたが、レオン・ラッセルのオリジナルには無反応だった。今年はそのテーブルに私がいて、"Hummingbird"を聴いて泣いている。でもこれは単にパブロフ犬状態だからだ。私のベストアーティストの、ベストソングなんだから。
実はこの公演、TVの生中継が入っていた。(私はラジオ収録か何かだと思っていて、後からTV中継と知った) そのせいなのか、前回、前々回よりはかなり良くはなっていたのだが。
去年までは、とにかく来日し続ける限りは観るつもりでいた。
でも、今日これだけ近くで観られたし。観るたびにいちいち批判してしまうくらいなら、間近で観られたことに素直に感激して、これきりにしたほうがいいのかもしれない。
―――でもなあ。やっぱり。
彼が、"When I see her in the morning, sleeping"と、あの低く落とす一単語を発音するのを聴く為だけにでも、また行っちゃうかもしれないなあ。
Sに誘われて新宿のロックバーCCに移動。先に来ていたNK(g)・KU(b)と4人で飲む。あとからYT(vo)も現れる。
KUとは今回初めてじっくりお話したが。「今日私、KUさんを把握しました。KUさんって、『大体あってればいい人』なんですね」と言う。
だって、サム&デイヴをデイヴ&サム、ラズベリーズをストロベリーズ、って・・・。挙句の果てに、犬のレトリバーを「レッド・リバー」って・・・・・。
「いや、犬ってわかればいいじゃん」とおっしゃってましたが。・・・まったくわかりません。どう聞いてもインディアンの偉い酋長でしょうw
実は教養があって、頭もいいんだということは見ていてわかる。そういう人だから他人をこれだけ笑わせられるのだ。
・・・言い間違いはマジだろうけど。
KUに、「大体楽しかったですw」と言って帰る。
そうだね。今日のレオン・ラッセルも、大体良かったよ。
1時帰宅。
Give it up and I got what I came for (近くで観れたし、もういいかな) *Universally Speakiing(大体で言うと) / Red Hot Chili Peppers (2002) の歌詞。
2009年06月11日(木) |
Discretion is the better part of valor |
授業後、杉並区某ロックバーへ。一昨日からDS(g)と飲むことにして楽しみにしていた。途中ちょっと邪魔が入ったものの、楽しく話せた。なんでこのひとってこんなに人当たりがいいんだろう。多分誰でも彼と喋っていると、自分が好かれているような気分になるんだと思う。だから皆に好かれるんだろう。
他人に愛される唯一の方法は、こっちから先に愛することだ。
わかってっけど。
お前になんぞ愛されたかねえよと言いたくなるような奴も多いんで。なかなか皆に愛想良くするなんて出来ないのね。
今日も私の目の前で、「こいつらなんかどうでもいいよ」と悪態ついてレッチリのライヴ映像を消させた奴がいたんで、あやうくキレそうに。(そういうマネは危険だからやめてねw)
3時帰宅。
Discretion is the better part of valor (君子危うきに近寄らず)
2009年06月09日(火) |
Not a Penny More, Not a Penny Less |
5日前に、永井淳という翻訳家が亡くなったらしい。どこかで聞いたような名前だな、何か訳したものを読んでるかな、とネットで調べたら。
あるわあるわで。
ジェフリー・アーチャー13冊、スティーヴン・キング4冊、ロアルド・ダール3冊、アガサ・クリスティ2冊、ハリイ・ケメルマン1冊、ディクスン・カー1冊、合計24冊を読んでいた。
ふと本棚を見れば、今から読もうと思っていたコーネル・ウールリッチ著「運命の宝石」の訳者がやはりこの人。
翻訳は半ば創作作業だと思いつつも。24冊もこの人の日本語を読みながら、私はその時アーチャーをキングをダールを読んでいるつもりでいたのであり、そう考えると翻訳という作業は労多くして引き合わないなとすら思ってしまう。
己を殺してアーチャーをキングをダールをそのまま再現することこそ翻訳の使命と言えばそうかもしれないが。
私は、アーチャー、キング、ダール、クリスティは、そのうち原書で読むようになった。わざわざ英語で読もうとまで思わせたのは訳者(永井淳訳以外にも多数読んでいるが)の力でもある。しかし訳のおかげで訳本を読まなくなると思えば、これも何だか考え込む話だ。
Not a Penny More, Not a Penny Less (少しもたがわずそのまま) *Jeffrey Archer'の著書 (1976) *私が初めて読んだジェフリー・アーチャーの小説。永井淳訳。
2009年06月08日(月) |
Nothin' is really wrong. Feelin' like I don't belong |
20時半から荻窪グランブルーで、IQ(p)とリハ。彼の住まいが結構遠いのでいつも1時間だったが、今日は初めて2時間。
後半40分ほどで、初めて音も録ったが。どうもその後半、何が原因なのかこちらが急に不調になり、納得いくように歌えない。IQはちゃんと歌えていると言ってくれたが。
歌は、楽器と違って人間の体を使うので。喉の不調などは気合だけでどうにかなったりもするが、原因もわからないとなるとどうにもこうにも。
しかしリハ自体はいつも通り楽しかった。今日はIQの提案で、私の"best 100 songs"からカーペンターズの"Rainy Days And Mondays"とシンディ・ローパーの"Time After Time"もやったし。
帰りに青梅街道で、ギターしょった外人に声をかけられる。見れば、昨年5/6に私をナンパした、プロのギタリスト。そのぴったり2年前の5/6にも青梅街道でナンパされて無視していたので、2年越しのナンパに笑ってしまい、翌日南阿佐ヶ谷ロックバーBでおごってもらったのだが。結局帰りにしつこくされて怒ったんだ。その時かなりきつい応対をした筈だが、今会う彼は満面の笑みで、何度も「会えて嬉しいよ」と言う。・・・う〜ん、この不屈の精神こそがスケコマシに不可欠なんかな。
Nothin' is really wrong. Feelin' like I don't belong (どこも特に悪くないのに。納得いくように歌えない) *Rainy Days And Mondays / Carpenters (1971) の歌詞。
HK(drs)からメール。バンドのベーシストが、演奏も人間性も見た目もダメだとのこと。「見た目がダメなベースなんてどういう存在価値が。クビクビ」とメールしたら、「そっか、やっぱ見た目大事だ!」という返信。早く代わりを見つけてクビにするという。
・・・あっ、なんか、会ったこともないヨソのバンドのメンバーをクビ決定しちゃったかもw
とりあえず、「かっこいいベーシスト見つけたら、ライヴ告知して」と送る。
何しろHKが以前組んでいたベースは、体脂肪ひとケタだったしw
Fire (クビ) *Red Hot Chili Peppers(1988)/Jimi Hendrix(1967)の曲。
16時にNY(g)来訪。快気祝いだといって、限定品のチリのロゼワインを持ってきてくれた。かなり飲みやすい。これを二人で空けて、後はチンザノエクストラドライのロック。
来週彼とバンドリハなので、その時合せる曲目を聴いてもらう。私のオリジナルと、それからコピー曲。キルズの'Cat Claw'に聞き覚えがあるというNY。そうか、去年6月に国王(b)やカッピー(drs)とセッションした時、候補曲に上がってたんだっけ。その後はNYが多忙だったりしてなかなか一緒にやれず、1年後の今、またやれることとなった。
実際去年6月にやったのはゼムの'Gloria'と、パティ・スミス2曲。NYはパティが好きで、私の大好きな'Summer Cannibals'が好きだというので、それもやった。
そう、彼は27歳なのに、パティ、ザ・バンド、ニール・ヤングが好きなのだ。さらには、ジャパン、ニルヴァーナ、レッチリなども好きだというのが素敵。(1年前に、ジョン・フルシャンテが好きで、レッチリのアルバムでは'Californication'が好きって言ってた筈。私、ヒトの顔は覚えてられないけど、音楽の話は忘れないわ)
20時半にNYと西荻へ。駅で彼と別れてロックバーBへ。なんとマスターがいなくて、初めて会うバイトの女の子がやっていた。月イチだという。なので探しやすいのをリクエストしようと思い、壁に10枚だけ飾ってあるレコードジャケットの一番左―――'Revolver'をかけてくれと言ったら、「アメリカ人ですか?」と訊かれ、「いや、ビートルズだから」と言ったのは答えになってたんだろうか。
21時半に出る。これからどこか移動しようかと思い2、3人に連絡してみたら、ON(g)が、後でどこかでという返事。酔っ払ってて待てないなと思ったところにナンパ。見た目は結構いい男。こいつを時間つぶしに・・・という考えも一瞬よぎったが。好きでもない相手と飲み食いするのはストレスになることを酔った頭で思い出し、笑顔で断る。
結局そのまま帰宅し、23時から寝てしまう。
Rose (ロゼ) *Screaming Bunny の曲。(2004) *ま、曲名の読みは「ローズ」ですが。
DS(g)からメール。私が手術して以来連絡していなかったことを詫びている。自分が怖くなってしまったので・・・とのこと。
私にはこの「怖い」という感覚はぴんと来ないが。とにかくわかるのは、彼は誠実な人だから、本当にそれが理由なんだろうということ。
ってことは。
他にもそういう人がいるってこと?
手術以来、ぴたっと連絡をくれない人がいる。それまではやりとりがあったのに。どういうことよ?と思うが、連絡をくれないことを責めてみても仕方ない。こだわるつもりはないものの、そうなるとこっちから連絡しようという気も自然と起きない。
で、半年近く経過して。
ねえ。あなたが私をどうでもいいと思って連絡をくれないのなら、それはそれでいいよ。
でも、もしも「怖かった」とか、何でもいいから何かわけがあったのなら。今から連絡して?
喜ぶから。遅くても、ないより全然いい。
いい? 私はあなたが連絡くれなくて寂しいから。ああ、私が大病しようが死のうが関係ないのか・・・と思って寂しかったから。
俺のこと?と思ってるあなた、そう、あなたのことで間違いないから。
何故なら私は、今回の手術のことでメールや電話をくれたり、訪ねてきてくれたり、何か送ってくれたりした人全員に感謝してるんだ。一番のポイントは、とにかく「忘れてないよ」と知らせてくれることだもの。
だから、あなたで間違いないよ。これ読んだら、すぐに連絡してね。一言でいいから。
お願いね?
Please (お願い) *RCサクセション のアルバム。(1980)
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