ぶらんこ
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昨日、ひょっ と閃いた。
「恋」というものは、「予感」と呼べるものではなかろうか?
それは、願い、望み、待ち望む、胸膨らませる「予感」でもあり、嫉み、苦しみ、悲しむ、満たされない「予感」でもあり。
こひごころというものは、「予感」のおかげでいつも波打っているのかもしれない。
ということは、かの友人がいつまでも輝いているのはそのおかげか!(これも閃いた) なにもないところから「予感」するということは、つまり、想像する力でもある。 あり得ないと決めつけることはせず、もしかして・・・と期待する。 まぁ彼の場合、想像というよりも妄想に近いのだけれど、それもまたよし。
なんにせよ、すべては心に想い描くところからはじまる。 「こひごころ」はさておき、どんな予感を心に抱こうぞ。
言うまでもなく、悩むも楽しむも、自分次第。
畑の手入れをしていると、上からどんぐりが落ちてきた。 ポトン、コロコロコロ。転がってってコトリと止まったそのどんぐりの先に、どんぐり。 ほぉ。。。あらためて周りを見ると、あらまぁあちこち、どんぐりだらけだった。
うへー。驚きとともに眺めていたら、今度はバラバラと降ってきた。 バラバラバラ、コロコロコロコロ。 まるで、どんぐり雨。 思わず、ひょっとしてトトロが来たのかな?と、樹を見上げた。
おーい。何か言いたいことがあるのー。
心のなかで叫んだけれど、トトロは姿を現さなかった。 やっぱり大人には見えないのか。 それとも、声に出さなかったからか。
しばらくして、どんぐり雨は止んだ。 それでも動かずにじぃっとしていたら、たまーに何個か、ポトンコトン、と落ちてきた。
先週、樹を切り倒そうかと思う、と夫が言っていたのを思い出した。畑の日当りをもっと良くしたいのだそうだ。 わたしは・・・どうも気が進まない。だから、枝を切るだけで良いんじゃないの?と言っておいた。 夫もそれに同意した様子だった。というか、切り倒すという考え自体、それほど本気ではなかったのかもしれない。
サツキとメイのどんぐりは、ムクムクと芽を出し、どんどこ大きくなって、巨木へと育った。 あの場面を見て、どれだけわくわくしたか知れない。夢だけど、夢じゃない。夢だけど、夢じゃない。 でも、残念ながらあれはお話の中だけのこと、とも思っていた。
ここに住むようになって、実際にどんぐりが芽を出すのを知った。 「神経質になることはないけど、どんぐりは気付いたときに拾っておかないと、芽が出て大変な思いをするんだ」 夫に言われたときには、わたしをからかっているのだろうと思った。 大変な思い、って、森になるわけでもないでしょうに。
しかーし。それは本当のホントだった。 もちろん森にはなってない。でも、庭のいたるところに木の芽が出た。沢山、沢山。
木の芽の根は、しっかりとしている。それを抜くのには案外力が要る。草と違って、茎も固い。 放っておくと、順調に育っていくものと思われる。それくらいの強さがある。 だからいつかは森になるだろう、放っておいたらの話だけれど。
・・・トトロは森を広げたいのか?
閃いて、樹を見上げた。どうしよう・・・困った。
どんぐりは拾わずに置く。鹿やりすが食べたいだろうから。 でも、来年も、庭の木の芽は抜く。それから、森は森で、そのままにしておく。
トトロ、これでいかがでしょうか。
今朝も寒いね・・・と、こころさんが言った。
このところ彼女は毎朝、6時50分に家を出る。月・水・金は教習(Driver's Ed)、火・木は、ソロ練習のために。 ちょうど朝日が昇ってくる時間に、彼女を乗せて学校へ向かう。 通常だと8時15分までに行けば良いのだが、早朝補習という形である。
気温が下がってくると朝が辛い。でも、中学時代に比べるとなんてことはない。へっちゃらへっちゃら。 ―と、言い聞かせる母と娘。
朝になるといつも思う。・・もう夏は終わっちゃったんだな。 毎朝、ばかみたいにそれを確める。
我が家は、まだあちこち窓を開け放っている。だがそろそろやせ我慢の域に入ってきたような。。。 閉めることに抵抗したからとて季節は変わっていくのだけれど。
庭の赤ちゃんうさぎたち、いつの間にかかなり大きくなってる。
巨大な高い岩をよじ登って、その向こう側にある海岸へ行くところだ。 それはそれは山のように大きな岩だった。
岩の天辺は見晴台のようになっているのか、白い柵が続いているのが見える。 あそこまで行けば後は簡単なんだ。 わたしは奮起して岩を登り、なんとかそこまで辿り着いた。
そのときなぜか、あぁここはお城だったんだ・・・と思い出した。 ぐるりと周囲を見渡せるように張り巡らされた城壁。 紺碧の水平線がくっきりゆるやかに曲線を描いている。
突然、足元がぐらり、と動いた。その途端、バラバラと白い塊が砕けて落ちていくのがわかった。 思わず両手に力を入れ、岩にしがみつく。 辛うじて、足場はまだ崩れ落ちてはいない。でも、なんとも頼りなげである。 とにかく2〜3歩移動しなければ・・と思う。 頑丈なところへ移り、この場の早急な修理を頼まねば。 誰に頼めば良い?信用できる人間でないと。そうだ。彼にしよう。彼なら大丈夫。
心のなかで、老齢の男性を思い浮かべる。わたしは彼のことをよく知らないが、彼はわたしのことをよく知っている。 物静かな彼にいつも助けられてきた。あぁ彼のことをもっとよく知ろうとすれば良かった。
足元を見ないように、と心のなかで言い聞かせる。 が、気持ちとは裏腹に、ふと足元を見てしまう。
くらっ と した。
なんて高さなのだろう。 はるか彼方に透き通るほどに美しい海面が見えた。 打ち寄せる白波は、渦となって泡と消える。その音がこちらまで聞こえてくるようだ。
風が強くなる。 わたしはくらくらして目をつむり、四肢に力を込める。 早くここを動かなければ、と思うのに、指一本、動かせない。 目をつむっているのに、瞼の奥に、打ち寄せる波が見える。
海に抱かれる前に、きっとわたしは意識を失うだろう。
昔から、知らないうちにあちこちぶつかったりして、いつの間にか青あざになっている、ということはよくあった。 注意散漫。
最近のは、、、それとはちょっと違う・・・ような気がする。
先日、おでこを強く打ってしまった。 ブルースはいつも壁に寄りかかるようにしてくつろいでいる。 その姿を見て無性に愛しくなり、撫でようと手を伸ばし腰をかがめた結果、目の前の壁に激突した。 我ながら、、、情けなかった。 しかも、かなり痛かった。コブもしばらく残った。
ここへ戻ってくる少し前には顔面をぶつけた。 超ご機嫌に、「快調、快腸、ご開帳〜〜〜!」と言いながら扉を開けたときだった。恥。 調子に乗りすぎたつもりはないのだが、一体どういうことだ? 扉の角の部分をぶつけたせいで、右頬の中央辺りが縦に切れてしまった。 赤い腫れは1日でおさまった。でも傷のほうは5〜6日しっかり残った。 姉は「ブラック・ジャックだ」と言って笑った。わたし自身は、「ウルキオラだ」と思った。 でも、けっしてカッコイくはなかった。遠目には、ゴミかなんか付いているような。そして近くで見ると、「切れてる」。 なんというか、自分で見ても笑える顔だった。
思うに、脳からの指令が鈍くなってきているような気がする。 身体能力の衰えというよりも、神経伝達そのものが遅くなってしまったのではないだろうか。 歳とともに多かれ少なかれそうなるのではないか。
・・・考えすぎか。
誕生日を迎えた友人に遅ればせながらお祝いの言葉を送った。 わたしと同級の彼女は、毎年わたしよりも一足早く歳を重ねる。おめでとう。
さて、彼女からの返事。
『44じゃないどやーーー 43どーーーー』
なんたること。 あぁ、神経伝達の鈍さがここにも、、、
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