ぶらんこ
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生まれたてのすすきを覚えてる? そうっと開いてみたらしっとりと濡れていて 固くかたく抱き合うようにしてた。 まっすぐなのと、くるくるしたのと。
見つけたときの喜びを覚えてる? 世界中がこの一瞬を祝福してくれてるような こんなしあわせなことってない、ってくらいに 熱心に何本も何本も取っては家に持ち帰った。
でも その後はすっかりと忘れてしまって 新しい何かを見つける。 すすきは枯れていったのか 母が捨ててくれたのか。
とてもちいさなことがすべてで でもそれだけがすべてでなくて。
ふとしたことから幼い日の記憶がみずみずしく流れ出る。 あの頃の自分は、今でも心のどこかにいる。
その手に握ってるのは 何?
友人から天使が届いた。 なぜか、わたし『そっくりの天使!!』というメッセージ。。。笑 『お店をぷらぷらしていて見つけた』のだそう。 うーん。。。どこが似てるんだろう??? もう髪は短く切ってしまって、まるで小坊主のようなんだけど、、、笑
夕焼けのよに赤い色の服を着た天使と 星空のよな群青色の服を着た天使。
ふたりとも、大きな翼を拡げ、すっと立っている。 まっすぐに顔をあげて。 にっこりとした笑顔で。
何か言い出しそうな口元。 なんて言ってるんだろう・・と、しばし眺めてみる。
「12月ですよ。」
・・・
ちょうど12月のお祝いをしていた夜でした。 いつもありがとう。
倉庫からストーブを出した。 ファン・ヒーターだとばかり思っていたので、ちょっと意外だったのと懐かしいのとで、なんだか嬉しい。
夜になって早速ストーブをつけた。 パチパチと鳴った後、しゅ〜っと灯油の滲みていく音がした。 そうして、メラメラメラと炎が出てきた。 すばやくあったかい。 と言うよりも、熱いくらいだ。 ぷーちゃんがぶつからないように気を付けなければ。。。
ストーブをつけてから、部屋にいたこころを呼んだ。 何て言うかなぁ。。。と、わくわくしながら。 彼女は来るなり、わ、わ、あったかーい!と喜んでくれたが、その後、不思議そうにこう言った。 「ね。なんでやかんがのっかってるの?」
そっか、この子はストーブというものを知らないのか。。。 驚きの発見だった。(よく考えてみればわかるけど)
モイスチャーになるんだよ、と説明したが、ふ〜ん。。と、そっけない返事が返ってきた。 なんてことだ。こんなに素晴らしいシステムなのに!
お湯はいつも沸いているし、そのおかげで部屋は適度に加湿されるのだよ。 やかんだけでなく、これからはぜんざいとかも置いておけるのだよ。 ほら、こうやったら、火がちっちゃくもなる。
でも、そんなことは彼女にとって関係ない。 「あ、そう。良かったね。それよかこの匂いなに?なんか苦手だなぁ。。。」
やっぱりストーブを知らないのか。 まぁいいよ。 この冬でよーーーーーーーーーく知るようになると思うから。 灯油の入れ方から何から、たっぷりとやってもらおうじゃないの。笑
たくさんの黒い鳥たちが空を飛んでいた
彼らはひとつになり多数になり 線になったり円になったり 固まったり膨らんだりしながら
まるで大きな手が 夕暮れの色を混ぜ合わせるように 夜のしじまをそぅっと連れてくるように
悠々と空を飛んでいた
母が来ていた。 しばらく滞在する予定でいた。 でも、今日、島へ帰った。 突然の訃報が入ったので。。。
昨夜、母と、死んだ兄貴の話をした。 父の話もした。闘病の頃から、亡くなるまでの話。。。 また、父の頃から親しくしていただき、兄がその生を終えるときにもまた懇意にしていただいた、神父さまの話。 そしてその神父さまが亡くなられたときのこと。。。
そんな話をした翌朝だった。 何かが知らせてくれたのかなぁ。。。と、思わずにはいられない。
ときどき、死んだ父や兄貴は、今どこにいるのだろう、と思う。
天国は、花園のようなところだと、幼い頃に教わった。 人(いのち)にはそれぞれ、部屋のようなものがあり、その人が良いことをすると、そこに美しい花が咲くのだと言う。 そしてその花は、悪いことをしたらしぼんでいまうのだと言う。 わたしはその話を、心から信じた。 いつも、ちょびっと悪いことをしてしまってる自分の部屋が、枯れた花でいっぱいなのではないか、と心配したものだ。 実のところ、今でもそのようなイメージがある。 その話が、きっと幼子に対する比喩なのだろう、と、感じていても。
大人になったわたしは今でも、自分の部屋が花でいっぱいだといいなぁ。。。と、思う。 色とりどりの、美しく、かぐわしい花たちで。
死んだひとはどこへ行くのだろう。 肉体は滅びる。 魂はその肉体を離れる。 では、心は???
わたしの心はどこへ行くのだろう。。。
そう思ったら、今、感じているこの心を、素直に、丁寧に、あらわしたい、と思った。 今、感じているこの心を、大事にしたい、と。
書きたい。 描きたい。
会いたい。 触れたい。
わたしの心。 わたしの身体。 わたしの魂。
わたし。。。
わたしは、花のように、優しく、はかなく、そして、凛としているといいなぁ。。。と、望みます。
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