東京01


時計の針は、午後4時過ぎ。
この数十分後、東京を発った。

2007年02月01日(木)

飛騨高山


 どっか行こう

  どこがいい?

 白川郷に行ってみたい

  すっごく遠いよ


行ったのは、高山の陣屋と古い町並み
彼は地酒を試飲して、一升瓶を買い込んだ。
着いたのが遅かったせいで、あっという間に夕闇。
入りたいお店が次々に店じまいを始めた。

 もっと早い時間にまた来ようね



2007年01月27日(土)

折れた傘
息子が中学のとき、私の誕生日に買ってくれた傘が折れた。
聞いた瞬間、涙が止まらなくなった。

退院時に
 40kgをきらないように。きったら病気です。
と医者が言った。
今、私の体重は39kg代。

届いたときに、わざわざ切り離し封筒に入れておいた控除証明書が
どこかにいった。
なくしものなんか滅多にしないのに。
3日間、部屋中探し回って見つからない。

彼の顔を4日見ていない。
日に5回も6回も電話をくれる。
声だけじゃなく、顔を見ながら話したい。

引き落とし用口座は、いつも前もって計算し、必要額をいれておく。
昨日気づいた。
100円足りなかった。

部屋の鍵を盗まれて、付け替えた。
眠ると、必ずいやな夢を見る。
寝不足なのに、明け方目を覚ます。

髪を切るのに、店を変えた。
一昔前の中学生のような髪型になった。
痩せすぎて、パンツもスカートもずり落ちてしまう。

そして、傘が折れ、心が折れかけ、泣いてしまった。
折れた傘は、修理に出してくれた。
時間はかかるけれど、戻ってくる。

きっと私も心と体も、また戻る。
彼がいるから。



2006年11月05日(日)

日常









平日、起床時間は6時40分。
通勤電車の混みようは、今まで経験したものよりはるかに楽で
会社に入るのは8時半前、そして定時退社。

初出勤から2週間後、徐々に体重が落ち始め今では5kg減量した。
食事量は変わらない。
睡眠時間が少ないせいかな。

仕事帰りに彼と待ち合わせして、なじみの店もできた。
多いときで週に2回の外食と、月に数回のカラオケ。

部屋では、ワインやビール、ジン、テキーラ、ウォッカと
何でも飲む。
お酒のつまみになりそうなものを、ちょこちょこ作り
ほろ酔い気分の毎日が続いている。

これまでは、部屋と会社とスーパーの三角地点しかなかったのに。
彼がいなくても、仕事帰りで疲れていても、立ち寄る店が増えた。
デパ地下でチョコレートを買ったり、ハンズで面白そうなものを見たり。

今日、仕事の用事で外に出たとき、一人の部屋で絶望し
クローゼットのものをゴミ袋に詰め込んだ光景を思い出した。

あのとき、どうして彼は、私に連絡してきたんだろう。
何がきっかけで、また私たちは、一緒にいるのだろう。
少しづつ思い出し、あの頃の悲壮さと、今の穏やかな毎日を
比べものにならないくらいの相違に驚いてしまう。

正社員になったのは久しぶり。
厚生年金も社会保険も関係なかったのに。
有給休暇や、ボーナスなんて別世界の話だったのに。

いい加減にしないといけない。
そう思いながら、収入以上に毎月浪費している。
浪費じゃないな。
ワードローブも書棚も、パンプスもコスメもヘアケアも。
おいしいチョコもケーキも、スカートもワインも。

彼が
 半年位したら貯金できるようになるでしょ
と言っている。
すぐに節約モードに入ると言いながら、実行できないままでいる。

彼が買ってくれたブルーベリーのおかげで、目の疲れがましになった。
毎日1粒、食後に飲む。
季節の変わり目の腰痛は、今迄のようにひどくない。
4足買ったパンプスやミュールは、足にしっくりしないみたいで
足の痛みと変形が気になるけれど。

増えつつあった白髪の量も減ってきた。
10年ぶりに前髪を切り、ヘアスタイルを変えた。
彼の初めて目にする髪形は、どうやら不評のよう。
だけど、変化は楽しい。



2006年09月13日(水)

見えない目
彼にとってはほんの出来心。
それを私のせいにされた。

加齢と老いを感じないよう、精一杯してきたつもりなのに。
20年ぶりに脱毛に通い、形成外科を探し、まめに美容院に行き。
服を買い小物を買った。
月に2回整体に通い、秋口にはしみやほくろの除去を考えていた。

何度目の裏切りなんだろう。
何度目の絶望だろう。
私がした覚悟はまだまだ甘かったんだろうか。

買ったばかりのDVDのリモコンを投げつけ、壊してしまった。
今すぐ殺してくれと、殺してやりたいと摑みかかった。

なのに一人で生きていく未来を想像できない。
今度こそ一人になってと思うばかりで、そうならばいっそのことと。

平日の終わりには目が見えにくくなる。
眼精疲労のせいだから目薬を買えばいいと彼は言う。
こうしてここに打ち込んでいるけれど、ほとんど見えていない。
新聞も買った文庫本も読めない。

こうやって老いを実感する。
若い彼には理解できない。

彼と撮った写真をプリントアウトして飾った。
何度裏切られても、惨めな目にあっても。
見えない目で老いさらばえても。




2006年08月20日(日)

長い休日なんか大嫌い

2006年08月14日(月)

今週は毎晩飲んでたね。
一緒に帰れた昨日は、突然反対側に歩き出して、前に話してくれていた
お店に行った。
ビールベースのカクテルおいしかったよ。

今週は今夜のために、仕事を詰めてするからと言ってくれてたね。
予定よりうまく進んで、無理しなくてもよくなってよかった。

そんなに気にしてなかった。
イベントは関心ないって言ってたし、毎日が楽しいから。

なのにどうして?
私が何か言わなくてもいいことを言ってしまった?
あなたの話したいことを話せなくしてしまった?
そうなら

 ちょっとストップ。
 俺の話も聞いて。

言ってくれたらよかったのに。

たった1時間半で帰ってしまった。
なんで?

買って来てくれたワイン、おいしかったよ。
なのに、今は吐きそうだよ・・・

なにか気に障ること言ったかな?
あんなに今夜のことを言ってくれてたのに、急に帰り支度をして。

楽しいときは
それだけで十分で、わざわざ書きに来ない。

黙ってしまうのはずるい。
だけど、もう少し待つことも覚えた。
すぐにでも聞きたいのをこらえて、明日まで待つから。


悲しい。




2006年07月27日(木)

あがき
考えても無駄なことなのに、頭から離れない。
眠れない。
きっと仕事に慣れてきて、余裕がでてきたから。
眠らないと・・・

2006年07月23日(日)

その女性
叔父が亡くなる前、入院先に付き合っていた女性が面会に来たと聞いた。
いとこは激怒して、そのときの様子を話してくれた。
私は何も言えず、ただ黙って聞いていた。

叔父はこの女性と一時同棲していた。
荷物をまとめ、家を出るまさにその瞬間、偶然私は叔父の家をたずねた。
今も、そのときの恥ずかしそうな叔父の顔が浮かんでくる。

この女性は、病院に最後のお別れをしに来たんだと思った。

通夜、葬儀、斎場での骨上げ。
叔母やいとこは、妻として子供として立派に勤めを果たした。
人が亡くなると、目の回るような雑用に追い立てられる。
ほとんど眠れない状態で、数日を過ごす。
それが悲しみを薄れさせる作用をすると何かで聞いた。

むろん、女性の姿はどこにもない。
叔母側、叔父側の大勢の親戚、叔父の会社関係者、友人。
隣近所の人多数。
それは、世間的な一般常識的な集合体で、愛人関係の人間の出る幕は無い。

私はいとこから、話しを聞いて以来ずっと
この女性を思ってしまう。
あの時、彼女はどう過ごしていたんだろう。
一人、部屋で冥福を祈っていたのか。

葬儀の後、家に戻り仮ごしらえの祭壇の前で、サバサバした表情の
叔母の顔を見ながら、あの女性は同じ時間、何を思っているのだろうかと。

血の繋がった私は、いとこや叔母の側の人間なのに、
その女性に思いをはせてしまう。







2006年07月15日(土)

ここに来て
彼がDVDプレイヤーを買ってきてくれた。
前にPCを作ってくれたとき、DVDもいれたんだけど
テレビで観るほうがいいよねって、ほとんど使っていなかった。
少しづつ気になった映画を買ってきて、まだ観てなかった。
これでようやく観られるね。

彼がいる毎日が普通になった。
「普通」は「当たり前」だとか「空気」だとかじゃない。
いなくなるなんて考えられない。
彼がいるのが自然で、いないのは不自然。

会社に行くようになって、会社の若い男性が勘違いしている。
ただ話を合わせているだけなのにね。
今日、私はノースリーブのニットを着ていた。
種痘の跡なんて知らないでしょう?
WHOが天然痘の絶滅宣言をしたのはいつだっけ。
この跡があるのは、君なんかよりずっと年上の証拠なんだよ。

久しぶりの電車通勤で、仕事帰りにウィンドーショッピングを
するようになった。
道を歩いてる女の子たちは、オシャレなようで没個性。
キャミの上にカーディガン、下はパンツかスカート。
髪はゆる巻で、足はミュール。

彼に
 私もみんなみたいに、フレアスカート穿こうかな。
というと
 みんな、そんなの穿いてる?

自分のためにオシャレしようかな。
でないと老け込んじゃうね。
よく歩くから、体重が減ったよ。
欲しい物が何もないと、部屋に篭っていたのが嘘のよう。
みんな彼のおかげ。

ここに来てよかった。






2006年06月28日(水)

初日 最新

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