2008年06月23日(月)...幻夢
>如何して何時も眼を逸らすの?
あのひとじゃないから。意地悪い嗜虐心がむくむくと頭を擡げるのを感じながら、顔を埋めた。罪悪感と後悔を幾度飲み込めば納得を手に出来るのだろう。
2008年06月21日(土)...懐古
未来も、自己ですら顧みないあの禍々しさに囚われたまま、未だ、塗り替えられずに居る。助手席で探す面影はひとつ。
2008年06月18日(水)...有耶無耶
言葉とは裏腹の行為に増殖された猜疑が部屋を埋め尽くして、吸い込む度に喉元で燻る感情が全てを終焉へと促していた。幾人すげ替えようとも偶像化された過去の前には無力で、最後の躊躇いは、どうせ同じ。
2008年06月15日(日)...相槌
尋ねるよりも早くウインカーが合図を送って、惰性が思考を追い落としてゆく。肯定にも満たない同調が禍々しいピンクの矢印に導かれていた。
エレベータの中で隠した溜息がうつ伏せた枕に染み込むのを感じながら、返事すら欲さない要求に頷く。
2008年06月10日(火)...梅雨
頭が酷く痛む。視界を遮る傘の中だけが、自分の世界の様な気がして居た。
2008年06月04日(水)...歪
比較する度に、戻りたいと願う。全てを飲み込む呟きは昔のまま、擦り切れた宛てを何度でも呼び戻す。助けて、が返す何かなどは在る筈も無いのに。