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志とか価値観とかのこと。 - 2017年05月12日(金)

先日、以前勤めていた会社の同期と飲む機会があった。

何度も転職を経験している身としては、なかなか気が
置けない友人という存在を作ることが、段々と難しく
なってきていると感じる。(多分に私の性格もあろうが)

そんな中で、やはり新社会人のスタートを一緒に切った
同期入社という存在は、いつまでも自分の中で大切で、
末永い付き合いになっているようにも思う。

さて、その同期は偶然にも大学が同じということもあり
入社当時から仲良くさせてもらって、こうしてまったく
違う人生を歩くことになった今でもたびたび連絡を
くれては飲んだりして、とてもありがたい存在で。

その彼と話したときに、私が直接的にその会社を辞める
原因となったプロジェクトに私と一緒に参画していた
また別の同期が、このたび退職したということを聞いた。

正直、今その会社の人たちとは本当に数えるほどしか
連絡を取っていないし、そのもう一人の同期が辞めた
ということも知らなかった。
そして聞けばその彼は現在、大きな自治体の市役所に
勤めているという。

その話は私にとって少々衝撃だった。
というのもその彼と昔話していたときに、彼になぜ
この会社に入ったのか、そしてここで何をしたいのか
問うたことがあった。その時彼はこう言った。

「僕はこの会社で偉くなりたい。
 ここには憧れるほどとても眩しい上司や先輩がいる。
 そんな人たちのようになりたいし、もっと会社を
 変えて良くしていきたい。だから偉くなりたい」

すごいなと思った。
当時私はその会社に憧れる先輩なんて居なかったし
ましてや同僚もみんな嫌な人に思えて、しかも仕事も
やりがいもなくて早く辞めたいとさえ思っていた。
だから彼がそんなキラキラした思いを抱いて働いている
ことがとても羨ましく感じていた。

そんな彼が会社を辞めて公務員になった。
話を聞くと、私が病んだその案件に彼も参画していた時
やはり彼も同様に嫌な気持ちを抱いていたらしい。
そして私が辞めた後にも会社に対して不信感を抱く
出来事もあったらしい。
それが彼なりに納得いく転身の方法だったのだろうか。

ただ思い返せば、彼と昔した話の中で、彼の大学時代の
同級生について触れていたことがあった。
彼は技術系の大学を出ていたこともあって、同級生も
同業の会社に勤めている人たちも多かったらしい。
そのうちの一人が大きな会社に勤めたものの、非常に
激務で、あるとき公務員に転職したとのこと。
彼はその同級生を評して「勝ち組だよね」と言った。

私は今でこそ家族のためには安定が大切であることは
身に染みているが、それでも役所とか公務員という
身分を指して「勝ち組だ」という認識はなかった。
たとえ理不尽なリストラがある可能性が低くなった
としても、個人の能力を伸ばさなくてよい理由には
ならないと感じる。
彼の中ではきっとこの今の仕事に対してはもう何も
誇れるところは無くて、クビにならない、終身雇用の
年功序列の巨大な組織に居ることこそが、「勝ち組」
という認識なのかもしれない。
あるいは、本当は公共のためにやりたかった仕事が
あったのかもしれないが。

最近私はこんな馬車馬のように働かされて、下請け
ゆえの苦労というか惨めな思いも数多くしてきていて
それでもやはり、こうして現場作業に身を投じるのは
一応のやりがいは感じることができるし、たとえ
取引先から理不尽な言われようがあっても、何とか
まだ出勤する気力は保つことができている。
それは恐らく、この職業というか職種としての
ある意味覚悟というか誇りのようなものがあるから
なのではないかと思っている。

結局何が言いたいのか散らかってしまったけれども、
人によってそういう志とか、価値観とか、当然だが
異なるものなんだなぁと感じた。
正直ここ最近は「勝ち組」かどうかなんていうことを
考えることすらしていなかったが、今自分の職業は、
現時点ではこれはこれで納得しているのかもしれない
と、思えるようになったのかな。
ひとまず、ちょっと展望を意識して、現状を見つつ、
この先のことを考えて行動してみたい。

2017/05/13 01:00


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