家のこと。 - 2016年08月22日(月) 先日、叔父から連絡があり、仕事終わりに会うことになった。 急な連絡でしかも焦っている様子だったので怪しいとは思っていたが、 やはり何とも難儀な話だった。 単刀直入に言うと、祖父の遺産について。 遺産と言ってもまだ存命であり、話の争点はその財産の処遇について 今のうちからどうするかという話だった。 私の父はすでに他界しており、祖父の財産をどうするかという話は 祖母と叔父と私と弟で何とかしないといけないということだった。 というのも、祖父母は細々とではあるが家業を営んでおり、 その財産としての事業や不動産をどうするかという話だ。 ただ、事業や不動産と言っても田舎の微々たるもので、当然それらは 祖父母の代で畳むものと思っていた。 しかし、祖父母としては先祖代々守ってきた土地を売り払うなどとは 考えられず、出来ることなら下の世代に受け継ぎたいとのこと。 ただ、叔父もすでに六十近くで他県に居を構えて家族もある。 私も都内で暮らしており、結婚もして子供も居る。 弟は地元には居るものの、独身であり、別の仕事に就いても居る。 そのような事情から、家を継ぐという選択肢は誰にも無かった。 祖父母も高齢になったこともあってか、私の居ない間に、叔父と弟を 交えてその件について話し合ったようであった。 叔父の主張としては所有している不動産はすべて売り払うこと。 そしてその残った資金で老後の生活の足しにしてほしいとのこと。 土地を自分たちの代で手放したくない祖父母と真っ向から意見は対立。 挙句、実家の土地は弟に譲り、受け継いでほしいとのことだった。 私としては、叔父の意見も分かるが、弟が納得しているのであれば、 それでもいいのではないかと思っていた。 ただ、その後に先日帰省した際に、母と弟とその話をしてみたところ、 納得も何も、まだ独身の彼にそこまで重々しい立場を負わせるのは、 可哀想だということを改めて痛感した。 そのとき、私は今まで、いかに自由に好き勝手に生きてきたのだと、 非常に恥ずかしい思いを抱いた。 と同時に、子供が産まれてからというもの、実家に顔を見せる機会が 頻繁になってきていたが、帰省するたびに祖父母の年老いていく姿、 そして誰も手入れをせずに朽ちていく実家を見るにつけ、胸の中で モヤモヤとした思いが占めていくようになった。 一体、何が正解なのだろう。 世代と、家と、そしてそれぞれの人生。 妻とそのことについて話していた。 すると彼女が一言、「きっと、なるようになる」と。 私は幾度彼女に救われてきたか分からない。 まだ結論は出ないが、この先の人生がどうなってもこの人と一緒なら 恐らく大丈夫なのだろうという気持ちになってくる。 家族でよかった。これこそが家なのだ、そう思える。 まだ決まっていないが、納得いくよう考えてみようと思う。 *** 2016/08/23 00:04 ...
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