見上げる空...そら

 

 

衝動 - 2009年05月30日(土)

あの日、お店はチョコを買い求める人たちであふれてた。
愛する人に告白できる日。

私はそんな日に、あのひとのために車を走らせて。
やっぱりドキドキするような、ふわふわするような、
そんな気持ちで。

でも、なぜかいつもと違うような気がした。
自分があのひとに好きと言わずに帰ってこれるかどうか
自信がもてなかった。

あのひとと会える、限られた時間の中で
あのひとと目的もなくぶらぶらお店を渡り歩いて
私は自分の衝動をおさえるのに必死だった。
あのひとにばれそうな気がしていた。

別れなくちゃいけない時間が近づいて
あのひとが私に何か話すことがないのか聞いた時
ちょっとぐらっと揺れそうになって、
でもずるい私らしく、「君は?」と逃げた。

それからしばらく、私とあのひとは少し変なやりとりをしたと思う。
私は卑怯な答え方しかいつもしなかったから。

ただ。

あのひとが私の耳元で
「好きで好きでたまらない」
とささやいた瞬間、

何かが爆発しそうになった。理性も何もかもふきとんで、
あのひとを抱きしめそうになった。
おさえるのに精一杯で、何も考えられなかった。
それが、あのひとを少し不安にさせたのを感じて
ほんとうに、私はバカだな、と思った。

魔法にかけられてるみたいだ。あのひとに会うといつも思う。



あのひとが、私があのひとのことを好きかどうか聞いてくれたので
私はどこかほっとして、うなづいたんだ。

けど、その後で、ちゃんと「好き」って口に出すんだったな
と思った。



別れたら、いつもはメールしない。
それはあのひとがそう望んでると思ってたから。
だから苦しくても我慢した。

今回は違った。
あのひとにメールしてもいいんだ。
そう思ったらメールを送らずにいることが苦しくて苦しくて。

やばいと思ってた。このままメールしてたら余計な事を言ってしまうって。
1週間に1回が数日に1回になって・・・。それでも毎日毎日メールしたくて。

あのひとに「会いたい」と言ってしまった時
この気持ちをしゃべってもいいような気になった。


その時のあのひとの返事は、とても、寂しいものだった。



それから電話をして気持ちを伝えてしまって
そうしたら、すっとした。
その一方で、今まで密閉してぎりぎりまで溜め込んでた感情の渦が
滝みたいにあふれ出して。

言いたいことが、伝えたいことが、いっぱいあった。

あなたをずっと愛している、と。


...

我慢 - 2009年05月29日(金)

あのひとに会う前はいつも落ち着かない気分になる。
そして、私はいつも自分の気持ちが全然変わらないことを
確認してきた。

ドキドキする。

会うと、うっかり手を伸ばしそうになる。
あのひとの綺麗な手や髪に。
少しでも近付きたいと思ってしまう。

でも自分からそんなことをするのは許されないので
なんとかもちこたえる。

あのひとの指が私の手をとらえてくれるのを待っていて
そうしたら、あとは手放せなくなってしまう。

そんなことの繰り返し。


別れるのはいつも苦しくて、そこにはいつも迷いがあった。
言ってしまえば楽になるのかもしれない、と。
けど、あのひとと一緒には生きていけないと決めたはずの私には
そんなことはできない、と。

会った後のあの狂おしさは、ほんとにひどかった。
会いたい、メールしたい、声が聞きたい。
あのひとに、好きだ、と言ってもらいたい。
この想いを伝えたい。

けど、あのひとは会いたくないみたいだから、メールもしてほしくない
みたいだから、と必死におさえる。
あのひとを苦しめるだけの行為はしてはいけないんだから、と。


そんな風に、
やってきた。


どうしてだろう。
どうして私はそんな風にやってこなくちゃいけなかったんだろう。


...

静寂 - 2009年05月28日(木)

まいったな…。


あのひとの声を聴いている間はとても安らげる。
自分がいる空間が変わる気がする。

でも、その後の寂しさといったら。


私は相変わらず不器用な人間だ。その不器用さは昔とは形をかえたけれど。



あのひとに気持ちを伝えることはバランスを崩すことじゃないかと
思っていた。たしかに実際のところはまだ分からない。
でも、今となっては、もっと早く伝えてもよかったな、と少し思う。
あんなに頑張ってきた自分はなんだか滑稽だ。
会わない間は、連絡がこない間は、もうあのひとは私を忘れてるんだとか
もう嫌いになったんだとか思うことで乗り切ってきた気がする。


けれど、過去の私の中に存在した強い思い。
自分で自分を排除したいという強烈な拒否。
結局私にはこれだけの年月が必要だったのかもしれない。

ほんとうに、不器用だ。




...

ふわふわ - 2009年05月27日(水)

今日は胸の中がふわふわしてる。
時々ある。

ふわふわというか、ドキドキ、というか
なんとなくテンションが高くなっているような感じで
あのひとのもとへとんでいきたくなる。

そうして、全身であのひとのぬくもりを感じたくなる。
切なくて泣きそうになる。



出会いはあの夏の日だった。
そんな特別でもなんでもないような出会いだったと思うのに
今でも鮮明にあの日を覚えているのはなんでだろう。

あのひとは本を読んでいた。
あのひとの姿を初めて目にした時の光景は、目を閉じると今でも鮮やかに
よみがえる。不思議なことに。

あの時、想像できるはずなんかなかった。
二人の間にそれから起こる未来について。

けど、私にとって、あの出会いは他のどんな出会いよりも強烈だった。



ふわふわしてる、こんな日は
そんなことを思い出したりする。


...

15年 - 2009年05月26日(火)

15年。

私がこの想いを胸に秘めるようになってからの年月。

それは長いようで、不思議に短いような気もする。
けど、それはもう既に私の人生の半分以上だ。
その間、色んなことがあった。

本当に色々あったのに、今あのひとに会うと全部あの時のままのような
気がする。時間が戻ってしまうような感覚。
けど、私もあのひとも変わった部分はきっとたくさんあるんだろうな。

この、運命みたいな、魂に刻みつけられたような
激しくて、それでいてどこか穏やかで、でも手に負えない
そして、誰にも言うことができないこの想いを
ここでなら吐き出せるのかな。

誰にも言うことができない…っていうのは違った。
もう、あのひとには言うことができるから。ちゃんと。
ちゃんとこの想いと向き合って、あのひとに伝えられるようになってからは
2ヶ月だ。なんか、もっと経ったような気がするんだけど。

あのひとは今、自分が住みなれた土地から離れたとこで頑張ってて。
なんだか私はその邪魔ばかりしてる、と思うんだけど、
でも、あのひとが元気がない時や疲れてる時には少しでも癒してあげれたら
いいなって思う。


こんなに素直な気持ちであのひとのことを想えるのは初めて。
私はほんとに今までいっぱいひどい事をして生きてきたと思う。
あのひとにもいっぱいひどい事したり言ったりしてきた。

それ以上に今あのひとを愛したい、と思う。
あのひとが私からの愛を受け取っていてくれる間は。


...



 

 

 

 

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