舌の色はピンク
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暦の上では って言い回し、 何の意味があるんだろう。 いやあるんだけど、 暦の上では といったが最後、あとには必ず「〜ですが」と繋がれて けっきょく当て馬に過ぎないというか。 だからなんだよっていうか。
暦なんてもってこないで自分を信じろよ。 自分のなかの。季節感を。鼻先をくすぐる風を。 おまえが夏だと思ったら1月でも夏なんだよ。 権威の常識網に縛られるなよ。 五感あるだろセンサー働いてるだろ。 身一つで立ち向かえよ。 季節に支配されるな掌握してみせろよ。 たたかえよ。 幾星霜季節刻んできた歴史を相手取って 自分だけのたたかい繰り広げてみろよ。 暦の上という名の土俵でな。
……。 暦の上という名の土俵……?
電車で尾道に行きました。 行ったもののろくに歩けない。 歩けないのだから何も楽しめない。 しかし自転車買えば解決するのではと思い至り ひょこひょこ歩いて探していると 偶然にもサイクリングイベントを発見。 できすぎていることには、 このイベントが年に一度の世界的祭典であり 参加人数8000人による「しまなみ海道自転車走破」とのことで、 当日参加もできるのかスタッフに尋ねてみました。 「無理です」 「あーそうなんですか」 「みなさん何ヶ月も前からのあれなんで」 「そうですか、残念です」 「だから無理ですよ。無理でーす」
詳細省きますが このあと自分もしまなみ海道は自転車で走りました。 総じてスタッフおよびこのイベントの関係者は 誰を相手取っても僕にとって気に食わない連中で、 詳細省きますがかなり呪い殺しました。 したがって海道走破も中途で終えて、 いつか何でもない日に自由に個人で走ろうと決意しました。
それから自転車で岡山駅まで行きました。80kmくらい。 尻と腰と右足首と右膝が壊れてしまって 痛みに喘ぎながらの走行でしたが 更には暗闇と雷雨とが生命的にやっかいでした。 道も歩道は整備されてなく、かといって車道は余りに危うく(見えないから)、 また朝から何も食べておらず睡眠不足で疲労困憊であったこともてつだって、 いやほんと、よく泣かなかったよ。えらいね。頭をなでてあげる。
倉敷のあたりで山あいから雨のなか花火が打ち上げられてる光景を目にして、 あぁオレ死んだんだな。と合点したのも束の間、 非合理で不可思議の玄妙さにすっかり見とれました。 僕はあの幻めいた花火の美しさを一生忘れない。
岡山駅まで5kmのところで温泉発見して浸かった時点では 体も芯から冷えきっていて かつ下半身が使い物にならなくなってたから まさしく生き返りました。 これまでの風呂で一番気持ちよかった。絶頂。安楽と幸福と喜悦の乱交。脳味噌大爆笑。
温泉出てからは雷雨がいっそう強まってきたので ファミレスで朝までやり過ごしました。 もう十分旅の栄養価は摂取できていたので、 ふくふく満たされたままに始発の新幹線で東京に帰りました。おしまい。
前日の過度な散策がたたって 朝から右足首が痛んでいました。
痛んでなんぼ、そうこなくっちゃなという思いで 広電に乗り込み宮島へ。 観光客の多いことには気圧されるも 弥山という標高530m程度の山を麓から登り始めると 人間どもの気配が薄れていったので口元がゆるみました。 ときおり奇声をあげながら野鳥とセッションしつつ 石段を自由なペースで…階段だと足は痛まなかった…昇っていき山頂へ。 ここはなかなか居心地よく、2時間ほど読書。 持参していた大岡昇平『事件』は、 山で女の死体が見つかるところから話がはじまるので雰囲気ぴったり。
そして下山がよかった。 薄暗くなってから下りたので他の登山者は概ねロープウェーに頼ったらしく、 いってみればやりたい放題、 飛び跳ね放題の駆け回り放題で、 ほとんどずっと走って下山しました。 じつに忍者さながらの疾走。最高でした。
このあと帰り道途中下車して知らない街で迷子の風情を堪能するも 忍者ごっこがたたって右脚が動かなくなってしまいました。 ひきずりながら2時間歩いて電車に乗り直し市街地へ。 ネットカフェにて一泊。
広島に行ってきました。一人で。用事なく。
初日はただひたすら市街地を歩き回ってたんですが 気になったのは 信号の長さ、雀荘の多さ、喫煙者の少なさです。
信号についてははじめ路面電車の事情からかと思われましたが どうやら路地だろうが総じて長いみたいで 正直歩きにくさ感じることしばしば。
雀荘の多さは圧倒的でした。 広島焼きの店よりも多い。 というか他のどの専門店よりも多い。 なにかゆかりあるのかなと気になりつつスルー。
喫煙者については意外というか、 無法者の多い先入観があっただけに、 喫煙所もろくになく歩きタバコ路上喫煙している人間もまず見かけない、 クリーンなまちづくりに何ともはや成功し尽くしておりました。雀荘多いけど。
当日はまず平和記念資料館に考えなしに立ち寄って、 かなりへこみました。 へこんだまま広島城行って併設されてる神社の絵馬見たら なぜか内容の重さの水準が他神社のそれに追随許さぬ勢いで やたら「重篤の祖母」に関する記述が多くまたへこみました。 そのあと不意にハローワークに入りまたへこみました。
だいたいへこんでたけど楽しめていました。 23時過ぎまで歩いて格安ホテルに一泊。
駕籠 って狭いし揺れるし暇だし最悪だと思う。最悪だ。 なかに持ち込める物品量もたかだかしれてるし 荷物のほとんどは自分の目の届かない外で 従者だかがぶらさげてるのだろう。最悪だ。
殿様だって道中きっと交代したくなる。 「今日はお前が乗れい」 「そんな、殿、なりませぬ」 「渋るでない。秘密じゃぞ〜?」 「殿……。しかしあっしはこれが生業ですゆえ…」 「ええいくどい。言うこと聞けぬなら手討ちじゃっ(笑) 手討ちにしてくれようぞっ(笑)」 「殿(笑)。ふふ、承知しやした。秘密ですね?」 「ハッハッハ。それ、馬に劣らぬ健脚見せてくれよう」
そんで後で皆にめちゃくちゃ陰口たたかれる。 「上の人間のあぁいうのほんとこまんだよな」 「乗りたくねえっつうのな」 「手討ちじゃ(笑)じゃねえよ。笑えねえよ。何時代のセンスだよ」 「足軽からやり直してこいよ」 最悪だ。最悪。
どちらかといえば天国に行きたいタイプなので、 日夜善行の機会探しに血なまこ。 しかしなかなか遭遇できるものではない。 もっと道端で人間どもが困り果てていたらいいのに。
どうにか機運に乗じ善行せしめた最中も ちゃんと頭上で監査役の天の使いが こちらを確認しているか気が気でない。 人好きのする笑顔や穏やかな声音など 決死で振り絞っている表向きを 余さず正確にメモっておいてほしいものだ。
もしなんらかの間違いがあって地獄に堕とされたら 担当してた天の使いは絶対に殺す。 善行中に培い養った朗らかパワーで罪人どもと一派を組み 血の池から毒物生成して隠し持って お目付け役の鬼に一服盛って脱・獄して 出てからは仲間の元テロリストに派手にやらせて 閻魔大王を人質にとったら拷問にかけて情報吐かせて やることやる。
そんなことはつゆほど考えもしないタイプなので天国に行きたい。
後始末に困るもの が、世には多くあって、 醜い、汚らわしい、気持ち悪いといった印象に おおむね位置づけられる、 なるべくなら自ら手を下したくない悩みの種、 遺骸や腐乱物などを 一挙に吸い込む小型のブラックホールがあったらいい。
ハンドクリーナー式のブラックホールがあったらいい。 キュン。 で済むように。
そしてブラックホールに吸い込まれた遺物たちの 行き場を処理する施設があったらいい。 直感的にいって東京都大田区あたりになるだろう。 いや何もはじめから大田区に施設を用意するわけではない。 ただ遺物たちの行方を探ったら大田区のある区画に溜まっていた。 したがって後から建物で囲む格好となり、 いわんや施設ができあがるそういうわけだ。 無論近隣住民から苦情は押し寄せる。 個人かもしれない。あるいは徒党も組むだろう。デモ行進だって懸念できる。
そんなときにはこれ、まとめてキュン。 邪魔っけなものは全て吸い込んで闇へ葬り去ろう。 あなたを生活の黒幕に。 今ならキャンペーン中につき契約書不要で発売中。
電車が駅に到着すると駅名知らせるアナウンスが流れますよね。
なんでホームに放送するのか。
ホームにいる人間は自分がいま何駅に立ってるか理解している。 彼らだってそのくらいはわかる。なめてもらっちゃこまる。 どう考えても移動中である電車内の人間に向けて知らしめるべき情報なはずなのだ。 扉が開く前にアナウンスされているときすらある。 これがほんとの見切り発車です。ふざけてる。
ついでにのたまえば電光掲示板のやつも我々を馬鹿にしていて、 ここぞというときに文字を点滅させるでしょう。強調する名目で。 時たまあの点滅のテンポがえらくのんびりしている。 滅 の間がえらい長く、文字表示時間がえらい短いという、 乗客全員を試しているとしか思えない難度の点滅。 こちらの仕様……人間はまばたきをする……の穴をうまくついている。
オーケーまだ続けよう。 駅名標はどうだ。 ホームに設置されとるよな。天井から吊り下げられて。 それが電車内から見えないことがある。 よほど角度を工夫しないと窓越しには確認できず、 よほど角度を工夫してすら窓越しには確認できないことしばしば。 やってくれるよな。
……ひとつひとつは脅威に数えずとも、 揃えて和えれば強大な壁がそこには現れる。 いま何駅なのかわからない。 たったこれだけの不明が、 しかし人生狂わすに足る。 まったくよく考えてくれたものだと感心する。 どうしたって抗う手立てはない。 我々は奴隷……奴隷なのだ。
2014年10月11日(土) |
首は折れ曲がり肩幅は歪みきり腰はあらぬ軸を描いて |
さいきんポージング創案にめざめた。
悪漢に囲まれたともを助けに見参する格好から 不倶戴天の敵意を向けてくる手合いに許しを請う仕草まで 身一つで思いのまま。 いやさめざめたなんて生易しい。謙遜すんなって。 完全に覚醒した。
妄想は妄想、頭のなかだけのさもしい産物であること、 当方きちっとわきまえてはおりました。 それがどうだ、今となっては外の世界に手が伸びている。 足も伸びている。 ときには曲がっている。 自在だ。この身体は。世界に向けて。 天地はわがもの。
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