ヒルカニヤの虎



 凝り固まった歴史の向こう

きのうは夜から御茶ノ水でお仕事。
山の上ホテルは今まで外観しか知らず、入ってみたら素晴らしいクラシックホテルだった。インタビュイーが到着するまでロビーでレトロなグッズを見たり文豪コーナーを見たり、2階でやってる作家展を覗いたり、元後輩・現クライアントの編集ちゃんと2人でテンション上がりまくり。

1時間インタビューの予定がちょっと長引いて9時前、タイミング悪く中央線が遅延中。じゃあ東京駅まで地下鉄かタクシーか、え、千代田線だっけ?とあわあわしてると営業さんに「泊まればいいじゃん(自腹で)」と唆され、編集ちゃんに「ホテルのほうがきっと仕事捗りますよ(〆切過ぎてんぞ)」と微笑まれ、2人に「まあまあバーで1杯飲んで考えようや」と首根っこつかまれて猛烈に素敵なバーノンノンにしけこみ、まんまと一泊してしまったわけです。営業さんの意図はしらんが、きっと編集ちゃんは内装の写メがほしかっただけ。

まあでも会場についた時点で「最終間に合わなかったら泊まろうかな」とは目論んでいたよね。せっかくだからね。あと思ったよりお高くなかった。「いつか大人になったら」「場違い」みたいな言いわけがきかない年になってきて、いつかというなら今だと自分に言い聞かせつつ。もう2度と来ないだろうと思うとさらに感慨深い。でもそういう場所ほどまた訪れる羽目になる不思議。人生はそういうめぐりあわせになっている。どうせならと名店山の上で天麩羅食べて帰ってきました。誕生日もお盆も自宅でひたすら仕事してた自分を慰安するために。マグカップと珈琲豆も買ってやったぜ。

クラシックホテルはこれまで格安の学士会館のみ愛好してきたけど、水族館めぐりがひと段落しビジネスホテルも泊まりつくした感がある今、そっち方向にシフトしていきたい。耐震とかで閉館されてしまう前に。

2015年08月20日(木)



 駄目なら意味もないよと

朝晩涼しいとこんなにも体が楽なのか!ありがたやありがたや。

次の朝ドラがAKBさや姉センター曲というので、小躍りしています。
山本彩が本店初センターなのはもちろん、日本全国いろんな人の耳に届く朝ドラの主題歌なのがまた嬉しい。NMBには比較的いい曲振ってくれるやすす=太巻、本店曲となるとどうだろう。渾身でいい曲にしてくれ〜。そりゃソロ曲のほうがいいに決まってるけど、そこはしょうがないね。
一般的にはすごい非難轟々なんだと思う。でも感受性ゆるめて、いろんなものを好きになったほうがきっと幸せ。本気でスケジュールがきついとき、「ひといきつきながら」をうっすら流しながら作業してる。山本彩の声は基礎がしっかりしててすごく落ち着くんだよ。これが他のメンバーのセンター曲ならこんなに喜ばない。

そんなわけでお盆進行の後倒し、相変わらずの綱渡り。脳がもう麻痺してるけど多分これは能力の限界を超えている。超え続けている。断っても断っても減らない仕事に半笑いになりつつ、水木しげる先生の「妖怪マチコミ」をなつかしく思い出しています。とはいえもう5年。5年くらい1つのことに振り回されて奥歯くいしばってると手綱を掴めるようにはなって、するとその先に次の鞍が見えてくる。その数はどうやら増えるばかりで、選ぶ基準も昔ほど単純ではない。でも大事なことから逃げさえしなければ、たぶん選択肢は増えつづけて、選ぶべき鞍を間違うこともない。また大きな変化の波がやってくる気がするので、今は耽々と忙しくしておこう。わりと奥歯はボロボロで、でも今の鞍に居着くっていう考えは自分のなかにない。

そんな状態ゆえ北国から帰阪した友人と会うのも夜10時から12時までというダイジェスト版。先月黙って勤務先の美術館におしかけて「来ちゃった★」をやらかしたので、そんなに久しぶりというわけでもなく。例年通りしょうもない誕プレをもらって水煙草もくもくして「しょうもない!」と笑って帰ってきました。

明日の仕事は山の上ホテルなんだけど、ここは20年前の自分に手向ける意味で天麩羅を食べるべきだろうか(@レディージョーカー)

2015年08月18日(火)



 まんなかでいられたら

BS再放送のあまちゃんと比べられて気の毒ではあるけど、それにしても酷い今期朝ドラまれ。最低の底の底をさらにダフる勢い。なんという大泉洋と田中泯の無駄遣いでしょう。洋ちゃんを嫌いになりたくない子猫ちゃんたる私は、けっこう前から離脱してしまっている。見なくなってからなんであんなに不愉快だったのかな?と考えていて、先日何かの記事で「脚本家はもともと社会派なのにコメディをNHKに要請された(大意)」ってのを読んで、ある意味納得した。その推測記事が正しいのかは知らんけど。
お笑いに愛も理解もない人が「笑いってこんなもんでしょ」と高を括って書いた感ありありで、「バカにしたら人は笑ってくれる」という思い込み、思い上がりがドラマのすみずみまで透徹していたから不愉快だったんだな。お笑いだからって何もかも軽んじていいわけではない。むしろ真逆で、人が笑うのはその裏にどうしようもない悲しみがあるからだ。過去の朝ドラでおそらく一番コメディ要素が強いあまちゃんは、どうしようもなく悲しい人たちの人生、悲しいできごとたちを重んじて、くだらなさをふくめて愛しきった話だと思うの。だから海女やアイドルを冒涜している、という批判は出るはずもなかった。脚本家に笑いのセンスがなくても、せめて真摯であれば方法論と構造を研究して模倣することはできる。笑いの前には愛があって、愛の前には悲しみがある。いきなり笑いを生むなんて傲慢だって、しろうとですら知っているよ…。

と書きつつ今年はバナナマンライブに行かない夏ですが、三十路半ばの誕生日をどのように過ごしたかというと夜半ワイン片手に押しかけてきた里帰り中の幼馴染(3児の母)に明け方まで居座られて白目。私もう酒飲めないんだって…。でも結局けっこう楽しかった。同じ場所で同じ時期に生まれて同じように育っても、いろんな人生があるね。つい最近まで新幹線だいすきだった長男君がいつのまにか恐竜&巨大海洋生物に目覚めていて、私の出番ですね!と俄然はりきっている。画像フォルダが火を噴くぜ。

2015年08月12日(水)
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