ヒルカニヤの虎



 最高の季節に芽生える心はそう

7月ど真ん中、仕事の手が空いたのでふらっと長良川へ。長良川は芭蕉が「おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな」と詠んだところ。私の信条「お笑いはおもしろうてやがて悲しき」はここから来ていた、そういえば。温泉つかって露天風呂から鵜飼いみて、昼は淡水水族館アクアととぎふ、内藤記念くすり博物館に。趣味全開で期待以上にリフレッシュでけた。
岡山や岐阜、石川・富山あたりは仕事で行っても大阪に日帰りできてしまうため、まだまだ泊まる楽しみが残されています。でも7月後半の取材予定地は東京・大阪・沖縄・東京。沖縄は今年2回目、東京はもはや大阪と同じ。でもタイミングよく8月1日に東京取材が入ったので、よくないとわかっていながら久々にオクに手を出してしまった。今年の夏は六本木俳優座に行きます!ドーン!(喪黒)

キンドルにハイキューの10巻が配信されたので熟読している。紙ベースから1巻遅れってなんでやねん。この漫画は今までのスポ根もののテーマをうまく詰め込みつつ、なにか新しい形を提示しようとしていてすごくおもしろい。私は少年漫画特有のデフレスパイラル(勝つ→もっと強い敵でてくる→修行→勝つ→もっと以下エンドレス)が大嫌いでな、ハイキューはもしかしてここのブレイクスルーがあるのではないかと期待しています。時々ポエムすぎて恥ずかしいけども。
5巻に「勝者と敗者」という回がある。主人公の高校がインハイ1回戦で勝つだけの話です。でも徹頭徹尾負ける側の高校の視点で書かれている。アニメではなぜか何週かに分けてやってるけど、あれだけは1週でおわったほうがよかったな。今まで出てきたことのない、たぶんこれからも出てこないモブの弱い(でも並に部活がんばってきた)バレー部が、3年間の集大成で負ける話を週刊ジャンプでやったのはえらいなと思う。

たった1人、たった1チームしか勝てない世界で、なぜ人は勝つために努力できるのか?負けることから逃げない、というのはけっこう根性がいる。勝負しなければ負けることもないのに。5月末あたりのオードリーANNで、アメフトの生試合に飢えた若林さんが高校生大会を見に行く回があるんですね。試合展開上もう絶対勝てないのに、最後の5分間に一人だけ諦めずにボール抱えて何回もつっこんでく不屈のクォーターバックに感極まり、「そうだよな、生きざまだよな」と声に出しちゃう不審者若林氏。「俺だけは見てたからな」とわりとマジ泣きした若林。
(その後「俺ガールズバー通いやめる」と宣言した若林に、「ガールズバーで命を燃やせばいいじゃない」と渾身のキャバクラトークを展開した春日マジかっこいい※余談)

ではなぜ負けるとわかっていて頑張れるのか?という問いに、ハイキュー!では1つめの答えとして「プライド以外に何が要るんだ」を、さらに2つめの答えとして「自分の力が120%発揮された時の快感が全て」「その瞬間があるかないか」を挙げる。そして主人公コンビの「負けたくないことに理由って要る?」「腹が減って飯が食いたい事に理由があんのか」がもう1つ。まあ多分「人それぞれ」ですむ話なんだろうなとは思う。実際わたしの理由は上記のどれでもないし。むしろ興味あるのは、この時代に「なぜ負けるとわかっていて努力するのか」という問いに対する「答え」が、なぜこれほどまでに要請されているのか、であったりする。そういう意味では映画版「桐島、部活やめるってよ」がすごくおもしろいんだけど、あっこれまだ続くわ(というか答えがないまま書いている)。

2014年07月17日(木)
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