ヒルカニヤの虎



 男の子同士の遊びは楽しそうだ

木曜日は∞。てぃしぴで井本が藤原のサインをまねてかく。「フジワラカビ」で客席そっちのけで笑い転げるザ・ちゃらんぽらんのお2人をみて、本日タイトルのくるり「男の子と女の子」を思いました。
この曲がでた当時、卑怯にもほどがあるぞ男のくせに、と涙したなぁ。この世界はつまらないと一人で遊ぶ。
で、フリートークは2人の夏休みの話とかうその話とか。あと革ジャン革パン着れました、YouTube日本26位、絶叫系ムリ、ツレのおばちゃんの手料理ムリ、記憶力が衰えてきた、等々。あ、最後に似顔絵。「けっこう大きい病院の循環器の先生」が抜かれてましたが、私は黒い彗星も好き。夏休みなっこみ終わりで描いたのねっていう、なかなかにいたたまれない絵が多かった。気持ちわかるけどトーンとコピックはやめとこう。な。

うーんと、∞をみて先輩Fとも話していたのですが、いわゆる2人組というものについて。万歳二というだけあって、漫才は2人でやるもの。絶対に2人でないとやれない職業って実は他にあんまりない。しかも相手を選ぶ。すごく選ぶ。
トリオ漫才があるけどあれは3人のうちだれか1人はオーディエンスの役割な気がします。世のすべてのトリオ漫才をみたわけじゃないけど。2人っておもしろいなと。
ふとオリーブで連載してた小沢君のナイフの話を思い出す。
“二人でいれば混然としていられるのだが、人目にさらされるとそうは行かない”、仲が悪いだのと陰口をたたく奴らに向かって“オーケー。世の中のすべての二人組を代表して言っておこう。「お前らに言われる筋合いはない。」以上”。そういいはなつ痛快。混然としていられる幸福についてもうすこし考えてみるかな。

2007年08月31日(金)



 大人になるとさびしいの?Duca?

ほんとうは、
心のママ,アイスクリーム,パパ,新しいママ,Duca,Duca, Duca…
の部分がだいすきだ。

タイトルとまったく関係ないですけど、昼休みに突如として先輩Fが歌い出した「カトちゃんケンちゃんごきげんテレビ」のエンディングが頭を離れない。なんてことしてくれるんだ。 

昨日は夕方6時半に帰って夜9時に寝て朝7時半に起きる。とゆう夏休みの小学生のような1日を送ってしまいました。唯一小学生の自分と違うものそれは寝腰。ねごしいたい。まじでいたい。あとアシスタントさんに朝いちで「めっちゃ目はれてますよ!」と指摘された。そりゃ腫れもするじゃろ。たぶん21世紀最長の睡眠時間を記録した。いっぱい夢をみたよ。

えー、そのようなわけで体調戻るまで断酒断煙です。禁断症状は特になし。どうやらそういう種類の飢えではないらしい。飢えならむしろお笑いとかお笑いとかお笑いとか。今夜の∞までは最低限の労力で息を殺すように。


2007年08月30日(木)



 重い荷物だけは人に任せて

昨日1日で3人に「影が薄くなってる」と指摘される。夏バテぜんぜん治ってねえなこれは。中途半端な皆既月食みながらの帰り道、夜風がもう涼しくなってた。秋冬は苦手。
そういや皆既月食って子供のとき「怪奇月食」だと思ってたなー。「台風一家」しかり、ありがちなあやまちです。

きのうは帰宅してシティボーイズ「真空報告官大運動会」。
を、みるうちに寝てしまう。起きたら夜中の2時。えええ。リス投げ全く記憶になし。なんともいえず心がカオスでふらふら外にあくがれ出ずる丑三つ時。家の前の夜道、私より若いおにいちゃんが赤ん坊を抱っこしてゆっくりゆっくり下駄で歩く。その歩調に安心する。夜泣きの赤ん坊より他愛ない。

「フリークスも人間も」映画感想は略。最近とみにものごとを考える忍力がないです。悪い意味で。映画感想サイトはもうできないだろな。
ただ、観客たる私と登場人物との距離においていえることは1点、人間性に対する諧謔のありかたが素敵だった。アメリカ的な風刺じゃないよ。静かで深刻な、真顔の滑稽さがとてもよい。そうか、だれも裁かないからか。

さて明日は∞です。もちこたえろオレ。

2007年08月29日(水)



 ボーイズ,トリコに火を放つ

タイトルはフリッパーズ続きですが涙ながら聞いてるのは小沢君です。帰りの夜道は流星ビバップがラストナンバー。

今日は皆既月食なのにあいにくの雨。きのうの夜は満月が実にすばらしかったのに。
月曜から先輩Fと飲み屋の与太話で11時半に帰宅、夜半になってから体調とテンションが上がったせいでむだに活動をはじめる27歳女子。
まずは買ったまま放置してあった最新えるまがを通読。おおおおお三池監督の新作が9月に!イエス!あと映画評でチョップリン西野がブコウスキーを取り上げ、ついでのようにトム・ウェイツを推していた。ベタだってわかってるけどうれしいぜ。黒マネキン外人とホットドッグ家庭教師の初期ネタがもういちど見たいよチョップリン。
特集の本・本屋は特に琴線にふれず。本に関してはもはや偏屈爺の感性。

テンションが引かずそのままディスカスで借りっぱだった「フリークスも人間も」をみてしまう。この時点で2時すぎ。途中で寝るかと思ったけれど、最後まで一気でした。
えーと、期待してたブラウニング調のカウンターイデオロギーではなかった。なかったけど傑作。なんて大時代的に美しい映画なのか。エロとグロですけどね。ブラウニングの「フリークス」と違って人/フリークスの2項対立図式ではなく、善と悪ですらなく、よってどちらにも勝利なんてものはない。タイトル通りにだれもがひとしく悲劇。でもその悲劇すら客観的な価値判断でしかないんだ。たぶん自由も。SM小屋に鞭打たれに入っていくヒロイン・リーザは自由だし、流氷で沖へと流れていく悪党ヨハン(この画がすばらしかった)も自由。シャムの双子はあれはどうとらえたらいいんだろな。
画的にいうなれば江戸川乱歩「孤島の鬼」+木原敏江「ユンタームアリー」です(なんちゅうせまい喩えだ)。ロシア映画は正直ソクーロフしかみたことないのですが、アメリカと唯一タイマンはった国で負けた国、というのが腑におちる。この国の精神性は好きだ。

こまかな感想は気が向いたら明日。

2007年08月28日(火)



 僕らは古い墓を暴く夜の間に

どうやら夏バテです。上と下からきた。人間て所詮は一本の管なんだよな。ぅおえええ。

日曜は小学校からの幼なじみのお宅でもう1人の幼なじみの結婚式スピーチ打ち合わせ。そんな彼女はもう2児の母です。すごい。ほとんど同じ場所で一緒に遊んで育ったのに、私にはできない生き方をしてる。うらやましいと思うけど自分が絶対にそうはなれないことも知ってる。20代前半のころにはそりゃ若さ故の思いこみだよと言う人もいたけど。でも社会人のくせにいまだにとんがった格好して世間様に馴れられないで青春は一度だけって幼稚なまんま生きてる。両親も諦めてるくさい。バランスとったり両立したり、そんなできのいい人間じゃないものな。人生はないものねだり。

で、まあお笑いとお仕事の両車輪で院復帰めざして生きておるわけですが、9月エンジョイ(KKP脱落)、10月スライダースでその後の予定がない。シティボーイズ5月だし、ラーメンズは今冬やりそうにないし(KKPと片桐さんの舞台から独断)、下手したら春のバナナマン傑作選ライブまでなにもない。昨年度を鑑みれば秋冬は仕事があほほど忙しい時期なのでよいのですが、大きなイベントがないとメンタルで落ちてしまう。∞木曜だけが楽しみになるのかしら。
あ、そうそうザ・ちゃらんぽらんのYouTube、地味にアクセスあがってますね。よしよし。わたしも貢献しております。しかしなぜコンタクトが一番人気なのだ。


2007年08月27日(月)



 無理だ無理無理無差別級ー

金曜は東京出張でした。1時間空きで丸善で時間つぶし。うっかりサイバラの毎日かあさん4巻を立ち読みしてしまう。鳥頭で最初に登場してからずっと、鴨はサイバラの漫画のなかにいて、読み返してるうちは死んだことを忘れている。でも漫画のなかで死を描写されたらだめだ。涙目なった。
中島らもも杉浦日向子も團伊玖磨も開高健も、遺したものを読んでるうちは死なないのだなと思ったり。彼らの作品のなかに彼らの死が描かれることはないので。
彼岸花の咲く夏の終わりです。

さてさかのぼって木曜は∞の日。浴衣祭りおわり。藤原さんはやっぱりポプ原より和装のほうが…。トークはまったりして見てたのであまり記憶にない。あ、新宿窓磨きと車エンストとバナナボートか。T.CPはYouTubeにのせる衝撃映像でした。
(ていうかまず「小島よしお」とやらを知らない…。有名?有名なの?まだ「ですよ。」も見たことがない私は今のお笑い界からは完全に引き離されているよ。回転速すぎるやろ。ダウンタウン松本が築いた暗くてマイナーで規範外な人間のためのお笑いの潮流は後退して、お茶の間のみんなにとって楽しいお笑いの波がまたきてるのかもしれない。それはそれで全然いいんだと思う。ただ私がそこにいられないだけの話。)
衝撃映像は、えーと確か組み体操とものまねとコンタクト。あの正座からつまさきで起きあがるのは「マッサージ」の変態さん。DVD見直してしまった。あれですね、藤原の演技は「憑依型」ですね。ジャイアン井本の潔い「コマネチ」に感動した。夏休みの宿題は落書き。落書きはもっと元の写真を活かせ!そういう意味では井本の落書きが一番好ましい(輪郭をただなぞる)。あとからじわじわ笑える。

そんなわけで休日出勤でした。さー仕事しよっと。





2007年08月25日(土)



 それに見合う僕でありたい

甲子園には魔物が住むという。
今年もまた鳥肌が立った。ありがとう青春。甲子園が終われば夏は終わるのです。
会社のPCでちっさくちっさく動画再生してスコア速報かぶりつき、ひたすら嗚咽をこらえる(この人仕事してません)。
6番の子の笑顔がよかった。

豪雨と雷のなかチャリでセクシー3号になりながら帰宅、熱闘甲子園をみてうつらうつらしてたら朝の7時だった。えええ。ネットはおろかビリーもしないまま寝てしまうなんて!なによりもまず平日に7時間寝たことが私としてはすごい。あ、地味にビリーは続いてます。主に腹筋プログラム。

さて今日は∞。これで2日間ザ・ちゃらんぽらんを見ていない。
ちょっと新鮮です。そろそろ9月エンジョイの宿とらないとな。

2007年08月23日(木)



 なめらかな話を続けておくれ

毎日毎日ギャオで∞ばかりみていてはいけない。
というわけで昨日は帰宅後(っつっても熱闘甲子園がはじまる時間ですが)水曜どうでしょうヨーロッパ完結の続きをみる。フランスからスペインまで。
…とりあえず夜のホテルでもVまわそうよ。本日の総括がみたいし喧嘩だって本気の険悪な喧嘩がみたい。個人旅行の思い出じゃねえんだから。そんななかミスターどうでしょうの存在は貴重である。あの人はなんだかんだで軸がぶれてないよなあ。

錆鉄ニュータウンは貸し出してて見れず。宇田川も貸し出し中。
きみのことだF、ここ見てたら至急返却するように。田亀先生作品集返すから。

さて本日は高校野球の決勝です。絶賛佐賀北応援中。

2007年08月22日(水)



 まわれ帰り道みちくさの子

たまにゴールデン番組など見るとチュートリアルが今旬なのだなあと思う。少し前は深夜をおぎやはぎと次長課長でまわしていたけど、最近は我らがバナナマンが渋く押さえているようです。ああ今日は帰ったら錆鉄ニュータウンみよう。

つい先日チュートとフットの対決っぽい番組があり、私は未見ですが会社の上司がフットの漫才のうまさを力説していた。うん、フットは本当に芸として漫才うまいと思う。ベースでも花月でも受けるおもしろさ。
彼ら2組をみるたび、昔昔の大阪ローカル・マジっすかで4人、べろべろに酔っぱらいながら「俺らで天下とったろうぜ」とクダ巻いてたことを思い出す。このときの徳井のひとこと「著しく激しく抗議する!」はいまだに口癖である。2005-2006のM-1で万感胸に迫って涙した私はもうお笑いから卒業できないのだと思います。わが人生に悔いなし。つい先日はM-1 2006のライセンス敗者復活をあらためて見て涙した。もう大人やのに。

そういえばあれがライセンスだったのかどうか、そして全体がどんなだったかわからねどもう一度みたいネタがあります。たぶんガキの使いの1コーナーで披露させてもらってた教習所のネタなんですが。私の膨大なガキ録画ビデオにも残っていない。
もっといろんなものをガッチリ録画しとけばよかったと思います。すんげーとふんげーは大阪の宝だった。でも今いちばん悔やんでいるのはまたもや関西ローカル「最後の晩餐」です。白い本がもういちどみたいよう。


2007年08月21日(火)



 もうこれ以上の生きることの喜びなんかいらない

うわっ一週間あいてしまった。だってすごい忙しかったんだもの。というか現在進行形でえらい忙しいんですけど。

金〜土は先輩Fと∞オール。午後から仕事。日曜は甲子園佐賀北の奮闘を横目でみつつ仕事。そんな隙間を縫って午後から院時代の恩師宅の飲み会に。人が多くてじっくりしゃべれそうにもなかったので、適当にエライ人のお酒とおつまみをセッティングし、プラン9ライブをみにいくという後輩と6時でさっさか帰る。しかも今わたしは禁酒しておるのだ。あと2年くらいしたらあそこに戻るのだけど、どうものんびりしてるなあ。

そうそう甲子園ですが、今年はキャラ立った子がいなくてなかなかよい。みんな等身大に高校生だ。甲子園は敗者のためにあると思うので、去年みたいにヒーローが際だってフィーバーしちゃうのはあまり…。基本はミーハーなんですけどね。高校球児は地元とか関係なく顔で応援します。小学校のときからそんな子でした。天理と沖縄水産とPLの校歌がまた聞きたいな。

そうそう木曜は∞ちゃらんぽらんの日でした。またもや浴衣。なんだか彼らのなかで納得いかなかったのか、トークが長く感じられたり。新宿南口が妙におもしろかった。相も変わらず日々の糧です。9月のエンジョイむりやり行くぞと。

2007年08月20日(月)



 週末に間に合うように手紙を書くつもり

お盆ですか世間では。日記を更新するということはつまり会社にいるということです。がっつり朝から仕事です。イエス飛び石。

せっかくのお盆だし思い出の夏らしい話でも。創作の怪談じゃないからオチはないし長いし特におもしろくもないけれど。
おばけを信じますか?と聞かれれば今も昔も答えはNoで、暗いところ、怖い話、独りぼっちの田舎の便所、墓場、そういったものが怖くない、かわいくない人間です私は。だって幽霊なんかみたことないもの。
でもそういう次元のものは信じる信じないにかかわらずある。そう知ったのが20歳のころでした。それ以来お盆は毎年体調を崩すのですが、年々平気になってきているのでもういいかなと、ちょっとお祓いのつもりで。

当時アルバイトで家庭教師をしていて、派遣会社から中2の女生徒さんを紹介されました。大学が夏休みに入ってすぐの7月。時給もいいし家から5分、好条件で引き受けて、最初の打ち合わせに出かけました。
そのお宅は並びの2軒に一家で住んでいて、中の壁をぶちぬきにして二軒が繋がってる。1階は裁縫かなにかの家内工場、2階に家族。白い壁の明るい家なのに靄がかかったような空気で、地に足がつかない感じ。うわのそらでとにかく打ち合わせを終えて、朦朧と帰ってきたときには疲労困憊でした。遠方から叔父さんがきてたのに、真っ昼間なのに人前で倒れるように爆睡したらしく(覚えてない)。でもそのときは緊張と夏ばてのせいであろうと思い、週に2回、午後2〜4時の時間帯で通いはじめたのです。行ってみればおばさんも娘さんも明るいし気も合う。勉強内容はなんと中2の英語のみ。勉強嫌いですぐ話を脱線させるのが難でしたが、無駄話も楽しい、音楽と漫画とゲームが好きな女の子。おやつも山ほどもらえます。

休憩時は勉強机ではなくて小さいテーブルでおやつをいただくのですが、私はクーラーを背中にして座布団に座ります。だから見えてはいないけれど、クーラーから水が滴っている、その水がどんどん広がって座布団が濡れそうになる、そんな映像が「見える」。でも振り向いても実際には何もない。そんなことが続いたある日、生徒のIちゃんが私の両手首にじゃらじゃら巻いたシルバーアクセを指さして、先生は霊感がある人ですか?と聞いてきました。ただのファッションやんと答える私に、知り合いでそういう人がいて、感受性を下げるために手首に数珠やバングルを巻いていて、その人も同じ仕草でクーラーを気にしていた。この家は水回りがおかしいんです、と真顔でIちゃんはいいました。

「水回りがおかしい」の意味がよくわからなかった私はそのときはそれきりで、ものすごい疲労を感じながらも通い続けて8月の夏真っ盛り。いつものようにIちゃんとおやつを食べていて、ふと話の切れ間、言葉と言葉の間に低い声がするのに気づきました。工場のモーター音なのか、それとも働いている男性かお父さんか、とにかく思春期の女の子が自分の家で唸り声を聞かれたら恥ずかしかろうという配慮のもと、部屋においてあったギターをつまびいてその音を誤魔化すわたくし。するとIちゃんの顔色が変わり、先生、何が聞こえてる?と聞いてきました。男の人の声、というと彼女は、ここの従業員はみんな女やしお父さんは違う仕事で外におるから昼間に男の人はおらんねん、この家おかしいから家庭教師の先生も続けへんねん、と話し出したのでした。

Iちゃんの部屋がある家ではないほうの家、繋がってはいるけれど私が入ったことのないほうの家は10年ほど前は違う人が住んでいて、1階に風呂場で隣家のご主人が溺れて亡くなったと。お隣さんは引っ越してしまって、そのあとにIちゃんのご両親が2軒とも買い取って改築したそうですが、家中の水回りが悪く、1階の風呂場にいたっては気持ち悪くて入れないので親がお札を貼ったりしてるのだといいます。じゃあ何故Iちゃんは平気で暮らせてるのかときくと、なんだかその男の人は自分に悪意はもっていない、むしろ好かれている気がするからスルーできるんだという。
この時点で私はまだIちゃんに作り話で担がれてるか、まあそうでなくても思春期の女の子特有の神秘主義的なアレだろうと思いました。だってよくできた話だけど、全部「気のせい」ですむからね。

さてもうすぐお盆というある日、島根で一人暮らしの幼なじみに会いがてら、地元の仲のいい男女5人で島根旅行をする計画がもちあがりました。島根といえばラフカディオ・ハーン。みんなで怪談をしようぢゃないか!となり、じゃあ私は中学の通学路にあって信憑性も高いIちゃんちの話でもするかと。それで家庭教師の日、休憩中にIちゃんに軽い気持ちで「旅行で怪談やるからこの家の話していい?」と言ったのです。
その瞬間、ドォン!とものすごい力と勢いで両肩に落ちてきた「なにか」。それが皮膚の毛穴から入ってくる、しかもそれは冷たくてしめった「なにか」である、というイメージで、そのイメージだけで立っている私が勉強机に突っ伏して絶句してしまうほど。もちろんなにも見えないしなにも乗っていないのだけど、肩が極限まで凝った状態で息ができず、もう気分がわるくて寒くて仕方ない。これはとにかくこの家から出なくてはだめだ、と授業を30分残して切り上げさせてもらって、震えながら家に帰ると親不在。まだ実家にいた兄が出かける準備中、というところでした。私は家に帰ってなお冷たい「なにか」が肩に乗ったままであることに耐えられず、頼むから今出ていくのはやめてくれ、と兄の腕をつかんでガタガタ震えるしかなく。尋常でない私の様子に兄は家の前にある祖母宅に私をつれていきました。母と祖母が仏壇のまえで盆提灯を組み立てており、それを手伝ううちに肩の上の「なにか」は消えたのですが、旅行でIちゃんちの話はできませんでした。またあんなものが乗るかと思うとイヤすぎた。

それ以来お盆の提灯を組み立てるのは私の役目になりました。なぜかというと、それ以来チャンネルというか、チューニングのような回路が自分のなかにできてしまい、特に夏になると疲れたり障ったりがひどくて体調がおかしくなるから。
まあその後もいろいろとございまして、見えないけれど「あっあのときの感じ」という手触りをたよりに危なげな場所は回避する術を身につけました。なんというのかな、頭に映像のイメージやキーワードがぽんと浮かぶ感じ。いまだに泉の広場は通れない。家庭教師もいくつもかけもちでやりましたが、プライベートスペースというのはパブリックスペースにくらべてすこしくらい異常でも外部にはわからないものなんだと思い知った。異常でもみんなそこで生活している。引っ越し業者、配線業者、エアコンのとりつけ屋さんなんかは日常茶飯事にでくわしてるんじゃないかな。

その後半年以上もIちゃんの家庭教師を続けたのですが、やめるときに初めて隣の家の中をみせてもらいました。隣に繋がる踊り場に入った瞬間、空気がすさまじく冷たくなり、圧迫されて息ができないほど濃密になにかが満ちて、それは隣家の1階の風呂場で最も濃く感じられた。怖いというよりイヤな感じ。お札の貼られた浴室のドアをあけると中はタイルも浴槽も山盛りの塩で雪景色のようで、あらためてここはちょっと違う場所だったんだなと感慨深かったり。

あれから7年、どんどん回路はせまくなって今年は提灯を組み立てることなくお盆を過ごせそうです。
今でも兄はお盆になると、当時仲良くもなく兄に甘えたり頼ったりすることも皆無、なおかつ全く恐がりでない私が、真夏の真っ昼間に青い顔で震えていたことを思い出します。

2007年08月13日(月)



 何かしら愛を感じた

木曜は無限大。ということでライセンスあらためザ・ちゃらんぽらん祭りです。
ちなみに今週のバナナライブ、東京泊だったので翌日朝から先輩Fをホテルに置き去りに新宿ルミネに行ってやりました。品揃えは大阪と同じだし何も買わないつもりだったのに、勢いでザ・ちゃらんぽらんのステッカーを購入。グッズがないのが不憫で不憫で。

閑話休題。
今週は浴衣祭り。恰幅がいいからか、藤原さんがおもいのほか着物体型である。ふだんも着物きてるといいよ。開始4分で下ネタに走ってましたが。対してジャイアンは稚児帯で大宮の不良。

フリートークは里帰り話、ほのぼのと。大波はないけど凪いでてよかった。この年になると「ちょっといい話」寄りで聞いてしまうなあ。てぃしぴーは知人に電話をかけてワードをいわせる話術力。藤原のおかん・まさこと井本の会話がなんだかほほえましかった。だって友達のおばちゃんやもんな。

なんだかもう毎週の行事と化してしまって、すでに他曜日との差異化がはかれていません。私はおもしろいと思うのだけどな。
ということでたぶん9月のエンジョイライブ行きます。
そうそう、このまえ放映してたエンジョイ見たんですけど。漫才やコントのネタものが全部カットされてて驚く。えええええ。なんかそれってちがくないか?
見た分だけでいくと、前半のフリートークは∞のノリで楽しめそうですが、若手芸人ゲストのコーナーがぐっとこないので(あだちけんたろうはよい)、後半は白目になってると思います。

2007年08月10日(金)



 かもめが空をとぶよ

バナナマン単独「Spicy Flower」(2007.8.4.PM7:00-)。
メモとる余裕もなく笑い転げてて記憶のみですが、備忘録として。
盛大にネタばれするのでDVD待望派の方は以下ご注意です。






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1.Uneducated
一輪車/ペットボトル/きぐるみ/花一輪
;アコーディオン再び。日村さん乗れると見せかけてやっぱり乗れない一輪車。立ち直りの速さと力技にわらってしまう。日村さんに水と土と草と花びらが入ったペットボトルをくれた5歳の女の子はななはちゃんですか?

オープニング
welcome!/人民共和国風
;かっこいいぞちくしょう。


2.A Shocking Move
初めてのお引っ越し/引っ越し祭りじゃーい!/すぐ新聞とる奴みせてやるよ/ばばあ人間/問題ねえ/佐々木さん家の墓(触れる)
;前半、too ecxited to sleepの感じ。でも設楽さんのテンションは高くない。安くて広い部屋に越してきた日村さん、初めてのひとりぐらしにテンションあがりまくり。呆れながらもお手伝いの設楽さん、お祝いにお花。そして次々とあらわになる部屋の欠陥、異常(水圧、圏外、ドアの開き、オートロック無効、窓の外が墓、シンク低すぎ、洗面台のすきまに歯ブラシ、だったかな?)。その都度の日村さんのテンションの下がり顔+設楽さんに欠陥を指摘されたくない日村さんの不条理な強がり。殺人現場(推定)に花を手向ける設楽さん。日村さんの力技からバナナマンの世界に引き込んでいくこの感じ。シンプルにおもしろい。客席のあったまり方が半端じゃない。


ブリッジ:旗あげゲーム
落ち着いて・落ち着いて/3,2,1で脛打って/歯をみせないで
;笑った笑った。これまでのブリッジのなかで一番笑った。


3.ギリギリセーフ
○○の母ちゃんの白目は黄色/セルシオで引っ越し/ゲロリンピック・ハゲリンピック・メシリンピック/パソコンのエンターキー/遊ぼうぜ(食パン絵文字)/超越戦士バインザー/ポカリっつったのにアクエリアス
;a little weirdの感じ。赤と青の動物の遊具のある公園。競馬の馬券を間違って買ってきた設楽さん。腹にすえかねた日村さんが設楽さんのちょっとおかしいギリギリセーフなところを指摘していく。が、設楽さん実は自分の馬券は当たっていた。怒った設楽さん、日村さんと絶交してどこかへ。反省する日村さんに設楽さんから許すメール(with食パン絵文字)。ラストはa little weirdと違って救いがあってほほえましい。


ブリッジ:目隠しオムライス前編
目隠しでひとはどこまで日常生活をこなせるか?実験系。例に出しただけなのに「目隠しで煙草」もなぜかやらされてしまう日村さん。普通に炎に触ってた。よこで声を殺して笑う設楽さんが心底楽しげ。調味料がコント並の量で投入されていく。そして包丁の上にのっかる鶏肉がなんであんなにおかしいのか。


4.SKY DIVING
;…これはせりふ全部がキーワードなので…。あのPUNKSの2人です。設楽が黒いツナギになってた。人生観かえるためにスカイダイビングをしにきた2人の馬鹿会話。けんちゃんも再登場。あいちゃん新キャラ。俺の灰ぶっかけてくんねぇ?(男性客大笑い)。いつもみんなで溜まっているのは王将とゆうちゃんの部屋。「俺が死んだら」のせりふにかぶせる勢いでゆうちゃん「びええーん!」(笑)ひーとん?あと「懐かしくもある」globeは卑怯だ。座席で転げ回るほど笑った。
エンディングトークでも言ってましたが設楽さんが見事にせりふ飛ばしました。ずーっとぐるぐる歩きながら同じせりふを呟いていた。でも客席はまったく心配せず、「どうするのかなー(くすくす)」のスタンス。気づいてない人もいたようで。バナナマンは確たる雰囲気と空気ができあがっちゃってるものな。


ブリッジ:5回いうとおもしろい言葉
5時パン6時パン7時パン/ジャイアントジョイアント/ちょっちゅね/モグラ食べたの?/長嶋スパーランド
;ほかにもいっぱい言ってた気がする…。5回とか関係なく2人で笑ってました。日村さんの髪型がのびっぱですごい。


5.赤えんぴつ
でもクォーターってなんだろう?/うちのボーカルが…
;念願の赤えんぴつだったのですが、1曲だけでした…。青春甘ずっぱ系。フリートークの部分が長くて、メインは花言葉の話。あの初期の赤えんぴつの、世界に2人きりで言葉で通じ合えない痛々しさはなく。そんなことばかり考えていたのでセリフを覚えてない。もはや思い出せないような理由で場外乱闘プロレスばりのけんかしてたな。
赤えんぴつは(というかバナナマンは)主におーちゃんの狂気がなりをひそめていって、やっぱりどんどんメジャーコードに明るくなっていって、赤えんぴつの赤えんぴつたる、あの社会の底辺でドロくってる感じがなつかしくないわけじゃない。でも子供できたんだからしょうがないよね。赤えんぴつがうたえばそれはもう赤えんぴつの歌なんだよね。
だからいいんですけど、こっちはまだ若いからたまにはみせてくれよと思う。マイナーコードじゃなくても全然いい、ただなにかこう、刺さるものを。春の傑作選でなに歌うのかな。
あ、あと曲もハモりもよれよれでえらいことになってました。エンディングトークで日村さんが今日のアレンジ好きってフォローしてた。「青い空の下で」みたく入りからやりなおせばよかったのに…(笑)。


ブリッジ:目隠しオムライス後編
;しょっぱくてからいオムライスのできあがり。そこにケチャップで「オサム」と書く日村さん。目隠しのせいで「ム」だけテーブルの上にでろり。でも「俺の名前書いたんだ」と嬉しげな設楽さん。2人で食ってしぬほどしょっぱがってた。でも猛烈にオムライス食べたくなった。今回のブリッジは全部すばらしい。


6.No clue
会見を開きます/GOってことね?/え〜なんで〜?/女ってめんどくさいっすよね/ためぐち/わたしはかなりのカード使いですよ
;SF作家フラワーロック先生(設楽)とその編集者(日村)とその恋人未来ちゃん。設楽さんがボケで日村さんがつっこみで、いつものラストコント人情もの+プチミステリです。何本もの糸を寄り合わせていくような、緻密でばかばかしいバナナマンの一つの顔。このコントの途中からワタクシ幸せのあまり涙腺がゆるんでしまいまして。感極まっちゃってセリフ覚えてないんだよな〜。DVDだと大ラスは一回しか見ないくらいなのに不思議。ちなみにフラワー先生の主成分は青い鳥のミサトさんです。
フラワー先生、締切ギリなのにアディダスのパソコンでAVをみている。テーブルのうえに花。イヤホン装着したままティッシュボックスからティッシュだしてあてがったところに編集者登場(男性客大笑い)。
フラワー先生は恋愛経験のないSF作家なのに次号で純愛ものを書かねばならず、一向に筆が進みません。日村さんは今日で編集をやめるのでなんとかして今日中に書かせたい。さんざん駄々をこねたフラワー先生、ネタ帳から過去の自分の話を出すも行き詰まり、まさに手がかりなし。日村さんに彼女・未来ちゃんから電話があり、未来ちゃんは誕生日なのに忘れられて泣いている。そこから話は展開し(説明が面倒になりました)、未来ちゃんにヒントをえたフラワー先生のお話は骨格ができあがり、日村さんも作家になりたくて書いていたラブレターで彼女となんとかうまくいく。未来ちゃんに会いに行って帰ってくるころには原稿書き終わってるから、3人で桃鉄パーティーやろうよとフラワー先生。もう担当と作家じゃないけど。テーブルの花を1本抜き、オナニーに使ったティッシュで茎をくるんでプレゼント用に渡す(男性客大爆笑)。そしてもう一回うっちゃりでオチ。この安定感よ。


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とりあえず今日はこれまで!

2007年08月07日(火)



 笑顔でさらば!

バナナマンの夏。
「Spicy Flower」土曜夜の部をみてきましたよ。
祭りの後はさびしくて真っ白な灰です。テンションがまったくあがらない。月曜なのにどうしよう。
うろおぼえでレポとまではいかないけれど、全コントの備忘録は明日にでも書こうと思います。

六本木俳優座は初。
入り口にはたくさんのお花がありました。なかにはダウンタウンからのお花が。ものすご嬉しかった。ロビーで大阪弁全開で叫ぶわれわれ、とても迷惑。
開演までやや時間があったのでロビーにて物販を購入。ライターと缶バッチとストラップ。火事の現場をおさえたメモリアルTシャツはもちろんスルーです(エンディングトークで設楽さんが「昼の部で1枚しか売れなかった」っつってた。そらそうや)。

ラーメンズ本公演がハイソにでかい劇場ばかりだったので、入ってまずハコの手頃さに驚く。そして客席の妙な一体感。ラーメンズでは客層の広さに驚きましたが、バナナマンの客は男性が多くて年齢はだいたい20代半ば〜30代半ばの見るからにお笑い好き層でした。よしよし。
座席につき、しおりみたいな桃色のセットリストを見て手がふるえる。
赤えんぴつあったよ母さん!!

最初の印象通り、コント中も客席がすごくよかった。
みんな家でDVD見てるみたいに好きなタイミングで笑う。くすくす突っ込みながら笑う人もいるし、ぎゃははと大声で笑う人もいる。それがまったく不快ではなく、せりふが聞き取りづらくなる感じでもなく。私も舞台に届けとばかりオッサン声で爆笑。2時間あまりの上映が終わったとき、笑いすぎか幸せのあまりか、存分に涙腺ゆるんでました。満足。
全体を通して、今回のライブは新しい試みとか新境地とかではなくて懐かしい感じでした。「good hi」が一番近いかもしれない。そして初期のころからバナナマンにあった後味のわるさ、気味のわるさ、意地の悪さは皆無で、ポジティブなオチがほとんど。なのにキーワードとして「死」が頻出してたのがちょっとひっかかる。うーん?
まあ細かいことは後日。

赤えんぴつCDを買いにロビーに出る流れで、向き合った階段の真っ正面至近距離におぎやはぎおぎ・アンタッチャブル2人・アンガールズ2人がいました。びっくりして凝視。さすが東京、みなさん騒がないんだな(大阪ならひと騒動)。ものすごく通る声で笑ってた兄ちゃんたちはもしやこの芸人軍団か?と思いつつ、赤えんぴつCDがほしくてそれどころではなく。
結句、念願のCDを手にいれました。すごい自主制作な感じの装丁。そばにいたCD購入行列整理のスーツが「赤とんぼのCDはこちら…」と言いやがったので、即座に「赤えんぴつやろ!」とつっこんでしまう。めっちゃ謝られた。サガなので気にしないでください。

帰って赤えんぴつのCD聞いたら、ライブとまったく違う曲調で爆笑した。
春にはまた傑作選ライブをやるそうです。必ず行きます。


2007年08月06日(月)



 大きな川を渡る橋が見える場所を歩く

毎週木曜はザ・ちゃらんぽらんの日。というわけで昨日はまたもや会社を7時前に出たわけですが。
ダイエットで腹減ってるせいか藤原さんの目つき・顔つきが非常にわるい。「あれこの人こんな顔やったっけ?」とGyaoで先週の放送を確認してしまうくらい。投票のくだりは確かにかわいそうでしたが、全体を通してメンタル低下で拗ねたまんま。井本さんもよく駄々をこねられますが、だいたい放映の90分内で他愛なくゴキゲンになられるので問題ないと思う。基本お天気屋さんだから。
このコンビはネタであれフリートークであれ、藤原さんの調子に左右されちゃうな。のび太の機嫌をとるジャイアンは珍しいけどおもしろくはないもの。もちろん笑うところもいいところもあったのですが、フリートークとか寝起き写真のくだりとか。まあこういう週もあるさと。

ついにバナナマンライブ「Spicy Flower」が明日に迫ってまいりました。自分でもちょっとびっくりするくらい楽しみだ。赤えんぴつがないのであれば、「kurukuru bird」のミサトさん流れで設楽さん女装コントがみれるとうれしいです。あの人が演じる女役には愛と体温がある。

今迷っているのは9月同日にあるKKPに行くか元ライセンスのエンジョイライブに行くか。ラーメンズ本公演なら何の迷いもないのですが(エンジョイは毎月やってるので)、バナナマン本公演であっても何の迷いもないのですが、いかんせんコバケンのみ。しかも9月は藤原三十路誕生日という。うーん。とりあえず今日スカパーでエンジョイ放映するらしいので、見てから考えよう。

2007年08月03日(金)



 五番街に住んだ頃は長い髪をしてた

昼下がり、ヤフートピックスに阿久悠の訃報。

私の知ってる昭和がまたひとつ終わったのだなあ。家に帰ったら阿久悠の人間万葉歌を聴こうと思います。

バナナマンライブで赤えんぴつがあるといいな、と心から。



2007年08月01日(水)
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