空を見上げて

腹立ち紛れに舌打ちした日も
届かぬ夢を妬んだ夜も
微かな光を拾い集めた


大きな波に押し戻されても
そびえる壁に途方にくれても
信じる答えを繋ぎ合せた


もう、怖がらないで
誰にも遠慮はいらない


それは
望んでそこへやってきたのだから
その手の中で
誇らしげに輝いているのだから


だから、空を見上げて


この夏いちばんの笑顔で
堂々と空をつかんで
2008年08月31日(日)

ヴィジョン

やがて
宇宙の輪郭は溶け出して混ざり合い
まぶしい光となるでしょう
かつて
ひと粒ひと粒が持っていたもののことは
もう、知る必要もない世界
2008年08月22日(金)

野良猫

誰かが投げ捨てたような雨の朝
多分あれは男の子


時折後ろを振り返りながら
水たまりのひろばを走っていった


あんなにぬれて、
泥だらけで。


哀れむ気持ちはそのまんま
左胸へと戻ってくる


乾ききった室内で、
ただ息をしてるだけなんて。


ブラインドの隙間から
不本意にもかち合ってしまった目は


片まゆを持ち上げて
いたずらに笑ったように見えた
2008年08月06日(水)
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