海へ

互いに背中を向けて
つま先だけを見つめて
尽き果てた季節を探して
ことばだけを選んで


繰り返されるただの営み
味わいつくしたありふれた痛み
ありがとうもさよならも
あぶくのように生まれては消える


願いはたったひとつ
許されるのなら、ただひとつ


果てしないその大きさで
変わらないそのままの姿で
流れ入る川を受け止める海のように
ただ、ただ、そこに


生きていて
2008年05月25日(日)

ボストンバック

苦しいと悲しいはひとりじめ
愛しているよは置いていこう
世界にぽつり、放り出されても
迷わず逃げ出す勇気だけ
忘れずひとつ、つめこんで
2008年05月17日(土)

こがねいろの週末

カメラを片手に
サンダルに足を突っ込み
えいやっと外に出る
ペディキュアは塗りなおした
沈黙の画面はほおっておこう
小さなかけらは
じゅんわりしみ込んで
尖ったかたまりをほぐし始める
それともそれは
少し開けた窓からやってきた
初夏のにおいのせいだったか
スカートのすそが踊る
太陽は青空を味方に
自信満々の笑みを浮かべている
2008年05月05日(月)
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