ドライブ

ワイパーが
不安をぬぐい
雨粒が
未来を覆い
繰り返される
単調な作業は
やがて
ぬぐいきれない
暗闇の中へ


微かに開く
前方の風景は
ほんとうに
わたしの
望んでいるものですか

2006年11月27日(月)

青空







水溜りに映る
まぶしい雲の白
高く仰いだ空いっぱいに
希望を積んで
君の街まで
流れてゆけ









2006年11月26日(日)

真夜中の。


油断する脳を揺さぶる
午前1時の声
溢れ出る熱い思いは
熱弁をふるう君に押されて
NY市場に席を譲る
















2006年11月24日(金)

ユビキリ

一緒に暮らそう
こんな田舎じゃなく
もっとこじゃれた街で
新しい外車を2台
もちろんマニュアルの
駐車場代なんて気にしない
毎日一緒に起きて
毎日一緒に仕事する
そのあとはふたり
気の済むまで
自分勝手にすごしたら
一緒にサプリとお菓子を食べよう
家事なんてしない
日曜大工なんかしなくていい
ずっと一緒に
子供みたいに暮らそう







2006年11月20日(月)

波光

ゆっくりと
なすすべもなく
落ちてゆく
真っ暗な
深い絶望の海へ
息を吸いに
ただ 浮上して
垣間見た
一瞬の太陽は
君の目に
どう映っただろう

2006年11月18日(土)

契約日

人気のない、土曜の役場の裏口で
名前の書かれた用紙が
あっさりと、受理される。
気の弱そうな守衛さんが言う。
「オメデトウゴザイマス。」
裏通りに停められた車中で交わす
ありふれた永遠の誓いともに
この瞬間から契約が成立する。









2006年11月04日(土)

ぼくたちの日々




つけっぱなしのPC
転がったペットボトル


朝焼けか、夕焼けか
カーテンからもれる寂しい光


吸い込まれそうな
12階からの眺め


何度も押したエレベーターのボタン
何度も歩いたコンビニへの道


もしまた逢えるなら


へんな噴水のある公園で
思う存分パンを食べよう


哀しくてスバラシイ人生について
笑いながら一晩中話そう










2006年11月03日(金)
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