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ブラックモンブラン
かえるの鳴き声が鈴虫に替わるころ
私たちはときどき
給水搭の角を曲がってまっすぐの
あの店へ向かった
厳格な父親と出不精な母親と
まだ小さな妹も一緒に歩いた夜
いつもあるわけではない
大人の気まぐれに
子供達は冒険にでも出かけるかのように
わくわくして
少し涼しくなった風と
夏の終わりの夜の匂いを満喫する
なぜかおそくまであいていたあの店は
もちろん今はもうなく
コンビニのバーゲンダッツを
パソコンの前で食べながら
田んぼ沿いのまっすぐな道と
あの時買ってもらった50円アイスのことを
思い出している
2006年08月26日(土)