色なし鉛筆
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私は近頃、ブログで検索をかけています。
「○○○」「○○」「○○○」
ここに入る言葉は、あるひとの職業だとか、今日やったことだとか、そんなことが入ります。私は誰かの日記を探しているのです。
もちろんそのひとがブログを書いている可能性は低いです。いえ、たぶん書いてないでしょう。でも探さずにはいられないのです。もしかしたらあのひとが日記を書いているかもしれない。そうして私のことを書いているかもしれない。
そう思うと、私はあのひとの書いた、あるはずのない日記を探してしまい、何時間も過ごし、酷く疲れて、後悔しながら眠れぬ床に就くのです。
小さい頃は、記念日なんてあまり気にしませんでした。 クリスマスだとか、お正月だとか、誕生日だとか。 そんなのってまるで気にならなかった。そういうのを気にすることが、かえって子どもっぽいと感じていたのでしょう。子どもは子どもであるほどに、子どもっぽく見られることを嫌います。もしかしたら「子どもっぽさ」を演じられるひとほど、人気のある子どもなのかもしれませんけど。 じゃあそういう子どもが大人になると、さぞかし大人っぽい人間になるだろう、と思いきや、案外そうはなりませんでした。 わたしはいま、記念日というものをたいそう気にする人間になってしまいました。 今日は七夕です。 普段会えないふたりが、一日会える日です。 しかし、わたしはやっぱり、オトナコドモです。わたしが考えるのは、一年ぶりに出会えたふたりの笑顔ではありません。一年ぶりに会っている牽牛と織姫の隣に住んでいたであろう、ひとりぼっちの人間です。 今日は、七夕なんです。
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