ハナコ。


世知辛い世の中だぜ。
同性愛とか両性愛だとか、
ただひたすら異性愛の道を突き進む第三者から見れば、
あたしらの関係は紛れもない同性愛だ。
たとえアキオが、平らな男の胸を持っていても、
世の中は彼を女と決め付ける。

アキオの心は完全な男で、あたしは女。

内面同士で恋愛したら何の障害もないっていうのに、
所詮、世の中は戸籍ですべてが決定されるのだ。
世知辛い世の中だぜ。

でも実際。
あたしの周りには、想像以上に敵だらけだった。


先日、ふとした事からあたしがバイセクシャルだと知った母と弟。
そりゃ身内にバイセクシャルがいたら動揺するのも無理はない。
というか、異性愛者からすれば、両性愛も同性愛と何ら変わりがないのかもしれない。

けれど、娘にむかって
『キモい!!』
とはヒドいです。

姉にむかって
『死ね!!』
とはヒドいです。

家庭内村八分とでもいいましょうか。
世間だけじゃなく、
あたしは家庭内で痛い目にあっています(笑)

そんな痛い目にあっても、あたしは生きます。生きていきます。

あたしより、アキオの方がずっと痛い目にあっているんだから。

あたしより、アキオの方がずっと傷ついて生きてんだから。
2006年11月23日(木)

未来予想図
同僚のチエ(23才、OL、エビちゃん似)と、最近妙に現実めいた話をする。
チエは23才で、あたしは22才。
まだあたしも彼女も若いっていうのに。

今日だってチエは、
「あと7年もしたらあたしら30だよ。」と、
ブルブル震えながら現実的な話を持ちかけてきた。

7年後、あたしはまだ29だけど、
彼女はもう30才。

その時にあたしはどうなってるんだろうか。
それを考えると、超怖い。

けれど、ホントに怖がってたらこの先やってけないから、
あたしは面白半分で、まだハタチのイワタ(男、亀梨似)に、
チエと同じことを愚痴ってやった。

そしたら、イワタの奴は、
「多分死んでるっすね」
と大マジメな顔をして返された。

イワタのその返答は、内容のわりには全然現実味を帯びていなかった。

それなのに。
「結婚」だとか「オツボネ」だとか「行き遅れ」だとか、
あたしらが話す7年後の予想は、現実すぎて怖くって。

女から見る結婚とは、「ゴール」だとか「勝利」だとか、
そんなやたらスポコンが似合う言葉がイメージできて。

それをあたしはアキオに話して。

アキオは。

「んなこと考えたら切りがないがん。7年後だろうが10年後だろうが、そんなんあっという間に過ぎていくけど、なるがままに生きてきゃええんだが。10年前だって今こーやって生きとることなんか何もわからんがん。んだで先のこと考えたってわからんの。考えんでいいの。適当に生きてればそれなりに生きてるの」

と、名古屋弁炸裂に語ってくれた。

あたまの弱いあたしは、漠然としか内容を捉えることができなかったけど、
ただ単に「運命には逆らえん」ということを語ってくれたんだと思う。


そりゃそうだ。
あたしが12の時、今こんな風に生きてること、全然想像できなかったもん。

10年後。
32才。

先の未来で、あたしはしっかりとやってるかな。
2006年11月22日(水)

幸せになれないから。
昨日はいつもの休日で、
もう本当に、一種の習慣のように、
アキオが来た。

まともに暖房器具もないあたしの部屋で、
ただ何をすることもなく、2人でボーッとした。

ピザを食べた。
あたしのオゴリだ。
ガソリンを入れたら、見事に財布の中が空になったそうだ。

途中、ホットカーペットの電気をつけて、
そのうえに毛布を被せて、
コタツみたいにして2人で入った。

ざぁざぁと、耳障りな壊れたテレビ。

本当にただ、何をすることもなく、
2人で毛布に包まった。


ただそこで、
そこでどちらかが発情することもなく、
静かな静かな部屋の中で、
とりとめもない会話をした。


それでもいいと、あたしは思った。
このまま時が止まってしまえばいいのにと、あたしは思った。

たぶん、あたしたちは幸せになれないから。
2006年11月21日(火)

運命、らしいです(アキオ談)
アキオ(22才、現恋人、フィリピン顔)は、あたしのことを何も覚えていなかった。
現に、あたしとアキオは、14年前に出会ってるというのに。

あたしとアキオは、小学校での同級生だ。
アキオは小5で転校したけど。
同じクラスで、しかもあたしの誕生日会のため我が家に来たこともある。
その証拠に、母が撮った誕生日会の写真に、あの頃のアキオがしっかりと写ってる。

なのに、久々に再会したアキオは、あたしのことを何も覚えていなかった。
微塵も。

でも、あたしは覚えていた。
なんとなく、記憶の片隅にアキオの存在がまだ残っていて。

再会した時、少し面白くなかった。
あたしは、あんたのことを覚えてるのに。


携帯の、出会い系サイトで私とアキオは出会った。
そりゃ最初の出会いは、小学校だけど。
出会い系サイトと言っても、男女が出会う出会い系ではない。
同性愛者や、それと同じ匂いがする世界の、出会い系サイトだ。
じゃないと、この世界の人たちは恋人が作れない。

そこでアキオが書き込んだ、「真剣に出会い探してます」という書き込み。
私は迷わずメールを送って。
ありえないスピードで、リアルに出会った。

だって、
同い年で同じ小学校という二つの共通点がメールの時点で発覚して、
会わない訳にはいかないでしょ。

あわわ。
待ち合わせ場所に設定した小学校の校門で、携帯を握りしめ待っていたあのドキドキ感。
今でもしっかりと覚えてる。ていうか思い出した。

アキオはこの再会を、「運命」だと簡単に片付けてしまうけど。
あたしは、運命なんて信じないから、そんな簡単に片付けられない。

もしもあなたとあたしが結婚できたら、「運命」ということにしてあげよう。





その前に、性転換&戸籍変更………。
2006年11月19日(日)

一応、自己紹介を…。
昨日、日記を書いてしまったけれど、
なんだか一応自分のことを書こうかなと思いました。
誰も見てないけど、いきなりなんぞや、という感じなので。


【名前】ハナコ
【住居】名古屋
【性別】おんな?
【年齢】22

【仕事】フリーター(今は広告系のバイトしてます。ええ。)
【家族】祖父母、母、弟、本人+父(単身赴任中)+愛犬
【恋人】有。

生まれたのは今から約22年前のこと。
気がつけばもう22です。

初めてセックスをしたのは、確か15の春で。
よくわからないうちに、初体験を終了させてしまいました。

それ以来、なんだか男が苦手で(汗)

15の時から22現在まで、男の恋人は少なかれいたけれど、
どうもそういう、性的なことには興味がないようです。

そして今付き合ってる恋人さまは、男になりたい元・女の子。
乳切除済みの、同い年です。

だからと言って、
あたしがレズビアンだとしたら、ちょっと違う。
どっちかというと、バイセクシュアルだ。

吐き気がするくらい、男が嫌いってわけでもないし。
女しか愛せないってわけじゃない。

その中途半端な性的趣向の象徴が、
今の恋人さまなのかもしれない。
2006年11月18日(土)

グレーはダメなんですか?
一体いつのことだったかわすれたけど、確か高校生の時。
もっと正確に言うと、ドラマ「金八先生」に、まだ売れる前の上戸彩が出ていた頃。

その時、確か上戸彩は、「男になりたい女の子」の役を演じていて。
その時、あたしは生まれて初めて「性同一性障害」という言葉を知った。

たいしてドラマの内容なんて覚えてないけれど、
確か上戸綾は

「どうして黒と白しかいけないんですか。グレーがあったっていいと思います」

なんて、眉間に皺よせて吠えてた記憶がある。

確かに、どうしてグレーじゃダメなのか。
どうして世間は、男と女の2種類に性別を絞ってしまうのか。
どうして中途半端な人間は許されないんだろうか。
色々なことを考えさせられた。


そして今、あたしは、元女の彼氏と付き合ってます。
そんなあたしも、バイセクシュアル。
2006年11月17日(金)

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