カゼノトオリミチ
もくじ過去未来


2014年02月27日(木) 離れてみる




ねえ

いいえ 訊ねないで

すうっと 遠くに

ココロ 滑らせ

ひたすら てしごと



ココロ からっぽ

自分と 離れる 離れてみる

空から 見てみる



チクチク 針

カサカサ 毛糸 たぐる

カタカタ ミシン



ひたすら 手を動かそう

針の穴に 集中

頭は からっぽ

クウの世界へ



へたくそな てしごと

時が不格好に

カタチになり とどまる






2014年02月22日(土) はるさきのねこ


ゆうべも旅をした

知らない街 知らない路地

行き止まり 草の道


アスファルトが ほんのり

暖かかった

枯れた老木が 並び

根元には ハコベが

咲いていたような

気がする


スズメの影がよぎり

帰り道 失くして

さまよった なのに

ちっとも

不安じゃなかった


もしかして

夢の中の

ワタシ 

春先の猫 だったのかも

見知らぬ青空の 下で










2014年02月16日(日) ずっと




雪が降り

また 太陽が出て

冷たい氷の上をわたる

あわい春の風

黒いまるい瞳は もう

痛いほど広がる 青い空を

見ることは ない



見開いたガラス玉

大丈夫

大丈夫

ただ 抱きしめる

ここにいるから

本当の 春が来るまで

ずっと

一緒だよ



水仙の 香りを 嗅ごうね



いなくなっても

ココロは

ずっと ずっと

一緒だよ





2014年02月03日(月) いちご





節分の日に 春が来たよ

まちがって 暖か過ぎて

ピーイピーイ トリたちも

にゃーおおん 老猫氏たちも

びっくり だね



いきなりのお客さま

ハルはウレシイ でもキライ

ハルはどこかが ドキドキするよ

いてもたっても いられない



どうしていいか わからなくて

真っ赤ないちごを買ってみた

買ってはみたけど

冷蔵庫の 奥の奥にしまったよ



準備が出来てない

お祝いしなくちゃ

気持ちだけ

焦って とうとう 泣きたくなるよ



春の初めは いつもそう

ふいに訪れる 最愛の人のよう

いちごの香りが

ツラすぎる







natu